魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜   作:D-5

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第4話

「遅いな…………時間間違えたか?」

 

 休日の二日目、俺は事前に決めていた待ち合わせ場所の駅前でかれこれ1時間も待ちぼうけしていた。

 

「間違ってないよな…………全員遅刻か」

 

「あら、早いわねんヴェントちゃん」

 

「遅いじゃねぇかジョニー、遅刻だぞ」

 

 ようやく一人目がやってきた。

 

「え?何言ってるのよ、待ち合わせの時間変更になったじゃないのん?」

 

「は?そんなの知らんぞ」

 

 聞いてもいなし。どういうことだ?

 

「あら?おかしいわね、カカオちゃんが連絡するってことになってたはずなんだけど…………」

 

 ああ、あの馬鹿のせいか……………!

 

「やっほーーー!俺様参j…………」

 

 走ってきた奴に俺は思いっきりラリアットを喰らわせた。もちろん手加減なしだ。

 

「ゲフッ!?な、何をするんだ…………ヴェント」

 

「何じゃねぇよ馬鹿が、貴様、俺に時間変更の連絡はどうした」

 

「………………………………あ」

 

 忘れてやがったなコイツ。

 

「あ、あはは、ドンマ、ってm目がぁーーーーーーーーー!?」

 

 俺の目潰しを受けた馬鹿はそのまま地面に倒れこみのた打ち回った。

 

「後はギンガちゃんだけね」

 

「そうだな」

 

「目が…見えん…………ど、どこだヴェント」

 

 無視だ無視、しばらくそのままでいろ。

 

「あ、来たようねん」

 

「そうみたいだな…って、ん?」

 

 駅のホームから見慣れたリボンの女の子が見えた、ギンガだ。だがその隣には小さな影が。

 

「って誰かしら、あの子?」

 

「……妹じゃないか」

 

「そうね、確かに似ているわん」

 

 ショートカットの小さな女の子、あれはクイントさんのもう一人の娘、葬式の時に見た泣いていたあの子だ。

 

「ごめんなさい、遅れちゃった?」

 

「いいや、大丈夫だ」

 

「ええ、時間ピッタリよ。それに女の子は準備に時間がかかるからね」

 

「そう、よかった……あれ?カカオ君は何をしてるの?」

 

「さあな、自分の存在意義について悩んでいるんじゃないか?それよりもその子は?」

 

 馬鹿のことだからギンガも深くは気にしない。

 俺たちが目線を下に向けると、女の子はギンガの後ろに隠れてしまった。ジョニーが怖いのか?

 

「あ、うん私の妹で、どうしても着いてくって……ほら、スバル。挨拶しなさい」

 

「う、うん………」

 

 ギンガが背中を押して前に出させた。この子もクイントさんに似ている………やっぱりクイントさんに似ているな。

 

「す、スバル・ナカジマです。よろしくお願いします……」

 

「こら、スバル!もう……」

 

 挨拶をした後、すぐにギンガの背後に隠れてしまった、人見知りのようだな。

 

「はい初めまして、私はジョニー・クラウンよ。ジョニーって呼んで頂戴、スバルちゃん」

 

 ジョニーは目線をスバルちゃんに合わせるのだが元が不気味なせいか前へ出ようともしない。

 

「こ、こら、スバル!失礼でしょう」

 

「うう~~」

 

 あらら、完全に怯えちゃってるよこの子。どうするジョニー。てか、ジョニーの姓ってクラウンだったのか初めて知ったぞ。

 

「あらあら、驚かしちゃったわね……とりあえずコレどうぞ」

 

「あ、アメだ!」

 

 ジョニーはポケットの中からアメ玉を取り出してスバルちゃんにあげた。アメに釣られてスバルちゃんもギンガの後ろから出てきてアメを受け取った。餌付けだなコレ。

 しかしスバルちゃん、お菓子が好きなのかもしれないけど怪しい奴にお菓子をもらって心を許しちゃだめだろうが世間には年端もいかない子供に性的な目を向ける輩が沢山いるんだから。

 俺も昔ルーテシアと散歩しに行ったときハァハァ言ってる変な奴に追い回されたことがあるんだから。あの時はパトロール中だったクイントさんとゼストさんのおかげで助かった。それも懐かしい記憶だな………。ってナーバスに何なってるんだよ俺は。

 

「はい、よろしくね♪」

 

「うん♪」

 

 まあ、ジョニーだから大丈夫か。次は俺か………。

 

「初めましてスバルちゃん。俺はヴェント・カグラ、よろしくな」

 

 ジョニーがやったように目線を合わせて手を前に差し出す。でも、スバルちゃんは……。

 

「じーーーーー」

 

「な、何かな?」

 

「じーーーーーーー」

 

 も、もしかしてこの子、俺のこと覚えているのか?

 

「あ、ギン姉と一緒に写ってた人だ!」

 

「ん?」

 

「ちょ、す、スバル!」

 

 写ってた?どういうことだ?

 

「あらん、どういうことスバルちゃん?」

 

「えっとね、前、ギン姉からのメールの写真にね、一緒に写ってたの」

 

「へぇ~、そうなの」

 

 写真って……ああ、確か正式にペアを組んだ時に撮ったけな。ギンガの奴、お前アレを送ったのかよ。でも、ジョニーなんでお前ニヤついてるんだよ、はっきり言って気持ち悪いぞ。あ、元からか。

 

「べ、別に深い意味は無いからね!た、ただ写りの良かった写真が偶然ヴェント君と一緒に撮った奴で………」

 

「ふぅ~ん……まあ、そういうことにしてあげましょうか(ニヤニヤ)」

 

「じょ、ジョニー君!」

 

「?」

 

 何の話をしているんだこいつらは………。

 

「そ、それよりも早く行きましょう!時間は有限なんだから」

 

「ん?そうだな」

 

「そうよねん、行きましょうか」

 

「ああ、じゃあまず俺の行き着けのショップに行くか。ここから近いしな」

 

「じゃあ、そうしましょ。お願いねヴェントちゃん」

 

「ああ」

 

 あそこだったら品揃えもいいしもしかしたら掘り出し物がありそうだしな。ジョニーに合う部品も見つかるだろ。

 

「こっちだ」

 

「ええ、さあ行くわよスバル」

 

「うん!」

 

「さあ、気合入れていくわよゴルァ!」

 

 ジョニー、いきなり野太い声に変えるなよな………。

 

「ま、待ってくれ皆………目が、目が見えないんだ」

 

 あ、馬鹿のことすっかり忘れてた。

 

 

 ◇

 

 

「むぅ………」

 

「すまんな、坊主の言った部品は今は扱ってないな」

 

「そうですか」

 

 ここにも無いか………。

 

「ここも駄目みたいね」

 

「ええ、もう製造してないのかしら」

 

 そんなこと無いはずなんだけどな………ジョニーのデバイスの部品を求めていろんな店に入ったのだが最後の一つがどうしても見つからない。

 

「まだなのかよ、もう飽きちまったぜ」

 

「たくっ……」

 

「カカオ君そんなこと言わないの、今日はジョニー君の為に来たんだから」

 

「でもよ、コレだけ店を回ったのに見つからないならもう無いんじゃなねぇのか?」

 

 その可能性もあるな。

 型はそんな古くないがマイナーなパーツだし会社の規模も小さいしな、もう市場に出回ってないのかもしれないな。

 

「そうよね……ねぇヴェントちゃん、代用できるパーツは無いの?」

 

「あるにはあるが………高いぞ」

 

「どの位?」

 

「こんくらい」

 

 取り出した電卓に金額を打ち込み見せてやるとジョニーは固まる。まあ妥当な反応だ。

 

「マジで……」

 

「マジだ」

 

 実を言うと探しているパーツこそが代用パーツなんだよな。ジョニーが求める仕様にするために必要なパーツは高級すぎるから、懐事情を考えて探しているんだよ。。

 

「それは無理ね……予算的に」

 

「だろ」

 

 俺たちはまだ正式な局員じゃないから給料は少ないからな、なるべく少ない出費でやらないといけない。

 

「そ、そんなに凄い値段なの?」

 

「新品のデバイスを買ったほうがマシって値段だ」

 

「うわぁ…」

 

 後一つなんだけどな……。

 

「ギン姉、お腹空いた~」

 

「え?あ、もうこんな時間……」

 

 スバルちゃんのお腹が可愛くグゥと鳴るのが聞こえる、そこで恥ずかしがらない所はクイントさんそっくりだな。

 

「とりあえず一旦中止して飯にするか、それでいいかジョニー?」

 

 俺も腹減ってきたしちょうどいいか。

 

「いいわよん、私もお腹ペコペコ」

 

「俺もだ!」

 

 お前の意見は聞いていない。

 

「じゃあ行くか」

 

 さて、食い放題の店を探すか。じゃなきゃこの姉妹は………………。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「おかわり!」

 

「私も」

 

「「「は、ははは…………」」」

 

 山のように詰まれた料理を平らげまた料理を取りに行ったナカジマ姉妹。ど、どんだけ食うんだよ…………いや、クイントさんもそうだった、ギンガともよく行動することになってから分かったことだ。

 驚くことでもないんだが流石に姉妹そろっての食いっぷりを見るとさすがにな………どうなってるんだナカジマ家?

 

「ヴぇ、ヴェントちゃん、会計大丈夫?」

 

「大丈夫だ、そのために食い放題の店を探したんだ、問題ない」

 

「ギンガちゃんは知ってたけど、スバルちゃんまで食うとは思わなかったぜ」

 

 料理を取りに行った二人に聞こえないように小声で話す。男三人。

 

「でも、さすがにヤバくないかしら、店員さんの目が怖いんだけど」

 

「気にするな、それに限界まできたら店員が止めに来るだろう」

 

「でも、なんであんなに食えるんだ?俺も結構食う方だけどあそこまでは食えねぇぞ………」

 

「ていうかあれだけ食べても太らないって羨ましいわ………」

 

 知るか、ナカジマ家の胃袋には虚数空間でもあるんじゃねぇか、最低限のカロリーだけ吸収してエネルギーに変えてたりしてんじゃねぇの、よく分からんが。

 

「ただいまー!」

 

「ただいま。って、三人はもういいの?食べ足りてないんじゃないの?」

 

「「「気にしなくていい(わよ)」」」

 

「? そう」

 

 そういい皿に高く盛られた料理を食べ始めるギンガ、見てるだけで腹いっぱいになるつーの。スバルちゃんとギンガの皿の料理はみるみるうちに減っていき………。

 

「ふぅ、ご馳走様!」

 

「私も」

 

 ようやく終わったか……後ろにいた店員も安堵の息を吐いているな。んじゃ会計に……。

 

「じゃあ、デザート!」

 

「そうねスバル、アイスがあったから行きましょう♪」

 

「「「「え?」」」」

 

 まだいけるのか!?思わず声が合っちまったじゃねぇか、店員も。

 

「わーい、アイスだぁー♪」

 

 こいつらは化け物か…………。

 

 

 ◇

 

 

「俺、初めてだぞ。食い放題の店で帰ってくださいって言われたの」

 

「だ、だからもう言わないでよ!恥ずかしいんだから………」

 

「それはこっちの台詞だ」

 

 あの後すぐに俺たちの席に店長が従業員数人を引き連れて頭を下げられた。このままじゃ店が潰れるから帰ってくれと言われ、店長らしき人は泣きながら土下座しようとしてたぞ。

 おかげで食っていない俺たちも公衆面前の前で大恥を掻く羽目になった。

 

「そ、それは謝るけど………」

 

「はぁ……まあこれでお前はあの店のブラックリストに載ったわけだ、もう行けないな」

 

「う、うそっ!?そんな~あのお店の料理美味しかったからまた来ようと思ってたのに……」

 

「諦めろ、あっちも商売なんだ。お前とスバルちゃんがしょっちゅう来たらマジで閉店に追い込まれるぞ」

 

 店長自らが頭を下げたんだからな、相当凄かったんだろう、金額的に。

 

「まあ、次から気をつけて………」

 

「はぁ~これで三件目か」

 

「何度もやってるのかよ!」

 

「あいたぁっ!?」

 

 常習犯かコイツは、てか学習しろよ!思わずデコピンしちまったよ。

 

「だって食べ放題って書いてあるから………」

 

「それにしても限度ってものがあるだろ……たく」

 

 こいつそのうち街全体の店のブラックリストに載るんじゃないのか心配になってきたぜ。

 

「あら、ねぇヴェントちゃん。あそこのお店ってデバイスのお店じゃないの?」

 

「なんだって」

 

 大通りから外れた小道の奥のほうに小さな看板が見えた、そこにはちゃんとデバイスのショップと書かれていた。

 

「本当だな、こんなところにあったなんて知らなかった」

 

「でも、あんなボロイところにねぇんじゃねぇのか?」

 

「まあ行ってみましょうよ、もしかしたらあるかもしれないし」

 

「そうだな、行ってみるか」

 

 案外掘り出し物があるかもしれないしな。騙されたと思っていってみるか。

 

 

~三分後~

 

 

「毎度あり~」

 

「まさか本当にあるとは思わなかった」

 

「私も………」

 

「あるところにはあるのね」

 

 ジョニーの手にはパーツの入った紙袋が握られていた。偶然入った店にあったのだ、目的の品が。

 

「しかもまだ大量に在庫あったぞ……」

 

「いっぱい~♪」

 

 コレまで行った店はなんだったんだ…しかもあの店かなり安かったぞ。今まで買ってきたパーツもあったし。隠れた名店ってこういうところのなんだろうな。

 

「でも、これで全部揃ったな」

 

「よかったわねジョニー君」

 

「ええ、コレで私専用のデバイスが作れるわん!」

 

「時間も余ったな、どうする?」

 

 俺はこのまま解散でもいいがどうせ……。

 

「じゃあ、このまま遊びに行きましょう!」

 

「賛成だ!」

 

「さんせー!」

 

 遊びにか……まあ偶にはそれもいいか。

 

「ギンガは?」

 

「私も賛成、洋服とかも見たいし」

 

「そうか、じゃあ、どこから行く……っえ?」

 

 景色が変わった……色は灰色になる。賑わっていた通りは突然のことでざわめき出す……これはまさか……。

 

「こ、これって広域結界!?」

 

「な、なんでこんなものが……」

 

「どうなってるんだよ……」

 

 突然の結界に戸惑う俺たち、こんな街中で結界が展開されるなんて異常なことだぞ、あったとしても事前に管理局が退避させる。だとしたら考えられることは………!

 

「お前等、近くの詰め所まで急ぐぞ……!」

 

「わ、わかったわ」

 

「緊急時には現場の局員の指示に従え、ね」

 

「よくわからんがわかった!」

 

 こんな真っ昼間の、しかも街のど真ん中で広域結界、なんざヤバいことが起こるに決まっているだろ。

 

「急ぐz……」

 

 動こうとしたその時だった。

 近くにあった店舗が5棟一気に爆発し吹き飛んだ。

 そこからは茶色の光、魔力光が迸る。火が上がる建物、人の呻き声も聞こえてくる。

 まさか……ミッドチルダのど真ん中でテロ活動かよ……!

 

「げへへ。Glaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

 立ち上がる火を掻き分け出てきた中年の男、目の焦点は合ってなく口からは涎が垂れている。男はその目をこちらに向け獣のように叫んだ。

 

 

 

 そして俺たちの休日は地獄へと変貌したのだった。

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