仮面ライダーギーツ外伝 一歩IF:片脚の男   作:みなかみ

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邂逅?編
1話 邂逅Ⅲ?:狂った世界


 

「人が幸せになろうとする権利を奪う資格なんて、誰にもない!」

 日向で生きてきた人間と、俺は違う。

「まだ、終わりじゃないっ!」

 なんでだ、なんでなんだよ。俺だって、努力してきたんだ。バスケ一筋で生きてきて、死ぬ気でレギュラー勝ち取って。これからだったのに。なんで、こんな、生まれてきてからラッキーな奴らに、説教受けなきゃいけないんだ。どうせ、そのブーストもお人好し狸から借りたやつなんだろ。結局、お前が今使ってる力も、与えられた物でしかないんだ。お前が、自分の力で成し遂げた事なんて────

(奏斗、お前もう少し周りを見ろよ)

 不意に、昔の事を思い出した。これが走馬灯ってやつか。確かに、あいつの言った通りだったのかもな。事故の日、俺はボールしか見てなかった。そのせいで車に轢かれた。今回だって、俺は銃のスコープばかり覗いてたから、後ろから来たジャマトに気付かなかった。あのときも、あいつの事を見てやれてたら────

『BOOST TIME!BOOST HUMMER GRAND VICTORY!』

 あの金持ち─────鞍馬祢音がジャマトを一掃していく。ああやって、前を向いてるやつが進んでくのか。俺はどこで、間違ったんだろうな。俺と鞍馬祢音は根本的に同じなんだ。現状を変えたくて、自分と違う物を持ってる奴らが羨ましくて。だけど、俺と鞍馬祢音を隔てる絶対的な壁があった。それは逆境にのまれたとき、諦めたか、諦めなかったか。

「ミッションコンプリートです!」

 ゾンビサバイバルゲームが終わった。終了の宣言と共に、全身から痛みが引いていく。まさか、ゲームをクリアしたら、異常状態は解除される?そんなの、ルールに書いて─────いや、書いてあったのかもしれない。お決まりの視野の狭さ。それがまた俺の敗因になった。

「はぁ〜みんな無事で良かった!」

 桜井景和は朗らかに伸びをする。だが、俺の心は全然晴れやかじゃなかった。恐らく、俺はポイント不足で脱落する。度重なる他プレイヤーへの妨害による減点、終盤には鞍馬祢音が大量にジャマトを倒した。逆転されたのは、結果を見なくてもわかる。

『PLAYERS RANKING』

 一位、浮世英寿。二位、吾妻道長。この二人は前大会参加者と聞いている。ここまでは順当だ。三位、桜井景和。四位、小金屋森魚。人命救助でポイントを稼いでいた二人だ。まぁメリーの心理は透けて見えるが。そして、運命の瞬間が来る。俺は今吸い込んだ息が最後のものと覚悟し、結果を見た。

 

 五位、墨田奏斗。六位、鞍馬祢音。

 

 鞍馬祢音歓迎ムードになっていた空気が一瞬で崩れた。結果が信じられなかったのは俺も同じだった。

「あ、あはは。ごめんね。景和、英寿様。負けちゃった─────」

『RETIRE』 

 運営のツムリが告げた、仮面ライダー失格の発言。脱落と失格はどう違うのか。そんなことを考えられたのは、ゲームが終わって三日後だった。どういうわけか俺は、一命をとりとめた。ここで俺が生き残ってしまったのは、デザイアグランプリにとって良かったのか、それはわからない。だが少なくとも、参加者にとって俺の生存は望んていたものではなかったようだ。当然の話だが。その日は、誰よりも視線が痛かった。

 こんなゲーム、もうやめたかった。

 

            DGPルール

 

   ゲームから脱落した者は、仮面ライダー失格となる。

 

        そして、脱落した者は─────

 

 




次回:仮面ライダーギーツ外伝

「どうせ俺等は敵同士だ」

「新たなジャマトが現れました」

─ふたり一組で、挑むゲーム!─

「二人一組のチーム戦ってわけか」

「このゲームには秘密があるようだ」

「助け合う仲間同士じゃなきゃダメなんだよ」

2話 邂逅Ⅳ?:最悪のデュオ
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