仮面ライダーギーツ外伝 一歩IF:片脚の男   作:みなかみ

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36話 激情F:ライダー全滅

 

 別に、バスケが好きだったわけじゃない。ただ、最初は親に無理やりクラブに入れられただけで。特に辞める理由も無かったから、ただ惰性で続けていた。

 だから、高校一年生の春に、俺は目を焼かれたように感じた。

 そいつは、誰よりもバスケが好きで、夢を信じてて、未来に希望を持っている。俺はそいつの純粋な、バスケでインターハイに行きたいという願いを、輝いて、敵わないと感じた。だから、願いの無い俺が、あいつの背中を押したかったんだ。なのに。

 いつから変わってしまったのだろう。あいつへの憧れが、うざったいという感情になってしまったのは、いつなのだろう。

「やめろ!」「やめて!」

 俺は血眼になって、あいつへと手を伸ばすが、天使の怪物が立ちはだかって通してくれない。ウツボカズラの怪物が、あいつを空へと続く穴へと向ける。

 事故のせいで、いや違う。俺があいつを部活から追い出したせいで、あいつは仮面ライダーになっていた。そこでもあいつは、皆を守りたいという、輝く願いを抱いていた。あいつは願いを見つける天才なのに、自分のためじゃなくて皆を守るために戦っていたのに、その結末がこれなんて、ありえない。

 願いの無い俺が生き残って、あいつが死ぬなんて間違っている。

 でも、俺は非力で、天使の怪物に押し倒され、円の中に転ばされた。

 俺の足元に、あいつのポケットから落ちた、二つの玉のような物が転がってくる。紺色と緑色のそれは、どちらもヒビが入っていて、壊れているようだった。壊れていても持っているなんて、相当大事なものだろう。俺は緑色の、鳥の顔の様な絵柄をしたそれに触れた。

 瞬間、俺の頭に記憶が流れ始めた。

 

(あら、迷惑だったかしら)

 

(あぁ迷惑だよ大迷惑!いいからあっち行ってくれ!)

 

(ちょっ、やめましょうよ先輩〜!)

 

(いいから練習、やるぞー!城玖!)

 

 最初に思い出したのは、楽し気な四人の会話。確か、奏斗と朋希が、バレー部に絡まれて…俺は遅れてきて……”玲が”仲裁してくれてたんだっけ。なんだ、よ、この記憶……おれは…そうだ、玲の幼馴染で、ちゃんと、奏斗と、仲良しで……

「あ、あぁ……ああああああああああ!!!!」

 俺は両手で頭を鷲づかみにして、地面に向かって叫んだ。緑色のアイテムが、地面でカラカラと音を上げる。玲が…消えて…奏斗が事故に遭って……俺、支えなきゃいけなかったのに、全部、忘れて。あいつのこと裏切って……ひどいこと沢山言って、して……!

 なんだよ、それ、今奏斗が死にそうなの……全部、俺の……!

「やめろ……やめてくれえっ!殺さないでくれ!頼む!」

 俺は死に物狂いで円から出ようとするが、天使の怪物にまた殴られて地面に伏させられた。

 そして、顔を上げた次の瞬間には、奏斗はいなかった。

「あ…………」

 あいつが死んだの…全部俺のせいだ。

 

             *

 

 ジャマトグランプリ最終戦、天国と地獄ゲーム。空飛ぶ町から落ちたら脱落するゲームの中、創世の女神と一般人の救助をめぐって、三人の仮面ライダーが対立。奏斗が単身一般人を助けるために戦いへ赴く中で、自分の存在自体が世界に不幸を与えている事実に打ちひしがれる英寿。そして、家族の幸せを理不尽に奪われ、激怒する景和の取っ組み合いが起きていた。

「…皆が何したって言うんだ……小さい子供だっているんだ……罪のない人をゲームに巻き込んで、沢山を犠牲にして……そこまでして母親に会いたかったのか⁉」

 景和がどれだけ問いかけても、英寿は答えることができなかった。自分の歩みそのものが、世界の平和を脅かしてきた真実。それをすぐに受け入れられる筈もなく、ただ景和の怒りを全身で受け止めることしかできない。

 その膠着状態を切り裂いたのは、スパイダーフォンからの訃報だった。

『DA・PAAN LOSE』

 墨田奏斗、LOOSE。その知らせを聞いた景和は、ようやく英寿の胸ぐらから手を突き離した。奏斗が亡き今、世界を守れるのは自分しかいない。

「……っ、俺は……諦めない…この世界の平和を……もし君が皆の小さな幸せすら脅かすなら…俺が倒すから……」

 そのままの足で、戦場へ向かう景和。

 彼が到着した頃には、一般人はあらかたの円の中に入り終えていた。

『地獄の色が定まった。今地獄は…黄色だ!』

 女神が宣告すると、鐘の音が鳴り、黄色の円が地面と共に消える。ちょうど黄色の円の中にいたのは、奏斗に反発し、一般人に逃走を促した女子高生だった。女子高生は咄嗟に円状に消えた地面に腕をかけて踏ん張る。その女子高生がこの状況を作っているとはつゆ知らず、景和は女子高生に手を貸して地獄から引っ張り上げようとする。

「こんなゲームバカげてる……っ、たとえ小さくても、幸せは誰にだって平等にあるべきなんだ…!」

 なんとかして、女子高生を引き上げ、辺りに目をやる景和。女子高生はすぐに景和から離れて、別の円へと逃げていった。

 一瞬、姉の沙羅と目が合った。景和は姉が無事であったことに安堵しつつも、その足元で崩れていた奏斗の同級生・半田城玖を見て、全てを察した。

「ごめんっ……奏斗……ごめんっ……!」

 咽び泣きながらハイトーンとシャギーのIDコアを握りしめるその姿に、自分が間に合わなかったことを嫌が上にも自覚させられる。

(これも全部……創世の女神が招いた不幸……)

 内から湧き上がるように心がざわめいた景和は、ブーストバックルとニンジャバックルをベルトに差し込んだ。

『SET』

「変身!」

『DUAL ON!NINJA&BOOST!』

「みんなの幸せは……俺が守る!」

 上半身にブースト、下半身にニンジャの鎧をまとったタイクーンは、怒りのままにジャマト軍団に突撃していく。ニンジャデュアラー・ツインブレードを両手に持ち、マフラーからの炎を噴射する反動で勢いを付けて、一撃で天使ジャマトを二体斬り裂いた。他の天使ジャマトによる槍の一撃を刃でいなし、タックルで転倒させる。タイクーンは転ばせた天使ジャマトを蹴り上げ、さらに浮かんだ身体を蹴り飛ばし、古代魚ジャマトにぶつけた。

「俺が守るんだ!俺がぁっ…!」

 タイクーンは古代魚ジャマトに飛びかかって馬乗りになると、何度もニンジャデュアラーで殴るように斬りつける。感情が抑えられないタイクーンは、声が裏返りながらも何度も腕を振り下ろした。古代魚ジャマトが苦し紛れに大剣による一撃を脇腹に放ってきたが、それを抱え込むように受け止めて、反対の手でブーストバックルのハンドルを捻った。

『BOOST TIME!』

「はぁっ……ぁぁあ!」

 ニンジャデュアラーの刃を古代魚ジャマトの胸に押し当てたまま加速し、振り抜いた。

『NINJA!BOOST!GRAND VICTORY!』

 古代魚ジャマトにこの一撃が炸裂し、胸から左肩にかけて大きな斬撃痕を残して地面へとめり込んだ。タイクーンは古代魚ジャマトが動かなくなったことを確認すると、立ち上がって、別の敵の元へ向かおうとする。必殺技を使用したことで、ブーストバックルはエリア外へと飛んでいってしまった。

『REVOLVE ON』

 ニンジャバックルを上半身に装備し直し、ニンジャデュアラーを持ち直す。全員の人間が円の中に入りきっていたので、天使ジャマトはもう襲いかかる様子が無かった。どこに消えてしまったのだろうか、ルークジャマトの姿も見られない。

 そこでタイクーンが目にしたのは、信じらない光景だった。

 天使ジャマトが、先程タイクーンが助けた女子高生を嘲笑う。黄色の円から外れ、紫の円に新たに逃げ込んだはずであった。しかし、天使ジャマトが地面を指差すの、紫の円が黄色に変化したのである。そして、地面が円形に消える。後がなくなって、女子高生が取った行動は……

「どいて!」

 他人の円を横取りすることであった。女子高生に突き飛ばされた成人男性は、そのまま落ちて泡に消えた。辺りの一般人が悲鳴を上げる中で、女子高生は宣言した。

「生き残るのは……私っ…!」

「そ、そんな……」

 元々は集められた一般人同士。何も知らない状態で、彼らは助け合うことを選択していた。しかし、投じられる可能性。誰かを蹴落とせば、自分は生き残れる。できるなら、やるしかない。生き残ると言う幸福を掴むためには。

 現実に打ちひしがれていたタイクーンを、背後からバッファが襲う。

「女神の支配からは逃れられない…!」

『JYA JYA JYA STRIKE!』

 バッファ・ジャマトゾンビフォームは、ツタを纏った拳を、タイクーンに不意打ちで放つ。回避を取る暇も与えられず、直撃を受けて吹き飛ばされた。青い電撃がアーマーを走り、穴に落ちかける。武器を手放しながらも、指先の力だけでなんとか持ちこたえた。しかしバッファがそれを許すはずもなく、バーサークローを備えた脚で指先を踏みつけた。

「人よりも幸せでありたいと思う奴がいる限り、争いは終わらない」

 さらに強くタイクーンの指先を踏みつけ、言葉を繋げる。

「だったら!勝者になるしかない。女神を利用して、理想の世界を手に入れるためにな!……ほら……お前が消えれば、誰かを幸せにできるぞ」

 バッファはタイクーンの首元を掴み、持ち上げる。

「それが!本望だろ!」

「お、俺は…っ、諦めない……!いつか、必ず………」

 もう聞きたくないと言うように、バッファはタイクーンから手を離した。タイクーンはそのまま、深く深く落ちてゆく。

「この世界の幸せを………」

 そのタイクーンの遺言を、聞くものはいなかった。穴の中から、シャボン玉が上がってくるのがみえて、沙羅は城玖の横に両膝をついた。

 

 

 守る者のいなくなった町。着々と一般人は犠牲となり、邪神にシャボン玉が集まってゆく。奏斗と景和の背中を、見送ることしかできなかった英寿は、窓越しに未だに動けないままでいた。

「……母さん」

 世界を取るか、母親との再会を取るかで板挟みとなった英寿は、掠れた声を出す。そして、迷いが振り切れない英寿の元に現れたのは、かつての仲間の道長だった。

「ダパーンもタイクーンも俺が消した。あとはお前だけだ、ギーツ……」

 敵意の目で英寿を睨みつける道長。しかし、もう心壊寸前だった英寿は、彼の言葉を無視して立ち去ろうとする。当然それを道長が許すはずもなく、胸ぐらを掴んで止めた。

「どうした…?俺と戦え!」

「なんのために……」

 英寿は道長の手を、そっと払い除けた。道長は弱々しい様子の英寿に、頭に血が上ったのか、今度は両手で胸ぐらを掴み上げた。

「戦わなければ生き残れない……それが全てだろ!」

 二人の会話を遮るように、窓ガラスが激しい音と共に割れた。

「ウリャーッ!」

 割れたガラスから飛び込んできたのは、大剣を振り回す古代魚ジャマトだった。タイクーンにつけられた大傷は跡を作らず塞がれている。英寿と道長は古代魚ジャマトの薙ぎ払いを、間一髪で避ける。

「どういうつもりだ。お前はタイクーンに倒されたはず……」

 道長に問いかけられた古代魚ジャマトは全身にツタを巻いて、とある人物に擬態した。

「アルキメデル…!」

「お前らを消して、私が女神の力を手に入れるんだよ!ジャマトの理想の世界を叶えるためにね!」

 古代魚ジャマトが擬態したのは、麦藁帽に眼鏡をかけた、ジャマトの育て親・アルキメデルだった。本来アルキメデルと古代魚ジャマトは個別の存在。その事実を知っていた道長は、二人が同一の存在になっていた事実に驚愕する。

 そんなことはお構い無しに、アルキメデルは古代魚ジャマトへ擬態を解くと、見境なしに襲いかかった。手始めに生身の道長に掴みかかると、自分が飛び込んできた窓ガラスの穴に投げ捨てる。道長がその場から退場するのを見届けると、今度は英寿に狙いを定めた。

「まずはお前からだギーツ!息子たちの仇ーッ!」

 古代魚ジャマトに蹴りつけられ、柱に背中を叩きつける英寿。戦う気力を失い、反撃すらもしない彼に、懐かしのあの男が現れた。

「見てられないよ。君らしくないな」

「ジーン…!」

 柱の裏から、ギーツのサポーターのジーンがやって来たかと思うと、貸していたレーザーレイズライザーを懐から取り上げた。

『ZIIN SET』

「俺のギーツは、こんな所で終わる奴じゃない。変身!」

『LASER ON ZIIN LOADING』

 仮面ライダージーンに変身を遂げると、レーザーレイズライザーの銃撃で牽制する。古代魚ジャマトは一切避けることなく、銃撃を身に受けながら突撃。何発か攻撃が命中して、表皮がボロボロと崩れたが、それもすぐに再生。ジーンへの距離を詰めて斬りかかった。ジーンは大振りの一撃をひらりとかわして、重力操作で大剣の上に逆さまに立つと、至近距離の連続射撃。同じところに何発も銃撃を受けた古代魚ジャマトは流石に仰け反り、一、二歩下がった。

『次なる審判は明日の正午。心して備えよ』

 女神の宣告を受けて、二人は攻撃の手を止めた。

「ギーツ……お前の命運もあとわずかァーッ!」

 捨て台詞と高笑いを残し、地面に潜行して消える古代魚ジャマト。ジーンは変身を解くと、英寿に語り掛けた。

「モーンが何者かに誘拐された。ジャマトグランプリを何とか出来るのはもう俺達しかいない。英寿…」

 英寿はまだ俯いたままだった。

 

             *

 

 一度アジトに戻って来た古代魚ジャマトは、アルキメデルへと擬態し直した。

「どういうことよ!私のミッチーを襲うなんて…!」

「アルキメデルは自分の全てをジャマトの肥料にしたんだ。まぁ、意志が強すぎて、人格を乗っ取ってしまったようだけど」

 一部始終を見ていた五十鈴大智が、道長と激昂するべロバに説明する。タイクーンの必殺技で修復不可能なほどに傷ついた古代魚ジャマトは、アルキメデルの未来人の肉体を捕食することで、朽ちることのない無限の身体を手に入れたのである。大智は笑みが止まらない様子だったが、べロバの怒りは増強するばかりだった。

「アルキメデルあんた、やってくれたわね!」

「ふんっ!あたしゃね!あんな奴のこと鼻から仲間なんて思ってなかったよ!お前こそ、ライダーなんかにうつつを抜かしおって。何が人間の不幸でゾクゾクしたいだ。理想の世界を手に入れるのはジャマトだよっ、この高慢ちきババァ~!」

 アルキメデルはべロバを煽るように抑揚をつけて舌を出す。べロバはモーンに引き続き、年齢いじりをされて、言い返せなくなった。

 

 

 オーディエンスルームにて、ジーンは英寿の向かいに座って話し始めた。

「君の元を離れている間、色々調べてた」

 ジーンは参考映像として、古代ローマ時代に行われたデザイアグランプリの映像を英寿に見せる。当時のデザイアグランプリでは、荒れ果てた戦場の中で、鎧を付けた戦士たちがジャマトに対して正々堂々の戦いを見せていた。戦士たちが戦いながらも、手を伸ばしていたのが、英寿が幾年も所持し続けた金貨であった。

「初期のデザグラは今とルールが違って、デザ神に与えられたのは金貨だった。ただの勲章だよ。その価値は名誉だけで、プレイヤーが戦うゲームに、命がかかっていたわけでもない。それが…理想の世界を叶えることに変わったのは、ちょうどミツメがナビゲーターの座を退いてからだ。それ以来、デザグラは命がけのゲームになった……ジャマトは凶暴になって、オーディエンスもスリルと興奮に熱狂するようになった」

 ジーンは立ち上がると、正面から英寿に語りかけた。

「なぜ君のお母さんが創世の女神と言われているのか…それは、本人に直接会って確かめるしかないんじゃないか?ヴィジョンドライバーがあれば、創世の女神に直接アクセスできる」

 英寿は元々、母と再会するために二千年戦い続けてきたのだ。五十鈴大智の、英寿が女神の息子であるという証言。ジーンからの創世の女神の成り立ちに、女神にアクセスする方法。欠けていたピースが揃い、既に王手はかかっている。後は、英寿が覚悟できるかどうかだ。

「何があろうと俺は、君のサポーターだから」

 ジーンがギーツ専用のボックスを開くと、そこにはブーストバックルが収まっている。英寿は迷うことなく、それを掴んだ。

 

 

 守る者が消え、ジャマトも一時撤退し、民間人のみが残された町。昨晩までは、奏斗たちの指示で一塊になっていた彼らも、日没とともに散り散りになった。信じられるのは自分のみ、生き残るのは自分だと。

 奏斗を失った城玖に、弟を失った沙羅は、地面にへたり込んだまま、しばらく動けないままでいた。戦う力がない弱者は、強者の前に命すらも踏みにじられる。その現実を嫌と言うほど味わい、いつしか抗う気力を失っていた。昼の間、沙羅と行動を共にしていた少年が、二人に寄り添ってくる。彼も一人ゲームに巻き込まれたのにもかかわらず、二人を気にかけていた。少年の心細さと、心配の交じった表情に、先に気を持ち直したのは、沙羅だった。

「城玖君…立とう。ここは穴だらけで危ないよ。どこかに隠れよ?」

 立ち上がり、伸ばされた沙羅の手を、城玖は弾いた。すぐに前を向けるほど、彼の心は強くなく、震え声で反発する。

「俺はもう嫌だ……!奏斗を殺した俺に、生きる資格なんてない…!誰かを殺すくらいなら…俺はこのまま死にたい…!」

「ばか!」

 城玖の両頬を、叩くように沙羅が挟んだ。その衝撃で、目じりにたまった涙が、沙羅の手に流れた。そんなことを気にする余裕もないほどに、沙羅もぐちゃぐちゃに泣いていたが。

「景和と奏斗君が、守ってくれた命を…諦めちゃだめだよ……っ!生きなきゃ…生きて、景和たちを助ける方法を…二人で探そう…っ、ね?」

 泣きながら自らを説得する姿に、城玖は頬を挟まれながら頷いた。

(奏斗……俺が必ず、バスケ部を取り戻すから。だから、待っててくれ)

 硬く握られた拳から、血管が浮かんでいた。

 

             *

 

 前回の闘牛ゲームからしばらく日が立っているというのに、鞍馬光聖の怒りはまだ収まらない様子であった。

「とぼけるな、ニラム!あのべロバとか言う女のせいで、私の長年の努力が水の泡になったんだぞ……!」

 作り物の娘・祢音と、未来人を結婚させ、鞍馬家に未来へのコネクションを作る。光聖の壮大な計画は、闘牛ゲーム中に行われたべロバのカミングアウトによって破綻した。未来人は全てがデザインされる世界の住人。だからこそ現代のリアルに熱狂してきたのだ。そこに偽りの存在が紛れこんでいるとなっては、未来人に受け入れられるはずがない。激怒と共に焦燥の表情を見せる光聖を流し見しながら、ニラムは炭酸水を傾けた。

「鞍馬さん、悪いが。もうこの世界はもうあなたの思い通りにはならない。ヴィジョンドライバーを回収次第、我々デザイアグランプリはこの世界から撤収するので」

 昨晩、浮世英寿を焚き付けたのは正解だったとニラムは思い出す。あの熱心なサポーターに助言を受けたのだろう、英寿は自身のヴィジョンドライバーを貸してくれと持ち掛けてきた。創世の女神に会いたいというのが目的らしい。だが、下々の人間に創世の女神のアクセス権を安々渡すわけにはいかない。それならば、彼の母を求める熱量を利用すればいい。バッファを倒せばいいと取引すると、英寿は安々と乗ってきた。後は英寿の手にしたヴィジョンドライバーを横取りし、撤収するのみだ。当然、ニラムのプランにはいと頷ける光聖ではない。

「待て。話が違うぞ…!」

「この世界は全てを忘れ、デザイアグランプリは存在しなかったことになる。いかがですか?あなたも鞍馬祢音を本当の娘だと思い込んで、愛してみる人生も悪くないのでは?」

「ふざけるな!そんなつもりで祢音を作ったわけではない!」

 机を叩き激昂する光聖に対して、ニラムは嘲るように語った。

「見届けましょう。勝利の女神がほほ笑むのは…ギーツか、バッファか…!」

 空に浮かぶ町で、二人の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 天使ジャマトに追われる民間人たちの騒ぎを離れ、静かに戦いは始まろうとしていた。無数に鉄筋コンクリートの柱が立ち並ぶビル街の通路で、英寿と道長は相まみえた。

「ギーツ……!誰かが幸せなんて願わきゃ、こんなデザイアグランプリは生まれなかった。創世の女神なんてもんがいなければ、こんなことにはならなかった……お前の母親が変えちまったんだ。勝者と敗者を差別する、不公平な世界に……!」

「真実はこの目で確かめる……!」

 デザイアドライバーを装着する英寿。道長はそれでいいと少しだけニヤリとすると、ヴィジョンドライバーをちらつかせる。

「ようやく戦う気になったか。目的はこれか?」

「手加減はしないぞ」

「今まで手加減してたってのか……?ムカつく野郎だ……!」

 それ以上の会話は不要で、2人はそれぞれバックルを操作し、仮面ライダーに変身した。

「「変身!」」

『GET READY FOR!BOOST & MAGNUM!』

『JYAMATO!ZOMBIE!』

『Ready?Fight!』

 変身を終えると同時に、ギーツはマグナムシューターの撃鉄を引いてチャージ。弾丸を連続発射する。弾丸はゾンビブレイカーの広い刀身で防がれてしまい、突撃してくるバッファの接近を許してしまった。バッファのゾンビブレイカーによる薙ぎ払いを、足を振り上げながら回転して空中で避ける。そして倒れ込みながらもバッファに数弾命中させ、壁際へと追いやった。

 立ち上がるとともに膝蹴りをくわえるギーツ。バッファは前腕のアーマーで防御したが、足部のマフラーからの火炎噴射で加速している分、ギーツのほうが威力が上で押し返されそうになる。だが、意地でバッファは壁を蹴り、ゾンビブレイカーで斬り返した。

 バッファはここぞとばかりにもう一撃放つが、今度は受け止められ、ギーツがゾンビブレイカーのポンプを自ら引いた。

『POISON CHARGE!』『TACTICAL BREAK!』

 ギーツはポンプと腕を掴み主導権を奪うと、バッファを柱に固定しながら、高速回転するゾンビブレイカーの刃を装甲に押し当てる。激しく火花と毒液が散る中で、冷静にバッファはゾンビブレイカーから手を放して攻撃を抜け、バーサークローを備えた掌打で退ける。腕部の装甲で弾丸を数発防ぐと、バッファは突撃し、転じてギーツを柱に叩きつけ、膝蹴りでマグナムシューターを通りに弾いた。

『REVOLVE ON』

 武器を失ったギーツは、ベルトを反転させると、バッファの正面蹴りを側転で回避しながら上下の装甲を入れ替えた。ギーツは地面を強く踏みしめ、ブーストの加速でパワーを増した拳を振り上げる。

『REVOLVE ON』

 ギーツのリボルブオンに対抗し、バッファをバク転をしながらジャマトゾンビフォームへ装甲を入れ替える。互いに近接戦闘に特化した姿になったことで防御しては打ち込み、避けてはいなす、激しい肉弾戦が繰り広げられる。

 ギーツのストレートパンチをバッファが肘打ちで叩き落し、反撃の拳を振り抜く。ギーツはそれに対応して、背後に何度もステップしながら避け続けた。猪突猛進のバッファはそんなギーツにパンチを連打しながら突撃し、ついに至近距離での頭突きでギーツにダメージを与え、地面を転がせた。

 ここぞとばかりに踏みつけようと迫るバッファに、足部のアーマードガンで不意打ちの射撃をくらわせると、再びリボルブオンしながら柱の間を通り抜け、マグナムシューターを拾い上げる。

『REVOLVE ON』

 バッファもリボルブオンでゾンビジャマトフォームへ戻ると、先ほど手放したゾンビブレイカー目がけて疾走。ギーツもそれに合わせ、柱の向かいにある通りを走る。そして、バッファがゾンビブレイカーを拾い上げようと一瞬立ち止まるのに合わせて、跳び上がりながら柱の間をすり抜け、マグナムバックルをシューターに装填した。

『MAGNUM!TACTICAL BLAST!』

 ギーツの必殺の弾丸を、直前でゾンビブレイカーを拾い上げたバッファが叩き返す。跳ね返った弾丸は地面を破壊し、粉塵が辺りに立ち込める。その中に、バッファのオレンジと緑の複眼が発光した。

 バッファは粉塵の中を構わず特攻し、まだ空中にいたギーツの脇腹にゾンビブレイカーを引っ掛け、地面へと叩き付けた。

「終わりだ!」

『POISON CHARGE!』『TACTICAL BREAK!』

 ゾンビブレイカーに毒液をチャージし、ギーツに振り下ろすバッファ。さらにそこから蹴りでもう一度パンプアクションを行い、効果を重ねがけした。

『POISON CHARGE!』『TACTICAL BREAK!』

 効果が2倍になったゾンビブレイカーはさらに刃を高速回転させ、バッファが振り上げると同時にギーツを柱に叩きつけ、変身解除まで追い込んだ。変身の解けた英寿の上には瓦礫が散らばり、気を失ったように見える。

「俺の勝ちだ……!」

 バッファは勝ち誇ったように、手元のヴィジョンドライバーをちらつかせる。その時だった。

「……っ!?」

 瓦礫の隙間から弾丸が飛んできて、ヴィジョンドライバーを弾いたのである。気絶していたはずの英寿が、瓦礫から手をのけて立ち上がると、そこにはマグナムシューターが握られていた。まさに針の穴に糸を通すかのような正確な射撃。それを騙し討ちで使用することで、バッファは完全に不意をつかれた。英寿は口元の血を手の甲で拭うと、ヴィジョンドライバーを拾い上げる。

「それを奪うために、わざと負けたフリを……!」

「もうお前に用はない」

「っ…!待てっ!」

 バッファの制止も効かず、英寿はヴィジョンドライバーを装着。目的の場所に転送されて消えた。

 またしても英寿に敗北したバッファは、その場に立ち尽くした。

 

 

 創世の間にて、ついに英寿は母親の姿を見た。

「母さん…?」

 英寿が二千年求めた母親・ミツメは、物言わぬ石像と変わり果てていた。英寿は瞳を涙で潤わせながら、創世の女神を見上げる。

「ホントに母さんなのか…?聞きたいことがいろいろあった────」

 二千年前にミツメからかけられた言葉を、思い出す英寿。私のことなんて忘れて、それが幸せよ。簡単に受け入れることなんてできなかった。だから戦い続けるしかなかった。その果てにある景色が、ただの巨大な石像となった母との対面であるということも、認められなかった。

「二千年っ……ずっと母さんに会うためだけにっ……!だから……返事をしてくれよ…!」

 英寿の叫び声に水を差すように、ニラムの拍手が響いた。

「君ならやってくれると思っていたよ。そのドライバーをこちらに」

 差し出された手を無視して、英寿は目力を強めた。

「なんで母さんは喋らない?」

「彼女は女神になった」

「それは、母さんの意志なのか…?犠牲者の幸せを奪い、世界を作り変えてきたのも、母さんが望んだことなのか…?どうなんだ答えろ!」

 英寿の心が最大まで波打った時、呼応するように、女神が鯨の鳴き声に近い不協和音を鳴らした。女神の悲鳴は、創世の間だけではなく、天空の町にも響いていた。英寿は女神の悲鳴を耳にして、鼓動がドクドクと早くなる。

「泣いているのか…?母さん?ホントはこんなことしたくなかったんだ……母さんは、お前ら運営に道具として利用されていたんだ!」

 感情を高ぶらせる英寿と対照的に、ニラムは淡々とスーツの袖を正し、自身のヴィジョンドライバーの指紋認証をタップした。

「さっ、感動の再開はもういいだろう?そのドライバーを回収し…」

『GAZER LOG IN.』

「この世界をリセットする。変身……!」

『INSTALL.INNOVATION & CONTROL, GAZER.』

「全てを忘れて楽になれ」

 英寿もヴィジョンドライバーからデザイアドライバーに装着し直し、ブーストマークⅡバックルを使用して変身した。

「変身!」

『BOOST!MARKⅡ!』

 仮面ライダーギーツ・ブーストフォームマークⅡがゲイザーに殴り掛かると同時に、二人は天空の町へと自動的に転送された。

 ギーツの放つ拳は、四つのビットの間にできる黄金のバリアによって防がれる。数発殴って破壊を試みるも、バリアは強固で叶わず、後ろへといなされる。バリアを突破するため、今度は加速で上回ろうとするギーツ。だが、ゲイザーはギーツが加速を終えるポイントへ的確にバリアを張り、一歩も動くことなく全ての攻撃を防いで見せた。

『時は満ちた。最後の審判を始める!』

 町に邪神の荘厳な声が響き、足元に複数の円が出現する。その中には既に先日の審判で地獄の色となり、ぽっかりと開いた穴も混ざっていた。

 ギーツはゲイザーから距離を取ると、ブーストマークⅡバックルのハンドルを捻り、必殺技を発動する。

『BOOST TIME!』

 全身に炎を纏いながら走りだし、炎により形成される拳型のエネルギー弾を連続で放つ。三発、四発と、それぞれビットに防がれる。しかし、ビットに防御に専念させることが本命であり、残り一つのビットも手で鷲掴みにし抑え込んだギーツは、全力で加速しながらゲイザーに肉薄する。

「母さんは苦しんでる!お前らが苦しめたんだ!」

「根拠がない!」

 そこは流石のゲイザー。ギーツのスピードとパワーを兼ね備えた打撃技も、後ろ手を組んだまま足技だけで防ぎきってしまう。感情的になるギーツは、掴んでいたビットを投げつけ、それを避けられた合間にもう一度ハンドルを捻る。

『BOOST GRAND VICTORY!』

 ギーツ渾身のパンチを、掌で防いだゲイザーだったが、勢いを相殺しきれず、自身の手を頬に叩きつけられて大きく退いた。

 チャンスをついに手にしたギーツ。しかしここで、ブーストマークⅡバックルの副作用、過度な加速による急激な眠気が英寿を襲う。それでもなんとか踏ん張り、ゲイザーに大きく振りかぶるも、容易く避けられ、天空への穴へと投げ落とされる。眠気に耐えるのが精一杯で、復帰の対応策をとることができないギーツ。

「英寿!」

 絶体絶命のピンチに表れたのは、ジーンだった。

「受け取れ!」

 ジーンは自身のレーザーレイズライザーを、ギーツの落ちていった穴へと投げる。ギーツはすんでのところでそれを掴み、ドライバーに装填する。

『SET UP!』

『『DUAL ON!』HYPER LINK!』『LASER BOOST!』

『Ready?Fight!』

 仮面ライダーギーツ・レーザーブーストフォームとなり、重力操作の能力で壁に足を付けた。ゲイザーも確実にギーツを排除すべく、穴の中に飛来し、ビットからのレーザー照射で狭いフィールドを制圧しようと試みる。ギーツは壁から壁に飛び移りながら回避。ゲイザーはビットを利用したバリアの上に立つと、壁に対して垂直に立つギーツとのハイレベルな格闘戦へと発展する。

 ゲイザーとギーツの性能差は大きかったが、英寿の戦闘センスがそれを補い、またニラムのゲイザーを扱いきる技量も高く、二人の実力差はほぼ互角と言えた。一瞬の判断ミスも許されない戦いに、二人は必殺技で活路を見いだすことを選択した。

『FINISH MODE!LASER BOOST VICTORY!』

『SHUT DOWN.』

 二人は同時にドライバーを操作し、ギーツは必殺のキックを、ゲイザーは一つのビットにエネルギーを収束、互いにチャージを終えた。

 地上で何が起こっているのかを知らずに。

『ZOMBIE STRIKE!』

 突如、下から伸びてきた毒手に身を掴まれるギーツとゲイザー。必殺技もキャンセルされ、空へと引きずり下ろされる。そして、抵抗する暇もなく、泡となって消滅した。彼らの装備品だけが泡にならずに残り、毒手にキャッチされて天空の町へと上昇。

 二つのヴィジョンドライバーは、バッファの手に収まった。

 

             *

 

 ギーツとゲイザーの戦闘が始まったのと同時刻。城玖と、沙羅、少年の三人は、積極的に他人を蹴落とすことができなかたことが原因で、未だに円に入れず、天使ジャマトから逃走していた。

「どうしよう、城玖君……どこにも円が…!」

 息を切らしながら、必死に走る沙羅。少年をおんぶしながら走っていた城玖は、歯ぎしりしながら周りを観察する。そして目に留まった。柱の陰にカモフラージュされ、誰も気付いていない、黒い円の存在に。

「あそこに!」

 地獄の色と言われて、黒を選ぶのは悪手に感じられて気が引けた城玖だったが、もう選択肢も無かった。滑り込むように三人が黒い円の中に収まると、邪神が鐘の音を鳴らした。

『地獄の色が定まった。今地獄は…鮮やかな色だ!』

 邪神の宣言と共に、ほぼすべての円に穴が開き、大勢の人間が空へと落ちていった。どんどん小さくなる悲鳴と、反比例的に量を増すシャボン玉が目の前を満たす光景はグロテスクで、目を背けずにはいられない。

 黒は、勝者の色であった。

 三人はそこでようやく、呼吸を再開することができた。

 敗者の亡骸であるシャボン玉は、邪神の持つ三つの宝玉に集まり切ると、役目を失った邪神は崩壊し、宝玉のみが残った。そして天空の町は、まるで何事も

無かったかのように、地上にへと戻り、穴はすべて消えた。

「助かった…?」

 大勢の犠牲に成り立った自分の命に、城玖は吐き気がしそうだった。自分は生き残ってよかった、と一度でも思ってしまったことに。

 

 

 ヴィジョンドライバーを両手に持ったバッファは、変身を解除した。ギーツに装備を手渡してしまった弊害で、バッファの恐慌を止められなかったジーンは苦虫を嚙み潰したような表情で言葉をひねり出す。

「ギーツとゲイザーを同士討ちさせるために……こんなゲームを作ったのか…!」

「ふふっ、そっ。計画通りね、ジャマ神」

 邪魔をする者がいなくなり、ご満悦のべロバは、道長の手から一つヴィジョンドライバーを受けとる。対して道長も、喜びの感情が爆発している様子だった。ついに因縁のギーツを打ち破り、自分を止められる者はもういない。

「ああ。やってやるよ。こんなくだらない世界、全て終わらせる!デザイアグランプリも、仮面ライダーも、この俺がぶっ潰す!」

「待て!」

 ジーンが手を伸ばすよりも早く、道長はヴィジョンドライバーを装着し、べロバと共に創世の間へ転送された。

 創世の間にて、始めて創世の女神と対面する道長。一度、ヴィジョンドライバーに残された記録から見た創世の女神と姿形が全く同じだったことで、今から願いを叶えるということを改めて実感する。

「さぁ、叶えてもらうぞ。俺の理想の世界を…!」

 彼の持つデザイアカードにはかねてからの願い、『全ての仮面ライダーをぶっ潰す力』が書かれていた。

 現代では、敗者の不幸が集められた宝玉が一つに融合し、強烈な光を放った。

 その光は世界全てを包み、書き換えた。

 

 

          JGPルール

 

      最後まで生き残ったジャマトは

 

          ジャマ神となり

 

        理想の世界を叶えられる。

──────────────────────────

           DRルール

 

          これは全ての

 

     仮面ライダーを倒すゲームである!

 

 

 運営上層部のみが使用できる、特別なデザイア神殿。そこに佇むルークジャマトは、ピンク色の目をした、ソソグの姿へ戻った。

「始まる。世界の運命をかけたゲームが」

 ソソグの背後には二人の仮面ライダーが付いており、その様子を驚くことなく見つめていた。一人は、ギーツやリバイスと激戦を繰り広げた歴戦のデザ神・仮面ライダーシーカー。もう一人は、ソソグに記憶を消去され、日常生活に戻ったはずの、仮面ライダーカローガンであった。

 そして、反対側の正面には、気絶したモーンが、有刺鉄線に両腕を伸ばされた状態で拘束されていた。

「さぁ、勝負だスエル。英寿とツムリ、どちらを次の神とするか…楽しもうじゃないか」

 項垂れるモーンの胸元に、虹色の光が灯される。




次回:仮面ライダーギーツ外伝

─バッファの世界が─

「始めようか…仮面ライダー狩りを!」

─始まる!─

「舐められたものね。後悔させてあげる!」

「戦うよ……世界を守る仮面ライダーとして!」

「英寿を…英寿の生き様を取り戻す!」

37話 空白Ⅰ:ジャマ神無双!
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