サークル『こり☆かん』様制作『エルズ・コール』のネタバレが含まれます。
■7月21日 夜パート
月羽雪が会計を済ませ六人はファミレスを後にする。
静かな夜。人通りもなく、聞こえてくるのは自然が織りなす音くらいだろう。
ヒフミ「全員に懐中電灯を渡しておきます」
ハナコ「三丁目に行く前に、夕方に買っておいた食料品や飲料水をみんなに分配しておきます」
三丁目です。
住宅街に近づいたところで<聞き耳>お願いします。
<聞き耳>
コハル(90)→64
ヒフミ(60)→33
ハナコ(65)→34
アズサ(25)→58
住宅街の方から呻き声のような音が聞こえてくる。
何の生物かはわからない。聞いたことのない、不気味な声だ。
そしてさらに、後方、自然公園側から、ずるずると、重い何かを引き摺る音が聞こえてくる。
音源が近づいてくる様子はなく、距離は離れているように思える。
アズサ「いるな」
先 生「いや、アズサは<聞き耳>失敗してるから聞こえてないよ」
アズサ「すぅー」
アズサ「やけに静かだな。やっぱり聞いた相手が悪かったか?」
コハル「いや、変な音聞こえてるわよ。呻き声だけじゃなくて、引き摺る音のおまけつきで」
アズサ「む。そうか?」
ハナコ「私も聞こえてます」
才門晋「あわわわわわっ!!ぶ、部長代理!!ぼぼ、僕の後ろに隠れて!!」
月羽雪「いや、まだいい」
ヒフミ「公園の方は昨日聞いた音と一緒なので、たぶん、異形の黒い蛇です。まだこっちは距離があるので大丈夫だと思います」
ヒフミ「住宅街の方から聞こえるのが呻き声ですね。こっちがアズサちゃんが報告してくれたやつですかね」
アズサ「そうか。なら、私と才門副部長が
ハナコ「ええ。任せてください」
住宅街に足を踏み入れた新聞部一行。周囲を警戒しながら調査を開始するだろう。
<目星>を振ってください。
<目星>
コハル(90)→88
ヒフミ(70)→60
ハナコ(65)→85
アズサ(50)→14
コハル、ヒフミ、アズサの三人は気づく。
街灯の明かりもない路地裏。老朽化が進み、蔦が絡まり、まるで隠されるようにそれはあった。
廃屋だ。
扉は壊れているようだ。閉まることなく、隙間があいている。
そして、中から聞こえてきたのは、何かの呻き声だった。
ヒフミ「……」
コハル「……」
アズサ「行くか」
アズサと才門が廃屋に近づいていく。
表札の文字は読める状態ではなく、人が住んでいる様子はない。
そして、呻き声は近くなったように感じる。
コハル「ほんとにここ入るの、ねえ」
ハナコ「後ろがつっかえるので早く進みましょうね」
ハナコがコハルの背を押して廃屋の中に入っていく。
中は暗い。埃っぽく、かび臭い。
ヒフミ「一応、電気が点くか試しておきたいんですけど、どうですかね」
六人分の懐中電灯で照らしていけば、スイッチはすぐに見つかるが、点く様子はない。
ヒフミ「電気は通ってないみたいですね」
コハル「さ、さ、さっさと呻き声の正体を見つけて出るわよ」
コハル「中はどんな感じですか」
屋内は荒れ果てている。所々崩れている床は歩くたびに埃が舞い、同時に強く軋む。
玄関の先には短い廊下があり、扉がいくつか見える。
先 生「廃屋のマップを公開します」
ヒフミ「まずは右側の一番手前の部屋から」
小さな物置のようだ。箒や塵取り、工具などが埃をかぶっている。
アズサ「武器庫だな」
先 生「物置だよ」
アズサ「COCにおける物置=武器庫だと聞いた。一番いい聖剣エクスカリバールを頼む」
ヒフミ「(<APPの暴力>の時も思いましたけど、アズサちゃんのその偏った知識はどこ情報なんでしょう?)」
コハル「私も何か投げれそうな物が欲しいです」
先 生「<幸運>でどうぞ」
<幸運>
コハル(70)→70
アズサ(45)→17
コハルは野球ボール(硬球)を入手しました。
アズサはバールのようなものを入手しました。
ハナコ「次の部屋を探索しましょうか。左中央の大部屋に行きます」
その先は和室の居間だった。
家具は少なく、小さな卓袱台と棚があるくらいだ。
積もった埃の量から、この部屋も長い間使われてなかったように思える。
天井の隅には蜘蛛の巣が張っていて、中央には照明器具が取り付けてあるが、ここにもまた灯りがつく様子はない。
<目星>
コハル(90)→87
ヒフミ(70)→53
ハナコ(65)→60
アズサ(50)→39
埃まみれの床に足跡が残っている。
足跡は二種類。人の足跡と思われるものと、そうでないもの。
人ならざる足跡は、その間隔と形から四足歩行の獣のような生物かと推測できる。
人間らしき足跡は下の部屋に続いているように見える。
獣のような足跡は散見できます。人間と思えるものに比べて数は多いです。
ハナコ「人間らしき足跡ってどの位のサイズなんですか?」
先 生「小さめですね」
ハナコ「それって、私たちよりも小さいってことですか?」
先 生「そうですね」
ハナコ「(見つかった死体が(S)世界の八切六花ちゃんのものなら。もしかして……?)」
ヒフミ「それじゃあ、下の部屋に行きます」
アズサ「私は念のためにこの部屋で待機する」
月羽雪「私もこっちに残っているから、お前たちは行ってこい」
ヒフミが襖を開ける。
そこは物が乱雑に置かれた部屋だった。
机や椅子、箱、鏡、日本人形、傘。
古くなったそれらは、付喪神が宿っていそうな不気味さがあった。
出そうな雰囲気、とはまさにこのような空間のことを指すのだろう。
コハル「なんか出てきそうね……」
ヒフミ「あっちの日本人形なんかも動き出しそうですよね」
ハナコ「足跡の主を探します」
先 生「ここはかなり散らかっているのでもう一度<目星>お願いします」
<目星>
コハル(90)→90
ヒフミ(70)→34
ハナコ(65)→72
先 生「……それでは、コハルとヒフミは気づきます」
部屋の隅で何かが動いたような気がした。
コハル「ひっ!?」
ヒフミ「うわあー!?」
隅には布をかぶった何かが置かれており、輪郭からミシン台だと思われる。
その布が一瞬揺らいだ気がした。
ハナコ「私は気づかなかったようなのでコハルちゃんとヒフミちゃんで見てきてください」
ヒフミ「ハナコちゃん!?」
ハナコ「大丈夫です。出てくるのは女子小学生か四足歩行で正体不明の獣のどちらかですから」
コハル「前者はともかく、後者はヤバいじゃないの!!」
ヒフミ「布をめくってみます」
コハル「こっちはこっちで行動が早い!!私も行くからちょっと待ちなさいよ!!」
ヒフミとコハルは布がかかった何かに、ゆっくりと近づく。
そして、その下に在るものを確認するため、布を捲りあげた。
目が合った。
大きく見開いたそれは、幼い少女のものだった。