サークル『こり☆かん』様制作『エルズ・コール』のネタバレが含まれます。
■7月21日 夜パート
少 女「ひっ……!!」
少女は小さく悲鳴をあげ、体を震わせる。
身に着けているボロボロのワンピースは汚れが目立ち、所々血が滲んでいる。体に関しても同様で、瘦せ細り、衰弱しているように見える。
ヒフミの姿に怯えた様子の少女は
ヒフミ「今は紙袋してませんよ」
先 生「変な恰好してる相手に見つかって怯えてるわけじゃないから」
ヒフミの姿に怯えた様子の少女は、消え入りそうな声でこう言った。
少 女「こ、殺さないでください……!!何も持っていません……!!食べないでください……!!」
ヒフミ「大丈夫。大丈夫。大丈夫ですよ~」
少 女「お、お願いします……!!殺さないでください……!!」
顔面蒼白の少女は似たような内容の言葉を繰り返す。
コハル「<精神分析>の出番ね」
コハル「大丈夫。落ち着いて。お姉ちゃんたちはあなたを殺さないし、食べないから」
コハルはそう語りかけながら少女に近づいていく。
<精神分析>
コハル(61)→100
ヒフミ「あっ……」
ハナコ「あ」
アズサ「ん」
コハル「00って……だ、大成功……よね、ね」
先生はゆっくりと首を横に振った。
ハナコ「残念ですが、コハルちゃん。それは100ファン……つまり、致命的失敗です」
少女は近づいてくるコハルに怯えて
少 女「お、お願いします……!!殺さないでください……!!」
少 女「お、お願いします……!!殺さないでください……!!」
少 女「お、お願いします……!!殺さないでください……!!」
似たような言葉を繰り返し続ける。
コハル「あっ、えっ、ごめんなさい。そんなつもりじゃ」
コハルは怯える少女を前に立ち止まる。
ヒフミ「落ち着いて、深呼吸してね。すー。はー」
ヒフミ「すー。はー。すー。はー」
少 女「すー。はー」
ヒフミ「すー。はー。すー。はー」
少 女「すー。はー。すー。はー」
ヒフミが少女に深呼吸を促す。
少女もヒフミに倣って深呼吸を行う。すると、少女は幾分落ち着きを取り戻したのか、繰り返し呟くことを止めた。
ヒフミ「ペロロ様に誓って、私たちはあなたを殺しませんし、食べません」
ヒフミ「私たちはあなたの味方です」
ヒフミ「そう言いながら、荷物からフード付きペロロ様パーカーを取り出して少女に羽織らせます」
ヒフミ「私は味谷ヒフミと言います。あなたの名前を教えてください」
少 女「や、八切……」
六 花「八切、六花……です」
羽織らせてもらったパーカーの裾を掴みながら、掠れた声でそう言った。
ハナコ「(この様子を見るに彼女は(M)世界の六花ちゃんですね。となると、もう一つの足跡は(M)世界の生物?)」
ヒフミ「六花ちゃんですか。いい名前ですね」
ヒフミ「咽は渇いてませんか?お水ですけど飲みますか?」
六 花「あ……飲みます」
ヒフミの質問通り咽が渇いてたのだろう、六花はぐびぐびと飲んでいる。
ヒフミ「ハナコちゃん」
ハナコ「ええ。今は六花ちゃんの保護を優先でアズサちゃんたちと外に出てて下さい」
ハナコ「コハルちゃんは。すいません、私とここの探索に付き合って下さい」
コハル「う、うん」
ヒフミ「飲み終わりましたか?それじゃあ、ここは崩れるかもしれないのでお外に出ましょうか」
六 花「はい」
六花の手をとってヒフミは部屋の外に出ていった。
■7月21日 夜パート コハルとハナコ
ハナコ「この廃屋は六花ちゃんと一緒に(M)世界からやってきた可能性があります」
コハル「なっ!?」
ハナコ「ですので、時間はかけられません。任せますよ、コハルちゃん」
先 生「ここでコハルとハナコは<目星>お願いします」
<目星>
コハル(90)→48
ハナコ(65)→73
コハルはスマートフォンが落ちていることに気づく。
コハル「これは?」
損傷がひどく液晶部分が割れているが、そのスマホはコハルのスマホに似ている。
コハル「え?私の?落としてた?」
先 生「いえ、コハルが使っているスマホは自分の荷物の中に入ってます」
コハル「うん?どういうことだろう?」
ハナコ「中身の確認は廃屋から出た後にして、他の部屋を回りましょうか」
コハル「誰が落としたのか、何でこんなところに落としたのかとか、色々気になることはあるけど……。そうね、これについて調べるのは後にする」
ハナコ「残りの部屋を反時計回りで確認していきます」
左上の部屋
台所です。金物は錆びついており、長い間使われていないようだ。
ハナコ「さっき見た四足歩行の獣のような生物の足跡はありますか」
先 生「ないです」
ハナコ「次の部屋に行きます」
右上の部屋
脱衣所と風呂場です。ここも長い間使われていないようだ。
ハナコ「お風呂パートですよ、コハルちゃん!!」
コハル「もう、そのくだりはやったでしょ!!いや、やってないんだけどね!!」
コハル「次。次の部屋」
右中央の部屋
トイレです。ボロボロです。
ハナコ「便器の上にM」
コハル「エッチなのはダメぇ!!禁止!!」
コハル「出ます。この廃屋から出ます。撤収!!帰るわよ、ハナコ」
■7月21日 夜パート 部長代理チーム
月羽雪「おおう!?どったのこの子?」
月羽の声を聞き、部屋の中をうろうろしていた才門も女の子の姿が確認できる距離までやってくる。
大人数に囲まれた少女は明らかに緊張している。
才門晋「よ、ょぅじょ!?」
才門晋「野生の……幼女……?」
アズサ「才門副部長、彼女が怖がるから静かにしてくれ」
ヒフミ「あはは……」
ヒフミ「この子は八切六花ちゃんです。そこの部屋に隠れていたところを保護しました」
アズサ「そうか。私はアズサだ。よろしく」
六 花「あっ……よろしくお願いします。八切、六花です」
アズサ「二人は?」
ヒフミ「コハルちゃんとハナコちゃんはもう少しこの廃屋を調べるそうです。私たちには先に外で待っていてほしいと」
月羽雪「ああ、わかった。それで、その子はどうするんだい?」
ヒフミ「ここに置いていくわけにはいきませんし、一人暮らしの私が連れて帰ります」
月羽雪「いいんじゃないか」
ヒフミたちは外に出た。
■7月21日 夜パート
ハナコ「戻りました~」
月羽雪「おう、ご苦労」
月羽雪「だいぶ時間も経ったし、今日はこれで解散にする。明日、夜出歩くかはともかく、その子のことも心配だから報告にきてくれ」
月羽雪「同じ時間にファミレス集合な。それじゃ、今日は解散!!」
月羽と才門は帰っていきます。
ハナコ「私たちも帰りましょうか。アズサちゃんは念のためヒフミちゃんと六花ちゃんについて行ってあげてください」
アズサ「わかった」
ヒフミ「アズサちゃん、お願いします」
先 生「コハルとハナコもそのまま帰っていいですか?」
コハル「拾ったスマホが六花ちゃんのものじゃないか訊きたいんだけど、いいですか」
六 花「それ、私のじゃないです」
先 生「他に何かやりたいことはありますか?」
コハル「ないので帰ります」
ハナコ「私もこれ以上、出歩きたくないので帰ります」
先 生「アズサも二人を送り届けたらそのまま帰るでいいですか?」
アズサ「はい」