サークル『こり☆かん』様制作『エルズ・コール』のネタバレが含まれます。
■新聞部部室(2A教室)
ヒフミ「着ぐるみを脱いで紙袋にフォームチェンジした後、月羽先輩からきたニャインのメッセージを確認します」
ヒフミ「確認しました。と返信した後、新聞部部室に行きます」
ヒフミ「それで、新聞部部室はどこにあるんですか?」
新聞部は空き教室となった2Aを部室として使用している。
アズサ「私たちもヒフミと一緒に部室へ行く」
ハナコ「アズサちゃん、ここは少し時間をあけて、ゴニョゴニョ」
アズサ「わかった。じゃあ、私とハナコは少し遅れて部室に行く」
コハル「なら、私とヒフミが一緒に行くわ」
そこには一人の女生徒がいた。探索者たちはその人物を知っている。
新聞部部長の月羽雨だ。
ヒフミ「お久しぶりです。月羽先輩」
コハル「こんにちは、雨先輩!」
月羽雨「ああン?」
月羽はヒフミたちを見て怪訝な顔をする。
ハナコとアズサもこのタイミングで部室に入ってくる。
ハナコ「わっぴ~☆」
アズサ「クジラよりサメへ。現場に到着した」
月羽雨「君たちは……?」
月羽雨「……ああ、そうか。ちょうどいいところにきてくれた!」
そう言うと、自分のスマホ画面を見せつけてくる。
そこにはP!ニュースのページが表示されていた。
月羽雨「このサイト知ってる?P!ニュース!ほら、みてみて!ここにある記事、とってもスクープの予感がしない?」
ヒフミ「確かに、そんな気がしますね。あはは……」
月羽雨「でしょでしょ」
ハナコ「そうですか?今朝先輩が送ってくれたのでいくつかの記事に目を通しましたけど、かなり胡散臭いですよ」
アズサ「事件にもなってない生きている人の死体なんて、本当にあるのか?」
月羽雨「それよ!!」
生徒達「??」
月羽雨「『生きている人の死体発見』ってとこ。死体があるのに…生きている体もある」
月羽雨「つまりさ、同じ姿が二つあるってこと。ここまで言えばわかるよね?この学園の生徒…ましてや新聞部ならわかって当然だよな?」
月羽は鼻にかけるようにそう言った。
先生「全員<知識>または<アイデア>で振ってくれ」
<知識>
コハル(80)→51
ヒフミ(75)→49
アズサ(70)→83
<アイデア>
ハナコ(85)→14
コハルとヒフミ、ハナコは学園七不思議の一つ、『ドッペルさん』を思い出す。
学園七不思議とは、
『ドッペルさん』『死者のフルート』『トイレの××さん』『ベトベトさま』『開かずの理科準備室』
これらのことであり、七つないことも七不思議の一つになっていたりする。
よくある噂の類だ。
『ドッペルさん』はその中の一つ。
同じ顔をした人間が学園内をうろついているという噂。
2,3年前まではよく囁かれていたらしいが、今は飽きられてしまったのか、最近話題にはなっていなかった。
ヒフミ「まさか、『ドッペルさん』だって言うんですか!?」
月羽雨「そうそうそう!『ドッペル』さん!この事件と何か関連性がありそうだよねー」
アズサ「『ドッペルさん』?」
コハル「アズサには私が教えてあげる」
ハナコ「ふふっ」
コハル「何よ。ニヤニヤして」
ハナコ「いえ、ただお姉さんぶるコハルちゃんが微笑ましくて笑っただけです」
コハル「――っ!!」
君たちがそんな会話をしていると、廊下の方からドタドタドタと、大きな足音が響いてくる。
すると、教室に一人の男が入ってきた。ふとましい男子生徒だ。
童貞力の高そうな彼のことを、君たちは知っている。
新聞部副部長『
才門は月羽の姿を見つけると、早口で喋りながら近づいてくる。
才門晋「あ~~~~~ン!ぶちょおおおおおお!!最近顔を出さないと思ったらやっときてくれたんですねえええ!!」
才門晋「心配したんですよぉ寂しかったんですよぅ……部長の罵倒がない日々はまるで」
才門晋「心に穴が開いたようだった」(イケボ)
月羽は明らかにひいている。
コハル「変態!!駄目!!死刑!!」
才門晋「アリガトゴザイマッ!!」
ハナコ「くっ。(これがホンモノの実力ですか……)」
ヒフミ「うわぁ……」
アズサ「モモフレンズについて語るヒフミもあんな感じだぞ」
ヒフミ「えっ。そんなことないですよね。もう、アズサちゃんったら冗談が上手くなったんですから」
アズサ「……」
ヒフミ「アズサちゃん。なぜ、黙るんですか」
ヒフミ「先生。私がモモフレンズのことを話すときはさっきの先生みたいじゃないですよね!!そんなことないですよね。ね!?」
先 生「好きなものに夢中になれるのはいいことだよ」
ヒフミ「答えになってません!!」
月羽雨「えっと……どちらさま……?」
才門晋「ンギモヂイイィ!!」
才門晋「じゃなくて、もう僕のことを忘れてしまったんですか!?」
才門晋「才門ですよ!貴女の下僕……じゃなく豚……じゃなく部下で副部長の才門晋!!」
月羽雨「ああ……」
と月羽ほ気の抜けた返事をする。
コハル「待って。新聞部は変態の集まりってこと!?」
ハナコ「おかしいですね。まだ、水着になってないのにコハルちゃんの中で変態にカウントされている気がします」
ヒフミ「ううっ」
先 生「ハナコとヒフミが変態かは置いとくとして」
才門が女性陣にキモいアプローチをしたり、女性陣からひどい扱いをされるのは日常茶飯事です。部員の君たちには見慣れた光景かもしれない。
コハル「なんで、こんな部活に入っちゃってるんだろう……」
アズサ「そういう役だからだろ」
月羽は才門を無視するように話を進める。
月羽雨「とりあえず!この事件をみんなで調べるよ!」
月羽雨「あとこの事件の真相について、私はすでに『ある可能性』に辿り着いてる。お前たちもよく考えておくよーに!てか記事全部読んどけ」
アズサ「了解」
ハナコ「わかりました」
コハル「はい」
ヒフミ「頑張ります」
月羽雨「事件は22時過ぎに起きてるようだから、調査はそんくらいから始めるとして……。とりあえず、21時に一丁目のファミレスに集合!」
月羽雨「夜また集まったときに答え合わせするからな。この天才的な私の頭脳に、君たちがどこまでついてこれているか……テストしてあげよう!」
と言って、月羽はご機嫌に笑う。
コハル「夏休みが始まったのにテストなんて……」
アズサ「天才的な頭脳か。羨ましいな」
コハル「雨先輩も頭がいいからこういうオカルト集めみたいな趣味を持ち始めたのかな」
ハナコ「いえ、今までの話を聞く限り、そんなにINTは高くないと思いますけど。そこのところどうです。先生」
先 生「そうだね。INTの値だけならコハルのPCと一緒かな」
ハナコ「天才的(自称)ですね」
そんな会話をしていると才門が喘ぎだす。
才門晋「あァン!部長!大丈夫ですよお!ちょっとおバカなぐらいがカワイイというか部長を構成する全てが可愛くて僕を無視するその冷たい態度ももはやご褒美としか思えない気持ちよさ」
月羽雨「うるさい!!!」
才門晋「アリガトゴザイマッ!!」
月羽は才門を勢いよく蹴り飛ばした。
月羽雨「はい!バカはほっといて今夜ね!必ず来いよ!」
月羽雨「んじゃ、一旦解散!!」
生徒達「はーい」
月羽は部室から去って行った。
彼女の足音が遠ざかると、才門がぼそりと呟く。
才門晋「……部長、もしかして調子悪いのかな」
ハナコ「そうでしたか?」
才門晋「蹴りのキレが悪かったというか……いつもより気持ちよくなかったというか……」
ハナコ「……」
すくり、と才門は立ち上がる。
才門晋「でもそんな弱ってる部長も好き。」
才門はそう言い残し、スタスタと教室から出て行った。
ヒフミ「濃い先輩たちでしたね」
コハル「いや、あの二人も紙袋をかぶってるヒフミにそれを言われたくはないと思うわよ」