オリウマ娘でます
史実を変更しています
バイオレンス表現があります
こんな話が読みたいです
はぁ…はぁ……
息が詰まる
はぁ…はぁ……
吐いた息が喉奥に残り吸うことがままならない
………っ!
眼前に見える光景は慣れ親しんだものではなく
ぐぅっ…!
『何ということだ!!"皇帝"が!絶対の"皇帝"が!』
無情にも映し出された着順が全てを物語る
『"覇者"に土をつけられました!!!』
3バ身差という力の差を見せつけられたレース
慢心はなかった
体調も足もスタートもレース運びも
普段の自分と変わりない走りをしたと思った
思う
思いたい
『有馬記念!!優勝を手にしたのは!!』
呆然と掲示板を見上げる私の元にやってきた真っ黒な髪のウマ娘
「ルドルフ」
肩を上下させ息を荒げ、乱れた黒い髪は汗で肌に張り付き、こちらを射殺さんばかりの鋭い視線を向けてくるのは私に勝ったウマ娘で
「ああ、優勝おめでとう。君は、本当に素晴らしいウマ娘だったよう…」
そう言い終える前に振りかぶられた拳が私を捉え、私の目に火花が散った。
「腑抜けたレースしやがって…!!」
会場が水を打ったように静まり返り
波紋のように悲鳴が伝播する
一瞬何が起きたのか理解できなかった
いつの間にか私はターフに転がり
ジクジクと左頬に激しい痛みがあった
ぱちぱちと目を瞬かせ口端から流れる血を拭い、彼女を見上げた。
「何が皇帝だ…何が絶対だ!何が全てのウマ娘を幸せにするだ!!目の前の俺を幸福にする事すらできないのにそんなでかい事いってんじゃねぇ!!!」
目に涙を浮かべ私を見下ろしそのままウマ乗りになって彼女は私の胸ぐらを掴みふざけるなと言い放った。
何度も
何度も
「ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!!」
再び振り上げた拳は振り下ろされず、レーススタッフをはじめ警備のばんえいウマ娘達が彼女を取り押さえる。
「ルドルフぅ!!!!」
羽交い締めにされ連れて行かれる彼女ら呪いの言葉の様に私にぶつけ、心に釘のように刺し続ける。
「ちが、違う。私は、そんなっ」
私の小さな小さな声は誰の耳にも、ましてや彼女の耳には届かない。
有馬記念
一着 ハシャノインパクト
シンボリルドルフへの暴力行為並びにレースへの重大な支障を生じさせた事により失格とし、以降着順は繰り上げとなり二着シンボリルドルフを繰り上げ一着とする。
上記ウマ娘ハシャノインパクトはURA協会特別査問委員会より「今回の件は極めて悪質で他のウマ娘へ多大な影響を及ぼすと判断。選手登録を抹消しレースへの永久追放が妥当である。」となり、ウマ娘ハシャノインパクトはURA選手登録を抹消致しました。
あんた名前は?
シンボリルドルフ?かっこいい名前だな
は?シンボリ家?
いや知らないよ人ん家の事なんて
俺達は俺達なんだから家とか関係ないし走ればどんな奴かわかるでしょ
俺、ハシャノインパクトって言うんだ
これから走りに行くけど一緒にどう?
初勝利おめでとさんルドルフ
俺もルドルフに続いて勝つからみててくれよ
どーよ!いい走りだったろ!
ルドルフだけじゃねーって思わせられたろ!
皐月賞負けたわーもうちょいだったんだけどなー
次はダービー?
ぜってー負けないからな
また、負けたわ…
次!次こそ勝つ!!
菊花賞でリベンジだ!!!
有マだ
有マでルドルフに勝つ
うるさい!!!
次が何だ!!!
俺は今が欲しい!!!
未来の事は未来の俺が何とかする!!!
『今』の俺がルドルフと戦うんだよ!!!
俺さ、ルドルフとレースするの好きなんだよ
いつも本気には本気で走ってくれるし
走るのに真摯でその姿勢がかっこいいなって思う
俺、これからも全力で走っからさ
ルドルフも全力できてくれよ
約束な