Monster Hunter Reincarnation 作:scp-114514
テロス密林。近年起伏などの環境変化により、生息する生物相にも変化が見られた一例である。メゼポルタだけでなくドンドルマ、ミナガルデ、エルガドもこの地を狩場として狩猟依頼を受けている。
ゴルドラ地方を越えて陸路で到着した一行は今は狩りの前の最終準備をしている。ちなみにライダー組はオトモンに乗ってきた。
「最初はだれが行くか決めてるのか?」
目付け役のタカトラに対し、バンホ―が挙手して答える。
「最初は俺とアルター、ディノで行くことになりました」
「そうか。そうなると剣士2ガンナー1でうまいこと分けられたな。では行ってこい」
「じゃあ船で言った通りだが、アンタたちはアビオルグの立ち回りを事前理解しておくために、参考としてコイツの行動を観察するんだ」
「わかったわ。よろしくね、オーウェン、ブルー」
「ジュィィィ…」
アビオルグの原種であるギアオルグ。全ての行動が被っているとは限らないが、ブルーと狩りに同行したことのないクサンテとデンホルムは、ベースキャンプにてオーウェンの説明を受けながら彼女を観察し、アビオルグの狩猟に備えることにしたのだ。
「アルター。俺とディノはあいつのことある程度知ってるから、事前に口頭で説明していく。まぁ、機動力のあるライトボウガンと、火耐性もあるその防具なら逃げるのは大丈夫だと思うけど」
「お前ほどブルーを知っているわけではないが…まぁ、何とかなるか。いいだろう」
「ありがとう。メイン火力は頼むよ、ディノ、バンホ―」
***
蔦を登ったりイチモクラブで大ジャンプしたりして各エリアの下見を行ったり、環境生物やアイテムを採集しながらアビオルグを探す一行。とりあえずサブキャンプで休憩することにした。
「はぁ…」
訓練所卒業試験以来久々にここへ来たディノは中々顔が浮かない。
「どうした?」
こんがり肉を頬張るバンホ―が、食事を済ませてディノに話しかける。
「…いや、ここはあまりいい思い出がないんだよ」
意図を察したアルターも同情的になる。
「…そうか、そういう立ち回りを昔はしてたしな」
「トラウマか何か?(無知)」
「いや、そこまでの問題じゃないさ。…ただ、結構彼も苦労したんだよ」
「実家の方じゃ有名な武人っていうのにか?実力相応のモンスターなら特に苦難はなさそうだけど」
「いや…俺が苦労したのはさ、周りの人間関係だ。自分で言うのもなんだが、自身のコミュニケーション能力が欠如しているとかの問題じゃない。周りに結構アレなのが多かったんだよ」
「アレ?」
「バンホ―。最初に聞くが、お前やオーウェンのとこはどうやってライダーになる?」
「えっと…基本的には一人か複数人の先輩ライダーから直々に、一人前になるまで付きっ切りに教導されると思う。ライダーは少数だから一度に師事する人数も少なくなるかな。俺のとこだと、ゼラードさん…俺の爺ちゃんの世話役のオッサンとか、村の警備役をしてるアルマとかに教わったな」
「量より質にこだわるというのは少数民族ならでは、っていうカタチだな。それに確か、お前の村は昔は相当閉鎖的だったんだよな。それによる村人の強い結束力も相まって、そういう教育体制になっているのかもしれない」
「で?お前の方はどうなんだよ?」
「…あぁすまない、話がそれた。俺たちの、いや少なくともミナガルデの訓練所での話になるが、まずこの地域についておさらいしようか。
ここへハンターを志望する者は世界各地からくる。俺や姫様のように近場だったり、同期だとブリュンヒルトのフラヒヤ山脈辺りとか、ロンディーネ殿の一件で関わったカムラの里出身とかな」
「そりゃ大都市だし納得がいくわ。しかもハンター発祥の地だってんならうまい具合に縁担ぎにもなりそうだし」
「そして当然知っている話だが、人間を上回る脅威であるモンスターに立ち向かうには、駆け出しにしても相応の技術力と注意が必要だ。モンスターを絆を結ぶライダーだってそうだろう?できるだけ犠牲を出さないようにするため、訓練所では身体能力に恵まれてても卒業に2、3年はかかるレベルの厳しい試験を課される」
「ああ、そうだな。みんなのシゴキには俺も苦労したもんだ。
…ん?まさか、そこへ流れてくるメンツって…」
流れを察したバンホ―だが、大体は合っていた。
「富や名声を求めたり、箔付けとかで来たりするものの中には、大成する者もいれば自分に合わないとわかってハンター志望を諦めて他の仕事を志望・転職するものもいる。それは別にいい。
問題は、訓練生の先輩だからという理由だとか、家の権力を傘にして、何かと言ってくる輩がいるのさ。実力主義の世界なのに」
「一年で卒業にこぎつけるレベルの才能に嫉妬しても、自分に誇れるものがないから家柄でマウントか。俺もオーウェンもライダーになるのに3年かかったから、100パーわかんねーわけじゃないけど醜いな」
「もうホント苦痛だった。気弱そうな印象の奴とか、同期の女子に絡んできたんだぞ?騙すようなこともしてきたし。姫様にもそういう事するもんだから怒らない日の方が少なかったな。
そうした連中が試験参加枠をかすめ取って、俺達と一緒にここで狩りをしたんだが…全員ろくな死に方をしなかったんでため息が出るんだよ」
「まぁクサンテにンなことしたらしたでミンチ不可避だろうけどさwwwwwww」
「いや…割と他人事として笑えることじゃないぞ?オーウェンは俺と顔がよく似ているだろ?ミナガルデにいた時にそういう顔見知りが、遠巻きに俺と見間違えてお礼参りしようとしかけたからな。ブルーの姿を見て逃げていったが…彼女が一緒じゃなければ面倒事に巻き込まれていたかもしれん」
「うぇぇ…。話を聞くにしょせんは小物だろうけど嫌なモンだな」
そして更なる問題をアルターが説明する。
「さらに卒業が出来ない者の中には、訓練所を去って無資格のまま勝手にハンターを名乗る事が問題になっている。身の程知らずで勝手に自滅するならまだしも、勝手に滞在したり、不相応な報酬を求めたりと、正規のハンターまで迷惑する行為が散見されるんだ」
「俺らウロボロスというシェルターに居てホントよかったよ。ギルドナイトさん、ホントにお疲れ様です…」
「まぁ雑談はさておき、アビオルグに専念だ。この狩りを更なるステージへの門出としようじゃないか」
発破をかけたアルターに、男子2人が賛同してサブキャンプを発つ。
「ああ。切り替えていくか」「そうだよ(便乗)」
***
ブルー…もといギアオルグの緑色の色違い獣竜、アビオルグは洞窟であるエリア8にいた。
こちらに気づき、突進するアビオルグはまずボルボロスがやったように噛みつきを行うが回避。酸性の消火液もかすらなかった。
「コウタロウさんは背中の棘と右後ろ脚が弱点だって言っていた。俺が脚に張り付く!」
「じゃあ俺は頭を狙うぞ!ガンランスなら盾で何とかいくはずだ!」
「私は背中と尻尾をメインに狙う!」
3人は散開して各部位を狙ってアビオルグに攻撃を仕掛けるが、そうもいかない。
猛牛が突進する前に蹄で地面をひっかくように、右後ろ脚でディノを蹴りつけるが避けられる。壁に張り付いたセキヘイヒザミも水晶の破片を飛ばして援護射撃してくれている。
「こすいじゃないか。でもこの程度問題ない!」
体勢を戻したディノが再び斬りかかり、気刃斬りを狙うが、2撃目の時点でアビオルグがバックステップを行い、攻撃は頭に吸われてしまった。
「これだから獣竜種は苦手なんだよな…!」
最も動きの遅いバンホーは納刀して肉薄するが、今度は下顎を器用に使って土塊を掬い上げるように彼へ飛ばしてきた。
「水場や雪山だったら属性が付くかもしれんな…」
こちらはガードで耐え抜いて納刀、アビオルグへ迫るがまた動いてしまい、攻撃をスカしてしまった。
再び前方へ進むアビオルグ。今度はかち上げるように頭を振り回しながら噛みついてきた。盾を持たないディノは緊急回避でやり過ごすが、立て続けに大きな攻撃を何度も受け止めたバンホーはスタミナ消費が激しく、携帯食料でスタミナを回復させた。
そんなバンホーには目もくれずに前方へ突進するアビオルグが再び噛みついてくる。ディノは急いで肉薄し、右後ろ脚を狙って切りつけ、練気を溜める。しかし振り払おうとアビオルグが尻尾を180°振り回して、尻尾の付け根にいたディノを吹き飛ばした。
そして頭を向いた方向には、火石コロガシを当てたバンホー。削りダメージで消耗した彼へ火だるまなど気にせずに攻撃するように見えたが…
「…いや、狙いはこっちか!」
後ろを見たアビオルグが左足を上げたところでディノがダッシュ。大剣のように尻尾をディノのいた場所めがけて叩きつけてきた。
「余波でも吹き飛びそうだな。ボルボロスより少しでかいだけの獣竜と言えん力だ…」
そこへスタミナを整えたバンホーがウルクスキーを頭に突きさし、そのまま砲撃を行う。
「竜撃砲は…なかなか使えそうにないな」
ボルボロスよりも体高が高く、フットワークもある。何より新人の今では切れ味の消費が痛い。
そしてアビオルグは右脚を踏み込んでバンホーに噛みついてきた。
「よく動きまわるし的も良くない。私も近づかないと」
「いや待て、こんな動きは初めてだ。アルター、何か来るぞ!避けろ!」
「何!?バ、バレットゲイザーで…!」
右脚を軸にして尻尾をこちらまで振り回してきたのだ。
ギリギリのところで狩技により後方回避を行うアルター。火薬の煙でディノが見えないが…
「あたってしまったか!?おい、大丈夫かディノ…!」
しかし煙が晴れると、そこには大きく怯んだアビオルグと、何やら斬撃を繰り出した後のディノがいた。
「け、ケガはないのか!?」
「問題ない!龍識船にいた教官から教わった鏡花の構えだ!ぶっつけ本番だがうまくいったようだな!」
「そうか。じゃあこのまま攻めるぞ!これをくらえ!」
アルターが雪石コロガシを投げつけてアビオルグの動きを鈍らせ、この隙に尻尾へ徹甲榴弾を当てていく。
「反動を軽減できるガンキンシリーズに変えていてよかったよ!今まで以上に拘束させやすいな!」
尻尾に刺さった弾丸がすべて爆発すると、尻尾の刃先が毀れた。部位破壊が出来たのだ。
「早速部位破壊か!これは先の火属性やられと強力なカウンター技が決まった証拠かもしれねーな!」
「通常弾に変えて背中の棘を狙う。罠と罠肉を頼むよ!」
「「ああ!」」
ディノは痺れ生肉を設置し、バンホーが落とし穴を仕掛ける。これなら弱点の背中を狙えるはずだ。
早速痺れ生肉を食べたアビオルグが麻痺し、アルターが通常弾の嵐をお見舞いする。ディノは右後ろ脚に気刃無双斬りを当てて自己強化と攻撃を。バンホーは頭に突きからの斬り上げ、叩きつけ、最後にフルバーストでダメージを稼ぐ。
「頭も破壊できるんじゃねーか!?このまま行こうぜ!」
「麻痺が解けるぞ。注意しろ!」
麻痺が解けたとたん、いきなりアビオルグが怒り状態に移行した。
「まだあまり攻撃を仕掛けてないのにか!?いやまさか…罠肉か!」
早い段階で怒ったのを、罠肉のせいだと推測。どうやら攻撃をアイテムで阻害するとこのようになるのかもしれない。
「バンホー!落とし穴を破壊できないか!?面倒になるかもしれん!」
「何ィ!?もう間に合わあねぇよ!ごめん!」
バンホーの方に突進してきたので、罠破壊が出来ずに穴に落ちてしまう。仕方なくそのまま殴り続けるが、穴から脱出したところでアビオルグが咆哮したのだ。
「ヴォアアアアアアーッ!」
鎌首をもたげてから前のめりに首を突き出して大咆哮をする。今更ながら、タンジアや龍歴院の獣竜とは異質な印象だ。
「こういうのは厄介だな…!」
そして異質なのは終わらない。アビオルグが燃え盛るような赤いオーラを纏い、もう一度咆哮をしたのだ。更なる興奮によって血管が膨張し、運動能力が上昇したのだ。
「第2段階移行か。本領発揮というわけだな!」
咆哮で動けない剣士たちをそのままショルダータックルをかまして飛ばしたアビオルグ。2人を焼き尽くそうと、左右にリーチの短い火炎放射を行い、そして2人の吹っ飛んだ方向へブレスを炸裂させようとした。
「間に合ってくれっ!」
アルターがギリギリで閃光玉を炸裂させて視界を奪い、間一髪のところで助かった。さらに雷毛コロガシを当てて雷属性やられにする。
「体勢を立て直すんだ2人とも!今の狙いはキミたちだ!」
「あ、ああ!」「ありがとよ!」
応急薬で回復し、頭を狙ってちまちま攻撃する3人。フットワークの軽さに苦戦しながらも、アルターの通常弾速射が効いて何とかスタンさせる。
「削りきるぞ!」
「えっ、もうイケるのか!?」
「確信はないがいけるはずだ。目に見えるほど運動能力が上がって体がほぐされてるならば体が軟らかくなって打たれ弱くなるかもしれない!」
「そうか。じゃあ出し惜しみなくいかせてもらおう!」「ああ!これで最後だ!」
頭にバンホーの竜撃砲とアルターの無数のLv3徹甲榴弾が突き刺さり、ディノの桜花気刃斬が右脚に全斬撃が当たる。
バァン!ボガァン!ズガァン!
アビオルグが起き上がったところで突き刺さった全ての徹甲榴弾が起爆し始めた。
バキッ!ボキイッ!
立て続けの爆発の中で、2度何かが破壊される音が聞こえた。
やがて最後の爆発が終わり、頭を丸ごと包んでいた硝煙が消えると、そこには左角と牙を折られたアビオルグがいた。
「ブジュゥゥゥゥゥ…」
集中砲火に耐え切れず、そのアビオルグは一歩も動くことなくその場で力尽きた。
「っしゃあ!勝利ィ!」
素直に討伐に喜ぶバンホーに、アルターとディノも続いて剥ぎ取りを始める。
「今までのモンスターとは色々違う感じではあったが…まぁ、良しとしよう」
「鏡花の構えは当たれば強いが、正直極ノ型のいなしよりも厳しいな。とりあえず、次教官と会ったら他の狩技も体得しておこう」
その後。
クサンテ達も3人が直に仕入れたアビオルグの情報を元に狩りを行い、見事討伐を決めたのだった。
***
アビオルグの狩猟に成功し、HR2に昇格した一行。メゼポルタへ帰還したその日の晩、ディノとバンホーは食材屋で買った狩人弁当を夕食にして広場で喋っている。
「しっかし、お前はクサンテを始めとしてたくさん同期の女子を庇ってたんだね、流石騎士ってところか」
「まぁ、俺に限らず他の同期もしていたさ。何のことはない。男として当然のことをしたまでの話だよ」
「もしかしてお前ら、いろんな同期から好意寄せられてたり?」
「恋愛感情ほどではないが同期とは仲が良いな。今年のバレンタインデーには遠方から近況報告の手紙と一緒にチョコレートが沢山送られてきたよ。
その…義理で送った者もいるだろうがそれでも嬉しいな。
…わかっているだろうが、俺たちは決してやましい目的の元、こんな事を見越して庇ってきたわけではないと理解してくれ」
「そういうのは俺でもわかるさ。
しかし、もしもの話だぜ?同期とか、修行の旅で出会った女から好意を持たれたら沢山付き合うか?貴族に養ってもらえるとかで食いつくかもしれないし、側室もアリかもしれんし」(
「いや、それは背後から刺されそうで怖いからやめとく…。ところでお前、バレンタインデーはどうだったんだ?」
「ああ!?文化すらルトゥにありませんでしたが!?
どーせ俺にはバレンタインデーなんざ無縁なんだよ無縁、ハハハ、ハハハハ!」
生まれて70年、こいつはバレンタインチョコを貰ってない。というか、ディノが話すまでずっとこのことを忘れていた。
「その…なんだ、俺が言えることではないが…強く生きろ」
シトン村へ自棄になって乾いた笑いをあげながら帰るバンホーに、同情しながら見送るバンホーであった。
そして、一部始終を見届けていたリルスからマイハウスにて…
「チョコ貰えなくてかわいそー♡でもでもー♡私ならチョコよりもっともーっと甘いものを好きなだけ飲ませてあげるよ♡」
ンッ、ゴクン…パンッパンッ…ズッチュズッチュ…アッ……モッ……イキソッ……イクッ……アッ……スキッ…ダイスキッ…ビュルルルッ……
「んっ♡ごちそうさま♡愛してるよ、バンホー君♡」
自分のことを愛してくれる美少女がいるんだからまぁ、多少はね?
パローネ=キャラバンの気球で移動するという手もありましたが、アレは上位以降の実力がないと迎え入れないのを知ってボツにしました。
ストーリーズ関連のプレイ経験は
-
MHST
-
MHST2
-
オトモンドロップ
-
ライダーズ
-
2作品以上
-
ないです