Monster Hunter Reincarnation 作:scp-114514
ディノのレウスシリーズ…正統派な騎士。名の知れた本家の装備。火を使う飛竜。
オーウェンのアビオシリーズ…軍人。本家の装備ではないマイナーなもの。火を使う獣竜。
頂上のエリア5に来たが、一行以外誰もいない。
「あれ?頂上にいないじゃないっすか…
……いや、飛んでたのか」
しかし気配を感じ取った飛竜が、突如高地に舞い降りた。
全身を覆う棘だらけの青い甲殻と、頭部と一体化したような角が特徴の飛竜。この荒々しい印象の持ち主こそが、蛮竜グレンゼブルなのである。
「オ‘’ア‘’ア‘’ア‘’ア‘’ア‘’ア‘’ア‘’ア‘’―ッ!」
アビオルグの時よりも凄まじいバウンドボイスに、思わず全員が尻もちをついてしまう。そこからグレンゼブルはまず後ろに下がり、力をためるようにしてから横から噛みついた。こちらは特に問題なく回避でき、お返しにバンホーが頭を殴りつける。
「…よし、素でも弾かれない!」
だが次の瞬間、グレンゼブルが大きく羽ばたいて風圧で吹き飛ばされる。図体のでかいリルスには全然効いていないが、3人は攻撃を受けたアイルーのように派手に吹き飛んでしまった。体勢を整えても、着地時にグレンゼブルが自身の全体重で踏みつけ、水の衝撃波と大きな震動が発生してしまう。
「流石、大型飛竜というべきか…!」
だがやられているわけにもいかず、バンホーが九九式トランペットの演奏で属性攻撃力を強化。その恩恵を受けてディノがバンホ―と共に頭、オーウェンが尻尾へ斬りかかる。
「このゾーン・クリンゲなら尻尾も簡単に届いたぞ!部位破壊と切断は任せてくれ!」
「罠がこいつには効きにくいし、落とし穴に至っては暴れると教えてもらった。旋律のサポートは本当にありがたい!」
そこへグレンゼブルが3人を薙ぎ払うかのように、尻尾を振り上げ、力をためてスピン。同時に尻尾をたたきつけて振り回すが、3人は絶対回避で散開してやり過ごした。
「尻尾が振り上げられたので動作がわかりやすいだろう?大振りだからきちんと見切って行動するんだ!」
「はい。事前情報ありがとうございます、キヨシさん!」
そう言って再び攻撃を開始。バンホ―が九九式トランペットをぶん回してから水耐性強化の旋律を演奏している間にディノがレッドウィングを流れ斬り連携により素早く重い斬撃を当ててグレンゼブルをひるませた。
「そんな攻撃も出来んのかよディノ!?」
「アルロー教官に教えてもらったのさ。さて、あと3回ひるませれば角が折れるぞ!」
「ジョアッ!」
リルスも本格的に参戦して、翼めがけてキックを放ってきた。グレンゼブルは彼女の方向を向いてショルダータックルをかますが、鈍重なので空に逃げられてしまう。しかし今度はバサルモスの時のように体をそらし、鎌首をもたげる事前動作をしてから水ブレスを浴びせてひるませ、バランスを崩させて地に落とした。
「隙アリ!」
だが彼女に気を取られている間に、尻尾に回ったオーウェンがゾーン・クリンゲの溜め斬りと強溜め斬り、最後に真・溜め斬りを食らわせてひるませた。
「あと一回ひるませたら尻尾が切断できるようになるぞ!」
ここでグレンゼブルは、自分の角がそれほど自慢なのかそれを砕こうとする眼前のディノとバンホーを優先して打倒すべく、力をためて角を地面に2回突き刺す。そして2回目の終わりに、そこから前方へ角を突き上げた。それはカブトムシが相手を角で投げ飛ばすかのようで、当たったら宙へ吹き飛びそうだ。
かろうじてディノがバンホ―を庇って刀身でガードしたが、その威力は凄まじく2人とも大きく後退させられてしまう。さらに力をためて鎌首を上げて体を回転しながら斜めに噛みつき、そしてその回転を活かして尻尾も振り回し。あまりの広範囲の攻撃の連続で、誰も手も足も出なかった。
「流石、聞いたように膝崩れを起こすほどに重たいな。ここは俺たちに攻撃が来ないことを祈って…!」
この重い連撃を刀身でガードした2人は切れ味も体力もスタミナも著しく落ちており、やむを得ず距離を取ってから閃光玉を投げて立て直しを図った。
視界を奪われたグレンゼブルは激しく暴れる。間近にいるかもしれないと思って両翼をその場に叩きつけた。そして次の瞬間、思いがけない行動を取る。
ドゴンッ!!!
角を振り上げてから力を溜め、勢いよく振り下ろして地砕きをしたのだ。この衝撃は角が穴をあけるだけにとどまらず、その周囲広範囲も陥没させるどころか、陥没しなかった近くにいた3人を一気に吹き飛ばす攻撃したのだ。
「なっ…あんな攻撃下位ではして来なかったはず!」
これはキヨシが事前情報で教えていた攻撃ではない。そうなるとこの攻撃をしてくる理由はただ一つ。
「というかよく見たらこいつ、頭の角が大きくて鋭いじゃないか。脚の爪もデカくなってるし…何より全体的に黒ずんでいるぞ。まさかこいつ、特異個体か!?
…くそっ、危ないぞ!モドリ玉で拠点へ戻れ!」
「エリア4の洞窟じゃダメなんですか!?」
「ブルックが邪魔してくるかもしれない。だったら安全圏で落ち着いて立て直すべきだ!」
「は、はい!」
想定外の行動で暴れるグレンゼブルがいては体勢を立て直すのが難しいため、キヨシは大型モンスターのいないベースキャンプで仕切りなおすべく全員を退避するよう指示した。
***
息も絶え絶えで急いで洞窟エリアに退避したあとにモドリ玉で救難信号を出して拠点に戻った3人は、息を整えて武器の研磨とスタミナ・体力の回復を再開する。
「先輩、特異個体って何なんですか?」
「簡単に言えば、下位でも秘伝書を渡されたハンター、つまり凄腕ランク以降のハンターしか受注できない奴らだ。あまり変化がないものもいれば、通常個体と比べて別物レベルの強さに仕上がっているケースもあるからな。下位のドスランポスすら手練れが地獄を見るレベルに強いと言えばわかるかな?」
「はぁ!?というか本来3人どころか私たち全員が受けられないものがなぜ!?」
「依頼書の写しが渡されるはずだろう。見せてくれ。
…ん?HCクエストの印がないな。ならワンチャンいけるか…?」
「えっ…どういうことですか?」
「特異個体を受けるクエストは
「…つまり、下位のハンターでもやれるから、兄上たちにも勝機があるってことですよね!?」
「ああ。だが思った以上に苛烈になっていることを考えると、罠との相性も考えて持久戦は避けたい。バンホ―君、リルスの方に居ていつでも指示や連携攻撃、絆技ができるようにするんだ。他はとにかく攻撃を当てることに専念すること。部位破壊ではなく討伐と帰還を最優先だ!」
「「「はい!」」」
***
不幸中の幸いというべきか、今は温暖期なので高地は雨が降ることはない。グレンゼブルは雨が降ると落雷のストレスも相まって怒り状態になり、早期にカタをつけようとするからだ。つまり、雨の降らない今ではグレンゼブルがこれ以上本領発揮することはないのだ。
リルスの背中に乗って頂上に再び赴いた3人。グレンゼブルの正面にバンホ―とリルスが、残り2人は尻尾や足に張り付く形でフォーメーションを取る。
「本来なら俺がいきたい所だったが…真っ向勝負は任せたぞ2人とも!」
「おう、ディノ!」「ジョオウゥゥ!」
「共存するブルックの追撃が邪魔になるかもしれない。このエリアで仕留めよう!」
手始めにグレンゼブルは軽く後退してからジャンプ。着地時に尻尾を振り回しながら角をブレーキのように突き刺し、そこから突き上げてきた。
だが突き上げのところでリルスとバンホーがサイドへ回り込み、噛みつきと九九式トランペットの叩きつけをお見舞いする。
「これは先輩の言ってたやつだな、読める!」
今度は、左右に角と尻尾を振り回しながら前進し、2度地面を穿って角を突き上げる攻撃をしてきた。正面や腹下に立っていると巻き込まれそうだ。
「ガードでやり過ごすッ!」
なんとか攻撃を耐える程度の気力はあるが、とにかく正面や胴体にいたら厄介な技ばかりだ。ここで全員は、尻尾や翼、背中など反撃が当たりにくい部位を集中することにした。
「属性攻撃と水耐性の強化の付け直しだ!」
バンホ―がまずグレンゼブルのブレス対策と、全員の火属性攻撃の底上げを図る。
「「うおおおっ!」」
ディノとオーウェンが溜め斬りと強溜め斬り、真・溜め斬りを尻尾に当ててひるませ、尻尾の赤いとげが破壊された。次に相応のダメージを蓄積できれば尻尾が切れる。
「ジュオオオオゥッ!」
更にリルスが正面から突進し、踏み込んだ右足を軸にしてそのままスピン。横から尻尾をフルスイングして殴りつけて、グレンゼブルが眩暈を起こした。
「…よし、ぶっつけ本番だけどここだ!『音撃震』!」
リルスがついでとばかりに頭に火球を当ててから後退するのを確認して、バンホ―が龍識船の教官から教わった狩技を使う。左右交互にぶん回して殴りつけ、最後に強烈な衝撃波。しかしこれでも角は折れない。
眩暈から回復したグレンゼブルは集中砲火から避けるように飛行し、リルスを頭上からブレスを当てようとする。
「一気に討伐まで持っていくぞ。ライドオン!UNKNOWN!」
バンホ―もリルスに乗って空を飛び、飛行対決が始まった。
この時、より前へ前へ飛んで方が飛行能力が高いことになり、制空権を握って空から攻撃しやすくなる。
「振り切るぜ!」
飛行ではなくパワフルな肉弾戦をメインとするために飛行速度が鈍重なグレンゼブルは簡単に取り残されてしまった。そして振り切ったリルスが力強く舞い上がり、その風圧でひるんだグレンゼブルの背中に鋭い蹴りを入れる。体勢を崩したグレンゼブルはエリア5に背中から落下し、地面に直撃した際の凄まじい衝撃で背中と角が部位破壊された。
そしてバンホ―は、いまだ滞空しているリルスに絆石の力を開放させる。
「『フレイムシェイバー』!」
のたうち回るグレンゼブルの全身を、サマーソルトで発生した炎の刃が斬りつける。
が、グレンゼブルは火属性が弱点とはいえその通りは悪く、全身の鱗を焦がし、腹や両翼を絆技で部位破壊されながらも立ち上がった。
「俺たちを忘れるな。これで終わりだぁ!」
「今度こそ尻尾を!」
そして隙をついてディノとオーウェンが渾身の力で溜め斬りを尻尾にかます。この2撃で尻尾は切断されるが、衝撃でぶっとんだグレンゼブルの方もこれで限界だったらしく、吹き飛んだ地点で倒れ伏したまま起き上がらなかった。
***
剥ぎ取りを終えた一行が下山の支度をする中、ふとディノが空を見ると珍しい光景が広がっていた。3頭のリオレウスがどこかへ飛行しているのだ。それだけではない。別方向からも亜種も原種も関係なく合流して、群れとなったのだ。
「グルゥ…」
同じころ、ベースキャンプにて4人の帰りを待っていたクサンテ達。彼らから成功の信号を確認して荷物をまとめている最中、昼寝をしていたミクトランが突如スイッチが入ったように目を覚まし、頂上とは別の方角を向いて機嫌が悪いように唸っている。その光景を見たクサンテ達は、キヨシから普段は大人しく呑気に昼寝していると聞いているもんだから、得体のしれない恐怖を感じて仕方がない。
「…あのキヨシさん、ミクトランが凄い不機嫌になって唸ってますよ?」
「えっ…そうなのか?とにかく早く帰ろうか、みんな(転生者でオトモンとは言え、姉ちゃんは古龍だ。こんなことなんてよっぽどの事だぞ…!?)」
メゼポルタに帰還後、同様の事例が別地域でも確認されたという報告がギルドに集まった。
生態系における異変の発生の元、その調査のために今期の狩人祭が中止されるという異例の事態が発生したのは翌日のことである。
***
一行がメゼポルタに帰還して数日後。狩人祭に参加したハンターと書士隊の目撃情報を整理している山本耕史っぽい男が居る。
男の名はメフィラス。かつて宇宙を漂流していたところ、この星に不時着し、そこでメゼポルタギルドに拾われ、書士隊に特別技術者として採用する名目でメゼポルタに軟禁されている宇宙人の転生者だ。
「証言をもとにすれば、すべての群れが同じ方角、か…。この先には一体何が…?」
世界地図を見ても、リオレウスに関係する地域は特に見当たらない。そんな中、メフィラスの元に一人の書士隊が駆けつける。
「すいません、メフィラスさん。これを…!」
書類を一瞥したメフィラスは外出用の服装に着替えると廊下で隊員と話しながらギルドの外に出る。
「類を見ない異例が起きているというのに…。しかしこれもこれで放置はできませんね。以前のこのクエストでは誰が行きました?」
「はい。危険度が凄腕ランク帯で、当時それに位置していたウロボロスのメゼポルタ支部長、コウタロウさんが撃退をしました」
「では通達に行く前に航空ルートを手配しましょう。今停泊している龍識船の飛行ルートには雲見砦が途中にありますから、船員へこの件を報告して搭乗の手続きを行ってください」
「わかりました。ならばメフィラスさんはコウタロウさんへ報告をお願いします」
「ええ。それと、申し訳程度でしたがバンホ―さんに天廊遠征隊が持ってきた古文書の解読版も渡さないといけませんね」
同じ転生者としてウロボロスの新入団員達にも挨拶としてある程度話してはおく必要もあると踏んでのことでもある。
「…しっかし、極み個体でないとは言えこれはいささか厄介な話だな。
『
特異個体については、有志兄貴からそもそも秘伝書もらえてないとそれを狩る『
ただ、装飾品を作るためのクエで出るモンスが特異個体で、それも秘伝書なしでも受注できたとの話を聞いたので、そういうのがあったんならグレンゼブル特異個体もありかな?と思ったんで無理やりご都合主義で通しました。
ストーリーズ関連のプレイ経験は
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MHST
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MHST2
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オトモンドロップ
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ライダーズ
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2作品以上
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ないです