Monster Hunter Reincarnation 作:scp-114514
第2ラウンド開幕早々、グァンゾルムは空を飛びながら赤黒いブレスを一点に空から滝のごとく吐く。圧倒的な熱量に体力がゴリゴリ削られながらも脱出するコウタロウとタカトラだが、グァンゾルムは追撃を仕掛ける。ボディプレスでその地点を踏みつけた。
「わわわっ!?なんて強い震動なんだい!」
その強さは、遠くから見守っていた一行…特に耐震のつくディアブロシリーズを着たイスミすら震動が強すぎて飛び上がったのちに転倒するレベルの凄まじい震動だ。
更に、それだけでは終わらない。その赤黒いエネルギーが多方面へ、雨のように、竜巻のような形で天から無数に降り注いでいく。しかしこの地獄絵図にも屈することなく、回避を成功させて立ち回る。
「グァンゾルムの方へ近づくぞ!あいつの周りに降ってきていない!」
「わかりました!」
タカトラは尻尾に斬り上げを当て続ける『無限乱斬』を再び仕掛け、コウタロウも翼を狙って滞空連携を仕掛けるが、グァンゾルムは第一形態の時と同じように広範囲ブレスを移動と前足叩きつけをしながら放射する。
「…さっきのグァンゾルム、龍属性を持っているみたいだけどなんか炎みたいに揺らめいてなかったかしら?」
「ありゃ火と龍の複合属性、『炎属性』。あいつは2種の属性を自前で使えるということだな」
「…最初は龍を使わなかったのは、本気を出してなかったりとか?」
クサンテの疑問にはバンホーが答える。大自然の中にある隠れ里でライダーをしていたので、それなりに感覚も鋭いのだ。
「…たぶん。竜人の俺からすればあの野郎、めっちゃキレてる。怒り時のモンスターは普通なら吼える程度だけど、エギュラスかみ殺してる時点で相当だろうよ」
そして次に、グァンゾルムは前方に直線状の超咆哮を発しつつ歩行。最後の追尾ジャンピングプレスが狙うのはコウタロウだが、両者ともに回避・ガードを行い、ジャンピングプレスも震動含めてやりすごして、そのままグァンゾルムの足元を攻撃。コウタロウはコーレクラトモーフのリーチを短くして連続突きを、タカトラはコウタロウに攻撃が当たらないよう位置を変えるべく移動しながら力を溜め、光剣モードで渾身の溜め斬り上げを当てる。
これらの攻撃でグァンゾルムがようやくダウン。コウタロウは頭へ移動して穿極拳舞のラッシュを繰り出してスタンを狙うが、穿極解放をしてもスタンしない。
そして…ここで一同が目を見張るのはタカトラの方だった。
「これで切断出来たらいいんだが…!」
尻尾に光剣を突き刺す始動突きを仕掛ける。誰もが属性開放突きと思ったが、それは違った。
「武器を尻尾に突き刺したまま…タカトラ殿が体を反転させましたぞ!?」
「しかも支部長の向いている方向に風が吹いてます!吸引してるんでしょうか…?」
その後、タカトラが光剣を横に大きくぶん回し、縦に大きくたたきつけ、最後に手元のスイッチを押して大爆発。竜撃砲以上に激しく拡散した。長い隙を見せただけあって一連の攻撃は相当らしいが、グァンゾルムの尻尾はまだ切断されない。
「アレこそこちらのスラッシュアックスの大技。モンスターからエネルギーをビンに吸収して、それを解放させる『属性吸収大解放』!隙は相当なもんだが、属性解放突きよりもデカい大技だぜ?」
「でも、あれは刀身に強い負荷が来そうで俺のデスピアダドとかの普通のスラッシュアックスじゃ無理そうですね…」
「ま、高度な加工技術を実現できるメゼポルタの工房だからこそやれる事ってもんよ!」
切断による一時的なダウンから復帰したグァンゾルムの向ける方向から一直線に、赤黒いオーラが漂う。
「これはまずい、避けないとな…うおっ!?」
直後、グァンゾルムは飛び上がって炎属性の球を放った。地面へ着弾すると炸裂し、広範囲に地面をめくりあげるほどの熱風が吹き荒れる。側面に回ってからの回避で何とか避けたが、こんな攻撃を何度も放っていてはやっていられない。早く勝負をつけなくては。
そのまま脚に攻撃する2人だが、今度は軽く力を溜めて右と左に殴りつけ、そして轟音とともに左手を引き抜いた。凄まじい震動が発生するが、これもフレーム回避でやり過ごす。
度重なる回避で猛攻をやり過ごした2人。タカトラは尻尾に再び無限乱斬を、コウタロウは頭に滞空連携を仕掛けるが、滞空蹴りをしたところでグァンゾルムが怒る。
「ギュィィィィィィィィー!」
第1段階の時同様に翼が燃えており、本気の中の本気といったところか。
手始めに繰り出したのは、第1段階でやった時と同様の暴風の刃。必死で懐に潜り込むことで避けたが、羽ばたき時に発生した超風圧が凄まじい。遠巻きに見学をしていた一行の中でも風圧耐性があるイーヴァはおろか、さらに強い風圧耐性がある2人でも無効化できずに吹き飛ばされるレベルで激しくなった。
そして今度は第2ラウンド始めに行った、上昇しながら炎属性のブレスを滝のように吐いてボディプレスで拡散させる攻撃。光剣エネルギーのチャージも兼ねてガードしたタカトラと回避でやり過ごしたコウタロウは着地時に頭と尻尾の位置が下がっていることに気づき、タカトラはスラッシュ回避で攻撃しながら尻尾に移動してそのまま溜め斬り上げをした。頭にはコウタロウが突きを交えながらコーレクラトモーフを振り回し、〆に力を溜めて殴りつけるように強く振り回す。
しかしグァンゾルムの方も第2形態の怒り状態なだけあって、さらに恐ろしい攻撃を仕掛けてきた。
その場から飛び上がったと思いきや、炎を一点にチャージ。巨大な球状のブレスをゆっくりと生成している。
「なんか…プレイしてないけどアイボーに出てきたムフェトがしてくる『王の雫』っぽくないですか、アレ?」
「被弾したら絶ッッッ対バイオライダーでもロボライダーでもやべえって!とりあえず緊急回避一択でやり過ごすぞ!」
「は、はい!うおおおおおおおおおおっ!」
2人は力の限りグァンゾルムからダッシュで離れる。そしてブレスが地面にゆっくりと打ち付けられた時…
ドガアアアアアアアアアアン!
ブレスが炸裂すると、エリア全域を地面がめくれるほどの熱風で包み込む大爆発と大炎上が起こった。地獄絵図と言うにふさわしい。
威力、範囲ともにエスピナス亜種のメガフレアをも超えるレベルの超広範囲攻撃、通称『ギガフレア』。被弾すると打ち上げられた上で250近くの体力をスリップダメージで削られるので根性で耐え抜くのも不可能。ハンターの体力の最大値は150なので被弾すれば即死で、エリア全域が対象となることから粉塵による救出も意味をなさない。ガードは完全に不可能、判定時間も長いのでフレーム回避もできず、魂の再燃系効果を以ってしても下手な体力で被弾すれば即死は避けられない。よってタイミングよく緊急回避をするしか対策がないのだ。
「ま、まだあんな大技を隠し持ってんのかよ…‼」
「絶対ボクらが戦うラオシャンロンの比じゃないよ!?」
「ガブラスらしきものがいなくなっても十分強いですな…!」
「それよりもコウタロウさんたちは大丈夫なのかしら⁉」
クサンテ達が心配する中、何とか2人は緊急回避を成功させたらしく再びグァンゾルムへ距離を詰めていく。胸をなでおろす一同だが、セントの表情は厳しい。
「見たところ回避に成功したみたいだが…ゼナGXシリーズもガンキンGXシリーズも素で火耐性はあるが龍に弱い。絶対これは響いてるな」
「早く決着をつけないとですね…!」
グァンゾルムは向かってくる2人に対して左側面を向ける。そして右翼で周囲に超風圧を起こした直後、左翼で前方5方向へ炎の竜巻を放った。
「支部長!竜巻の配置はまるで暴風の隙間を縫うようです!」
「よし!暴風の軌道は覚えているよな?それにグァンゾルムの周囲に発生しているのは共通している。位置取り回避をして懐を目指すぞ!」
「はい!」
モンスターの行動をきちんと覚えていた2人は難なく回避して足に武器出し攻撃をするが、再びグァンゾルムはその場から飛び上がって滞空した。間違いない、ギガフレアの準備だ。
「また灼熱火炎地獄を作る気だぞあの野郎!ミナガルデやドンドルマとかのG級ハンターが挑んでいい奴じゃねーぞ⁉」
「そ、それに2人とも今度は緊急回避の準備をしてないわ!むしろ納刀してグァンゾルムの足元に立ってる!どうする気なの2人とも⁉」
「アーギル、姫様、落ち着いて下さい!多分2人とも超越秘儀を使う気です!」
顔面蒼白になるアーギルとクサンテを落ち着かせたディノは、ギガフレアの挙動を思い出してコウタロウとタカトラの意図を察知する。
「な、なんだよそれ?」
「いいから見てろ…俺が聞いた情報が正しければ…!」
2人が一気に力を解放するかのように全身に力を込めて身を屈ませている動作をしている中、ギガフレアが地面に落ちてフィールド全域を焼き尽くそうとする。
しかし…!
「「エンジン全開!(ゴーオンジャー)」」
2人の声と共にオーラが発生。ギガフレアの炎が消えた時、2人はオーラに包まれた状態で立っていたのだ。
「——————
「超越、秘儀…?」
「確か、ミドガロンの時にも使っていた古代技術のことよね?属性耐性や属性攻撃強化、体力の回復以外にも効果があるの、ディノ?」
「はい。あの後タカトラさんに聞くことがあったんですが、オーラを纏うことでそれら以外にも納刀時の移動速度を上げたり攻撃を受けても怯みにくくなるらしいんです。更に、発動する際に発生するオーラは強烈で、タイミングが良ければ強力なモンスターの攻撃を受け止める壁にもなるそうです」
「まさに切り札と言うにふさわしいな」
「そうだ、イーヴァ。だが発動するにしても相応の気力が必要らしくてな。クエスト中なら何度でも使えるが、一度使うと体を休めないといけない。それに上位昇格時にギルドマスターから書物を渡されて使えるようになるけど、十全に使いこなすには何度も何度も発動して体になじませる必要があるらしいんだ。恐らくあの2人も今まで相当な数発動してきたんだろう」
「ただ使えるだけでは意味がないとは、玄人が集まるメゼポルタらしいわね」
「そうですね、あともう一つグァンゾルムのそばに陣取っていたことについてですが、グァンゾルムの様子をご覧ください姫様」
「えっ?ええ…。追撃はしてこなかったけれど、それがどうかしたの?」
ミナガルデの訓練所で優秀な成績を叩き出しただけあってモンスターの挙動をよく見ているディノは、2人の立ち回りに対して推測を立てる。
「はい。一回目もそうでしたが、グァンゾルムは特大ブレスの後に暫く動きを止めていました。咆哮もしてはいましたけど、2人が復帰した様子を見るに、音圧は少なくともコウタロウさん達にとって回避が必要なレベルではないのでしょう。その隙を狙って攻撃を仕掛けるつもりだったんですよ」
「そのことも見据えて立ち回っていたのね…」
そして動きを止めている間にコウタロウがコーレクラトモーフのリーチを長くして頭に滞空連携をかます傍ら、タカトラが尻尾へ光剣モードで無限乱斬を決めたところ、ようやく尻尾が切断される。
「六華閃舞の前にスタンを決めるぞ!トゥリャ!」
グァンゾルムの2連続ブレスをかいくぐったコウタロウが繰り出した、抜刀ダッシュの速度を乗せた素早く重い突きで今度こそグァンゾルムはスタン。この隙に、2人とも翼にまわり、コウタロウは抜刀ダッシュから浴びせ蹴りと突きを放ち、そして力を限界まで溜めて強烈な衝撃波と共に突きを放つ「EX溜め突き」を繰り出して、最後に龍気解放。タカトラも斧モードに切り替えてウィルofソウルを振り回す。
一方、眩暈を起こしているグァンゾルムに、コウタロウが龍気共鳴をした時点で白いオーラが漂う。氷属性のオーラが溜まったのだ。
「スタンから戻りますよ、支部長!ここで決めましょう!」
「いい加減倒れてくれよな…!」
起き上がる前に2人は納刀して剥ぎ取りナイフを構え、大きく踏み込む。そして————
「「せいっ!」」
ナイフ先から放つエネルギーを同時に当てて氷属性オーラを炸裂させた。その瞬間、イスミ達は驚愕する。
「一瞬で凍り付いた⁉」
そう、グァンゾルムの周囲の冷気が強まったことで全身が凍結したのだ。
「『
「そうなんだねぇ、ディノ…」
「実際に向き合っているからこそわかる。こいつはもう瀕死のはずだ!出し惜しみなしで攻めるぞ!」
「はい!これで決めます!」
攻撃が通りやすかった頭も翼がとても低い位置で凍結したグァンゾルム。これ以上のチャンスはないとばかりに、コウタロウは頭に穿極拳舞を力の限り当て続け、そして最後に穿極解放をして大ダメージを与える。
「今度こそだ!属性吸収大解放をくらうがいい‼」
一方、タカトラも残り僅かな光剣エネルギーを使うべく光剣モードに変形、属性吸収大解放を再び狙う。翼にも当たるよう狙って胴体に刀身を突き刺して体を反転。エネルギー吸収を完了させて光剣を横と縦に渾身の力で斬りつけ、最後に手元のスイッチを押してエネルギーを大爆発させた。
2人のそれぞれの攻撃のフィニッシュが同時に発生し、凍結状態から復帰しようとしたグァンゾルムに凄まじいエネルギーの炸裂が襲う。どちらが決め手になったのかはわからないが、それらがすべて終わる時だった。
「グゥオゥゥゥ!?」
グァンゾルムが怯み、全身から龍属性エネルギーがフィールド全域を覆うように拡散した直後の事である。
「ギィオゥゥゥゥゥゥ…」
断末魔をあげてピクピクと痙攣しながら倒れ伏し、今まで黒かった空も最初の時のように曇り空に戻った。
グァンゾルムの討伐がついに成功したのだ。
「ほ、ホントに2人で討伐しちゃったよ…」
見学していた下位ハンター達は呆気にとられる。古龍という天災を打ち破ったのだから当然の話だ。ましてや相手がメゼポルタのG級クラスというのだからより一層信じられないだろう。
「ま、アレ並にヤバい奴らがひしめく魔境だからな。加工屋としてハンター達と長く付き合ってる俺らから言わせりゃあ、驚くのは今に始まったことじゃねーよ」
「ホントそっちはおかしいって…」
一方コウタロウ達も相当きつかったらしく、頭装備を脱いで素顔を見せ、へたり込む。ここまでしないとグァンゾルムを倒せなかったという事実が、G級モンスターの恐ろしさを改めて感じさせる。
「ぬわ疲っすよ、支部長…」
「俺も当分動けねえ…」
疲労困憊なのは遠くからでも目に見えてわかったので、剥ぎ取りをし終わったのを確認すると、見学していたメンバーが肩を貸して龍識船へ連れていく。いろいろと話したいことはあるが、そのために彼らの体調の回復を待つことにした。
Q.借りたメンバーの装備にこだわりあんの?
A.グァンゾルムの妨害要素がどれだけヤバいかを表現するため。
ストーリーズ関連のプレイ経験は
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MHST
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MHST2
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オトモンドロップ
-
ライダーズ
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2作品以上
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ないです