Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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ダイゴの方は新人教育も兼ねてミーナも連れてった方が良かったかもしれない


ホワイダニット

リヴェルトに連れられて砂漠の洞窟を進むダイゴ達。複雑に入り組んだ広い区間の道中でダイミョウザザミやドスゲネポスに遭遇しながらも奥へと進んでいる。

 

「なぁ兄ちゃん、結局ガノトトスが荒野に現れた理由って何なんだ?」

 

「それを今から確かめるんだろ?モンスターの声に耳を傾ければわかることだ。

しゃべる方のじゃないぞ?どうしてその場所にいて、何が原因で暴れてるのかを知るために、相手の意図をよく考えて見抜くのさ」

 

「モンスターの声、か…。爺ちゃんみたいだ…」

 

「ん?そうなのか?」

 

「ライダーさんの爺ちゃんは、レドっていってな?すごいライダーだったんだよ!ライダーさんはその人の才能を受け継いでるんだぞ!」

 

「レド…レドかあ…。その名は確かにハンターの間でも聞いたことはある。

…しっかし、そいつにはモンスターの声が聞こえていたんだな。なら一層の事、今のままじゃいられねーよな。答え合わせに行くぞ!」

 

そうしてリヴェルトはダイゴの背中を叩いて激励する。

 

「うん!」

 

 

 

***

 

 

 

「新大陸へ?」

 

現大陸、ユクモ村。修行のために滞在していたフレッチャーとカイトはクエストから帰還後、かつてアマツマガツチを退けた専属ハンターと出会った。荷物を村の門に置いた荷車にまとめており、おそらく遠出をするつもりだろうが、その答えはあまりにも予想外だった。

 

「新期の調査団募集はこの前行商人の護衛でタンジアへ行った時に知ったんだ。滅多にないチャンスだ、せっかくだからまだ見ぬ大陸を旅してみたいと思ってな」

 

「ギルドから赴任された専属を解除することになるがよかったのか?」

 

「問題ない。前々から更なる上を目指したいっていう旨の相談を村長にしていてな。その矢先に今回の募集を知ったんだ。村のみんなには事情を言っている。

…いや、ラオシャンロン撃退に参加したこの村出身のハンターは聞いてないな。

それに、村長もここを新人ハンター研修の場として取り仕切る方向に転換したいと言ってるんだ」

 

「じゃあ、こっちも近いうちにメゼポルタに戻んない?僕ら凄腕ランクのハンターが居たら成長が阻まりそうだし」

 

「そうだな、カイト。しかし、村の方針転換はどうしてだ?」

 

「アマツマガツチが居なくなったからとのことだ。渓流はそりゃあ危険なモンスターはいるけど、危険度は低めだし。霊峰が空いたからジンオウガも各地へ縄張りが移ったから、渓流はそこまで危険地帯じゃなくなったんだよ」

 

「近年ここで出現報告がされたラギアクルスやタマミツネは十分危険だが…」

 

「…まぁ危険ではあるけど、温泉の復興をはじめとした産業の活発化で村への人や物の流通がスムーズになったから、遠くのハンターズギルドに依頼を出しても早く来てくれるようになったし大丈夫だろ。

それで最後のお願いなんだが…」

 

「可能な範囲で応えるが、何だ?」

 

「新人がこっちに来るまでの間、ツナギで居てくれないか?募集には時間がかかるから、村の守りが手薄になるのは避けたい。他の村と比べると、ここはハンターが流れで来にくいんだ」

 

「わかった。新大陸でも元気にしろよ」

 

そう言ってガーグァ車に乗るユクモ村の英雄を見送るフレッチャーとカイトだが、懐から一通の何かが落ちたのに気が付き、急いで車に追いつく。

 

「おい、落としたぞ!」

 

「ああ、すまんすまん。あいつだけは別れの挨拶が出来なかったからな。これで伝えたいんだ。ありがとうな!」

 

 

 

***

 

 

 

場所を戻して、ラムル地方、砂漠の洞窟。ダイゴ達は最奥にあるモンスターの巣に辿り着いていた。

 

「あれ?何もいないな…ただの行き止まりか?」

 

「いや、きっとどこかにいる。気をつけろ」

 

抜刀し、ガードの体勢を取ったりして周囲を警戒する3人だが、足元に異変が生じる。

 

ドガッ!

 

土煙が上がると同時に、モンスターが地中から頭突きをして攻撃してきたのだ。

 

「うおっ、ガードしてて正解だったぜ…。ライダー、お前らは大丈夫か?」

 

「ま、まあ大丈夫かな…」

 

砂を払い落とし、回復薬を飲むダイゴ達は、急襲時に立ち昇った土煙が消えたとき、モンスターの姿を目にする。

半月型の頭部と刃物のように鋭い背ビレ、やや扁平な砂色の身体が特徴の飛竜骨格のモンスター。

大地を泳ぐ巨大魚竜『ガレオス』のリーダー、砂竜『ドスガレオス』が不意打ちをしたのだ。

 

「ドスガレオスかー…。こいつは氷が効くぞ。水や雷も多少イケる」

 

「ありがと、リヴェルトさん!アオナギ、キミに決めた!」

 

ダイゴはスノウクラッドを選び、アオナギに乗ってドスガレオスに接近する。

 

「だあっ!」

 

アオナギに乗って距離を詰めたダイゴは、背中からジャンプして抜刀、ドスガレオスの首に斬りかかり、更に斬り上げを腹に当てる。

 

どちらもそれなりに手ごたえの良さを感じる。部位は広く、弱点として十分狙いやすいだろう。

一方リヴェルトは翼膜に斬り上げを当てた後、巣穴周辺の環境を見渡す。

 

「この水脈…ガノトトスがいそうだな」

 

「ガノトトスって…。

もー!今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!」

 

「はいはい…。うおっと!」

 

様子見をしているリヴェルトを狙ってドスガレオスが粘液で固め、圧縮した砂のブレスを吐き出すがすんでのところで側転して回避する。

 

「この攻撃は水属性を持つのを覚えとけ!」

 

腹に縦斬りを当てるダイゴと脚に噛みついたアオナギをスピンで薙ぎ払ったドスガレオス。再度リヴェルトの方を向き、軽く跳ねて這いずりで突進する。

 

「————フウッ!」

 

「何だあれ⁉」

 

「回避した後に斬り上げでカウンター⁉」

 

突進するドスガレオスに向かう形で回避をしたリヴェルトは、その勢いを利用して角竜剣ターリアラートの抜刀攻撃を腹に仕掛け、ドスガレオスを怯ませたのだ。

 

「ん?こいつはブシドースタイルだ。タイミングよく攻撃に対応することでその勢いを利用する。ピンチをチャンスに変えるのさ」

 

「ハンターにはそんな狩猟スタイルもあるのか…」

 

最も、刹那の守りほどシビアではないが攻撃をよく見極める必要があるので上級者向けのスタイルに分類される。従って、並大抵のハンターでは扱えない。

 

「アアアアッ!」

 

大ダメージを弱点に受けたドスガレオスは吼えて怒り状態になる。本領発揮だ。

 

 

 

***

 

 

 

新期の新大陸調査団が現大陸を出航してから時は進み、ポッケ村。

ギアノスシリーズを作成した後に雪山でドスギアノスを討伐したエレオノールは、ついに一人前のハンターとなってポッケ村の訓練所を卒業した後に、剥ぎ取った素材で蛇剣【銀牙】を生産した。

 

「おめでとうございます、ついに一人前ですね」

 

「ありがとうございます。暫くはポッケ村を介して雪山以外にも赴き、防具を整えたいと思います。手始めは砂漠ですかね?この武器は氷属性なので大体のモンスターに弱点を取れると思います」

 

そう言ってポッケ村の集会所に入り、ガレオスの群れの討伐依頼を受注したエレオノールと、見学に同行するクリスティアーネ。

 

「セクメーア砂漠を渡る商隊からの依頼ですね。ドンドルマに行くつもりが阻まれている…と」

 

しかし新たに集会所に人影が入る。

 

「ごめーん!クリスってここ居ないかな?いたらちょっと話聞いてくれる?」

 

ミツネシリーズを着用し、ヒドゥンブレイズを装備した少女。ラオシャンロン撃退に参加し、上位昇格を果たしたハンターの1人、『カグヤ』だ。

 

「カグヤ様?ドンドルマに居たのでは?」

 

「よかったぁ、久しぶりね!

…いやぁ、タンジアのギルドマスターを介してユクモ村の先輩ハンターから手紙を受け取ったんだけどさ。専属をやめて新大陸に行くから、村長が研修も兼ねて新人ハンターを募集するらしいの。

それでね?生まれ育ったアタシの村に良いヤツが来てほしいから、独自に人選をしようかなって。クリスとかの信頼出来る同期の間に話を振って、赴任する新人ハンターの募集を行うことにしたの」

 

「なるほど、そんなことがあったんですね。今のところ収穫は?」

 

「さっぱり。アダイト達に声かけても、そもそも同期間で活動してるから後輩がいないって。ディノにも妹がいるって聞いてるから紹介をしようと思ったけど、なんか別大陸に行ってるらしくて無理だった」

 

「あっ…。では私が応募します」

 

そう言って、眼前の上位ハンターに畏まりながらエレオノールが挙手する。

 

「ん?そうなの?じゃあ一人!…って、名前誰?」

 

「エレオノール・アネッテ・ハーグルンドと申します。クリスティアーネ様の家臣をしております。宜しくお願い致します」

 

「よし、エレオノールね!

…へえ、これから砂漠の依頼を受けるのね。せっかくだからさ、アタシも行くよ」

 

「えっ、そうですか?」

 

「依頼文に書いてあるけど、商隊は砂漠を抜けてドンドルマに行く際、一緒にドンドルマに連れていくことも出来るんだって。あっちに行ってさ、一緒にメンバー探さない?」

 

「そうですね。実際に目で見て選んでいきましょうか」

 

 

 

***

 

 

 

ところで、ラムル砂漠に話を戻すが…読者は気づくだろうか。このドスガレオスは子分のガレオス…というか群れがいない。通常ドスガレオスはガレオスの群れを率いて、安全圏の地中から獲物をちまちまと攻撃し、弱ったところを捕食する。しかしこの個体は群れを作らず単体で積極的に地上戦を仕掛けている。従って、ラムル地方と現大陸とでは、群れを作る必要がないほどドスガレオスに個体差があるという事を意味するとも見れる。

 

ドスガレオスは3人の方を向き、周囲の砂が巻き上げられるほど大きく息を吸い込む。現大陸では滅多に見ることのない動作だ。

 

「何かやってくるぞ、注意しろ!」

 

ガノトトスのブレスのように砂の奔流が一直線に吐かれた。顔の向いた方向から散開して避けたが、十分危険だろう。現大陸と同一の危険度の個体とみなしていては命取りになりかねない。

 

ブレスを避けた3人のうち、リヴェルトとダイゴが腹に縦斬りを繰り出した。的確に弱点に攻撃してくる2人を厄介とみなしたドスガレオスはタックルで吹き飛ばそうとするが、アオナギが超低温の水流をぶつけて援護射撃し、怯ませる。

 

「ガノトトスもやってた攻撃じゃないか!」

 

「そうだな。だが魚竜に限らずあんなタックルはワイバーン型のモンスターはよくやってくるぞ、気をつけろ!」

 

「厄介だぁ…」

 

ドスガレオスは地中に潜り、ヒレだけを陸上に出して砂地を泳ぐ。消耗戦に持ち込んで疲弊しきったところを狙うのだろうか、様子見で周囲の地中を泳いでいる。まさに本気を出して、特性を十全に活かしてきたと言えるだろう。

 

「まるで地中を泳ぐ魚だな…」

 

「こいつはガノトトスと同じ魚竜種なんだよ。でも砂漠での生活に適応した進化を遂げた結果、こうなったのさ。

それとこいつにはヒレに麻痺毒が仕込んである。地中からの急襲で麻痺になるから気をつけろよ?」

 

「どうやって対処すれば?」

 

「砂の中で音を感知して狙いを定めるんだ。聴覚を集中させている間は爆音が弱点になる。どうすればいいかわかるか?」

 

通常、音爆弾で引っ張り上げるのがセオリーだが、ダイゴは別の発想に辿り着いた。

 

「…アオナギ!咆哮するんだ!」

 

「アアアアアァーッ!」

 

ザボアザギルの咆哮は高級耳栓クラス。いくら体躯の小さいオトモンであってもその大音量は健在で、砂に潜ったドスガレオスは驚いて飛び上がり、ダウンする。

 

「なるほどな。普通は音爆弾で爆音を鳴らして驚かせるってもんだが…そういうアイデアはなかったぜ。だがいつでも咆哮できるとは限らないから、持っておいた方がいいと思うぞ?」

 

「(音爆弾使う機会全然なかったから存在を忘れてたなんて言えない…。)調合分切らしてた!」

 

まな板に乗せられた魚のように跳ねるドスガレオスめがけて、ダイゴはスノウクラッドで首に斬りかかり、アオナギはコマのようにスピンして背中に突撃。これで背中のヒレが破けた。

 

ダウンから復帰したドスガレオスは、3人に向かって再び強力な砂の奔流を吐き出す。それに応じて、アオナギも真っ向から冷水の激流を吐き出す。ブレス対決が始まった。

 

「アオナギが勝てるには…どうしよう?」

 

「ドスガレオスの集中を削げばいいんじゃないか?背後に回って攻撃してみようぜ」

 

「なるほど…」

 

そうしてダイゴはリヴェルトのアイデアを聞いてドスガレオスの脚に貼り付き、大剣で攻撃していく。

 

最初はブレスの勢いはドスガレオスが有利だったが、弱点を攻撃し続けたことでドスガレオスは呻き、ブレスの軌道がズレる。その隙はアオナギが勢いを増すには十分だった。

 

「ブレス対決は僕らの勝ちだ!ライドオン、ザボアザギル!」

 

ダイゴはドスガレオスがブレスで怯んでいる間にアオナギにライドし、絆技を繰り出す。

 

フローズングラウンド!」

 

アオナギの溜め込んだ膨大な氷属性エネルギーが氷柱となって辺り一面に放出され、ドスガレオスを昆虫標本のピンのように突き刺す。

 

「オウワァオオウ⁉」

 

ドスガレオスの肉質は、最低の頭や尻尾でも数値にして30は下らないほど柔らかい。それに加えて突き出る槍は弱点の氷なのだからひとたまりもない。

 

「自信家なのかどうかは知らんが、妨害役の手下を率いてなかったのが仇となったな」

 

砂漠を縦横無尽に泳ぐ魚竜は、ついに息絶えた。

 

 

 

***

 

 

 

「大人しくなったな。

モンスターの事、なんかわかったか?」

 

「なんとなくだけど…わかってきた気がするよ」

 

「というと?」

 

「サドナ荒野にガノトトスが現れた理由はさ、ドスガレオスに棲みかを追われたんじゃないのかなぁ?」

 

「おう、おそらくそれが正解だ。環境が変わらなければ、人を襲うことも無く、大人しく暮らしていたはずだ」

 

確かに、本来なら作るはずの群れがないドスガレオスとなれば、ガノトトスとの力関係も変わるだろう。

 

「なんだか大変な話だなぁ…」

 

「これも自然のあるべき姿だ。互いが生きるためには必要な事なんだ」

 

「「生きるために…必要な事?」」

 

ダイゴとナビルーは首をかしげる。

 

「捕食者も被食者も、棲みかを追われる生物も、生きるためにお互いの命を頂いているだけだ。それはこの世界の一部の事に過ぎない」

 

「皆、生きるためにやってることなんだな…」

 

「そう。ハンターだって同じだ。人間が生きるために、モンスターを狩る。モンスターの命を頂いて生きているというのは、みんな同じなんだ」

 

「命を、頂く…」

 

「俺達に出来ることは、モンスターと向き合い、その先にある真実を見抜くこと。

ハンターもライダーも、協力しあえばきっと何かが見えてくるはずだ。

ライダーはモンスターと絆を結ぶことが出来る。俺達人間同士で出来ないはずはないと思う」

 

「あの大穴にも、まだ何かが隠れているかもしれないな。レウスの誤解を解くためにも、原因を突き止めてやろうぜ、ライダーさん!」

 

「うん!」

 

「んじゃ、支部に戻ろうぜ」

 

「兄ちゃん、ありがとな!ライダーとハンターは仲良く出来ないと思ってたよ、ごめん…」

 

「ハッ。まあ別にいいけどさ。そんなん言われたら多少は傷つくぞ?」

 

ナビルーの謝罪と感謝に苦笑するリヴェルト。この場にクサンテやディノ、ミーナも居たらこの言葉には軽くショックを受けていただろう。

 

「お詫びと言ってはアレだけど…ライダーさんが珍しいキノコを見つけたんだ。これだ!」

 

「おお、レアな特産品のウツクシメジじゃねーか。どれどれ…ん?」

 

ウツクシメジをチェックしているリヴェルトだが、後ろ側を見た瞬間、表情が凍り付く。

 

「むっ!虫————っ!!」

 

そう言って白目を剥いて絶叫した。

 

「言い忘れてたけど…兄ちゃんは虫がめっちゃ苦手なんだ…」

 




未確認蛇行物体さんからキャラを借りれました。

カグヤ
性別:女性
年齢:19
武器:ヒドゥンブレイズ(大剣)
防具:ミツネシリーズ
翔蟲やエリアルスタイルを勉強中の好戦的なハンター。アマツマガツチを退けた伝説の先輩を目標にしている。イラついた時の声がデカい。

ドスガレオスの攻撃や考察はフロンティアのG級特異個体が参考です。
それくらい強い方がガレオス>ガノスになるよね。

ストーリーズ関連のプレイ経験は

  • MHST
  • MHST2
  • オトモンドロップ
  • ライダーズ
  • 2作品以上
  • ないです
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