Monster Hunter Reincarnation 作:scp-114514
「かなり進んだけど…一体何が…」
安静させたオルゴの体調が回復した翌日。ツキノからアイルーが『
「しかし、アイルー達があわあわ言ってたって…パニックになったのかしら」
「さぁな。どちらにせよ、その様子だと強力なモンスターと遭遇して、相当なパニックになっていたんだろう。細心の注意を払うべきだ」
「…あっ、あそこにアイルー部屋があるぞライダーさん。歩きまくったから一休みして備えようぜ」
***
途中で休息を挟みながら、庭園の奥地に辿り着いたダイゴ達。そこには大穴が空き、光が立ち昇っていた。周囲には泡が舞っている。
「光…アイルー達は凶光化モンスターに出会したのか!」
「それにこの泡…。もしかしてアイルー達はパニックじゃなくてコレの事を…!」
「おい、後ろの道から何かが来るから散らばれ!」
気配を感じたカイルの一言で我に返ったダイゴ達は背後から、白濁した液体の奔流が流れてくるのを見て左右に退避。ナビルーがその液体を触って指で感触を確かめている中、ダイゴは高い岩場からの視線に気がついた。
「タマミツネが凶光化している!」
「やっぱり…!泡も石鹸水みたいな液体も、このモンスターしかありえないしな!」
そして尻尾は一部毛や鱗が剥がれている。華の杜で出会い、撃退した個体と同一だろう。
「…ッ、矢を尻尾で弾いたな。強敵だ、注意しろ!」
***
凶光化タマミツネは早速、後ろ脚で立って静止した後に、ダイゴ達の方を狙ってボディブレスをしてくる。大ぶりな攻撃なので避けることはできたが、回避のタイミングをよく考えないと難しいだろう。
次にしてきたのは、尻尾攻撃。横薙ぎして、泡を飛ばしてくる。しかもそこから、ブレスでも泡を飛ばし、カイルが被弾してしまった。
「華の杜で遭遇した後に念のため消散剤を調合しておいたから何とかなったが…。この泡は視界や動きを奪うな。放っておくのは危険だ、消散剤がないなら万能ウチケシ薬ですぐに解除しろ!」
「あ、ああ!」
泡やられ状態を解除したカイルは、強走薬グレートを飲んでから射撃し、更に剛射【絶】を行う。普通の剛射より強く放つこの攻撃は、減気ビン同様スタン効果があり、カイルはスタンの隙に削るつもりなのだ。そしてこれは剛射よりもスタミナをより消費するので、強走薬グレートを飲んでこのデメリットを打ち消したのである。
「とにかく泡でこっちの攻撃を縛ってくるな…。レウス、豪火球!」
ダイゴを乗せたレウスが泡の漂わない距離から強力な火球を放ち、タマミツネが爆発に巻き込まれ、火柱が上がった。
「コワアアアアァ———オウッ!」
怒り状態になったタマミツネは咆哮し、後方へ跳躍。レウス目掛けて巨大な泡を飛ばした。
これは火球で消し飛ばすレウスだが、これだけでは終わらない。タマミツネは続けて前方へスライディング、尻尾をレウスに叩きつけてきた。
「ウォオオッ!?」
見かけによらず強力な連携技であり、レウスの方も大きく怯んでしまった。
ダイゴは一旦レウスを退かせることに決め、回復薬グレートを使用してからレウスから降り、タマミツネへ接近。頭にブロスヘッドで殴りつけて攻撃する。
「手ごたえは悪くないな。スタンは狙える!」
しかし殴り続けることもできない。タマミツネは泡を飛ばしながら横へ跳躍し、着地後も泡のブレス。とにかく泡を飛ばしてくるので、立ち回りは中々難しい。
「一体こんなに泡を飛ばしてきて何を…ん、何かしてくる!」
タマミツネは自身を中心に衛星のように周回する泡を展開した跡、自分も回転しながら水流ブレスを放つ。
「範囲が広すぎる!?レウス、飛んで!」
「ライダーさん!タマミツネに張り付くんだ!そこなら当たらないはずだゼ!」
ブレスを放っている間のタマミツネは反動で動くので定点に張り付いて攻撃をしにくいが、胴体は無防備。ダイゴは力を溜めて右爪に溜めスタンプをした。爪が破壊されてダウンした隙に頭を殴っていくが、それでもスタンは取れなかった。
ダウンから復帰したタマミツネは小さく唸るとダイゴの後方へ跳躍。背後から攻撃を仕掛けてくるつもりだ。
「大きく跳躍したってことは…まさか!」
急いでフィンブレイドに持ち替えたダイゴは即座に刀身でガード。滑りながら放つ水流ブレスを何とかガードした。
「泡で動きを縛って、水や跳躍して攻撃か…。テクニカルなヤツだ」
ブレスは広範囲を薙ぎ払うように放たれたので、その反動でタマミツネは動けない。この隙にフィンブレイドを頭に斬りつけていくが、いきなり正面に水泡を吐き出した。ダイゴは顔の横に立っていたので攻撃を直接喰らうことはなかったが、水泡が炸裂した勢いで体勢を崩してしまった。
体勢を立て直した時にはタマミツネは後方に跳躍しようと構えており、泡が来ると予測。しかし泡は発生せず、むしろ跳躍した距離が泡飛ばしの時よりもかなり長い。
「あの距離じゃブレスの射程外だ。無策であんなことをするはずがない!」
カイルの注意を聞いてダイゴはフィンブレイドを納刀。助走をつけ始めていつでも回避できる体勢に入ったところで、タマミツネの姿が消えた。
「跳躍したぞ!上を見て、緊急回避だゼ、ライダーさん!」
ナビルーの言った通りに空を見ると、自分の方に向かってタマミツネが大跳躍したのが見えたダイゴは緊急回避。震動は起こらなかったがそれなりに衝撃は伝わっており、しかもタマミツネは着地地点でスピンしていた。ガードをしていたらかなり削られていただろう。
「よく動き回るな。罠を使う、こっちに来い!」
タマミツネの動きが厄介なので、罠で動きを縛ってスタンなどに繋げるべく落とし穴を設置したカイルはダイゴを呼んだ。しかし罠の存在に気づいていないタマミツネの方も、ターゲットを追って攻撃を仕掛けようとする。
「また何かしてくるぞ!緊急回避でこっちに逃げろ!」
「嘘だろ!?スピードもテクニックもパワーも兼ね揃えているのにまだ大技が…!」
「舌噛みたくなければ無駄口を叩くな!」
ダイゴが背後を見てみると、タマミツネが上体を起こして水を口に溜め、縦に撃ち払って来た。ギリギリのところで横に躱したが、続けて攻撃が来る。
「また横か!よく薙ぎ払ってきたからそう来るよな…ハアッ!」
そう、十文字に薙ぎ払いブレスをしてきたのだ。こちらは緊急回避でやり過ごし、起き上がって再び落とし穴の地点へ駆けていく。薙ぎ払いは長く続き、ブレスの反動もあるのでタマミツネの追撃は来ずに無事辿り着くことが出来た。
「落とし穴に嵌めれば、十分討伐に持っていけるよね!」
「油断するな。大跳躍攻撃が来てもおかしくない」
タマミツネは分泌液によってスピードを上げて滑走突進していく。ガードや回避の構えをしていたダイゴ達だが、跳躍せずついに落とし穴に嵌まった。
穴に落ちて動きを封じられたタマミツネ。ダイゴはブロスヘッドに持ち替えて頭を殴りつけ、カイルは強走薬グレートを再び飲んでから射撃と剛射【絶】を繰り返していく。頭に襲い掛かる衝撃が響き、ついにタマミツネがスタンして穴の中でぐったり倒れた。
「この隙に一気にっ!」
カイルは射撃から剛射【絶】に加え、それらを竜の一矢に繋げて猛攻を仕掛け、ダイゴは体勢を立て直したレウスを呼んだ。
スタンと落とし穴から復帰したタマミツネは頭や爪、ヒレなど全身がボロボロで、かなり消耗している。
「動きが鈍くなっているな。限界が近いぜ、ライダーさん!」
「これで終わらせる!ライドオン、リオレウス!」
ダイゴを乗せたレウスが飛翔し、空から狙いを定めてホバリングしている。
「クゥオウワ———オオオッ!」
しかしタマミツネが咆哮すると、それに呼応して大穴の光が強くなり、レウスが苦しみ、もがくように暴れ始めた。
「……暴走し始めたか…!」
ダイゴとナビルーが振り落とされそうなほど暴れ始めたのを見て、カイルがティガアローに矢をつがえ、レウスに狙いを定めて弦を引き絞り始めたが、エナがレウスを庇うかのようにカイルの前に立ち、ティガアローの
「お願い…信じて!」
そしてタマミツネの方はレウスが動けない状態を見て大きく跳躍、口に大量の水が貯めこまれていく。このままではレウスだけでなく、ダイゴやナビルーも巻き込まれ、パーティーが壊滅する危険がある。
「……ッ!」
カイルは引き絞っていた矢を捨て、新たに矢を装填して射撃。その標的は———タマミツネ。首の根本に矢が突き刺さり、その衝撃でひるんだタマミツネはブレスを撃てずに落下した。
「今だ!!」
レウスは空高く飛び、太陽を背にして咆哮する。そしてタマミツネを狙って、隕石のように急降下・突撃した。
「『スカイハイフォール』」!
ドガアアアアアアアン!
突撃の衝撃は凄まじく、まぶしい光と共に大爆発が発生する。
「キョワアアァ…」
タマミツネの眼と大穴から光が失われていく。この地での凶光化現象を食い止めることが出来たのだ。
***
剥ぎ取りを終えた後、ダイゴはカイルに向いて素直に感謝する。
「ありがとな、カイル。僕らを援護してくれて」
「……俺にはわからない。お前のレウスが持つ力も、大穴の発生する理由も、レウスを捕まえようとしていた連中の事も。
でも…お前とレウスの絆の強さはわかった。それが凄まじい力をねじ伏せられる事も」
「……!!」
ダイゴの顔が明るくなり、カイルの手を取るが、まだそこまでのつもりではないらしく、振りほどく。
「馴れ馴れしくするな。
…大穴の事は俺たちも調査する。ハンターとライダーで当たった方が効率的だからな」
「カイル…!中々やるじゃないですか」
「…さっさと戻るぞ」
***
隠れ穴に戻った一行は、オルゴから労いの言葉とは別に新たな情報を聞かされた。
「…そうか。あの時アンタたちが追っ払ってくれたタマミツネが正気を失って暴れてたんだな。討伐ご苦労様、やっぱりビッグでグレートだぜ。
……そういえば、レウスの事なんだけどな。俺の方でも情報収集をしていたら、ベルガ地方から来たアイルーから興味深い話を聞いたんだ」
「えっ!?」
「破滅の翼と言われていたかはわからんが、大昔にとてつもない力を秘めたリオレウスがいたそうだ。その伝説を石碑に記した村が、ベルガ火山を越えた所にあるらしい。アンタたちのレウスと関係あるんじゃないのか?」
「ベルガ火山を越えた所の村…。いくつかあるけど、石碑があるというのなら歴史がある村に限られるわ。
…もしかして、ヌア・テ村かしら?あそこは私達の住むルトゥ村と同じく竜人の村だけど、外との隔たりはもっと強いらしいけれど…」
「でも、行くしかないだろ。石碑はそこにあるかもしれないんだからさ」
「そうね。行きましょう。教えてくれてありがとう、オルゴ」
そしてカイルとツキノはルルシオンに帰還すべく、ネコタクの手配を始めていく。
「じゃあ、大穴の調査をする私達とは別行動ね。あなた達の仲間にも伝えておくわ」
「レウスを奪おうとした連中はお前達を諦めたとは限らない…。気をつけろよ」
「ダイゴ、相棒。ベルガ火山までは俺が案内する。わかっているだろうが、火山地帯はラムル砂漠以上に暑いし火属性の強力なモンスターが多い。水や氷属性に長けた装備を整えたり、暑さ対策をするべきだな。準備が出来たら俺に言ってくれ」
「…なら、僕たちは暫くここやロロスカ地方でモンスターの素材を集めたり、遠出して加工屋に行ったりする必要があるかもな。それに、水属性のオトモンもいないし…」
「やることいっぱいだな、ライダーさん。でも一つずつ着実にやっていこうぜ!」
ストーリーズ関連のプレイ経験は
-
MHST
-
MHST2
-
オトモンドロップ
-
ライダーズ
-
2作品以上
-
ないです