Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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ディノバルドとギアオルグ。どちらも似た外見だけど生息域が完全に違うから本来は縄張り争いすら起こりえないだよな…

後半、フォントが青色と紺色と黒色が判別しにくいところがありますが許してください。


刻むはゼット、それはクロスを超えるもの

ディノバルドは早速、尻尾を振り上げて前方に叩きつける。

挙動が分かりやすいので横に回避できたが、叩きつけられた地面から砂埃が舞う。普通の攻撃でこれくらいなので、今まで相手してきた獣竜種との格の違いを感じる。

 

「口に火が!」

 

ディノバルドは尻尾を研いだ事でこそぎ落とされ、口に溜まった煤や甲殻の破片などを「火炎嚢」と呼ばれる内臓器官に蓄える。これは強力な熱エネルギーを産み出す器官であり、ここで再度加熱された甲殻などは溶融して、やがて煮え滾るマグマのような物体に変化する。

そして、このマグマを単発型のブレスとして撃ち出して、攻撃を仕掛ける事ができるのだ。

 

続けて咆哮と共に地面を擦り、爆炎を巻き上げながら尻尾を見せつけるように振り上げた。爆炎が高速で襲い掛かり、火に弱いブルーはやけどを負ってしまう。

 

「…やけど薬でやけどを治して暫く防止させておかなければ」

 

「あれを繰り返してると尻尾が赤熱して火属性を帯びるんだゼ!」

 

「口と尻尾に火…だったら水属性で攻める!ハクメンの番だ!」

 

ダイゴは口笛を吹いてレウスを下がらせ、タマミツネのハクメンを呼ぶ。

 

「水属性が得意で動きがしなやかなハクメンならディノバルドについていけるな、相棒!」

 

一方、ブルーの方は厳しい状況と言わざるを得ない。

ギアオルグは極海に生息するモンスターの中でも体躯のある部類とはいえ、オトモンなので野生個体に劣る。その上、アイスブレードはものすごく火に弱い。よって真正面からディノバルドに挑むのは属性相性と膂力の2面から見て悪手でしかないのだ。

 

では、どう対処するか。

伝承の儀で継承した他モンスターの絆遺伝子を使いこなすことやダイゴ達との連携は言うまでもなくとして、ギアオルグ(およびアビオルグ)とディノバルドの外見や生態の差異が関わってくる。

重厚なディノバルドと比べてオルグ種の獣竜はすらりとした体型をしており、また尻尾にしても刃となる部位は小さい。その分身軽で比較的フットワークが優れ、歩行速度で勝る。またこちらは尻尾の刃を利用したり、ブレスをするのはディノバルドと似ているが、大剣の如き一撃で獲物を斬り伏せるディノバルドと違い、オルグ種はナイフ状の尻尾を振り回して追い詰め、ブレスで仕留めるというスタイルを有する。

その他、背中から生える骨板でタイヤのようにローリングしたり、ウラガンキンのように顎でスタンプを行う。唾液は酸性の腐食液である。こういったディノバルドにはない特性も活かして立ち回ることにかかっている。

 

「ガアンッ!」

 

ディノバルドは再び短く吠え、尻尾を地面にこすりつけながら振り上げてハクメンに爆炎を飛ばすが、ハクメンは華麗に跳躍して回避。そのまま大きな泡を飛ばして視界を遮ろうとした。

 

「そうか!ハクメンはデカい泡を飛ばせるからフェイントと相性が良いよな!」

 

「そうそう。そのままサンドショットで目つぶしをしちゃえ!」

 

泡は尻尾の一振りで消されてしまうが、その隙にハクメンはディノバルドの真正面に詰め寄り、砂ブレスで視界を奪った。

 

「尻尾が赤くなってるゼ。一番強い状態だけど、アツアツな分攻撃が通りやすいんだ!」

 

「部位破壊したら弱体化するかな、ナビルー?」

 

「いや、それはないけどリーチが少し短くなるから斬撃から逃げやすくなる。それと、頭というか口も今火が溜まってるだろ?あそこをこの間に攻撃しまくると火が爆発してダウンするんだ」

 

「じゃあ、頭と尻尾に集中して攻撃しまくっていればいいんだね!」

 

「アツい時は攻撃も苛烈だけど、それが弱点にもなるんだからな!アイツの猛攻をかいくぐっていこうゼ、相棒!」

 

「尻尾には斬撃が通りやすい、しかしリーチがないと狙いにくい。ならば俺達が狙う」

 

オーウェンは蒼剣ガノトトスを抜刀し、尻尾に斬りつけていく。ブルーも小さいながらも小回りの利く体を器用に動かし、ナイフ状の尻尾を叩きつけたり、突きを入れる。

 

「僕らも負けてらんないな!」

 

頭にはダイゴが王剣シツライを一心不乱に振り回し、ハクメンが後方から遊撃するように滑走しながら水弾を吐き、ディノバルドをかく乱していく。

 

「ガァアアアアアーーーンッ!」

 

視界が回復したディノバルドは怒り、自分の自慢の尻尾を攻撃していたオーウェン達に向かって進んでいく。

 

「俺を通り過ぎようとしている…ブルーの方に噛みつきか?」

 

「違う!後ろに注意しろ2人とも!」

 

「なっ⁉」

 

ナビルーの注意を聞いた直後、ディノバルドがオーウェン達の背後を向き、そのまま燃え盛るマグマ弾を飛ばしてきた。ブルーは逃げ切ったがオーウェンはマグマ弾の爆発に巻き込まれ、ガムートシリーズにも火がついてしまう。

 

「クソ、早く火を消さないと…!」

 

「横に回避して火を消せ!ディノバルドがお前に攻撃しようとしてるゾ⁉」

 

ブレスを当てたディノバルドは動きを止めた後に跳躍、オーウェンに赤熱した刃を叩きつけようとしてきたのだ。

 

「ゲッッッ!何とか避けれたけどガムートシリーズは火に弱いんだから勘弁してくれよな…!」

 

ディノバルドの喉はまだ赤く、熱がある。このまま火を纏う牙での噛みつきで追撃をかけようとするが、ダイゴがボルテックハンマーに持ち替えてディノバルドの頭を殴りつける。

 

「僕らが引き付けてるうちに回復して!ハクメン、ハイポイゾネーター!」

 

更にダイゴの指示でハクメンもロアルドロス亜種から受け継いだ絆遺伝子の力を使い、紫色の水弾を飛ばしてディノバルドを猛毒にさせた。

 

「…悪い。ブルー、お前も頼む!」

 

ディノバルドから距離を大きくとった後にやけど薬とこんがり肉Gで立て直すオーウェンに喚ばれたブルーは、酸性の唾液を滴らせながら赤熱する尻尾に何度も噛みつく。硬質な尻尾も酸で水素の泡を出しながらヒビが出来ており、尻尾の刃が折れるのも不可能ではない。

 

だがここまでメンバーが集中すると、一掃して薙ぎ払いたくなる。ディノバルドは尾に噛み付いて刃を磨ぎつつ力を溜めはじめた。

 

「ま、まずい!相棒、オーウェンくらい距離を取らないと避けられないぞ!」

 

「というか、確か大穴に来た時に出会い頭にやった大技じゃないか⁉えーと、横に薙ぎ払うから…上に飛び跳ねる!ライドオン、タマミツネ!」

 

「ブルー、間に合うか⁉『アレ』をやれ!」

 

ディノバルドは炎を纏った尾を居合抜きのように顎から一気に振り抜き、大回転の薙ぎ払いで周囲を一刀両断しようとする。ダイゴは急遽ハクメンにライドし、大ジャンプして大切断を回避する。

 

「何とか避けれた。けど…」

 

自分たちはこうしてやり過ごせたが、同じく攻撃を続けていたブルーの姿が見当たらない。

 

「彼女、どうなっちゃったんだよ…。血も見当たらないし、吹き飛ばされた跡もない…」

 

しかし状況が状況なので、考える暇がない。ディノバルドに意識を向けて立ち回ろうとする中、ディノバルドの足元を中心に地響きが発生する。

 

「なんだこれ⁉地震⁉それとも乱入か⁉」

 

「いや、それにしてはそこまで強くないし範囲も狭いし…あっ、アレは…まさか!」

 

ダイゴが指さした方向には1つの穴。それも雑に土が掘り起こされ、適当なモンスター1匹なら入れそうな大きさだ。

 

「アイツがさっき何をしたか。その答えに気づいたようだな。

ブルー、ダイヤモンドアッパー!」

 

ブルーは発達した角と顎で器用に穴を掘って地中深くに潜り、大切断をやり過ごした後にディノバルドの足元から急襲する。狙うは赤熱化した頭。アッパーカットのように下顎目掛けて地中から氷を纏ったブルーが頭突きをかまし、ディノバルドの口が衝撃で爆発する。

 

「ガァオンッ!?」

 

爆発でダウンしたディノバルドに、尻尾目掛けてハクメンが圧縮した水流ブレスを飛ばし、ブルーもローリング及びその勢いを活かして尻尾の刃を振り下ろすと、ディノバルドの尻尾の先端が空高く舞い地面に突き刺さった。

 

「これで尻尾が部位破壊できた!」

 

「油断するな。刃が欠けていても、獣竜の膂力から繰り出す斬撃の威力は健在だぞ」

 

そう。ディノバルドは独自の進化を遂げて強靭に発達した巨大な後脚のおかげで素早いステップと踏み込みによって獲物を翻弄しながら、時にはハンターの身の丈を超える程の跳躍ができる。甲殻に鉄分を多く含み、研磨された尻尾は撫でるように軽く振るうだけでも周囲の草木を容易く薙ぎ払う切れ味を有する。たとえ尻尾が欠けてリーチが短くなろうとも、逆に言えばディノバルドはそれぐらいしか支障が生じていない程度の問題なのだ。

 

欠けた尻尾は熱を失い、煤がついて切れ味が鈍った。本来の殺傷力を発揮できなくなっているので、ディノバルドは自らの尻尾に喰らい付いて、自分の牙を用いて尻尾を研ぐ事で切れ味の回復を図る。

 

「この隙に一気に勝負を決めていくしかないな…。ダイゴ、万が一の時は援護頼む!」

 

「えっ?あ、うん!」

 

「よし。なら今のうちにアイツの懐に潜り込むぞ。ライドオン、ギアオルグ!」

 

ディノバルドの足元に移動したブルーが突如頭を上方に向けて冷気を圧縮し始め、チャージ終了時に冷気を地面に吐きつけていく。やがてそれは原子すら止める絶対零度のドーム空間を生み出した。

 

「なんだアレ⁉氷属性攻撃強化の絆遺伝子だけじゃあんなことはできないはず…」

 

「ナビルー。お前は知らないだろうが、メゼポルタの書士隊の調査によればギアオルグは呼吸器や内臓器官の構造から、絶対零度の冷気を生み出しうる力を秘めていることが分かっているんだよ」

 

「絶対零度⁉まるで古龍種じゃないかそんなの!」

 

ディノバルドの足元から急速に氷塊が発生していく。それはやがて全身にまとわりつき、全身を凍結させた。

 

「大穴周辺だと助走がつけづらい。だからこそ、こうやって決めるのさ。

すでに編み出されたディノバルドの絆技の模倣になるが…先輩との修行の成果、見せてやるぜ」

 

「ジャアオオ————ウッ!」

 

ブルーは咆哮すると空中高く飛び上がり、尻尾のブレードで「Z」の軌跡を描く。それを地面めがけて叩き込み、地面から噴出したエネルギーをディノバルドに浴びせた。

 

『Zグレイザー』!」

 

それと同時に、ダイゴを乗せたハクメンも氷漬けで動けないディノバルドの背後に向かって大きく跳躍。そのまま極大の水ブレスを放つ。

 

月下泡影(げっかほうよう)!」

 

氷漬けは単に動きを縛るだけでなく、体温やスタミナも奪う。この状態で弱点属性による猛攻はさすがのディノバルドでも耐えられなかった。




こっからは亜種モンスターの素材で作られた『本家には存在するが、本来ストーリーズ2では生産できない武器』も出してきます。
まぁゲームでもバサルモス亜種の笛だけは下位から登場してんだけどね

ストーリーズ関連のプレイ経験は

  • MHST
  • MHST2
  • オトモンドロップ
  • ライダーズ
  • 2作品以上
  • ないです
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