Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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・大雨で道路が冠水、家に籠る羽目に。そのせいでCS行けなかった
・スーパーヒーロータイム今週休み

あったまきた…(冷静)



『彼ら』の持つ本能

「…ふわぁ、よく寝た」

 

俺—————暗宮耀真は商いを営む転生者、ヒラノさんから貸してもらった部屋で目を覚ました。

 

「おはようございます、ヨウマさん」

 

「アキ君か、おはよう」

 

俺の部屋にアキ君が来た。オトモン達の世話がひと段落して戻って来たのか、息が上がってる。

 

「先に起きてたんだな。祭我の姿見えねぇけどどこ行った?」

 

「僕が起きた時には既に姿は…。外で朝ごはんでしょうか?」

 

そんな中、俺が起きたのに気付いたヒラノさんが部屋にやってくる。

 

「おはよう。サイガくんなら広場へ挨拶をしに行ったよ」

 

「そうすかー…」

 

『挨拶』。つまりはそういう事である。それも早朝から。いちいちツッコむのがバカバカしく思えてきた。

 

「…二度寝するか」

 

絶対流れ的にあいつとコンビ組む事になるだろうけど…大丈夫かな、俺。

 

 

 

***

 

 

 

朝食を済まし、身だしなみを整えた俺は受付嬢…ここではガイド娘という人達のとこに向かって受けれそうなクエストを探している。

祭我の方はあいにくだがまだクエストを受けれない。キズの完治もあるし、そもそもハンターになるまでの下準備が色々必要なわけで…。

 

とりあえず、店で買えないようなものを揃えるため、なおかつ難易度が低いもの、つまり採集や小型モンスターの討伐に行きたい。すっごい激戦地として名高いところだからもしかしたら…と思ってたけど、案外結構あるな。

 

「肉食竜の卵や鉄鉱石の納品…。色々だな」

 

「採掘に釣りに虫取り、運搬。すべてハンターの基本」

 

そう言うのは短い銀髪のガイド娘、ユニスさん。全くその通りだよ。でなければウツシ教官から熱血指導を受けてない。

 

「じゃあこれ…釣りのクエスト受けます」

 

釣りに関しては自信がある。教官から褒められたもんね。

 

さて…向かう場所は砂漠、つまりホットドリンクやクーラードリンクが必要な狩場だ。だがそれらが必要ないエリアにも水場があって、そこでは釣りができるポイントもある。

というか支給品で4人分のドリンクが渡されるから、こういう時に全部頂いて備蓄しておきたい。

 

「水場の近くに現れるガノトトスみたいな大型の出現とかはありませんよね?」

 

「大丈夫。ギルドが管理しているから、突然の襲撃は心配しないで」

 

なら問題はない。背負うカムラノ鉄刀のメンテナンスはばっちりだ、早くいくとしよう。

 

「あー、ヨウマさんですよね?少し待ってほしいのですが」

 

が、そんな俺を引き留める声が後ろから聞こえる。振り向いてみると俺より年上の男性。山本耕史そっくりの外見で、余裕と丁寧さを含む態度はそこらの営業マンみたいなものだが、どこか人ではない何かを感じさせる雰囲気がある。

実際この人も昔から顔馴染みのあるスレ民だ。技術に詳しいギルドの職員として顔を出している転生者、メフィラス氏(元ネタはシン・ウルトラマンらしい)。確か…元は宇宙船で同族と生活していたけれど、同族が自分を除いて病死した状態で宇宙船が大破、救命ポッドで漂流した末にこの星に不時着したとか。

 

「どうかしたんですか?祭我がなんか問題起こしたとか?」

 

「いやそういうのではなく。少しあなた達に目をつけている方々と相談をしましてねぇ。

今あなた達と共に生活している少年。当分の間は彼とクエストに行ってもらいたいのですが」

 

え?マジかよ…。

 

「いや流石にそれはちょっと…」

 

「む、何か問題でも?」

 

「自分より一回りも年下の子供が前線に立つのは…危険じゃないですか。子供なら下がらせるべきです。狩場ってのは、死と隣り合わせの場所だということ。俺自身が痛いほど身に染みて理解しているのに!」

 

「ハァ—————…」

 

その言葉を聞いた瞬間、メフィラス氏が眉間を抑えて大きく溜息をつく。えっ?

 

「よろしい。ではユニスさん、彼のクエストを一度キャンセルしてくれませんか?」

 

「わかったわ」

 

「ちょ、どういう事っすか—————」

 

俺の反論を遮ってメフィラス氏がいきなり首根っこを掴んで引きずる形で窓口から離れていく。ええ、俺なんか悪い事言った⁉

 

「その様子だと、クエストにいつでも行けるよう準備はしているようですね。ならば話は速い。今から樹海に向かいます」

 

「い、いきなり⁉引っ張らないでください!」

 

「ああ、これは失礼。人を待たせていますので」

 

やべぇ、めっちゃキレてる!どういう事なんこれ⁉

 

 

 

***

 

 

 

メフィラス氏に強引に連れていかれる形で俺はメゼポルタを離れ、船で南下し、『南エルデ地方』という地域の半島沿いに進んでいった。そして途中ジャンボ村という密林に近い村で薪水や食料を補給した後にバテュバトム樹海という遠くの狩場へ来ていた。

正直、狩場までの移動はチャチャっと終わるもんだと楽観していたんだが…波に揺られての船旅はマジでしんどかった。加えて中継地点の村からの船は定期便の整備がまだ不十分であり、足止めも食らいながら何度か船を乗り換える必要があった。

 

…あれ?これって帰りの便もそうなるんだよね?つまり往復で4週間⁉冗談抜きで泣きたくなる。

 

「おや、大丈夫ですか?これでは仮面ライダーの名が泣きますね」

 

フラフラの俺を見て悪質宇宙人が煽ってきた。呼ぶぞコラ、ウルトラマンを。来ねーけど。

 

「それで職員さん、今日僕達が狩るのは…ヒプノックっていうモンスターですよね?」

 

もしかしたらと思ったらマジだ。アキ君が受注したクエストに、遠くからの視察という形で連れてこられた。

抗議の声を出そうとするが、そんな俺を目が笑っていない営業スマイルで黙らせてメフィラス氏がアキ君とクエストの確認をしていく。

 

「ええ。『眠鳥』(みんちょう)という別名の通り、睡眠属性攻撃をしてきます。しかしHR1から受注できる危険度の低いモンスターなので、余程の事が起きない限りは問題ないでしょう」

 

まぁその『余程の事』に備えるのも兼ねて私が来ているのですが、と付け加えるメフィラス氏は職員の制服から着替え、急所を覆うプロテクターとモヒカンのカツラが特徴的な野性味溢れる防具と、ボルボロスから作ったと思われる茶色の棍棒みたいな異形の片手剣を身に着けている。

聞けばそれぞれの名は『コンガGシリーズ』というメゼポルタのG級防具に、これまたボルボロスのG級片手剣『削岩剣ボルボルボ』。その職業柄、調査として狩場に赴いて活動を行う事もザラにあるらしく仕事の合間を縫って実力をつけてきたとか。

なお、防具はまだ強化途中(強化していくとG→GF→GXとかいう名前になる)だとか。装備の素材元はどちらもG級全体で見ると弱い部類だが、経験の違いが圧倒的なハンターとしての高みを感じさせる。

 

というか…棍棒っぽい武器といい世紀末漫画にありそうな防具といい、このオッサンはマジで文字通りの蛮族を地で往く外見してんな。

 

「『兼ねて』?」

 

「一つはあなたの観察、一つは彼の護衛です。とはいえ余計な行動は慎むようにお願いしますよ、ヨウマさん」

 

「…了解っす」

 

あっ、信頼されてないのね俺。まぁ前科あるし。

 

「よろしい。ではアキさん、その武器の基本的な扱いは大丈夫ですね?」

 

アキ君が背負っているのはピンク色のふさふさな毛で覆われた銃身が特徴のライトボウガン。多分ババコンガの武器だ。

…あれ?おかしいな。ライダーってボウガンを使う事はなかったはず。

 

「はい。ちゃんと練習してきました。装填できる弾も全部持ってきてます」

 

「ふむ、備えあれば憂いなし。私の好きな言葉です。

では我々は遠くから見ているので、支給品を取って行きましょうか」

 

「が、頑張ります!」

 

自分の分だけの携帯食料と応急薬、そして地図を持ってアキ君がベースキャンプを発って行った。

 

「あ、あの!窓口でのあれ!どういう事なんすか!彼は狩場に出るのがどんな事なのか、そんな覚悟のなさそうな子供を連れていけませんよ!」

 

アンタもスレ民ならさぁ、俺も祭我も、この世界に放り込まれてとんでもない目に遭ったのは知ってるんだろ⁉ならなぜ狩場に送り出すんだよ、中学もいかないくらいの歳の子を!

 

「…確かに、狩場というのは危険がつきものです。否定はしません。

しかしあなたが言っている覚悟というのは、大自然に立ち向かう者達なら誰でも持っているものです。

普段から心がけている者もいれば、一見そうでなくとも心の奥底で無意識に存在しているもの。それを仰々しく問うのは愚問なのでは?」

 

「愚問?」

 

「こちらも質問をしましょうか。あなたは生まれも育ちも日本ですか?」

 

「そうっすけど」

 

「ではもっと詳しく。田舎、それとも都会ですか?」

 

「…後者。東京23区の中です」

 

「人里に現れたイノシシやクマ等による獣害の発生頻度は?」

 

「全くないです。野生動物は野鳥や野良猫ぐらいしかいません」

 

「キャンプ、登山、ダイビングなどの野外活動の頻度は?」

 

「小学生の頃の学校行事を除けば全然ありません」

 

「成程。道理で私の考えていた通り…か」

 

それってどういう事だよ?

 

「あなたは治安が良い場所で育った。故に野生を知らない価値観を持っていますね」

 

野生って…まさか。

 

「今更、カムラの里の事情を忘れたとは言わせませんよ。昔から百竜夜行の脅威にさらされてきたかの地域の事を。

この星…この世界では人間は圧倒的な弱者。村や街などのコミュニティの外を出ればあまりにも非力です。そんな時代が気の遠くなるほど続いてきました。

私としては長きにわたる歴史の中で、モンスターの脅威が人間に刻み込まれ…大自然へ立ち向かうという生存本能のようなものが多くの人間に備わっていると考えているのです」

 

「いやちょっと待ってくださいよ、ならばなぜ転生者の中からも普通にハンターやライダーになれているんですか⁉この世界の人間じゃないでしょ!」

 

「それはあくまでも魂の話です。転生してこの世界に生まれた者は、転生前と魂は同じです。しかし、母体で作られる肉体や、親から子への遺伝も、この世界の中で行われているもの。故に転生者とてその本能には例外が存在しないのではないかと」

 

うむぅ…。確かにそうでなければウロボロスなんて存在しないし、なんなら遠方でライダーをやってる奴らだってデカい功績を上げてないよな。否定は出来ない。

 

「…話が逸れましたが、この世界でハンターやライダーという者達というのは差異はあれども、誰もが大自然が危険な脅威というのを本能的に理解しているのです。

その上で多くの人間が夢や希望、信念といった様々な目的・目標のために人間社会の外へこうして出てきて、冒険をしています。

もうわかりますね?皆、態々リスクを冒してまで辿り着きたいモノがあるんですよ。

ならば職業柄、誰しも覚悟なんて無意識のうちにやっているものでしょう」

 

…そうだ、俺はこの世界の人間をよく分かっていなかったのか。彼らに覚悟を問うのって、無粋な真似だったんだ。

 

「断言しましょう。アキさんも、ああ見えて本能が無意識のうちに備わっています。でなければドスバギィもババコンガも狩れていない。

なのに『覚悟がなさそう』と見なして遠ざけるいうのは非常に失礼です。違いますか?」

 

「…本当にすいませんでした。二度と浅はかな事を言わないよう、気をつけます」

 

「ならば他人を信じてください。頼ってください。ハンターならパーティメンバー、ライダーならオトモン。違いはあれども、どちらも『信頼』という最低限度の礼儀をもって、共に命を預けて自然を相手取るという事を理解してください」

 

思い当たる節がある。手荒な真似をしてでも『彼女ら』を戦場から遠ざけようとした事もあるが、それは心から信頼をしていなかったからなのかな。

 

「以上の事を踏まえて、アキさんと暫くパーティを組んで頂けますでしょうか。

分かっていると思いますが、サイガさんも駆け出しハンターになれば加えてくださいね」

 

振り返ってみれば、俺は自己完結した存在だ。尋常ではない強さを誇り、神業と言える手法で無尽蔵に金を稼ぐ。そして死すら克服している。だから他者の助けが必要ない。

 

それは人間関係の構築が下手になり、ひいては他人を信じない事にもつながる。

 

ってか、日頃から切磋琢磨しているヤツもいねえわ。頼斗をはじめとする同格の強さを誇るヤツと共に戦うことはあったが…俺を含めてどいつもこいつも戦闘能力がいろんなベクトルに向いてるし、各々のそれ自体が完結していると言っても過言ではないほど強い。だから更なる高みを目指す事を忘れていた。

 

「…わかりました」

 

今まで自分を省みる機会って、あまりなかったな。諫めるヤツが周りにあまりいなかったし当然か。

 

 

 

***

 

 

 

樹海という名前の狩場だが、割と開けた土地が多い。そりゃ狩場だから当然か。

 

「ダブルクロスの密林に似た雰囲気ですね」

 

アキ君の背中を遠くから追いながら、俺は率直な感想を述べる。

 

「テロス密林ですか。確かにあちらに負けず劣らず動植物の気配が満ち溢れていますね。

ですがこの地は非常に歴史があり、太古の面影を残しているのです」

 

ほら、とメフィラス氏が指さす先に見えるのは、馬鹿でかい大樹。普通の樹のように先端に向かって尖っていくのではなく、巨人が斧で切り倒した切り株であるかのように、途中からバッサリ切れていた。しかも相当古いものらしく、枝も葉っぱも枯れ落ちて全然ない。それらのおかげで一見すると城か砦のようにも見える。

 

「確かに、相当昔からあるようですね。

…それはそれとして、一つ聞きたいことがあるんですけど」

 

「ほう?」

 

「なんで新人ライダーの彼が、本来ライダーが使う事のないボウガンを担いでクエストに行ってるんですか?というか彼、こちらの大陸に何でいるんです?」

 

「その様子だと他の方は説明していなかったみたいですね。

一言でいえば、彼はベータテストの被験者と言った所でしょうか」

 

「『ベータテスト』?」

 

「ただ存在するだけでも圧倒的な影響を齎すアルトゥーラ。死した後も影響は収まる事なく、世界各地でモンスターの動きが活発化しているのです」

 

「あぁ…活発化、ですか…。それは確かに聞いた事が」

 

「故にモンスターの脅威に対抗すべく、各地で武具や狩猟技術の見直しが始まってきたのです。それはライダーも例外ではない」

 

「…成程。だからハンター達の使う各種武器を扱う事も考えるようになったんでしょうか?」

 

「察しが良いですね。実際、ハンター達の扱う武器に興味があるライダー達は結構いるらしく、そちらを扱える事で更なる強さを得られないかという声が多かったのですよ」

 

「けれど既にあちらにハンターズギルドがあるんでしょ、ルルシオンとかいうの。わざわざ遠方まで行かず、そっちと連携すりゃいいと思うんですがね」

 

「残念ながらあれは『ギルデカラン』という遠方のハンターズギルドの出張所に過ぎません。そもそもギルデカランの方から、所属しているハンター達の中でも『そのような武器』を扱う者達が少なく、従って工房もそれらに疎い故にライダー向けを想定した専門的な開発に協力出来ないという返答しか来ないモノでしてね…」

 

「そこで白羽の矢が立ったのが、こちら側だと」

 

「ええ。事実、ドンドルマは世界有数のハンターを召し抱えています。それに従って工房や書士隊、その他諸々…。様々なモノが発展を遂げました。

メゼポルタもドンドルマに規模は劣るものの、強力なモンスターに対抗すべく発展的な武器の技術開発を誇っています。

協力相手としては適任でしょう?」

 

「まぁ、言われてみれば確かにそうですね…。でもアキ君がなぜ選ばれたんです?」

 

「むしろ彼ぐらいしかこちらに来れなかったんです」

 

「来れなかった?」

 

「まず、こちらの大陸で活動している転生者のライダー達…スレ民のヤマトさんとキヨシさんですが、彼らは既にオトモン達の特性を考慮したうえで独自の立ち回りを構築しました。簡単に言えば、『尖ったスタイル』を身に着けています。色々なライダーが使えるには、『誰でも使える』代物でないといけないので、参考に出来ません。

そこで他所の大陸から呼び寄せる事になりますが…そこはモンスターの対処・調査を行っている状況下、人手を減らしたくありませんね」

 

「だから腕の立つライダー達の方は行く余裕がなく、新人の彼しか行けそうな人がいなかったんですね。それにスレで段取りとかのやり取りが出来る、というのも大きいですし。

…それで、どんな感じでテストを進めているんですか?」

 

「彼に各種武器を担がせて適当なクエストを受けてもらい、実際に使った時の感想や書士隊からの観点をまとめ、工房がそれを反映したライダー向けのモノを試作する…というスタンスをとっているんです。まだ始まったばかりですが試行錯誤の連続ですよ」

 

うへぇ、忙しそうだなぁ。でもその末に、スラッシュアックスやボウガンとかがライダー向けの独自要素があるものになるかもしれない、ってのはちょっと興味ある。

 

「雑談はこの辺で切り上げるとしましょうか。この先は小型肉食竜の出現エリアが多数存在します。気を引き締めなさい」

 

そういやそうだった。狩場は『大自然がルール』だしな。

 




蛮族の恰好した山本耕史って想像できる?
あっ、実写版キングダムに出演してたかあの人。

ストーリーズ関連のプレイ経験は

  • MHST
  • MHST2
  • オトモンドロップ
  • ライダーズ
  • 2作品以上
  • ないです
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