Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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去年あったモンハンNowのハロウィンイベントを基にした話を入れたいとずっと考えてました。
ホモンスターハンターシリーズを視聴してる人なら大体話の流れを察せると思います。


どこもかしこも鳥竜

俺———暗宮耀真は祭我達を連れてベースキャンプを出る。支給品ボックスは確認済みだ。クーラードリンクもホットドリンクも見当たらなかったが、それらが必要ない程度に昼夜の寒暖差が緩和された証だろう。

 

「なぁ耀真」

 

「あん?」

 

「調査つってもよ、どうすりゃいいんだい?」

 

「僕も同感ですね…。何かいい案ってないですか?」

 

「俺は学者でもないから、過信しないでくれよ?

…今のところ、翔蟲やスリンガーを持たない普通のハンターにとっちゃアクセスしづらそうな場所をメインにして周囲を探索する、ってスタイルでエリアを廻ろうと思っている」

 

「そいつぁつまり、あの10人達と被らないようにするってつもりか。アキの方はどうするんだ?」

 

「そこも考えてる。ここはロアちゃんが本領発揮できる場所と言っても過言じゃないはずだ。もし大型モンスターと出会って戦闘する場合は、あの子達を主軸に据える形で立ち回る。そして俺達がそれぞれの持ち味を使ってモンスターの死角から攻撃することで援護しよう。だからその時は頼むよ、アキ君」

 

「…わかりました!任せてください!」

 

よし。とりあえず打ち合わせはこんなんでいいかな。さーて、この狩場はどうなってんのかね。

 

 

 

***

 

 

 

ベースキャンプから長く続く1本道を通った先はエリア1。リノプロスが大樹の陰で昼寝をしている。流石に森林ほどではないが、それなりに木々が立っており、3Gで見た風景よりも緑が多い。この地の過酷さが和らいだ証かもしれない。

 

「おい、ツタが伸びてるぜ。崖下に行ってみるか?」

 

「ホントだ。どこに繋がってるんだろうな。一旦降りるか」

 

「僕は降りられないわけじゃないですけど…」

 

「あー…じゃあこのエリア周辺を見渡しといてくれる?すぐ戻るから待ってて」

 

ここがネックなんだよなぁ。アキ君はオトモンに乗れば機動力が高くなるが、逆に言えばオトモンが侵入できそうにない所だと翔蟲とか持っていない彼はかなり分が悪くなる。パーティで動くならこの辺を考えないと。

 

さて…翔蟲を使って最下層に俺が一足先に着いたわけだが、ここは釣りの出来る水場がある。そして足元には白いダンゴを転がしている甲虫がいた。そのダンゴは一応貰っとくかな。

 

「ん?フンコロガシの玉なんか拾ってどうすんだ?精算アイテムか何かか?」

 

いつの間に降りてきた祭我が質問してくる。その様子だと似たような話を聞いた事がなかったようだな。

 

「里で教官とかハンターさんが言ってたんだ。狩場にはフンコロガシの亜種がいて、そいつらはフン以外の色んなものを集めてダンゴにする生態があるって。火石コロガシ、雷毛コロガシ…とか言うらしいけど、どれも属性エネルギーの塊だからモンスターに投げれば属性やられにも出来るんだってさ」

 

「へー、じゃあこのダンゴもそうなのかね?」

 

「いや、実物を見たことがないからそこら辺は何とも…。まぁ実際に投げつけてみたらわかるだろ」

 

「ぶっつけ本番で検証、ってハナシね。お、ミズタマリゴケがあるな。俺もスリンガーに装填しておくか」

 

そして近くには、人ひとりは軽く進めそうな空洞があった。そこを潜った先に広がるのも最下層だったが、かなりデカく開けた場所であり、日陰は岩壁を除けば全くない。

 

—————パァン!ボガァン!

 

「ウォオオオオ—————ン!」

 

左上から何かが爆ぜる音とともに、狼のような遠吠えが聞こえる。確かこれはドスジャギィのモノだ。しかも今聞こえた音…おそらく連中の一部が交戦しているんだろう。

 

「邪魔にならないようにあそこを避けて戻るか。祭我、お前は元来た道を辿れ。俺は翔蟲で後ろの崖をつたう」

 

「りょーかい!」

 

 

 

***

 

 

 

崖下の下見を切り上げて戻った俺らだが、待機していたアキ君の方も色々見ていた。

 

「お疲れ様です。お二人が降りた崖の近くと前方に道が続いているんですけど、どちらの先にも他所のハンターさん達が歩いていきました」

 

「ん、アイツら二手に分かれたのか。ちょっくら見にいかねぇか、お前ら?」

 

「邪魔になったりするかもしれませんけどいいんでしょうか?」

 

「遠くからなら問題ないだろ。それに俺らはパーティを組むのは今回が初めてだ。後学のためにも、立ち回りを見た方がいいんじゃないかね」

 

「参考として、か。いいんじゃねえの?見ていて損になるわけでもないし」

 

先程確認出来たドスジャギィは左側の道の先にいるはず。ならば下見も兼ねて前方を進んでみるか。

 

「すっげー今更だけど、今日はキミはチャージアックスなんだね」

 

あ、そういえば今の今まで装備の確認してなかったな。俺がイニティメイスで祭我がイニティランス。どちらもこの前作ってもらったモノだ。アキ君は相変わらずバギィシリーズだけど、今回は赤と緑のチャージアックスを装備している。俺も昔ゲームで作った事があるから覚えてる、ローグアックスっていう名前のヤツだ。早い段階で良い切れ味が出て、しかも単純に火力を上げれる榴弾ビンを内蔵しているからそれなりに使い勝手がいい。

 

「そうですね。今のところこういう武器にハマってまして…」

 

ローグアックスは鉱石製の初期武器からドスマッカォ素材で強化派生していく。少なくともそいつは倒したんだろう。

 

「お?それはアレか、合体するからか?」

 

「そ、そうです。合体って何というか…カッコイイでしょ?」

 

「お!話の分かるヤツじゃねぇかお前!」

 

「え…えへへ…」

 

祭我とアキ君の方はなんか盛り上がってるけど、世の中物事はいい面もあれば悪い面もあるもんだ。そこら辺を聞いていかないと。

 

「漢のロマンを感じるのはいいけど、世の中物事は長所と短所があるもんだ。そこら辺、取り回して気づいたんじゃないのか?言ってくれよ、カバー出来たらやりたいんでね」

 

「そうですね…。最初、普通のハンターさんの立ち回りでやってみたんですが、結構厳しかったんです。超高出力属性解放斬りっていう大技を当てるのって、僕の場合は味方がとっても大きいので…」

 

「うわぁ、そいつぁ大変だな。ただでさえ隙がデカいのにハンター以上にフレンドリーファイアを意識しないといけないなんて」

 

オトモンはハンターと比べてフィジカルも属性もパワフルなのが売りだけど、図体がデカいからこの点をよく考えないとな。この点はヒプノックの狩りを見た時も思ったんだけど、やはりハンターというのは小回りが利くだけじゃなく、思考能力がある。だからフレンドリーファイアを避けたりしやすい。知能の高いモンスターのオトモン?知らん!

 

「一応、チャージアックスでドスマッカォを倒したので自信はありますよ。それに、さっき言った問題も相談したら何とかしてくれたんで」

 

「ほう、改善はしたってか。なら見せてくれよ、ライダーなりの立ち回りってのを」

 

「お、お手柔らかに…」

 

 

 

***

 

 

 

一本道の斜面を進んでいくと、さながら砂原の「原」を象徴するような開けたエリアに辿り着いたが、辺りには誰もいない。どこ行ったんだろうか?

 

「このエリア、色んなエリアに繋がってるみてえだぜお前ら。見ろよ?単純に前方と左右に道があるだけじゃねぇ。なんか洞窟っぽいところとかもあるし、さっき俺と耀真が見てきた最下層も近い」

 

「うーん、ここまで分岐してると迷いやすいな。モンスターがどこにいるのか想像もつかん」

 

「なら、一度水場を探しに行ってみるのはどうでしょうか」

 

「「水場?」」

 

「はい。だって、こんな荒地ならモンスターは水分補給したくなると思います」

 

…!言われてみれば確かに。アツアツの場所なら水が欲しくなるのは言うまでもないよな。

 

「さすがガチのライダー。自然の中で生きてきたってのは伊達じゃないね」

 

「いやぁ、そんな…」

 

 

 

***

 

 

 

持ってきた双眼鏡で辺りを見渡すと、左側に小さな滝が見えた。水場の存在を確信した俺らはエリアの左側へ進むと、もう一体のドスジャギィと交戦する4人組を発見した。

 

「おや、あなた達ですか。進捗はいかがでしょうか」

 

そして、左の高台にて彼らを見ているヤクモさんと目が合う。翔蟲を持ってるんだっけ、この人。なら登るのも苦じゃないよな。

 

「いやー、全く。でもちょっとそちらの方が気になったもんで、様子を見ようかなと」

 

「様子?ああ、成程…。あの子達の邪魔にならないよう気をつけてくださいね」

 

念押しされた上ではあるが許可はもらえた。小型モンスターも結構いるので、ヤクモさんに手伝ってもらって高台に急いで移る。ここはサブキャンプ(メインキャンプと同様のテントでアイテムの出し入れや装備の変更、食事が可能だが、支給品ボックスがないため支給品の取り出し、そして運搬アイテムの納品が不可能。文字通り、サブの安全地帯だ)が近いため、俺達は安全に観察できるというわけだ。

 

「ズゥゥゥ…グゥゥゥ…」

 

あ、ロアちゃんがいびきかいて昼寝し始めた。モンスターってマジで自由奔放だな。あるいは単純にこの光景に興味持ってないのかも。

 

さて、現時点での戦況はドスジャギィだけでなくジャギィとジャギィノスの群れもいる。彼らはどう立ち回るのかね。

 

「グォウッ!」

 

「ふふん!あなたの噛みつき程度、どうという事はありませんわよ狗竜!」

 

ドスジャギィがアイアンガンランスを構えた高飛車そうな少女に襲い掛かるが、彼女の盾に牙を阻まれ、お返しの砲撃を喰らわされる。ドスジャギィはそこまで硬い部位がないから、竜撃砲とかブルバーストをブッパして切れ味が劣化しない限りは大丈夫なはずだ。

 

「ジョアッ!」

 

まぁ、敵はそいつだけじゃないがな。配下のジャギィノスが一体、横からタックルをしてくる。この攻撃は鈍い方だが、体躯が大きいせいで重みの乗った一撃となる。ガードが出来なければ吹き飛んでしまうぜ?

 

「ドスジャギィが手下を引き連れないわけねーだろ、気ぃつけろ!」

 

「確実に削れていますが気を緩めないでくださいね。援護をする側は大変なんですから」

 

「や、やかましいですわ!」

 

鉱石で作られてそうなシンプルな操虫棍(俺はこの外見に見覚えがない。おそらくワールド以降に登場した鉱石系の初期武器だろうか)を装備した少年がジャンプで距離を詰め、ジャギィノスの頭上目掛けて振り下ろす。2人の後方からはクロスボウガンの少年が狙撃を行い、1体また1体と配下のジャギィの数を減らしていく。

重い武器を使う奴ってのは、機動力のある武器の仲間がいると本当に助かるな。ましてやこんな乱戦ならば尚更、それも廉価と引き換えに防御力の低い防具を着ている状態では。

 

「チッ、ガブラスが邪魔だ!攻撃も全然当たんねぇ!」

 

あ、いつの間にかガブラスが飛んできやがった。少年の届かない高度から毒液を吐いてる。ただでさえドスジャギィの群れがいるのにガブラスの群れも加わるとか、控えめに言って地獄じゃね?

てかおかしいな…。あいつら、こういう場所に出てくるようなもんじゃなかったはず。氷海とか地底火山みたいな過酷な場所だったり、遺群嶺みたいな高いところにいるタイプだったよな。

 

「あらあら~、では罠肉でおびき寄せますね~。ぽ~いっと」

 

鉄刀を背負う少女が黄色に染まった生肉…シビレ生肉を置いた。それに群がったガブラス達の体に麻痺毒が回り、痙攣して動けない所に少女が斬撃を喰らわせていく。

 

「あそこの皆さん、別々に動いて狩りに参加していますね…」

 

単純な感想を出したアキ君にヤクモさんが答えていく。

 

「そうですね。私が受け持つ訓練の中で、訓練生たちがとった各々の動きから役割を宛てていったのです」

 

「役割、ですか…?」

 

「はい。まず前衛。これは主に『積極的にモンスターへ攻撃をしていく』『モンスターの注意を引き付けて味方を援護する』という役割です。

次に反対である後衛。遠くから狙撃をしたりアイテムを使う事で味方を支援します。

そして遊撃。こちらも後衛同様に攻撃やアイテムでの支援をしますが、適性のある武器種の都合上色々と差別化が可能です」

 

「アイテムを使うのって僕でも普通に行いますよ。そこまで役目を作るほどなんですか?」

 

「狩りのスタイルは千差万別なので否定はしませんよ。しかし、周りをよく見たうえで攻撃するかアイテムを使うかを判断し、行動する役割があれば、狩り全体の難易度を下げられると言っても過言ではないですね」

 

「へー…。じゃああのお姉さんはどんなことをやるんですか?さっき言った3つの役割とも違う気がするんですけど」

 

「彼女の強みは状況判断の上手さと、視野の広さです。よって戦況を客観視する事で戦略を練る…支援というよりも軍師に近い役割ですね。同時にこの点からパーティとは別の役割も担ってほしいと思ってます」

 

「えっ…何なんでしょう?」

 

「『精神的支柱』です。私にとっては彼女を含め、この10人全員で1つの円です。これは誰一人として欠かす事が出来ません。皆を鼓舞し、折れそうになったらそれを支えられるような存在になって頂きたいと思っています」

 

「なんか僕よりも何倍も凄そうですね…」

 

うん。てか何なら同じ土俵に立たせたら俺よりも出来そうな気がしないでもない。咄嗟に状況判断して周りを客観的に見てどう動くか考える、とか今時のJCがやれるもんじゃねえって。

 

「私はあなたのような人が周りにいません。だからあなたが普段どう立ち回るのかも、どのような世界に生きているのかもよく分かりません。ですが少なくとも、そのディアブロス亜種と絆を結べているというだけでも十分に常人に出来ないことだと思いますよ?人間以上に意思疎通が困難なのは目に見えていますからね」

 

…今一度、ウチのパーティで各々の役割を考えてみるかな。

 

「なぁ祭我、俺らだったらどうなんだろな?お前はガードがしっかりしてる武器使うから前衛で、俺はガード出来ねーけどフットワーク軽いから遊撃だけど…」

 

「アキはどうなのさ。絆を結んだあの娘達は絆技という奥義があるし、肉弾戦も強い。そもそもこいつも近接武器が使える。後衛じゃねえどころかこいつら遠距離も近距離も得意だぜ?」

 

「祭我さんにしたってスリンガーがありますから、その気になれば奇襲も出来ますし…。遊撃も出来そうです」

 

なんだ。俺ら全員、役割もクソもねぇな。

 

「これもうわかんねぇなぁ…」

 

「一周廻って笑っちゃぜ、アッハッハッハッハ!」

 

額に手を当ててゲラゲラ笑う祭我だが、ヤクモさんの方は眉を顰めることも嗤うこともない。何かを考えるようにじっと俺達の事を見て、語りだした。

 

「…あなた方の方は、むしろそれでいいのではないでしょうか?」

 

「「「…え?」」」

 

「明確な『役割』や『頭』がいないというのは、皆がどんな時も縛られる事無く柔軟に動けるという事でもあります。私は皆さんの事をよく知りませんが、その様子だと仲は決して悪くはなさそうですね。ならばその場その場の思いつきで勢い任せ、というのでもうまくいくかもしれません」

 

「「「はぇー…」」」

 

とにかく、その場その場でそれなりに仲間意識を持って動けばいいって話…かな?一応自分の心の中で納得を済ました後、俺らが向かった方向の反対側…右側にある遠くのエリアから緑色の煙が立ち昇った。

 

「おや。1パーティ、ターゲットの狩猟に成功したようですね。こちらの戦況も問題はなさそうですし、状況を見に行きます」

 

「ん、そうっすか。じゃあ俺らもこれで失礼します」

 

「私も私でクルルヤックの狩猟があるので暫くは万が一の為にも留まりますが…何かあったら逃げるなり信号で知らせるなりしてくださいね」

 

「わかってますよー」

 

いざという時のプランくらいありますよ。本当にどうしようもない時に使う、チート手段がね。

 

 

 

***

 

 

 

俺達はヤクモさんを見送って、砂原の砂漠エリアに足を運ぶ。思い出せば、ドスジャギィってこういうエリアには顔出さなかった気がする。だって、砂以外なんもない所には草は全然生えないから餌になる小型動物だってそうそう出てこないじゃん?ならば足を運ぶ理由がなくてもおかしくない。

ま、ドスジャギィ以外のモンスターだったら話は別だろうがな。

 

「クルル…クルルゥ…」

 

遠くに砂地を歩く一つの大きなシルエット。ラッパのような嘴と、鉄塊のような翼の爪が特徴的な、鳥らしい骨格のモンスター。

 

「クルペッコだと⁉」

 

まずいな。こいつの事、完全に忘れてた。音爆弾なんて持ってきてない。

 

「おい、どうする?少なくとも俺は音爆弾を持ってきてないんだが」

 

小声で祭我が聞いてくる。イニティ武器は『これ一本で行けるから便利!』って太鼓判を全方位から押される程のスペックだ、つまり今の俺たちなら討伐はできる。問題なのは、俺達はこいつの十八番に対する手立てがないということ。だが…

 

「断言する。こいつと戦わない限り、俺達の調査は進展しない。後は言わなくてもわかるな?」

 

「ヘッ、そう来なくっちゃな」

 

「ぼ、僕らもいつでも行けます!」

 

全員、二つ返事でオッケーか。そうと決まれば話は早い。フットワークの軽い俺が先んじて、柱のような岩の陰に隠れながらクルペッコに近づいていく。

 

「クゥ…?」

 

気配を感じて背後を振り向くがそんなの関係ない。イニティメイスを構えた俺は翔蟲を斜め前の虚空に飛ばし、鉄蟲糸を引っ張って大きく跳躍した。

 

「先手は頂いたッ!」

 

ハンマーの鉄蟲糸技の一つ、『鉄蟲回転攻撃』。翔蟲の力を借りて大ジャンプし、車輪のように全身を縦回転しながらハンマーで何度も殴りつける技だ。ウツシ教官曰く「これで空中にいるモンスターも撃ち落とすのも夢じゃないよ!」って言うくらいの威力だ、出会い頭にこんなん喰らえば痛いはずだよなぁ⁉

 

「クエエッ⁉」

 

流石に一発で部位破壊とか大きな怯みはないか。それでも確実に効いているからかこいつは呻いた、この調子でボコボコにしてやるぜ!

 

「全員、俺に続け!」

 

「おうよ!行くぜ行くぜ行くぜぇっ!」

 

「ロア、僕らも負けていられないよ」

 

「ヴォアアアッ!」

 

イニティランスを抜刀した祭我と、アキ君を乗せたロアちゃんもクルペッコへ一直線に突進してきた。ここに俺達が全員集結し、クルペッコとの戦闘が本格化する。

 

「オラアッ!」

 

「リベンジタックル!」

 

飛び込むように懐に入った祭我のフィニッシュ突きと、ロアちゃんのショルダータックル。俺が正面で相手している最中に、クルペッコの両サイドから追撃が襲い掛かった。

 

「クアッ、カッ、クアアア———ッ!!!」

 

明確に俺達を敵と認識したクルペッコは怒り、喉袋を膨らませて威嚇する。

 

「この調子だと、声真似が来るぜ⁉」

 

「わかってる!それを許すほどぬるくはないがな!」

 

音爆弾がない以上、選択肢は攻撃一択だ。幸い膨らましている喉袋は攻撃の通りやすい部位。ここにデカい攻撃を集中させてダウンさせるべく俺は力を溜めるが、これは愚策だったかもしれない。

 

「キョオオオオオオ———ッ!」

 

なぜなら、クルペッコは嘴が破壊されてない状態では声真似が早く終わってしまうことを忘れていたから。隙を見せた時間もとても短く、俺が溜め攻撃を当てる前にクルペッコは元の姿に戻ってしまう。

 

「落ち着け…。俺達のやるべき事はただ一つ…。クルペッコを何としてでも討伐する!」

 

今さっきの声は聞き覚えがないが、ディアブロスとかリオレイアとかのものじゃなかった。だったら声真似で乱入されてもそこまで戦況は悪くならないはずだ。

 

「ここは自己強化につな———げっ⁉」

 

俺はイニティメイスを地面に打ちつけ、鉄蟲糸を巻き付けながら回転させることで溜め攻撃を強化する鉄蟲糸技、『インパクトバースト』を発動させようとしていたが、突如死角から何かが飛んできた。

 

「つってえっ!えーと、これは岩だよな?」

 

幸い、テツカブラが咥えるのよりかは小さくて良かったぜ。当たり所も頭とかではなくケツだったのもラッキーだったが、それは声真似で敵が合流してきた事を意味していた。

 

 

 

***

悠々緩々

御用心

 

抜き足差し足

泥棒鳥竜

 

卵掻き寄せ

勇み足

 

賊許すまじ

捉まえろ

 

とんずら剽疾

捉まえろ

 

 

《荒地の泥棒》

 

 

 

***

 

 

 

「キョオオオオ!」

 

岩が飛んできたであろう背後から、鳥に似た声が聞こえてくる。ケツをさすりながら視線を向けると、肌色に近い体色をした、ドスランポスに似た体型の鳥竜。ただし口は牙のない嘴であり、子分みたいな奴らもおらず、ドスランポスやドスジャギィと違うタイプであることを思わせる。岩を飛ばしてきたのはこいつに違いない。つまり、こいつがクルルヤックだ。

 

「どうする。戦力を分断させるか、それともこちらの戦力を分散させるか⁉戦況は刻一刻と変わる、早く決断してくれよ!」

 

祭我が指示を仰いでくる。焦るな、俺。相手はイャンクック程度の危険度、そもそも生物たるもの抜け道は存在する!

 

「ああっ!もう一体が!」

 

アキ君が隣の砂漠エリアの方面を指差してる。えぇ!追加でクルルヤックがやって来たんだが⁉こいつらを一体ずつ対処するならまだしも、3体が同時で一点に集まるのはちょっと不味い!

 




※クルペッコで呼び寄せられた場合、モンスター同士の敵意を利用しづらいので操竜を狙いにくいとする。

モンハン派生作品の関連曲で真っ先に思いつくのは?

  • 『ふぁいっ!』
  • 『パノラマ』
  • 『僕ら今日も生きている』
  • 『From Now!』
  • 『Make It Out Alive』
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