Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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新年あけましておめでとうございます。
45×45=2025!!!



【謎のタマゴは】巳年の狩り初め【古龍でした】

「…成程、遠方で確認された実質新種の古龍だったんだね」

 

クリスマスの朝。ギルドに呼ばれた俺こと耀真と祭我は、前日のイブに孵化した古龍の正体についてアキ君から報告を受けている。

 

「で?そのイヴェルカーナってのはどういう生態が確認されてんのよ」

 

「それは、僕が説明するよりもこっちの方が分かりやすいかと。あ、これは借り物なので丁寧にお願いしますね」

 

そう言ったアキ君から、ギルドから貸してもらった文献に目を通していく。

…ふむふむ、編纂したのは新大陸古龍調査団のメンバーか。つまり新大陸で見つかったんだな。

 

「えーと、なになに…。『寒冷地の深奥部に縄張りを持つとされるが、森林地帯、砂漠地帯、溶岩地帯など幅広い環境でも活動が可能で、それどころかそれらの地域は例外なく急速な寒冷化に見舞われる。その冷気は煮え滾るマグマさえ凍り付かせるほど強烈で、新大陸の生態系は多大な打撃を受け、我々調査団の全面撤退も検討された』…」

 

「…なんか、思ってたよりヤバくね?」

 

「うん、ヤバくない古龍なんていないと思うんだが?とにかく続けるぞ。

『イヴェルカーナは極低温の冷気を放出するだけでなく、能力を行使する為の原料として、過冷却水を常に生成している。これは凝固点以下でありながら液状を保ち、振動や衝撃を操る事で瞬時に固体化・凍結する水であり、これをブレスとして放てば冷気に強い、或いは炎熱を有するモンスターさえ物言わぬ氷像へと変えるほど強力であるが、それだけに留まらない。巨大な氷塊を生み出すことも可能であり、ある時は広範囲を攻撃する矛、ある時は外敵の動きを阻む盾として機能する』…」

 

「うへぇ、何なんだその戦闘能力!大陸全土が滅茶苦茶になっちまうのも頷けるぜ」

 

「どうやらそのギミックの制御は工夫をしているみたいだな。『詳しい生態は未だ謎が多いが、イヴェルカーナは冷却能力を補助するために七色に光るクリスタルを身に纏う生態が明らかになった。これは甲殻に付着した溶岩を瞬間冷却したモノであり、ここに過冷却水を貯め込んでいる。龍結晶の地の溶岩地帯で目撃されたのはクリスタルの生成・補強のためだと考えられる』…」

 

「冷やした溶岩で補強だと?ガラスみたいなものでそんなことが…」

 

「そんな事、俺が知るか!」

 

「いや、出来てもおかしくはなかろう」

 

「え…マスター?どうしてそういう事が分かるんですか?」

 

「そなたらは知らぬじゃろうが、イヴェルカーナが確認された新大陸というのは天寿を全うした強大な古龍達が渡りを行って到達する場所だというのが判明しておる。死した古龍が身に宿していたエネルギーを解放、自然に還元する事で生態系を循環させるためにの。

そしてかの大陸には『龍結晶の地』という、その名の通り地面に結晶が析出している場所がある。言うまでもなくそれは、莫大な生体エネルギーがある証拠じゃ。奥地が『地脈の収束地』と称してもいいほどにな。そこの溶岩も、一般的な火山のそれとは違う何かがあってもおかしくない。

…とまぁ、イヴェルカーナに関する話はこんなところじゃな」

 

「つーことは…『冷気』『過冷却水』『良質な溶岩』…これらが生態のキーワードっスね!」

 

元々操るものについては成長するにつれてどうにかなるだろうが…溶岩のクリスタルについては難しくないか?というかどうやって塗り付けるんですかね…。

 

「しかし。判明した生態がどれだけ育成に通用するかは想像もつかぬ。第一にわしはライダーではないから詳しい事も言えぬ。じゃがなアキよ、そなたがこの者の親じゃ。長い目で見て、根気よく向き合うのじゃぞ」

 

「はい、頑張ります!」

 

とりあえず、今回の事はスレに報告しておくかね。

 

 

 

Log in…

 

 

 

1:黒いの

成程、イヴェルカーナだったのか

俺の知る限りではサンブレイク最後の追加モンスターだな

 

2:祭屋縁太郎

まーもしかしたらウカムルバス以上のビッグネームだろうぜ!ハッハッハ!

 

3:マッドな教官(仮)ライダー

で、その子の育成についてだろ新人君?

 

4: 変形武器は最高です

はい、皆さんが助けになるかもと言われたので…

 

5:元・プリキュア世界の怪人王

で、イヴェルカーナの生態についてなんだが…

 

6:転生者の相談役

自分でも出来なくはないけど、実際の生態情報を持ってる人の方がいいか

 

………

 

………………

 

………………………………

 

 

17:マッドな教官(仮)ライダー

…うーむ、案の定ではあったが氷結袋を持つベリオロスとかとは別物の生態だな

寒冷化を齎す事も可能だとは思ってもみなかった

 

18: 変形武器は最高です

で、育成についてですけど…

 

19:元・プリキュア世界の怪人王

専門外の身で言うのも何だが、隣で見てた俺からすればギルドマスターの言う通り、長い目で見るのが第一だと思うんだけどな

 

20:童貞厨@大人気のアレ

うん、それで良いと思うよ?

特殊能力ってのはいつの間にか『何となく』的な感覚で使えるようになるものだし

 

21:いきなり有性生殖

溶岩のクリスタルについても、身体に刻みついた本能?的なのに従って成長したら自然に身に纏うと思うわよ

 

22:リュウガ(大嘘)

まー今まで育ててきた子達と同じように接すればいいさ

 

23:白いの

ただ、溶岩自体がな…

新大陸の個体は龍結晶の地の溶岩だからこそ、それほどまで強かった可能性が高い

そこらの火山に赴いて溶岩を採取するだけでは不十分だろう

 

24:電脳空間の時喰王

ちょっと待ちや!

 

25:リュウガ(大嘘)

あ?

 

26:電脳空間の時喰王

この古龍が最近タマゴから孵化したっちゅうこたぁ、そのタマゴを新大陸から離れた場所で産んだ親がおるのが普通やろ?

なーんでその個体は自分の力をコントロールするために必要な場所から棲み処をわざわざ変えとったん?

 

27:リュウガ(大嘘)

…ふむ、『新大陸から遥か遠いアルカラ大陸の個体ならば、溶岩の質にこだわる必要性がないとも言える』

アンタの言いたいことはこういう事か、牙王ニキ?

 

28:電脳空間の時喰王

せや!生態が分かっていないから悪魔の証明っぽいかもしれへんが!

 

29:元・プリキュア世界の怪人王

幻の域を出なかったとはいえ、新大陸以外で目撃されてたならばそう言えなくも…ない…か?

 

30:マッドな教官(仮)ライダー

うーん、タマゴの親が新大陸から飛来してきた個体の可能性もあるし…

 

31:黒いの

あくまでもゲームの話だが…現大陸の各地にも普通に出現してたぞこいつ

 

32:リュウガ(大嘘)

待て、少し前にアルトゥーラが打ち倒されただろ?そいつの生体エネルギーがベルガ火山を含む大陸全土に拡散された事でイヴェルカーナも…

 

33:電脳空間の時喰王

あかん、謎が謎を生み続けて収集がつかん

一度溶岩のクリスタルについては置いといたほうがええな

 

34:シンカリオンの保線作業員兼オレンジ6号

そうだな…クリスタルをどうするかについては考えるのをやめよう

 

35: モンハン世界のラプトルトレーナー

じゃあ、クリスタルを纏わない方針で育成する流れで考えますかね

単純に考えると伝承の儀が浮かびますが…これ、何を継承させるのがいいんでしょう

 

36:負ける気しかしねえ

クリスタルの役割は過冷却水の保持と冷却能力の強化だったか…

氷属性攻撃強化の遺伝子は確定として、その他にはザボアザギルやベリオロスのものか?

こいつらが持つ氷結袋は『超低温の液体を保存する』役目があるから、特性・技を受け継がせる事である程度はクリスタルがなくとも過冷却水を操ることができるかもしれない

 

37:アマチュア動物学者

何にせよ、オトモンは伝承の儀を重ねない限りは強くなれないからこの辺は必須の道だね、伝承用オトモンを孵化させる必要がある

 

38:リュウガ(大嘘)

つまりここら辺も『今までのオトモンと同じように』っていうスタンスだな!

 

39: アマチュア動物学者

けれども、ライダーは現大陸のギルド管轄域内ではタマゴを採取できないんだよね

ガチで強くしたいなら一度は戻ってこいって話だよ

 

40: 変形武器は最高です

いつかは帰らないといけないんですね…

 

41: モンハン世界のラプトルトレーナー

元々用があって来てる身なんだ、用が済めば長居は無用だろう

情が沸くのは否定しないが…故郷の村も常に平穏とは限らない

 

 

 

Log out…

 

 

 

掲示板での会話から数日、ヒラノさん家の2階でのんびり過ごす毎日。そんなある夜、真夜中のメゼポルタ広場から鐘の音が鳴って、新年の始まりを告げられる。

 

「店長、新年あけましておめでとうございます」

 

「ああ、あけましておめでとう。今年もよろしくね。

…サイガ君達はどうしてるんだい?」

 

「みーんな寝てますよ」

 

「なら挨拶は朝でいいだろうね。明日はお餅とおせち料理を出すよ、君も早く寝なさい」

 

「そ、そんな豪華なモノをご馳走になっていいんですかね…」

 

「身内付き合いみたいなものさ。それに江戸時代、日本ではお餅を分け与えていたのがお年玉の由来だと言うからね」

 

「俺と祭我は成人してるんスけど…」

 

「でもアキ君は子供だろう?彼一人だけにあげるのもどうかと思うし…」

 

「あ、そういう…ことですか…とりあえず寝ますね」

 

 

 

***

 

 

 

陽が登った翌朝。俺は起床後に新年の挨拶を交わしてヒラノさんと朝飯を食った後、炬燵でダラダラしている。コタツワルドのやばさがわかるが抜け出したくない。

 

「あー、なんか腹減ったな。祭我、お汁粉よそってくんね?」

 

「え、それくらい自分で行けよ…」

 

「見ればわかるだろ、炬燵には抗えないってのが」

 

「それもそうだな。店長、炬燵しまっちゃいましょ———」

 

「わ、わかったわかった!って…あれ?アキ君はどこ行った?」

 

「アイツならお前が寝てる間に外に出てったぞ。籠ってても暇だから、ってな」

 

「子供は風の子、って言うしねぇ。ヨウマ君も見習わないといけないんじゃない?」

 

「う…うっさいっすよ!食った分だけ狩りで動きゃチャラになるからいいでしょ!」

 

炬燵から下半身を出し、重い体を嫌々ながら動かしてお汁粉の入った鍋に向かおうとした時、部屋のドアが開いて人影が出てくる。

 

「皆さん、このクエスト行きましょう!」

 

人影の主は外出してたアキ君だった。依頼書と思わしき紙を持っている。一体どういう内容だ?

 

「んあ?こいつぁ…闘技場でガブラスの討伐か」

 

「小型の討伐?ガブラスの素材が欲しいって聞いてないし、わざわざ誘わなくても…」

 

「いえ、今年はヘビの年だから、この期間にピッタリだってガイドのお姉さんが言ってたんです。それに報酬を加工屋に渡すと特別な武器が作れるらしくて」

 

「特別な武器か。こないだはクリスマス武器があったから、今度はお正月っぽい武器か?」

 

「ああ、君達に言ってなかったね。こういう時はギルドが特別に期間限定で出してるクエストがあるんだよ」

 

へぇ。今までだとクリスマスとお正月…。近いうちだとバレンタインデーとかホワイトデー、端午の節句みたいに色んな祝日や行事にちなんだクエストもあるのかな。

 

「それに、あの子も育ちましたし。小型モンスター相手なら戦えるはずです」

 

あー成程、オトモンの試験運用、って所か?

 

「じゃ、俺達も同行するかな。いくら相手が小型と言えども、戦闘経験の無いオトモンが初めて逃げ場のない闘技場で戦うんだからな。負担は減らすべきだろう」

 

さて、小型が複数体だ。新年初の狩りは気軽に終わらせるとしますかね。

 

 

 

***

 

 

 

ガブラスは常に滞空しているため、片手剣とか双剣じゃ手こずってしまう。だが音爆弾と罠肉があれば簡単に無防備になるし、同族の死骸にもホイホイ群がるのでその隙を突いて立て続けに討伐をすることも可能だ。

それに今回、俺はイニティソード(太刀)、祭我はイニティキャノン(ガンランス)、アキ君はクルルドゥダ(クルルヤックの狩猟笛。音爆弾効果の旋律が吹けるらしい)とリーチのある武器を担いできている。目標討伐数の3分の2くらいを狩るというのはそこまで苦じゃなかった。

 

「さーて、ここまで数を減らせばあとはどうとでもなるな」

 

「出番だよ、シオン!」

 

アキ君が吹いた口笛で、闘技場の空から白影が舞い降りる。言うまでもないだろう、成長したイヴェルカーナだ。『シオン』と言う名前を付けてもらったこの子は、クリスマスの頃には小さかったのにいつの間にか俺達よりもデカくなってる。不思議なものだな、オトモンってのは。

ちなみに性別はどっちなのかはわからなかった。だからどっちでも合いそうな名前を考えてたそうだ。

 

「思う存分にやっちゃえ!」

 

「クゥオゥッ…!」

 

シオンちゃんが翼を大きく広げて滑空し、ガブラスの群れに突っ込んでいった。結構頑丈なのか、広げた両翼に巻き込まれた複数の個体が悲鳴を上げて地面に堕ちていく。

 

—————ヒュンッ、ヒュンッ!

 

今度は、滞空しながら尻尾を正面に突き出してきた。相当な鋭さを誇っているらしく連撃の餌食となった1匹が翼を切り裂かれて地に堕ちた。攻撃を逃れた近くの別個体も、全身を使っての尻尾薙ぎ払い攻撃に巻き込まれ、とどめとばかりに尻尾を突き刺されて絶命する。

 

報告書によれば、翼も尻尾も武具の素材として優秀らしい。そんなんで攻撃されたら溜まったものじゃないのも頷けるな…。

 

「同じところを飛びながらあんな事をするのか…。飛行能力も尋常じゃねえぞ」

 

「今で討伐されたのが5匹…。もう少しだな、目標数行ったらとっとと去るぜ、準備しとけ」

 

「はい。えっと…あの群れを討伐すればクエストクリアですね」

 

それと、あれから色々掲示板でもオトモンについて情報収集してみたが、古龍というのは他の分類のオトモンより成長が遅いらしい。しかしこうして短時間かつ単独でまとめて小型を倒してる時点で、尋常ではない力の持ち主であることをわからされる。

これが、天災と言っても差し支えない者達の力の片鱗なのか。

 

「コアアア—————ッ!」

 

そして最後に、闘技場の隅に集まっている3匹のガブラスに冷気———正確には過冷却水のブレスが襲い掛かった。

 

「…は?」

 

ガブラスが瞬く間に氷漬けになるとは予想していなかった。古龍の力は恐ろしいな…。

 

「と、とりあえずこれでクエストクリアだな。早くメゼポルタに…」

 

「あっちょっと待ってください、少しベースキャンプで休ませてもいいですか?」

 

「ヘェッ…ハァッ…」

 

シオンちゃんの方を見れば結構息切れをしている。これは確かに休んだ方がいいな。

 

「流石に何体も一度に相手してたらしかしその様子だと、現状ブレスを吐くには結構力を使うみたいだね」

 

「やっぱり伝承の儀による強化はやらないといけませんね…」

 

イャンクックやフルフルなどブレスを使うモンスターは直に色々見てきたが、基本的に息切れするような様子は見たことがない。体力が追い付いていないのか、体の発達が不完全なのか。原因は何なのかはわからないが、この調子で大型モンスターに挑戦するのは現実的ではないな。

 

「得意なはずのブレスがあまり使えないのは痛いです…」

 

「まだ自分の力を使いこなせていないのかもしれねーな…」

 

古龍とかいう異次元の存在を育てるなんてそう簡単にいかないよねー…。

 

「…とりあえず、僕はこの子を育てる事に集中します。暫く小型の討伐とか採取をやろうかな」

 

「おう、それがいいと思うぜ」

 

「じゃあ当面は別行動だな。ランポスとかに俺らまでついてったら全力を出せないだろう」

 

「皆さんの助けにいけず、ごめんなさい」

 

「別にいいさ。ハンターとして更に上を目指すなら、個々の力を見られるはず。たまには俺たち自身の腕っぷしを上げないとな」

 

上位、凄腕、G級といった更なる高みに上がるには、ギルドから相応の実力があるとみなされないといけない。この子の助太刀は本当に世話になっているが、その強さは本来ハンターが持たないものだ。メゼポルタでは昇格試験というのがあるらしいが、流石にこのサポートありで突破するというのは良くないだろう。

 

「僕らも早く強くなって、お力になれるよう頑張りますね!」

 

「焦らなくていい。圧倒的な力を持つ古龍なら、その道は遠いのも想像はつく。一歩一歩着実に進んでいこうぜ」

 

君は頼斗みたいに特段大きな使命を持って戦っているわけじゃないから、詰め込みで鍛えたりする必要がないんだ。だったら時間をかけて強くなるほうがいい。

 




何が刺激爆発デュエマナイトパックだよこちとら怒り爆発だぞ

モンハン派生作品の関連曲で真っ先に思いつくのは?

  • 『ふぁいっ!』
  • 『パノラマ』
  • 『僕ら今日も生きている』
  • 『From Now!』
  • 『Make It Out Alive』
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