Monster Hunter Reincarnation   作:scp-114514

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話ってのは分けて書くほうが途中でダレたりしにくいと思うので区切りますね


聖嶺に君臨するは黒き覇者

今回の狩場は高高度の山地である遺群嶺。この狩場は実力が認められたハンター、つまり上位以上の連中でないと行くことが出来なかった。だが調査が進んだことで下位のハンターでも依頼を受ける事が可能になった。

最もこの狩場は龍歴院というメゼポルタやドンドルマとも独立した組織の管轄内である以上、手続きを踏まないとここに来ることが出来ないが…今回は、謎の爺さんの働きかけにより、特別に手続きをある程度省いて狩りに向かうことが出来た。

 

「支給品は地図と応急薬に携帯食料、携帯砥石に支給用大タル爆弾、元気ドリンコか。とりあえず応急薬と携帯食料を3人で等分して…」

 

「ああ、俺の分は大丈夫だ。君らで山分けして構わんよ。

…さて。ターゲットを探しに行く前に、今回はどう動くか聞かせてもらおうか」

 

耀真と祭我はいつもは普段から付き合いのある面々と気軽に大まかなプランを立てて狩りをしていたが、今回は違う。目の前にいるのギルドナイトというエキスパート、それも2人を評価するために同行しているのだ。2人とも少し緊張している。

 

「…えーと、まずクルトアイズさんの武器について聞いてもいいですかね?」

 

「これか。『バストンウォーロック』と言ってな、ゲリョス亜種の素材で作ったヘビィボウガンだ。多種多様な弾丸が装填できるのが強みでね、当然グラビモス亜種に有効な水冷弾も使えるが…」

 

「あくまでもメインは俺ら、でしょう?」

 

揚げ足を取る祭我の言葉に、クルトアイズは口角をわずかに上げて答える。

 

「そういう事だ。俺が頑張りすぎたら君達を連れてきた意味がないだろう?今回はほどほどに戦闘に参加する。それを踏まえたうえで、改めてプランを聞こうか」

 

耀真はクエストに行く前にある程度情報収集をしていたが、特に悩ませたのが甲殻の硬さだった。グラビモス亜種は切れ味が相当良くないと弾かれる部位が多い。一応、太刀やガンランスには肉質を無視した攻撃はあるが、それでも切れ味の消費が痛い。だから心の底ではクルトアイズの積極的なサポートを期待していたのだ。

 

「…部位破壊を優先して立ち回ろうかと思います」

 

「ほう?」

 

「素材が必要とされているなら報酬は多くなる方がいいのもありますが…相手が相手なので、弱体化をさせたいんです。足を破壊すれば転倒しますし、背中を破壊すれば火炎ガスを抑えれるとの情報があります。もちろん、腹の甲殻を割れば弱点が生まれますし…。兎に角、こういうので出来た隙を集中砲火のチャンスにしたいです」

 

徳川家康は大坂の陣において難攻不落な大阪城を落とすべく、外堀を埋めたりして防御機能を失わせた。

今回のグラビモス亜種にしても、剣士なら真っ向から攻撃をするよりも攻撃が通る部位や隙を作ってから殴る方が現実的だ。『肉を切らせて骨を切る』という戦法だ。

 

「お前なら気刃斬り、俺なら砲撃みたいに頑丈な部位でも弾かれない攻撃がある。なら部位破壊も夢じゃないな」

 

「成程な。して、俺はどうすればいい?」

 

「クルトアイズさんは、背中の甲殻を攻撃してください。転倒したり罠にはまれば部位破壊のチャンスは生まれますが、ガス噴射が邪魔な以上背中破壊は出来るだけ早めたいので」

 

「火炎ガスを抑えるのは確かに理にかなっているだろうが…腹に攻撃を与えるのは今の君達だと相当きついぞ?俺に背中破壊を優先させていいのか?」

 

「そこも考えたんですけど…3人が同じ部位に集中して攻撃するってことは、味方同士がお互いの攻撃で邪魔されかねないリスクも増えると思うんですよ。ましてや太刀とガンランスというリーチのある武器なら尚更。でも俺達は近接武器である以上、ヤツの体に張り付くしかない。だからクルトアイズさんには別の部位を狙ってほしいんです」

 

「そうか。それもまた一つ、か。ならばこちらは罠と爆弾を主軸で腹の部位破壊をサポートする。このような形でいいだろうか?」

 

「大丈夫ですよ。今回はお願いします、クルトアイズさん」

 

「俺も異論はねぇぜ。いつでも行ける!」

 

「あ、ちょっと待ってくれ。ベースキャンプを出る前に…」

 

祭我を止めた耀真が腰のポーチから小瓶を取り出し、中身を一息であおる。そしてしばらく目を瞑った後にベースキャンプの崖下と、エリア1へと続く道をじっと凝視した。まるでその先にあるものが見えるような雰囲気がある。

 

「この地図でいうと…グラビモス亜種はエリア2とエリア3のいずれかにいます。でもどっちだろう…」

 

「ほう?グラビモス亜種以外にも、か」

 

今、耀真が使ったのは『千里眼の薬』。短時間だけ、狩場のどこにモンスターがいるかを把握できる薬だ。感覚を一時的に強化する事で直感的にモンスターの位置を理解する…とかいううわさがあるが、詳しい仕組みは分かっていない。これに限らず、耀真が不思議な特性を持つ薬や素材などについて色々とメフィラスに質問したことがあるのだが、彼はほとんどのものの仕組みを解明できなかった。高度なテクノロジーでは解析できない何かがあるというのは理解に苦しむ謎である。

 

「エリア2にいるのがグラビモス亜種だろう」

 

少し考え込むこともなく、クルトアイズはあっさりとグラビモス亜種の居場所を断定する。その判断の速さに耀真と祭我は思わず驚いた。

 

「推測立てるの早すぎませんかね…」

 

「エリア3は鉱脈がないから、餌となる鉱石を食べに行くことはない。それに豊富な水を湛えているから、ガノトトスやロアルドロスのような水棲のモンスターが縄張りにしているんだ。餌場でもなく、弱点の水属性に長けたモンスターとも鉢合わせしかねん場所に、わざわざ足を運びたいと思わないだろう?」

 

「言われてみれば確かにそうですね…」

 

「とにかく、ターゲットの居場所が近くて助かったぜ。今度こそ出発だな!」

 

 

 

***

 

 

 

「慧眼ですね、クルトアイズさん…」

 

「ま、これが経験というものさね」

 

「グァガアアアアア—————ッ!」

 

3段階の段差の上に巨大な遺跡があるエリア2。クルトアイズの推測通り、グラビモス亜種はここにいた。早速3人を長くて大きな咆哮で出迎えてから突進してくる。鈍重な外見とは裏腹にスピードがあり、決して油断できない。

 

「散開する。話し合いのようにいくぞ!」

 

「「はい!」」

 

クルトアイズが段差側に回り込み、耀真と祭我がグラビモス亜種の足に張り付いて攻撃を始める。

 

今回耀真が持ってきたのはショウグンギザミの太刀。しかし鎌状のショウグンカッターではなく、ショウグンギザミの爪に、そのまま柄をつけただけのシンプルな形状をしている。『長蒼刀【鎌将軍】』という銘のこの武器は、その名の通りリーチが一般的な太刀よりも長く、メゼポルタの間で流通している『特殊リーチ武器』に分類されるものだ。グラビモス亜種に有効な水属性を有し、リーチが一際長いこの武器ならば翼や尻尾のような高い位置の部位も狙いやすいだろう。

 

ガギィン!

 

だが、あっさり長蒼刀【鎌将軍】は弾かれてしまった。やはり下位の近接武器では部位破壊は困難を極める。道中で小型モンスターを狩って、気刃斬りを連続して出せるほど練気を溜めておけばまだましだったのかもしれない。

 

「せぇいやっ!」

 

今度は桜花鉄蟲気刃斬を繰り出してみた。鉄蟲糸技は勢いに任せた攻撃が多く、肉質が硬くても弾かれないものが多いと聞いている。

 

カン、カッ、カ、カァン…。

 

確かに弾かれはしなかったが乾いた金属音のような音しか出ず、全く攻撃が通らない。

 

「こっちも、手応え全然ねぇな…!」

 

祭我の方は砲撃をしてから砲身を叩きつけ、フルバーストのコンボを繰り出している。耀真よりも与えたダメージはありそうだが、何度も砲弾を放つおかげで切れ味の消費が激しい。これでは全然ダメージが期待できないだろう。これでも下位個体なのだが、元々は凄腕のガンナーであるクルトアイズに狩猟を任せられていたモンスターであるのも納得がいく。

 

「グゥゴゴガアッ…!」

 

グラビモス亜種が上半身を大きく反り上げ、横転してくる。視界に入った耀真と祭我を全身で押し潰すつもりだろうが、彼らもやられるつもりなど無い。耀真は回避で、祭我は高いガード性能を活かしたガードでやり過ごす。

 

「罠にはめて爆弾を使う!注意を惹きつけてくれ!」

 

「「了解です!」」

 

剣士に付け入る隙を与えないグラビモス亜種の強さに見るに見かねたクルトアイズが後ろで落とし穴を展開し、支給用大タル爆弾を乗せた荷車の元へと急ぐ。それを見た耀真と祭我はグラビモス亜種の目の前に立ってからクルトアイズとは真反対の方向へ後ろ歩きで移動し、誘導していく。

 

バクン。

 

2人に狙いを定めたグラビモス亜種は大きく開けた口に高熱を集中させ、一筋の太い熱線として放つ。それも薙ぎ払うように。

 

「回避性能があるから何の問題もねえのさ!」

 

「こいつはバサルモスで知って…うおっ、段違いの勢いだ!」

 

「そんなん成体の亜種だからたりめーだろ馬鹿!」

 

それも難なく回避とガードでやり過ごした2人だが、彼らにもまともな攻撃ができる手段がないのも事実。だからこそ、クルトアイズの助けなしには戦えない。

 

「爆弾を設置した。こっちへ誘導しろ!」

 

その声を聞いた耀真と祭我は武器を納刀し、いつでも逃げれる体勢でグラビモス亜種に張り付き続ける。そして突進を繰り出してきたときに一気に落とし穴のところまで駆けていった。

 

「ゴウオワアアアア!?ガアアアアアッ!?」

 

落とし穴にはまって動けないグラビモス亜種。その腹部には大タル爆弾Gがデカデカと置いてある。耀真は流石に今の状態でも痛手を与えるのはきついが、攻撃できる手段を持つ者たちにとってはこのチャンスを逃す理由はない。

 

「起爆は俺様に任せなあっ!」

 

イニティキャノンを抜刀した祭我が竜撃砲で爆弾を起爆させ、砲撃と爆発のダブルパンチで腹の甲殻を攻撃した。

 

ジャキッ…ガンッ!

 

「俺も少しぐらい頑張らないとな…!」

 

クルトアイズも2連続でリロードのような操作を施した後、射撃を行う。着弾した腹部に大きく水飛沫が飛び散っているので水冷弾であるのはわかるが、かなり強力な射撃だったのかそれがかなり広く散らばっており、クルトアイズも大きく反動でのけぞっている。

 

「属性弾ってあんなに反動きつかったっけ…?というか1発しか当ててないんだけど…あっやべ、こいつキレた!」

 

「ガギャガアアアアアアアア―――――ッ!」

 

記憶が正しければ、属性弾の反動はそこまで強くなかったはずだ。それに、あらゆる弾を使えるだけでなくその装填数もそれなりになければ、バストンウォーロックを汎用性の高さを見込んで担いでいかないだろう。反動のありそうな水冷弾を1発だけ撃ったクルトアイズの射撃を不思議に思う耀真だが、落とし穴から逃げ出し、怒ったグラビモス亜種の咆哮で我に返る。

 

「コアアアッ…」

 

グラビモス亜種の口元が赤熱化を始めた。熱線を放つ合図だが、上体を起こし、頭が正面を向いていない。薙ぎ払いブレスの挙動にも全く似ていない。クルトアイズは信じられないものを見たかのように目を見開いた。

 

「なっ…なんだ?何をしてくる?」

 

「え?どうかしました、クルトアイズさん?」

 

「急いで逃げろ!俺も知らん攻撃をしてくるぞ!」

 

「え…?えっ!」

 

「グゥアアアアアッ!」

 

グラビモス亜種が頭を下げ、熱線を自分の足元に吹き付けた。灼熱が広範囲に拡散して地面が瞬く間に溶融していく。

 

「あ、あっ、あっづっあっっっ⁉」

 

祭我はガードができるものの、耀真は回避しようにも地面が長時間燃え盛るおかげで全くやり過ごすことができない。あまりの熱さに悶絶し、気を失ってしまった。




ワイルズでのグラビモスの新モーションを取り入れました。

ノベル版モンハンって知ってる?

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  • 知らねーよ、そんなの(辛辣)
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