Monster Hunter Reincarnation 作:scp-114514
水没林の調査が終わり、カムラの里に戻って一連の報告を済ませた一行。筆頭ハンター達は各地のギルドに報告すべく急いで里を去り、耀真達は『猛き炎』達がクエストから帰還するまでの間、ヨモギの茶屋やイオリのアイルーとガルク達の世話など、住人達の仕事の手伝いをしつつ里の警護に努めていた。
そうして頃合いを見計らい、里の住人達に別れを告げてメゼポルタに帰還した耀真達は、広場が普段よりも賑やかになっている事に気付く。こういう時はイベントが開催されているが、少なくとも暫くの間、予定のイベントは無かったはずだ。
「なんか騒がしい…騒がしくない?」
「あー、言われてみればいつもよりかは」
そんな中、広場から一人のハンターが3人に気付いて声をかけてくる。
「おーい。あんた達!」
「「「ん?」」」
「新種のモンスターについて詳しく話を聞かせてくれ!」
「おっと、抜け駆けは良くないな。私にもその話を聞かせてもらおうか」
どうやら耀真達が調査にて新種のモンスターを発見したという情報はメゼポルタにも広まっていたようだ。その子細を聞きに、一人、また一人とハンター達が押しかけてくる。
「なぁライダー、水中でどうやって戦ったんだ⁉」
「ウズ・トゥナってどんなヤツだったの⁉」
「ワシは色んな水棲モンスターとやり合った事があってな、そいつらとお主らが見つけた海竜種はどう違う?」
「空に暴風を操るモンスターもいたって言うのよね⁉」
「筆頭ハンター達ってどんな戦いしてたの?聞きたい!」
「カムラって美人の受付嬢さんとイケメン教官がいるスゴイ所なんだよね、色々教えて!」
…「「「うおおおおおおお!!!」」」…
下位、上位、凄腕、G級(というか耀真達よりランクが上の凄腕とG級がほぼ全て)…とにかく色んなメゼポルタのハンター達が色々な話を聞きに寄ってたかって来た。
当然、話が盛り上がりすぎてこの日は夜遅くまで解放されなかった。
***
パパラッチに追われる有名人の大変さが分かる一日でした。どうも、カムラからメゼポルタに戻ったら色々インタビューを受けた暗宮耀真です。
昨日相当疲れたんで泥のようにぐっすり眠り、起きたのは翌日の昼間。腹が減ったけど、だるいしメシを作る気力が湧かないんで弁当屋で食事を済ますことに。そのまま酒場にて、今後しばらく何をするかを話し合っている。
「俺らは上位クエスト受けるけど…君はどうすんのさ」
「僕、ですか?色んなハンターさん達から、狩りに行く事になりまして…。なんかすごい強い人達が交代交代って感じで…」
「へ…?」
「まぁ、僕が安心して受けれる程度の強さのものなんですが…」
「え…えっ?」
いやマジでわからん!そりゃあG級とか凄腕のドスランポスとかババコンガならわかるよ?でも何故に敏腕ハンターがこぞって下位クエストに同行⁉
「見たことのないモンスター達とどうやって一緒に戦うのかを見たいって言うハンターさんが結構いらっしゃったんです。武器の扱いについても指導してくれるみたいで…」
あー、確かに…。ここじゃアンジャナフとかラギアクルスなんて全然話題にすら出ないしな。イヴェルカーナについては言うまでもない。
「成程ね。頑張ってきな。…さーて、俺らは何を受けようかね?」
「おう!目星をつけてたコイツだ!」
「なんだ…
下調べをしていたようだから、こいつから色々聞いてみるか。
「峡谷や高地に棲息する飛竜でな、何でもかんでも食べる食欲旺盛なヤツなんだよ」
「イビルジョーみてえだな」
「まぁ確かにそうなんだが…パリアプリアはずっと昔から存在を認知されてたんだけど、強くないし素材の価値もゴミだから見向きもされてこなかったんだ」
「じゃあ狩る意味なくね?…いや、なんで狩猟が逆に行われている?」
「おっ?いい事を聞いてくるな!パリアプリアの胃には貴重な素材が入ってることがあると判明したんだよ」
「ほぅ、じゃあ倒したら腹を捌くのか?」
「いや、吐かせるんだよ。ゲr…吐いた物…内容物の中にある素材を探すんだ」
「ヴォエ!!!」
最ッッ悪だ!こんなんスーパーヒーロータイムどころかTTFCでも流せねえシーン不可避だろ…。
「でもよー、俺の作りたい武器の必要素材で、『呑竜の軟骨』っつうのがそこからしか取れねーんだ」
「…僕らはいけませんが…その、頑張ってください」
全くだ。衛生管理、抗菌防臭対策をきちんとしないとな。
***
メゼポルタにて上位以降で解禁される狩場、『峡谷』。緑は少なく、切り立った崖が多く見られるなど、独特の起伏が激しい荒野のような土地。
はるか古代に海だった場所が地殻変動によって隆起し、そのまま永い時を経て風と雨滴に少しずつ削られながら現在の形となった。人の手が入らぬまま隔絶された環境が続いていたため、他のフィールドには見られない独特の地形とそこに適応した動植物が目立つ。今までは痩せた土地としてあまり注目されていなかったが近年の調査によって再評価され、新たな狩猟の舞台として脚光を浴びることとなった。
「まるでアメリカのグランドキャニオンだな。…さーて、支給品、支給品、っと…。あれ?」
耀真が早速アイテムボックスを開いたところ、その中にあったのはただただ肉ばかり。生肉、シビレ生肉、毒生肉、眠り生肉。その他の支給品アイテムは地図を除いて一切ない。
「これを食わせるのか…」
「おう。でも他のハンターが言うには適当に置いちゃいけないんでな。まー詳しくは後で話すさ」
「にしても、応急薬も携帯食料もないのはなぁ…」
「そこら辺もじきにわかる。聞き込みによれば、あいつは峡谷の鍾乳洞…エリア6を根城にしているんだ。早いとこ向かおうぜ」
***
ベースキャンプを出て順にエリア1、4、5を経由して、2人はフィールド北東にある、多数の鍾乳石が連なる洞窟のエリア6に辿り着く。そこでは、何とも特徴的な外見の飛竜がカンタロスの群れを捕食していた。
ティガレックスやナルガクルガ特有の4足歩行に適応した体型。翼の皮膜や尻尾のヒレ、背中の突起物は水中生物を思わせる。
「こいつがパリアプリアなんだな。『呑竜』と言われる通り、ほとんど咀嚼せずに呑み込むように食べてるぜ」
「そ。ハッハッハッハ!今俺を見たな?これでお前とも縁が出来た!」
「!!ギョアッ!」
祭我の大声で2人の存在を認識したパリアプリアは早速大きな口を開けながら突進してくる。そこまで早いわけではないが、左右の幅が広く、しかも方向転換をして何度も襲い掛かってくる。はっきり言って近接武器だと面倒だ。
祭我曰く、弱点は火と雷。よって耀真は黒鎧鎚、祭我は黒槍グラビモスを持ち込んできたが、この様子では自由を奪わない限りはまともに痛手を負わせられないだろう。
「こうも動き回られてはなぁ…」
「まぁ、そう言うなって。普通に殴って倒す、っていう話じゃねーんだからよ」
そう返答する祭我は、納刀状態でパリアプリアの突進を回避しつつその挙動に注目。ポーチを取り出して生肉を置いている。
「おい耀真!今から暫く生肉を置け!ただの生肉だぞ、いいな?」
「あ、ああ…。了解したけど、なんで生肉に指定するんだ?」
「パリアプリアの口からヨダレが出てるのを見なかったか?アレの色合いをよく見た上で罠肉を置く必要があるんだ。白なら生肉、紫なら毒、黄色ならシビレ、青なら眠り。これを間違えると不機嫌になって暴れたり、素材の質が悪くなる」
「大食いなのにグルメとか…しかも罠肉に対して?変にわがままだな」
祭我は耀真も生肉を設置したのを確認すると、角笛を吹いてその場を走り回る。それに反応したパリアプリアが突進していくが、地面に口をつけ、削り取るように突進する事で口の中に罠肉が吸い込まれていった。
「よし!このまま色々肉を食べさせていくぜ!」
それからもヨダレの色に応じて様々な罠肉を食わせ、あっという間にパリアプリアは罠肉で腹がいっぱいになった。腹に肉が溜まっているせいか、動きも遅くなっている。
「もう罠肉は食わせなくていいと思うぜ。あとは殴って胃の中身を吐き出してもらわないとな」
「衝撃を与えた拍子に、ていうヤツね。どう変わるのやら…今のうちに—————」
「待て!あの動きはちょっとアブねーぞ!」
「え、ええ…?何してくるっての…?」
何やら削り取るように地表に喰らいつくパリアプリア。この隙に腹に刺激を与えれば嘔吐しやすいと踏んだ耀真は黒鎧鎚で膨れた腹を殴りつけようとするが、寸でのところで祭我に制止される。
「ブファア!」
パリアプリアは暫く咀嚼した後、自らの頭上に向けて何かを吐き出した。よく見ると無数の石礫が周辺に降りそそいでいる。土や岩を嚙み砕いて上空へ撒き散らしていたのだ。
「あれはそこまで痛くねーけど、無数に落ちてくる分巻き込まれると衝撃でほぼ確実に気絶しちまうんだとよ」
「それは確かに厄介だ。情報収集ありがとさん」
ハンマーの中でもリーチが極めて長い部類の黒鎧鎚だが、それでも剣士である以上どうしてもモンスターの近くに陣取らないといけない。結局、リーチがあっても武器とモンスターの相性そのものはそこまで改善されない。
「じゃ、これで攻めるとしますかねぇ」
その点をカバーすべく耀真はダッシュブレイカーで何度も一撃離脱する形でパリアプリアに攻撃していく。祭我の方は石礫が降りそそいでも被弾を抑えれるよう、ガード出来る余裕を持ってひと呼吸を置きながら頭に黒槍グラビモスの突きを何度も繰り出している。
「独特の質感してんな、コイツ。ぬめぬめしてる」
「ヴェオオッ⁉」
「あっ、早速怯んだぞ。そこまで痛手になるもんじゃないはずだけど…」
「パリアプリアは飛竜の中じゃ、非常に貧弱な部類に入るんだよ。それに素材の価値の無さもあれば、見向きもされてないのも頷けるだろ?」
「へー。だったら支給品もそこまでガチガチにしなくてもいいのか」
そんな中、のそのそと歩いて2人から距離を取ったパリアプリアが、軽く跳躍して軸を合わせ、ブレスを吐くような挙動を取る。
「耀真、今からゲロを出してくるぞ!」
「ブフォオッ!ヴェホオッ!」
パリアプリアが内容物を何度も吐き出してきた。着弾地点で大きくはじけ飛び、固形物が残っている。
「うわくっっっせ!おい、ゲr…内容物の跡にあるアレがお前の欲しい素材じゃないのか?」
「あー違う違う!ありゃあ食わせた生肉だ!内容物には質があるっつっただろ。軟骨は結構質の高いモンからじゃないと取れねーんだ!
分かるか⁉俺らは今、ガチャをしてるんだよ!」
「そんなソシャゲサ終しちまえ!」
耀真はガチャ要素のあるソシャゲを幾らかプレイしたことがある。当然、爆死経験もある。だが今回はそんな経験を鼻で笑うレベルの話だ。内容物の中身を漁る描写のガチャ演出に興奮するなど余程のモノ好きでない限りありえない、むしろ苦情が殺到する。
「ん~これはカブレライト鉱石!これは呑竜の皮!ハズレ!」
「…うぅぅ、クソクソクソ!腹括れよ俺。眼ぇ反らすなよ俺!」
パリアプリアはそれからも何度も内容物を吐き出してくる。モザイク処理必至の光景にも関わらず、一心不乱に漁っていく祭我。耀真も自分自身に檄を飛ばして一心不乱にパリアプリアの内容物を漁っていく。
「おい祭我!これ軟骨か⁉」
「おう、そいつぁヒレだ!ハズレ!」
「くっそぉー、こっちも爆死かよ!」
「うおおっ、コイツぁ!」
「おい、なんかいいのあったか?」
「蒼火竜の翼だ!」
「リオレウス亜種の上位素材⁉でもハズレじゃん…」
「そう言うな。ガチャのすり抜け枠みたいなもんだ、まぁまぁアタリだぜ!」
その後も固形物を漁っていくが中々軟骨らしき素材が見つからない。欲しい素材のためにモチベーションがある祭我ならまだしも、耀真の方は終わらない汚物処理同然の作業で精神的に参り始めてきた。
「ゲポアッ!」
そんな中、パリアプリアが吐き出した跡に、青色の固形物が残った。それを見た祭我は目を大きく見開き、一目散に駆けていく。
「おい、いきなりどうした!」
「ありゃ一番質のいいモンだ!アレか紫色のからじゃないと軟骨が出ないんだよ!」
「是非とも当ててくれよな…。もうそろそろ終わりにしてほしい…」
血眼になって固形物の中を丁寧に探す祭我。その中で何かに気付いたように手を止め、恐る恐る細部を見て確信に至り、半透明な『それ』を天高く掲げた。
「これ、軟骨だ!ほかのハンターから見せてもらったやつと類似してる!」
何度か吐かせた内容物を漁った末に、ようやく目的の素材を見つけることが出来た。後は討伐するのみだ。
「ッシャオラアアアアア!ぶっ潰してやらぁな!」
先程まで精神的苦痛に苛まれていた様子から一転、耀真は今までの不快感を拭うかのようにシャウトしながらパリアプリアへ突っ込んでいく。
「グポアッ!」
そんな耀真に噛みつこうとするパリアプリアだが、そうは問屋が卸さない。祭我がクラッチクローで顔面にしがみ付き、スリンガーの全弾発射で動きを縛った。
「今までクソみてえな目に遭わせやがって、百万倍にして返してやるぜ!」
衝撃で動けなくなったパリアプリアの頭に、力を最大限まで溜めた耀真がインパクトクレーターで黒鎧鎚を振り下ろすと、呆気なくパリアプリアは力尽きた。
「おーし、狩猟達成!意外と早く堕ちたなぁ~?」
「自分で相当弱い部類の飛竜っつっじゃねーか。まぁ、少なくとも下位のうちからは狩れなさそうな強さだとは思うがな。
…さてと、剥ぎ取りを…」
「あっ耀真、それについてだが…」
「あ?まだ何か…コ゜ッ⁉」
「パリアプリアの素材はな、ぬめりが酷かったり衛生的に問題があるレベルで臭いものがあるんだ。だから気を付けて…って、気絶してる」
祭我は、あまりの臭気に気絶した耀真を引き摺ってベースキャンプに帰還する。メゼポルタへの帰路の中で目を覚ましたが、開口一番に発した言葉は、「アイツはもう二度と狩りたくない」だった。
パリア武器を知らない人はマジでわかんない話ですが、その中の一つにドンブラ知ってる人ならとっつきそうな名前の武器があるんですよ。まぁ、僕が調べた限りそれが話題になった掲示板は見当たらなかったんですがね…。
レ・ダウとギラファアンデッドの顔は
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そっくりよね。
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⚠まったく似ていません!⚠