ポケットモンスター もう一度、歩むために   作:deruta01

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AIのべりすとを使わず、自分の力で書いてみました。こんなに大変だったとは知らなかった。自分の描いたサトシ達の冒険をぜひご覧ください。


第1話 旅立ち

ポケットモンスター。縮めてポケモン。

空に、海に、大地に、森に、時には人の住む町に、彼らは暮らしている。

これはそんなポケモンたちと人間たちの物語である。

 

 

 

この日、セキエイ高原は熱狂に包まれていた。

チャンピオンリーグ。

各地方のポケモンリーグ優勝者が集い、四天王への挑戦権を掛けて戦うのだ。(なお、この制度に加入している地方はカントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ、イッシュ、カロスの六地方。ガラル・パルデア地方は独自の制度を採用、アローラ地方にはそもそもポケモンリーグが無い。)

 

 

月下の中、メインスタジアムでは2体のポケモンが火花を散らし戦い、そして共倒れになっていた。

「チャ、チャボゥ・・・・」

「ムゥ~・・・」

『お~っと!!カルネ選手のルチャブルとアカリ選手のムウマが共倒れだ!!ルチャブルはゴーストタイプ相手に自慢のかくとう技が通用しない中、シザークロスを中心に攻めまくり!!一方のムウマもおにびやサイコキネシスで攻めていましたがこれは勝てぬとみちづれを選んだようです!!これでお互い控えは1体!!さあ、ベスト8に駒を進めるはどちらだ!!

実況の叫びをよそにスタジアムのバトルフィールドにいる二人のトレーナーは涼しい顔であった。

「やるわね、貴方。」

「そっちこそ、カロスの女優は伊達じゃないみたいね。」

そして二人はモンスターボールを取り出し、最後の一体を繰り出した。

「任せたわよ、サーナイト!!」

「行きなさい、サザン!!」

そうして投げられたモンスターボールが開き、カルネはサーナイトを、アカリはサザンドラを繰り出した。

「サア!」

「ギャオオオオ!!」

バトルフィールドに現れた2体のポケモンに観客から歓声が沸く。そして実況も叫ぶ。

『出た~~~~!!カルネ選手のサーナイトとアカリ選手のサザンドラ、お互い切り札を繰り出した!!

解説のイトウさん、この一戦、どう見ますか?』

『そうですね、種族値的にはアカリ選手のサザンドラが勝っていますが、サザンドラのタイプはあく・ドラゴン。対するカルネ選手のサーナイトのタイプはエスパー・フェアリー。タイプ一致のりゅうせいぐんなどドラゴンタイプの技は効果なし、あくのはどうといったあくタイプの技も等倍で受けられますねえ。逆にサーナイトはタイプ一致のムーンフォースなどのフェアリータイプの技が四倍効果抜群、それにお互いとくこう・とくぼうが高い方ですから―――』

解説のイトウが延々と語っているがそんなことお構いなしにバトルは始まっていた。

「サザン!ラスターカノン!!!」

アカリはフェアリータイプの弱点であるはがねタイプの技を指示し、サザンは口から銀色の光弾を発射する。対するカルネはアイコンタクトでサーナイトに指示をだし、サーナイトはテレポートでもしたかのように高速に動きサザンの後ろを取った。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「サア!?」

サーナイトは何が起きたのか分からず、ラスターカノンの直撃を受けてしまった。

「サーナイト!?どうして・・・ラスターカノンに追尾機能はないはず・・・!?」

そしてカルネは気づいた。サザンは口からラスターカノンを発射した、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「カルネさんのサーナイトはいつもアイコンタクトの後、相手の死角に回り込む戦法を使うから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

とアカリは言って見せるが、口にするのと実際やるのでは話が違う。カルネはアカリとサザンに戦慄を覚えた。

「サザン!畳みかけるわよ!!”かみくだく(かみ砕きなさい)!!”」

「サーナイト!回避して!!」

カルネの回避指示が飛ぶが、それより早くアカリのサザンがサーナイトの左肩に噛みつき

「サアアアア!?」

サーナイトは痛みのため絶叫を上げた。

『おおっとこれは見てる方も痛い!アカリ選手のサザンドラ、カルネ選手のサーナイトの左肩に噛みついた!!しかも両腕の顔もサーナイトの両腕に噛みつている!!何という事でしょう!!これはまるで悪竜に捕まった姫!!サーナイト、サザンドラに拘束された!!!』

『これは痛いですね、噛みつかれたままでは痛みで集中して技を放てない。そもそもエスパー技は効果なしですから―――』

解説の延々とした話をよそにサザンはサーナイトに噛みついたまま、浮かび上がり上昇、ある程度の高度まで行くと自身の体を回転させサーナイトを振り回し始めた。

『おおっとこれは何だ!?ぶんまわしか!?それともこうそくスピンか!?』

『いえ、あれはただ単に回っているだけですね』

解説はただ回っているというが回されているサーナイトにしてみれば堪ったもんじゃない。

「サアァァアァアアアアア!?」

案の定、目を回し始めていた。

「サザン!上に放り投げなさい!!」

「ギャオ!」

そしてサザンはアカリの指示のもとサーナイトを上に放り投げた。そして・・・

「ラスターカノン、連続発射!!」

放り投げたサーナイトに自身の口と両手の顔からラスターカノンを連射した。

「サーナイト!!」

カルネは叫ぶ。その瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ガガガガガガガガガ!!!!

 

スタジアムに轟音が響き渡る。連射されたラスターカノンの着弾音だ。観客の誰もがサーナイトの敗北を確信してしまった。()()()()()()()()()()()

「落ちてこない・・・」

アカリは呟く。上に放り投げたサーナイトが落ちてこないのだ。着弾時に発生した煙で見えないが普通ならとっくの昔に落ちてくるはずだ。

そして、煙が晴れていく。そこには()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()

「っ!?うそでしょ!?」

「ギャオ!?」

これにはアカリもサザンも驚いた。カルネはサーナイトに声で指示を飛ばしてない、まさかアイコンタクトだけでここまで指示を伝えられるのか。

「私のサーナイトを甘く見ないで!」

そんなアカリに対してカルネは叫ぶ。

「私とあの子は幼い頃から一緒にいたパートナー。これくらい言葉にしなくても伝わるわ。」

それだけ言うとカルネは首にかけていたアクセサリーを掲げ

「本来なら、決勝戦まで隠しておきたかったけど、使わせてもらうわ・・・

サーナイト、メガシンカ!!」

そう叫ぶと手に掲げたアクセサリー・・・いや、メガチャームから光の帯が伸び始めた。同時にサーナイトの首に掛けれていた首飾りからも光の帯が伸び、そして繋がると光に包まれサーナイトが姿を変えた。

「サアァッ!!」

その姿はまるで花嫁のようであった。観客席の観客は息を呑み、アカリやサザンすらその美しさに目を奪われていた。

「奇麗・・・」

「ギャオ・・・」

『こ、これがカロス地方で確認された進化を超えた進化・・・メガシンカ!!まるで月光に冴える一輪の花!!何と美しい姿なんでしょう!!イトウさん!!』

『そうですね、今渡された資料によりますと、メガシンカしたサーナイトの種族値は618、これはアカリ選手のサザンドラを上回る数値ですね。』

解説の言葉にハッとしたアカリだが事すでに遅し、メガシンカしたサーナイトは反撃体制に移っていた。

「サーナイト・・・ムーンフォース!!」

メガシンカしたサーナイト・・・メガサーナイトは両手を掲げる。すると月から光が集まっていき特大の光球を形成していった。

「サザン!()()()()()()()()()!!」

アカリの指示にサザンは口と両手の顔からエネルギーを急速チャージしそれをメガサーナイトにめがけて発射した。

『ちょっと待て!これヤバくね!?』

『そうよ!?これじゃ観客席まで余波が!?』

『ヤベェ!逃げるんだよおぉぉぉ!!!』

『ってか、あそこにいるトレーナーたちはどうなるんだ!?』

観客たちは二体のポケモンが引き起こすであろう惨事に対してパニックを起こしていた。

『観客の皆様!落ち着いてください!観客席にはマクロコスモス社製のバリアシステムが装備されています!!だからご安心してください―――』

そんな観客たちをよそにメガサーナイトの特大ムーンフォースとサザンの三連はかいこうせんがぶつかり合い、スタジアム全体は閃光に包まれた―――

 

 

 

 

 

 

『起きろロト!!起きろロト!!もう朝だぞロト!!後寝るならベッドで寝ろロト!!机で寝るなロト!!』

けたたましい声を上げ、アカリを起こす()()()()()()()()()

「う~ん・・・うっさいわね・・・少しは静かに起こせないの・・・タブレットロトム」

『そういうなら、ちゃんと規則正しくベッドで寝るロト。』

空飛ぶタブレット・・・タブレットロトムは机で寝ていたアカリを起こすと机に置いてある充電ホルダーに自身をはめ込み充電を開始した。直後、

『ポリー!』

『うわ!?ポリー!!僕を経由して出てくるなロト!!』

タブレットロトムの画面からポケモンが飛び出してきた。でんのうポケモン・ポリゴンであり、彼女の手持ちである。

「あ、お帰り。頼んでおいた修正プログラムの配送、ありがとうね。」

そう言いながらポリーの頭を撫でるとポリーは笑顔で体を摺り寄せてきた。そして

「ヤミ~♪」

「ムウ~♪」

ほかの手持ちであるヤミカラス(NN・カンタロウ♂)とムウマ(NN・ムウ♀)も笑顔で体を摺り寄せてきた。

「あ~も~分かったから順番!順番だから!!後、着替えさせて!!」

自分の手持ちポケモンたちにもみくちゃにされながら、服を着替えるアカリであった。

 

 

「おはよう、母さん。それとペリーも」

「あら、おはよう。」

「ペリー♪」

服を着替え、リビングに行くと母のミチルと母のポケモンであるペリッパー(NN・ペリー♂)に挨拶するアカリ。

「朝食は用意してあるから、早く食べなさい。」

「うん、そうする。」

テーブルに着くと用意してあるトーストに嚙り付く。(カンタロウ達も用意してもらったポケモンフーズに舌つづみを打っていた)

「また夜更かししてお父さんの手伝い?体に良くないから徹夜はやめなさいって何度も言ってるでしょ。」

「仕方ないじゃない、急に修正頼まれたんだから。」

そんな他愛もない会話をしていて、ふと写真盾が目に入る。父と母、妹と自分、そして隣の家の母息子で撮った写真である。

「マリナ、一体いつになったら帰ってくるのやら・・・」

「仕方ないじゃない、何たって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・」

母の言葉を聞きながらアカリは、写真に写っている母息子の方に目を向ける。

「そういえば、今日・・・」

アカリが何が言うとした瞬間

『うわああああ!?遅刻!遅刻!!ママ!どうして起こしてくれなかったの!?』

『何言ってるの!10歳になるから自分で起きるって言ったのはどこの誰?』

隣の家の少年の叫びとそれを窘める母親の声が聞こえてきた。

「サトシの奴・・・大事な日に限って寝坊するわね・・・」

「そうね、ハナコさんも大変ね・・・」

 

 

「うわあああ!?遅刻!遅刻!!」

ドアをバタンと開け、少年・サトシはパジャマ姿のまま、目的地であるオーキド研究所へ走り出そうとしていた。が、

「キョジ。」

「うわ!?」

何かに首根っこを掴まれ、宙づりになってしまった。

「離してくれよドシン!!このままじゃ俺・・・」

「急いで行ったって遅刻は確定なんだから、諦めなさい。」

サトシの首根っこを掴んでいるポケモンの後ろからアカリが声を掛けてきた。

「アカリ!」

「そのまま行ったら、シゲル君に笑われるわよ。ドシン、ありがとう。もう下ろしていいから。」

「キョジ」

アカリの言葉にサトシを捕まえていたポケモン、キョジオーン(NN・ドシン♀)はゆっくりとサトシを下ろした。

「少しは落ち着いた?」

「落ち着けるかよ!?だって今日は!!」

「オーキド博士から初心者用のポケモンがもらえる日、でしょ。」

この世界、10歳になると各ポケモン研究所から初心者用のポケモンが貰え、ポケモントレーナーとして旅出せるのだ。(だが、例外もある)

「だから!急いで行かないと・・・」

「母さんから聞いたけど、オーキド研究所から二人のポケモントレーナーが旅立ったって、それにシゲル君が最後っぽいし、つまり・・・」

「俺、貰えるポケモンが選べない!?ってか無い!?」

ここカントー地方でもらえるポケモンはヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネの三体、そう()()()()()()

「まあ、流石にポケモン無しで旅出させることはないし、もう開き直って朝ごはん食べてちゃんと着替えてから行きなさいよ。」

「うん・・・そうする。」

サトシはそう言いながら、トボトボと家に戻っていくのだった。

 

 

朝ごはんをしっかり食べ、着替えを済ませたサトシはアカリと共にオーキド研究所に向かっていた。

「そういや、アカリは旅出す時、どのポケモンを選んだんだ?」

「私?私はヒトカゲだったわね。あと次いでに研究資料として送って来られたゴビット。」

「ズル!ポケモン二体貰ってんじゃん!!」

「ふふ、特権よ。私の家にいるポケモンたち、博士に見せてあげているんだから。」

アカリの家族は元々、マサラタウンに住んでいた訳ではない。海を越えこの星の裏にある大陸、オーストン地方から越してきたのだ。

「そういや、そうだっけ。うちの隣に越してきて4年もたってたもんな。」

サトシはしみじみ思い出す。自分の家の隣に越してきた隣人、そしてカントーでは見ないポケモン。アチャモ、ココドラ、ヨーギラス、ネイティ、ガバイト、ペリッパー、キョジオーン、後ついでに()()()()()()

「ヤミー!」「ムウ~」

「いてて!そうだよ!お前たちもいたもんな。」

サトシの頭にじゃれつくカンタロウとムウの姿を見ながら、アカリは少し顔をほころばせていた。

「そういやさ・・・」

「何どうしたの?」

「サザンたちは?」

サトシの言葉にアカリの顔が強張る。

「あ、アカリ・・・」

「・・・ごめん、それは・・・」

「ごめん!!変なこと聞いて!!」

「別にサトシの所為じゃないわ。」

目に見えて落ち込んでいるアカリにサトシはどう声を掛けていいか分からなくなった。そして同時に思い出す。チャンピオンリーグの後、大けがをして帰ってきたアカリ、その頃から見なくなったサザンたち。

そんな空気の中、二人はオーキド研究所に着くと人だかりができていた。そしてその中心にいる少年がサトシを見つけると

「おや、サ~トシ君じゃないか?旅立ちの日に堂々と重役出勤とはある意味度胸があるじゃないか?」

声を掛けてきたのはシゲル。オーキド博士の孫にしてサトシの幼馴染、そしてライバルである。

「シ、シゲル・・・お前、ほんとにシゲルなのか。」

「おやおや~遅刻したうえに目も悪くなったのかい?サ~トシ君。」

サトシが面食らったのも無理はない。だってキャラが余りにも変わりすぎていたからである。

「なんか有ったのか!?ほかの奴に虐められたとか!?」

「いや待ってくれ!?何でそうなる!?」

サトシはシゲルの肩を掴み叫んでいた。そしてシゲルも叫んでいた。

「だって、いつも俺の事呼び捨てにしてるのに・・・」

「いや、ちょっとイメチェンを・・・」

サトシは一旦シゲルから離れると近くにいるチアガールズに目が行った。

「ゴー♪ゴー♪シ・ゲ・ル!ガンバレ!ガンバレ!シ・ゲ・ル!」

「なあ、シゲル・・・あの人たちは・・・」

「えっと・・・そう、ガールフレンド!僕のガールフレンドたちさ!!」

シゲルはそう言うがサトシはこのチアガールズに見覚えがあった。

「いや、あの人たち、研究所の―――」

「「「「サトシ君!!」」」」

サトシが何か言おうとした瞬間、チアガールたちがサトシに詰め寄った。

「「「「私たちはシゲル君のガールフレンド。決して研究所の職員じゃない。OK?」」」」

「お、OK、OK・・・」

余りの剣幕にたじろぐサトシ、了承を得るとチアガールたちはそのままシゲルの応援を続ける。

「ちょっと一体何が・・・」

人だかりを超え、アカリもサトシの所に着くと

「あ、アカリさん!?」

シゲルはチャラ男的なキャラをどこへやったのか素に戻っていた。

「あ、おはよう、シゲル君。」

「あ、はい、おはようございます・・・」

顔が赤くなり、緊張した面持ちになってしまった。そこにチアガールの一人が近づき、

(シゲル君、キャラ!キャラが戻ってるわ。)

そんなことを耳打ちに言ってくるとシゲルは「あ、しまった!」と言いながら、さっきのチャラ男的なキャラに戻った。

「これらこれら、アカリさんじゃ―――」

「はっきり言って似合ってないわよ。私はいつも通りな方が好きよ。」

バッサリと切り捨てられた。結果、シゲルは石のように固くなってしまった。

「あの、シゲル君、大丈夫?」

「大丈夫か、シゲル?」

「頼む、聞かないでくれ・・・」

最終的に体育座りのまま、道の隅っこで蹲ってしまった。なお、このイメチェンを見たほかの人たちは

町民A「シゲル君、何かあったの?」

町民B「一体どうしたんだい?サトシ君と喧嘩したかい?」

ヒトカゲを貰った女の子「シゲル君・・・無理しない方がいいよ・・・」

フシギダネを貰った男の子「シゲル君、僕じゃ頼りないけど、悩みがあるなら聞くよ?」

おじいちゃん「し、シゲル・・・(茫然)」

はっきり言って不評であり、皆から心配されてしまった。

 

 

「そ、それじゃあ、僕は出発するからな、ば、バイビー!」

キャラが崩壊したまま、シゲルは用意してあった車に乗り込む。

「お、おう、頑張れよ・・・」

「う、うん、頑張って・・・」

サトシとアカリはそれしか言えなかった。そしてアカリは見てしまった。車を運転するであろうチアガールの顔を。

「ワタシハダイジョウブ、ワタシハダイジョウブ、ワタシハダイジョウブ・・・」

はっきり言って嫌な予感がしたアカリは、サトシを抱え急速離脱した。

「え、ちょっ!?」

そして車が発進した。()()()()()

「うわあああああ!?」

「きゃああああ!?」

車はバックで暴走し、集まっていた人たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。そしてシゲルたちを乗せた車は柵を破り研究所の方へと突っ込んでいった。

「あ~あ・・・」

「シゲル~~~~~!?」

暴走した車を追いかけ、二人は研究所内の庭に向かうとそこにはボンネットから黒い煙を出している車と目を回しているシゲルたちの姿だった。

「シゲル君、大丈夫!?」

「シゲル、無事か!?」

急ぎシゲルたちを車から降ろし声を掛けるサトシ達。すると

「ど、どうにか・・・」

どうやら無事なようだ、さすがマサラ人、頑丈である。

「やれやれ・・・大きい音がすると思ったが、やはりこうなったか。」

研究所の方からシゲルの祖父であるオーキド博士が歩いてきた。どうやらこの惨事を予想していたらしい・・・予想していたのなら、止めてやれよと思われるが・・・

「お、おじいちゃん・・・ごめんなさい、借りた車を壊してしまって・・・」

「問題ないわい、あれ、()()()()()()()()。」

シゲルたちはポカンとした表情で博士を見つめ、サトシはどういうことかと思い壊れた車のそばに寄り、ボディを叩いてみる。すると

「なんだこれ?木で出来てる。」

「正解!流石に自分の孫に”なんも言わず、車を貸して下さい!”と言われて、ほいほい貸すわけにはいかんからのう。」

しかしそうなると疑問が残る。じゃあどうやって動いていたのか?その答えはすぐに判明した。

「お~い、お前たちご苦労じゃった。でてきても構わんぞ。」

オーキド博士がハリボテの車に声を掛けながら手を叩くと、車のボンネットが吹っ飛び、そこから三体の()()()()()()()()()()()()()

「ブロロロ~~~~!!!」「ブロロ~~」「ブロ~・・・」

「何だこいつら!?エンジンのお化け!?」

「まさかポケモン?、でも、こんなポケモン見たことない!」

驚くサトシたちを余所に博士の前に集まったエンジン型のポケモンたち。ただアカリだけはこのポケモンたちに見覚えがあった。

「もしかして、パルデアの・・・」

「うむ、その通りじゃ。」

そして博士は集まってきたポケモンたちを紹介していく。

「こいつはたきとうポケモン・ブロロロームと進化前のブロロン達じゃ。ナナミの奴が研究資料としてゲットしてきたのを送ってもらったんじゃ。」

「ナナミ姉さんが?」

ナナミとはシゲルの年の離れた姉である。今はパルデア地方でオレンジアカデミーの講師として働いている。

アカリの母もかつて学生としてパルデア地方に留学していたので、アカリもパルデアのポケモンはある程度知っているのである。

「皆、ご苦労じゃった。もう戻っても構わんぞ。」

オーキド博士の声でブロロロームとブロロンが帰っていく。しかしもう一体のブロロンは帰らずシゲルの方をじっと見つめていた。

「ん?おじいちゃん、このブロロン、ずっと僕の方を見つめているんだけど・・・」

「おや?もしや・・・」

オーキド博士はしゃがみブロロンと目線を合わせると

「お主、もしやシゲルのことが気に入ったのか?」

その問いにブロロンは「ブロ」と答えながら、シゲルの足元までやってきた。

「うむ、シゲルよ、どうやらこやつはお主が気に入ったようじゃの。車は貸せんがこやつなら連れて行っても構わんぞ。」

「え!?でも・・・」

シゲルは躊躇する。だが意外なところから助け舟が出る。

「良いじゃないか、きっとブロロンはシゲルと冒険したいんだよ。」

サトシであった。ブロロンを撫でながら言うが

「いや、それだとなんかズルい感じがして・・・」

「アカリだって、博士からポケモン二体貰って旅立ったんだから、なあ、アカリ。」

「まあねえ、むしろこんなに気に入られているんだから、連れて行かないのはむしろこの子に対して失礼よ。」

サトシとアカリの言葉が効いたのか、シゲルはオーキド博士からブロロンのボールを受け取るとしゃがみ、ブロロンと目線を合わせる。

「ブロロン、よろしく頼むよ。」「ブロ!」

そんな挨拶を交わしているとシゲルのカバンに入っていたであろうボールが開き、彼の手持ちであるゼニガメとイーブイが新メンバーのブロロンに挨拶を交わす。

「ゼニゼニ~」「いぶい!」

「あ、ゼニガメ!シゲルお前、ゼニガメ選んだのか!」

「ああ、旅立つ前から、このポケモンにしようって決めてたから。」

そんなシゲルたちにオーキド博士が声を掛ける。

「シゲルよ、車での旅も良いがやはり自身の足で歩んだ方がいいと思うぞ。車では見えなかったものが見えるものじゃ。」

そして、そのままシゲルに小声で耳打ちする。

(そっちの方がアカリ君には好印象じゃぞ。)

ボン! そんな擬音がしそうなくらい顔を真っ赤にするシゲル。そんな孫を微笑みながら見つめるオーキド博士。そんな二人を?をだしながら見つめるサトシとアカリであった。

 

 

 

その後、シゲルは自身の足で旅出し(チアガールズ達も一緒に歩いて行った)研究所内に招かれたサトシ達。

「博士、俺のポケモンは・・・」

「う~むいるにはいるんだが・・・」

歯切れの悪そうな答えをするオーキド博士。コンソールをいじるとヒトカゲたちのモンスターボールが置いてあった機械の中央部から新たなモンスターボールがせり出してきた。

サトシがそのボールを手に取るとボールが開き、そのポケモンが出てきた。

「ピカチュウ。」

「ピカチュウと言うポケモンじゃ。」

「うわああ!すごくかわいいじゃないですか!「ソウカナ。」よろしくなピカチュウ!」

そのままピカチュウを抱きかかえるサトシ、途端にピカチュウは不機嫌そうな顔をし、頬の電気袋が放電し始めた。そして・・・

「ちょっ!?危な!?」

アカリはすぐにサトシからピカチュウを引き離す。その瞬間ピカチュウは放電した。

「アババッバアババババアババビバッ!?」

「あ、アカリ!?」

ピカチュウの電撃で感電。アカリは黒こげになった。それでも焦げるだけだから、オーストン人もマサラ人に負けず劣らず頑丈である。

「別名・電気ネズミ。恥ずかしがり屋のくせに人に慣れにくく下手に触ると電撃を喰らわせるのじゃ。」

「さ・・・・触る前に・・・・ちゃ…ちゃんと・・・せ、説明・・・してあげて・・・」

「うむ、今した。」

しかし、この電撃が問題へと発展してしまった。

「ヤミー!!」「ムウー!!」

彼女の手持ちのカンタロウとムウがピカチュウに対し抗議するかのように声を上げる。だがピカチュウはそんな物知ったことかと言わんばかりに欠伸する。それがいけなかったのだ。

「ムウ!!」

「ピ、ピカッ!?」

その瞬間、ムウの目が光りピカチュウは金縛りにあったかのように動けなくなり宙に浮かび上がった。ムウがサイコキネシスでピカチュウを捉えたのだ。

そして、そのまま壁に叩きつけようとし

「や、ヤミ!!」

カンタロウが壁とピカチュウの間に入り、ピカチュウを受け止めたのだ。カンタロウはムウに対しやり過ぎだと言わんばかり声を上げる。ムウもやり過ぎたと反省しサイコキネシスを解いた。当のピカチュウは

「チャ~・・・」

ムウに怯えて機械の後ろに隠れてしまった。

「参ったわね。私たちがいちゃピカチュウが怯えて出てくれないわね。私たちは外に出てるから、サトシ頑張りなさいよ。」

「うん、分かったよ。」

アカリはカンタロウ達を連れて研究所の外へ出て行った。

 

 

研究所の前に出るとサトシを見送ろうと近所の人たちが集まっていた。母・ミチルやサトシの母・ハナコも来ていたのだ。

「あら、アカリちゃん。サトシは?」

「まだ研究所の中です。」

ハナコの問いに答えているとサトシとオーキド博士が研究所から出てきた。二人とも所々が焦げていた。ピカチュウの電撃を受けたのだろう。そしてピカチュウも一応ついてきていたがアカリのムウの姿を見ると

「チャア~~・・・」

サトシの後ろに隠れてしまった。

「少しは懐かれた?」

「いや、全然、でも大丈夫!」

アカリの問いにサトシは答えるがどうも根拠のない自信が見え隠れしている。それがアカリを不安にさせる。

そうしてサトシもマサラタウンを旅立った。(ゴム手袋をはめ、ピカチュウを引っ張りながら。)

 

 

見送ったアカリは自宅に戻り自身の部屋のベッドに寝転がっていた。

「あのサトシが旅ね・・・シゲル君も旅立ったし・・・これは少し、いや、かなり・・・」

”退屈になるわね”そんな言葉を呟こうとした瞬間、頭の中に声が響く。

(だったら、君ももう一度、旅に出たら?)

アカリはばっと起き上がり、このテレパシーの主を探す。そしてすぐ目に付いた。

「何よ、マリナに連れて行ってもらえないからって、私に頼む気?」

テレパシーの主はメタモン?(NN・ミユ)であった。

(別に僕が旅をしたいわけじゃないよ?・・・というより()()()()()()()()()()()()()()()()。)

「引きこもってないわよ!ちゃんと外に―――」

(家じゃないよ?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ミユの問いにアカリは答えることなくそのまま寝ころんだ。

「・・・うっさい、私は仕事で忙しいの。ほっといてよ。」

そんなアカリに対しミユはあからさまにため息をつき、アカリの部屋から去っていった。

(そうよ、私は父さんの仕事の手伝いもあるし・・・それに・・それに・・・)

アカリはそのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

そこは雨が降り注ぎ、予想外れの雷雨となっていた。少年はそんな雷雨の中、必死になって自転車をこいでいた。そんな少年をオニスズメの大群が追いかけ、攻撃を加えていた。そのまま小高い崖を飛び降りると自転車はバランスを崩し倒れてしまう。

少年は泥まみれになりながらも立ち上がると前のかごに入れていたピカチュウを探す。すぐに見つけたが誰がどう見たも瀕死の状態であった。

「ピカチュウ、こんなのありかよ・・・」

そんな彼らをオニスズメはなお攻撃を加えようとしていた。少年はピカチュウの前にモンスターボールを置くと

「ピカチュウ、モンスターボールに入るんだ。これに入るのが嫌いなのは分かってる。でもこの中に入ればお前は助かるかもしれない・・・後は俺に任せろ。」

そして少年は立ち上がり、オニスズメの大群の前に立ちふさがる。

「お前ら、俺を誰だと思ってるんだ。マサラタウンのサトシ、世界一のポケモンマスターになるんだ。お前たちなんかまとめてゲットしてやる。」

そしてオニスズメ達はサトシに向かい殺到していった―――

 

 

 

 

 

「サトシ!?」

アカリは大声を上げ、飛び起きた。全身いやな汗が吹き出していた。

「夢・・・?」

そんなことを呟きながら窓を方を見る。外は雨が降り始めていた。そして

(ふわ~~よく寝た。)

テレパシーで暢気なことを伝えてくるミユがそばにいた。

「ミユ、あんた・・・」

(どうしたんだい、アカリ。怖い顔をして?()()()()()()()()()()()()()

その言葉に、こいつをぶん殴ってやろうかと思ったアカリだが踏みとどまった。

(そう、あれは夢、夢なのよ・・・)

自分にそう言い聞かせようとするアカリにミユはわざとらしく大きなため息をつく。そして

(言っておくけど、()()()()()()()()()()()()の近くで眠るとたまに夢を共有することがあるんだ。そして()()()()()()()()()()()()。)

本来の姿、しんしゅポケモン・ミュウとなって彼女に語り掛ける。

その瞬間、机に置いてあったかばんを手に取ると脱兎のごとく部屋を出て家から飛び出した。

「え!?ちょっと、アカリ!!」

母の言葉に耳を貸さず、サトシの元へ雷雨の中、走り出していた。

そんな彼女を玄関で見送ったミユは

(はっきり言って強引な手段だけど・・・こうでもしないと・・・ギョッ!?)

後ろから何かに首根っこを掴まれていた。正体はドシンであった。

(ど、ドシン!?ちょっと僕の言い訳も聞いてくれないかな・・・え?ダメ?)

ドシンは無言のままミユをしおづけにし始めた。

「いや待って!?僕を無言でしおづけにしないで!?お願いだから・・・アッーーーーーー!?)

こうして世にも珍しいミュウの塩漬けが完成した。

 

 

 

ミユが塩漬けになってるのも知らず(いや知ってても助けないが)アカリは雷雨の中、ただ走り続けていた。その速さは尋常ではなくその手の大会に出場すれば金メダル間違いなしの速さであった。

そして家を飛び出して数十分は経過した頃、彼女の前にオニスズメの大群が道を塞ぐように現れた。よく見ると何体か電撃で焦げたような跡があった。

「こいつら・・・!」

アカリは苛立ちながらボールを取り出し、自分の手持ちであるカンタロウ・ムウ・ポリーを繰り出した。

オニスズメ達も一斉に彼女たちに襲い掛かった。

「カンタロウ、リーダー格をついばむ(ついばめ)!ムウ!ポリー!10まんボルトで蹴散らせ!!」

アカリの指示に即座に反応した三体は行動を開始した。カンタロウは猛スピードでリーダー格のオニスズメの頸筋に食らいつき地面に叩きつけた。他のオニスズメ達はリーダー格を助けようとするがムウやポリーの10まんボルトに阻まれ、直撃して落ちて行った。

余りの力の差にオニスズメ達はリーダーを見捨てて蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった。リーダー格のオニスズメはカンタロウに踏みつけられていた。

「ヤミ」

カンタロウが言う”地獄に逝くか、そのまま去るかどちらか選べ”その眼光は進化後のドンカラス並みに恐ろしいものとなっていた。そんなカンタロウの前にオニスズメは悲鳴に近い声で鳴く。

その声を聞いた後、カンタロウは踏みつけていた足をどかすとオニスズメは泣きながら去っていった。

アカリは手持ちのポケモンたちを出したまま、また走り出した。カンタロウ達もそんな彼女を追いかけていた。そして天気も回復していき、雲の切れ目から青空が見え始めたころ、アカリは倒れているサトシとピカチュウを発見した。

「サトシ!?」

アカリはサトシの傍に駆け寄り声を掛ける。すると

「あ、アカリ・・・あれ何で・・うわっ!?」

気が付いたサトシが起き上がった瞬間、アカリはサトシに抱き着いていた。

「~~~~~良かった・・良”がっだよ”・・・」

「あ、アカリ!?俺は大丈夫!大丈夫だから泣くなよ!」

そんな二人をよそにカンタロウはアカリのカバンからきずくすりを器用に取り出すとムウの方に渡す。ムウがサイコキネシスできずくすりを受け取るとピカチュウに振りかける。するとピカチュウの傷が少し消えていった。

「ピ、ピカ?」

ピカチュウは傷が消えたことを確認しているとムウが申し訳なさそうに近づいていく。また怖がられるかも知れない、そんな不安があったがピカチュウの反応は予想に反して

「ピカチュウ♪」

ありがとう、そう答えてくれた。ムウはうれしくなってピカチュウに頬摺りした。ピカチュウも笑顔で頬摺りで答えた。(ちょっと痺れているようだが気にしない)

そんな彼らの上を虹色に輝く鳥ポケモンが通り過ぎる。

「アカリ!あのポケモンは・・・」

「え、嘘!?あれって・・・」

サトシはその鳥ポケモンを知らないがアカリはそのポケモンを知っていた。

「ホウオウ・・・」

そう伝説のポケモンの一体、ホウオウであった。そしてサトシの前に虹色の羽が落ちてきた。

サトシがその羽を受け取ると、ホウオウはそれを確認したかのようにサトシを見、空の彼方に去っていった。

「アカリ、俺決めたよ。」

虹色の羽を握りしめながら、サトシはアカリに言う。

「いつか、あいつに、ホウオウに会いに行く。立派なポケモントレーナーになって、あいつとバトルして、友達になるんだ!」

ゲットじゃないのか、と思うところがあるがそれはそれでサトシらしいと思うアカリであった。

「チャ~・・・」

直後、ピカチュウが突然倒れてしまった。

「ピカチュウ!?」

「ちょっと!大丈夫!?」

サトシ達が急いで駆け寄り、サトシはピカチュウを抱き寄せる。

「アカリ・・・ピカチュウ、どうしちゃったんだ?きずくすりは効いていたはずなのに・・・」

「もしかしたら、体内の電気エネルギーが急速に減ってるのかも・・・急いでポケモンセンターへ!」

そうして二人はトキワシティーのポケモンセンターに向かい、走り出したのだ。




ポケモンセンターに駆け込むサトシとアカリ。ピカチュウの治療が終わるのを待っていると黒こげの自転車を抱え憤怒の表情で弁償を迫るカスミが現れた。そんなこんなしていたら今度はロケット団もやってくる始末。アカリはロケット団からポケモンたちを守れるのか!?
次回、第2話 大決戦!ポケモンセンター
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