ハート達が仲間になって、しばらくが経過した。
ハート達も、仲間達と馴染んでおり、交流をしていた。
現在、俺、ブレン、クリムの3人で、シフトカーやらバイラルコア、ドライブの武装などの開発に着手している。
シズさんはドライブになるので、戦力を作成中だ。
チェイスは、リグル達警備班と行動をよく共にしている。
メディックは、テンペストの人々に、治療技術などを教えている。
これにより、テンペストでの医療技術はさらに発展していくだろう。
ちなみに、他のロイミュードも生み出しており、072も生み出した。
メディックは、072に対して行った事について謝罪した。
072は、西城究と同じ人格になった。
ハートはというと、紅丸とよく戦う事が多い。
2人とも、好戦的な気質なので、気が合うのだろう。
だが………………。
朱菜「お兄様!ハートさん!これはどういう事ですか!?」
紅丸「いや、その………………。」
ハート「これはだな……………。」
朱菜「2人が戦うのは構いませんが、周囲を傷つけないでください!」
「「はい………………。」」
ある日、朱菜が紅丸とハートの2人に対して、説教をしていた。
その理由は、2人が戦う度に、周囲に被害をもたらしているのだ。
2人とも、本気で戦うのは良いのだが、周囲に被害を出すのは勘弁して欲しい。
その為、ハートも朱菜には頭が上がらなくなった。
そんなある日、俺は朱菜の様子を見に行く事に。
途中、リムルと紫苑と合流する。
俺たちは、中へと入る。
中には、朱菜、ガルム、ドルド、ミルドが居た。
リムル「すごいな。」
「「「「ん?」」」」
ゴルド「もう絹織物が出来たのか。」
朱菜「ゴルド様!リムル様!」
ガルム「ども。」
ドルド「こんにちは。」
ミルド「うん。」
リムル「やっぱ、喋らねぇ!」
ゴルド「喋らないんだ。」
すると、朱菜が俺の方へと寄っていく。
そして、俺の手を握る。
朱菜「いらして下さったんですね!ゴルド様!リムル様も!」
ゴルド「ああ。」
リムル「それで、どんな具合だ?」
朱菜「はい。カイジン様が作ってくださった織り機は、とても使いやすいです。」
リムル「そうか、良かった。」
ゴルド「この調子で、皆の衣類の製作を頼んだぞ。」
朱菜「はい!お任せ下さい!」
すると、紫苑が口を開く。
紫苑「では、リムル様。参りましょう。お昼が冷めてしまいます。」
朱菜「あっ、紫苑。秘書のお仕事は、ちゃんと出来ているのですか?」
紫苑「勿論です、朱菜様。」
紫苑はリムルの秘書を名乗り出た。
現在は、リムルの秘書兼護衛役だ。
ただ、紫苑が料理を作ったという単語に、朱菜は驚いた様な反応をしていたな。
何か、嫌な予感がするな。
すると、朱菜は俺に話しかける。
朱菜「あの……………ゴルド様。もしお昼がまだでしたら、私が作りましょうか?」
ゴルド「え……………良いのか?」
朱菜「はい!」
俺がそう聞くと、朱菜は顔を赤くしつつも、笑顔で頷く。
ゴルド「でも………………朱菜の負担を増やす訳にはいかないし……………。」
朱菜「いえ、ちょうど、作業もひと段落したので、大丈夫です!」
ゴルド「だがな……………。」
流石に、朱菜に負担をかけさせるのは申し訳ないと思い、断ろうとする。
すると。
リムル「良いじゃん、ゴルド。」
ゴルド「リムル………………。」
紫苑「そうですよ!朱菜様の料理は美味しいのですよ!」
ゴルド「………………なら、お願いして良いかな?」
朱菜「はい!」
リムルと紫苑もそう言うので、お言葉に甘えて、作ってもらう事にした。
その際、リムルやら紫苑やらガルム達が、ニヤニヤしながら見ていたのが気になるが。
戻ると、紅丸、蒼影、白老の三人がいた。
紅丸「ああ、これはリムル様、ゴルド様。」
白老「お食事ですかな?」
ゴルド「ああ。俺は朱菜に、リムルは紫苑の手料理をいただくよ。」
「「「うっ………!?」」」
俺がそう言うと、紅丸達は、顔を青ざめる。
え?
紫苑の手料理って、地味にやばいのか?
リムル「お前達も一緒にどうだ?」
紅丸「いや………俺は今、腹が減ってなくて………。」
白老「ええ。お茶だけで。」
蒼影「私は………。」
蒼影がそう言うと、分身する。
どうやら、分身のスキルを使えるみたいだな。
蒼影「村の周囲を、偵察に行って参ります!」
そう言って、蒼影は逃げた。
紅丸は冷や汗を流しまくり、白老は気配を消し始めた。
まさかとは思うが……………。
リムルが紅丸達の反応に首を傾げる中、紫苑と朱菜は料理を取りに行き、朱菜が先にやってくる。
朱菜「お待たせしました。」
そう言って、俺の目の前に置いたのは、鶏肉の肉団子と野菜がたっぷり入ったすまし汁だった。
普通に美味そう。
ゴルド「それじゃあ、いただきます。」
朱菜「はい!」
俺は箸を取り、一口食べる。
美味しい。
ゴルド「美味しいな!」
朱菜「ありがとうございます!」
リムル「へぇぇ………美味そうだな。」
すると、紫苑がやって来て。
紫苑「お待たせしました。さっ、召し上がれ。」
ゴルド(やっぱりかぁ………。)
朱菜「……………。」
紫苑の料理は、料理と言っていいのか、分からない代物だった。
それを見た朱菜は、口を抑えていた。
すると、リムルから思念伝達が来て。
リムル『助けてくれ!ゴルド!!』
ゴルド『ごめん………無理。』
リムル『そんな!?』
リムルからの助けを、俺は断った。
ていうか、あんなもん食ったら、無事で済まないだろ。
俺は、朱菜の作ってくれたすまし汁を食べる。
そんな中、ゴブタ、ゴブゾウ、ハート、ブレン、メディック、チェイス、シズさん、クリムが入ってくる。
ゴブタ「ああ〜腹減ったっす〜。」
シズ「そうだね。」
クリム「私は食べる事が出来ないのだがね。」
そんな風に話していた。
ていうか、紫苑の料理から、食材の怨念みたいなのが聞こえてくるぞ!
すると、何を思ったのか、リムルは目を閉じて、スプーンを右斜め後方に突き出す。
そこには、先程入ってきたゴブタの姿が。
しかも、スプーンを突き出した際、紫苑の料理の一部が華麗な放物線を描き、ブレンの口の中に入る。
ゴブタは、スプーンを咥えると、顔を青ざめる。
ゴブタ「むぐっ………!?」
ブレン「ん?」
リムル「むぐっ………?」
ゴブタ「うっ、うぐっ………!ぐわぁぁ!!」
ブレン「うぉぉぉぉぉぉ!?」
すると、ゴブタとブレンは震えて、首を抑えながら床に倒れる。
しかも、ゴブタの緑色の肌が、紫色になっていき、ブレンも青ざめていく。
リムル「ああっ………。」
ゴルド「うわぁ………。」
ゴブタ「うぐぐ………!」
朱菜「……………。」
紅丸「……………。」
白老「……………。」
ハート「………………。」
メディック「………………。」
クリム「……………。」
シズ「………………。」
チェイス「………………。」
それを見ていた俺たちは唖然となり、朱菜、紅丸、白老は顔を青ざめ、口を抑えていた。
まるで、新たな犠牲者が出てしまった事に恐れながら。
ハート達を始めとするロイミュード達と、クリムとシズさんも、呆然とする。
しばらくすると、ゴブタとブレンの天に伸ばした手が、床に力無く倒れる。
この場は、静寂が包まれる。
すると、ブレンの体が薄くなる。
メディック「ぶ、ブレン!?」
ゴルド「メディック、手伝ってくれ!」
メディック「は、はい!」
俺とメディックは慌てて、ブレンの蘇生作業を行う。
そんな中、紫苑がつぶやく。
紫苑「…………あれっ?」
朱菜「紫苑………。」
リムル「紫苑。」
紫苑「は………はい!」
リムル「今後、人に出す飲食物を作る時は、紅丸の許可を得てからするように!」
しれっと、紅丸が巻き込まれた。
本当に、あれは酷い。
食材の怨念が聞こえた気がするぞ。
俺とメディックが必死に蘇生作業を行い、リムルと紫苑がそう話す中、ハート達は。
チェイス「………………ハート。なぜだが知らないが、あの紫苑の料理を見て、命の危険を感じたのだが。」
ハート「奇遇だな……………俺もだ。」
クリム「あれは料理というのかね…………。産業廃棄物が正しいのではないか?」
シズ「それは言わないであげて。……………無理もないけど。」
ハート達は、そうコメントしていた。
俺たちがそんな風にしている一方、
尤も、豚頭族の侵略に恐れをなしたゴブリン達が、勝手に軍門に下ってるだけだが。
部下「う〜ん………。これで、総勢7千匹になりましたな。」
部下「さっすが、ガビル様!交渉も上手!」
ガビル「いやいや、精一杯やって、たまたま結果が出ているだけの事。」
ガビルは、部下の褒めに、謙遜した態度をとる。
すると、別の部下が、口を開く。
部下「謙遜すんなよ。実力だよ。」
部下「そうですよ!もっと自信を持ってくださいよ!」
部下「然り。次期、蜥蜴人族の首領なのだからな。」
ガビル「そ………そうか?」
部下からそう言われたガビルは考える。
ガビル(やっぱり、我輩………いけてるのかもしれん!)
ガビルはそんな風に思い、部下達に話しかける。
ガビル「あ〜。それで、次はどこに向かうのだ?この辺りに、他に村はあるのか?」
部下「もう一つ、集落があるって話ですよ。」
部下「しかし、先ほどの村の者が、おかしな事を言っておった。」
ガビル「おかしな事?」
ガビルが、三人の部下の真ん中の青色の蜥蜴人族に尋ねる。
部下「何でも、牙狼族を操るゴブリンの集落だとか。」
ガビル「はあ?ゴブリンが牙狼を?そんな訳ないだろう。」
部下「ごもっとも。更に言えば、そのゴブリン達の親玉、スライムに人間だという。」
ガビル「はあ?」
ガビルは、その言葉に耳を疑った。
スライムは色んな魔物の食糧になり、人間がいる事に違和感を覚えていた。
ガビル「状況がよく分からぬが………。ならば!そのスライムとその人間を支配下に置けば、牙狼族をも支配出来るという事だな。」
部下「おおっ!」
部下「一石二鳥!」
部下「なんて奥深い考えだ!やはり、あんたについてきて良かったぜ!」
ガビル「フフッ。我輩に任せておくがいい!」
部下「いよっ!ガビル様!あっ、そ〜れ!」
『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』
ガビル「フフフ………!フフフフ………!ヌア〜ハッハッハッ!!」
部下達がガビルコールをして、手拍子も、ガビルが乗っている竜もする。
それには、ガビルは高笑いを浮かべる。
俺たちの村に向かうようだ。
一方、俺とリムルは、カイジンと黒兵衛が話し合うのを見ていた。
ちなみに、ブレンの蘇生作業は、メディックでも大丈夫なぐらいには回復した。
カイジン「へぇ〜………。焼き入れんの時の温度、勘なのかい?」
黒兵衛「んだ。火の色を見れば、大体分かるだよ。」
カイジン「俺は、測るなあ………。」
黒兵衛「おらも戻しの時は、きちっと測るだよ。」
カイジン「ああ。外が寒いと、粘りが出ねぇからな。」
それを見ていた俺とリムルは。
リムル『黒兵衛すっかりカイジンと意気投合してるよな。』
ゴルド『ああ。二時間も、専門的な会話が続くくらいにはな。』
黒兵衛「あっ、それだったら、おらがいい土を教えてやるだ。」
カイジン「それはありがてぇ。」
そんな俺たちは、うっかり中座するタイミングを逃して、今に至る。
すると、カイジンと黒兵衛は、こちらを見てくる。
カイジン「なっ?」
黒兵衛「鍛造って、面白いべ。」
リムル「おっ………おう。」
ゴルド「そうだな。」
カイジンと黒兵衛は、そんなふうに言い、再び専門的な会話に戻る。
すると、リグルドが入ってくる。
リグルド「リムル様とゴルド様はいらっしゃいますかな?」
リムル「ナイスタイミング!」
ゴルド「どうした?リグルド。」
リグルド「リムル様、ゴルド様。蜥蜴人族の使者が訪ねてきました。」
蜥蜴人族の使者が遂に、この村にも来たか。
俺とリムルは、リグルドと共に使者がいる場所に向かおうとすると。
紅丸「リムル様、ゴルド様。」
ゴルド「ん?」
紅丸「俺たちも同席して構わないか?蜥蜴人族の思惑が知りたい。」
リムル「勿論だ。」
ゴルド「ああ。」
ハート「俺たちも行くぞ。」
チェイス「ああ。」
さて、蜥蜴人族は、何を考えているのか。
敵なのか味方なのかを、見定めなければならないな。
俺は、リムル、リグルド、紅丸、紫苑、白老、ハート、チェイス、シズさんと共に、蜥蜴人族の一団がいる場所へと向かう。
そこには、蜥蜴人族が並んでいたが、使者が居ない。
リムル「どいつが使者だ?」
ゴルド「ん?」
すると、蜥蜴人族達は、槍で地面を突く。
すると、先頭に居た三人の後ろにいた蜥蜴人族達が、二つに分かれて、その奥から、竜みたいなのに乗った蜥蜴人族が現れる。
随分と芝居かかった登場だな。
すると、その使者が槍で地面を突くのをやめさせて、大きくジャンプする。
ガビル「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」
部下「よっ!ガビル様!」
部下「最高!」
部下「かっこいい!」
部下「いかしてる!」
「「「「「「「「「はあ?」」」」」」」」」
ガビルは、部下に盾の光の反射で自分を光らせるという、少し痛い演出をする。
ていうか、配下に加わる?
俺たちが?
すると、1人の蜥蜴人族の部下が口を開く。
部下「ご尊顔をよ〜く覚えておくがよいぞ。このお方こそ、次の蜥蜴人族の首領となられる戦士!」
ガビル「ふ〜ん!」
部下「頭が高い!」
「「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」」
なんだアイツ、偉そうに。
何様のつもりだ。
すると、リムルの方からミシミシという音が聞こえてきた。
リムル「えっ………ちょ………紫苑さん、やめて!スライムボディーが、スリムボディーになっちゃう〜!!」
紫苑「うう〜………!はっ………。」
リムル「うっ………。」
紫苑「すみません、すみません!」
紫苑は、リムルを潰しそうになり、紅丸にリムルを持たせて、高速で謝る。
一方、リグルドは、ガビルに話しかけていた。
リグルド「ゴホン!恐れながら、ガビル殿と申されましたかな。配下になれと突然申されましても………。」
ガビル「やれやれ。皆まで言わねば分からんか?貴様らも聞いておるだろう?」
ゴルド「豚頭族の侵攻に関してか?」
ガビル「どうやら、人間にしては、話が分かるみたいだな。」
ゴルド「それはどうも。」
やっぱり、そんな所か。
どうやら、蜥蜴人族達も、豚頭族の事を脅威に感じているみたいだな。
ちなみに、今、俺はオーラを抑えている為、他の人からしたら、普通に人間だと認識しているようだ。
ガビル「しからば、我輩の配下に加わるが良い。このガビルが、貧弱なお前達を、豚頭族の脅威より守ってやろうではないか!貧弱な……貧弱……貧弱………ワオ〜。」
ガビルは、俺たちを見ながら、そう言う。
まあ、この村は、貧弱な奴は居ないからな。
ちなみに、ガビルは、紫苑のおっぱいを見て、ワオと言った。
すると、ガビルはしゃがみ、部下達と話し合う。
ガビル「ゴブリンが居ないようだが………。」
部下「あれ〜?」
部下「ここは確かに、ゴブリンの村のはず………。」
部下「っていうか、貧弱な奴が誰も居ないよ。」
そんな風にガビル達は話し合っていた。
俺とリムルは、思念伝達で話し合う。
ゴルド『どう思う?リムル。』
リムル『まあ、豚頭族が攻めてくるのなら、蜥蜴人族との共闘ってのも、選択肢の一つではあるんだが………。』
ゴルド『アイツに背中を預けるのはなぁ………。』
リムル『真に恐れるべきは、有能な敵ではなく、無能な味方であるって………ナポレオンの言葉だっけ?』
ゴルド『うん。その言葉は、ナポレオンの名言だな。』
そんな風に話している中、ガビルが咳払いをする。
ガビル「ああ〜ゴホン!聞けばここには、牙狼族を飼い慣らした者達が居るそうだな。その2人は幹部に引き立ててやる。連れてくるがいいぞ。」
そんな風に言うと、紫苑が再びリムルを強く握りしめる。
すると、紅丸が良い笑顔で。
紅丸「コイツ、殺して良いですか?」
リムル「フッ………良いよ。」
ゴルド「何許可出してんだ!ストップ!」
紅丸が、そんな風に言うもんだから、俺は必死に抑える。
そんな中、ハート達は。
チェイス「ハート。あいつら、どう思う?」
ハート「実力はありそうだが、調子に乗っている様にしか見えんな。」
シズ「お調子者みたいな感じだよね。」
そんな風にコメントをしていた。
英雄であるシズさんからしても、お調子者に見えるみたいだな。
そんな中、俺たちが口を開く。
リムル「えっと………。」
ゴルド「牙狼族を飼い慣らしたっていうか、仲間にしたのは、俺たちなんだけど………。」
ガビル「スライムと人間が?冗談を言うでない。」
ゴルド「ん………。」
リムル「嵐牙。」
嵐牙「はっ!ここに!」
リムルが嵐牙の名を呼ぶと、紫苑の影から、嵐牙が現れる。
それも、本来の大きさの。
ゴルド「お前に話があるそうだ。」
リムル「聞いて差し上げろ。」
嵐牙「御意!ふん!」
嵐牙は、スキル・威圧を発動して、周囲の蜥蜴人族は威圧に怯える。
紅丸「あれっ?あんなにデカかったですかね?」
リムル「アレが本当の大きさなんだよ。」
ゴルド「まあ、威嚇するには、あのサイズの方が何かと都合が良い。」
シズ「なるほど………。」
紅丸の疑問に、俺とリムルがそう答えると、シズが納得する。
嵐牙は、ガビルに話しかける。
嵐牙「主達より、お前の相手をする命を受けた。聞いてやるから、話すが良い。」
ガビル「…………貴殿が、牙狼族の族長殿か?」
へぇ。
他の奴が萎縮してる中、平然としているな。
根性があるのか、鈍いかのどちらかだが。
ガビル「美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムと人間とは、些か拍子抜けであるな。」
リムル「ああん?」
ゴルド「あ?」
どうやら、後者の方だな。
鈍い奴だ。
嵐牙も、怒っているのか、目を細める。
ガビル「どうやら、貴殿は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」
部下「ガビル様、かっけ〜!」
部下「見せてやって下さいよ!ガビル様!」
部下「ガビル無双を!」
部下「あっ、そ〜れ!」
部下達『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』
部下達が、ガビルコールをして、ガビルはポーズを取る。
すると、嵐牙が呟く。
嵐牙「蜥蜴風情が………!我が主達を愚弄するか………!!」
リムル(あっ、やばい。)
ゴルド(アイツ、死んだな。)
ガビルがポーズを取る中、嵐牙は周囲から赤いオーラを出しつつ、目を光らせて、ガビルに迫っていく。
すると、後ろから鼻歌が聞こえてくる。
ゴブタ「て〜ん、てってって〜ん!」
嵐牙「グワァァァ!!」
嵐牙が咆哮を出す中、ゴブタが後ろから現れる。
ゴブタ「おお〜いっ、何やってるんっすか?」
紅丸「ゴブタ!?」
リムル「お前、生きてたのか?」
ゴルド「死んだかと思った。」
ハート「あれを食べてなお、まだ生きているとはな……………。」
ゴブタ「ま〜たまた、酷いっす。ちゃんと生きてるっすよ。」
どういう事?
そう首を傾げていると、悪之知識が伝える。
悪之知識『告。個体名紫苑の手料理に抵抗して、毒耐性を獲得したようです。』
え、毒耐性?
という事は、紫苑の料理は、毒があるのか?
ていうか、俺とリムルは、毒耐性なんて持ってないのにな。
そんな風に青褪めていると、嵐牙がゴブタを咥える。
嵐牙「いい所へ来たな。」
ゴブタ「えっ?」
すると、嵐牙はゴブタに槍を持たせ、ガビルの前に置く。
ゴブタ「えっ?へっ?何すか、この状況!?」
嵐牙「蜥蜴。」
ゴブタ「ええっ?」
嵐牙「この者を倒せたのなら、貴様の話、一考してやろう。」
ゴブタ「な………何で?」
嵐牙、意外と冷静だな。
まあ、嵐牙が相手をすると、ガビルが死ぬからな。
すると、ガビルがゴブタを侮ったのか、口を開く。
ガビル「構いませんぞ。部下にやらせれば、恥はかきませんからな。なあ、スライム殿に人間。」
ゴルド「ムカッ。」
よし、言ったな。
じゃあ、ゴブタには、遠慮なく行かせてあげよう。
リムル「ゴブタ!遠慮はいらん!やったれ!」
ゴブタ「ええっ!何なんすかもう………。」
ゴルド「お前が勝ったら、黒兵衛に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」
ゴブタ「ああっ!ほんとっすか?ちょっとやる気出たっす。」
リムル「負けたら、紫苑の手料理の刑な!」
ゴブタ「それだけは勘弁っす〜!」
リムルの言葉に、ゴブタはオーラを出してやる気になる。
リムルの言葉に、俺、紅丸、リグルド、ハート、チェイスが顔を青褪め、シズさんが苦笑する中、当の本人は。
紫苑「何やら、非常に不愉快な会話です。」
そう言われたもんだから、紫苑はリムルを捻る。
今のは、リムルが悪い。
ていうか、紫苑の奴、自分の料理が最悪なのを自覚してないのか!?
ガビルは、槍を振り回す。
ガビル「ふ〜ん!」
部下達『ガビル様〜!』
ガビル「準備は良いかな?」
ゴブタ「おお〜!」
嵐牙「では、始めろ!ワオ〜ン!!」
嵐牙は、試合開始の咆哮を出す。
ガビルは、ゴブタを侮っていた。
ガビル「フッ………。偉大なるドラゴンの末裔たる我ら、蜥蜴人族が、ホブゴブリンなんぞに………。」
ゴブタ「ふ〜ん!」
ガビル「ん?」
そんな事を口にする中、ゴブタは自分が持つ槍を思いっきりぶん投げる。
ガビル「ぬおっ!?」
その槍は、ガビルには当たらずに、部下達の目の前の地面に突き刺さる。
ガビル「おのれ!小癪な!」
ガビルはそう言って、槍をゴブタに向かって振るうが、既にゴブタは居ない。
ガビル「あっ………。バカな、消え………たあァァァァァ!!ァァァァ………。」
ガビルは、背後に現れたゴブタの回し蹴りを頭にくらい、そのまま気絶する。
部下の蜥蜴人族達は、呆然とする。
まさか、ゴブタの奴、影移動を使いこなしているとはな………。
ゴブタ「ハァ〜………。」
嵐牙「終わりだな。勝負あり!勝者ゴブタ!」
紅丸「おっしゃ!」
リグルド「よ〜し!」
紫苑「やった!」
シズ「うん。」
すると、嵐牙とリグルドが、ゴブタを胴上げする。
リグルド「わっしょい!」
ゴブタ「アハハ………!」
リグルド「わっしょい!」
ゴブタ「高いっす!」
嵐牙「さすがは、ゴブタ!我が見込んだだけの事はある!」
リグルド「ようやった!ホブゴブリンの力を、よくぞ見せつけた!」
紫苑「見直したぞ。私に対する先ほどの失礼な発言は、聞かなかったことにしてやろう。」
シズ「凄いよ!強いわね!」
紅丸「俺たちと戦った時より、強くなっている様だな。」
白老「鍛えがいのありそうな才能を持っている様ですじゃ。」
ハート「あいつ、かなりの強者だと分かるな。」
チェイス「見事だ。」
どうやら、皆、ゴブタの勝利を確信してたみたいだな。
それを見ていた俺たちは、思念伝達で話し合う。
リムル『まさかゴブタが勝つとは……。俺はてっきりいちゃもんつけてボコボコにするのかと。』
ゴルド『俺も。まあでも、良いじゃん。勝ったんだし。』
リムル『ああ。俺は空気の読める男だから、期待通りだったことにしよう。』
そんな風に話し合って、俺はゴブタに声をかける。
ゴルド「よくやった!約束通り、黒兵衛に武器を頼んでおく!」
ゴブタ「やったっす!」
リムル「お前ら、勝負はゴブタの勝ちだ!」
部下達『…………ハッ!?』
リムルがそう声をかけると、固まっていたガビルの部下達は、動き出す。
リムル「豚頭族と戦うのに協力しろという話なら、検討しておくが、配下になるのは断る。」
ゴルド「今日の所は、さっさとそこのソイツを連れて帰れ!」
俺とリムルがそう言うと、部下達は、ガビルを抱える。
部下「い、いずれまた来るぜ!」
部下「然り、これで終わりではないぞ。」
部下「きっ!お………覚えてろ〜!!」
そんな、三流の悪役が言うような捨て台詞を吐きながら、蜥蜴人族達は、走り去っていく。
リムル「さてと。」
ゴルド「俺たちも、今後の方針を立てないとな。」
その夜、豚頭族を偵察しに行っていた蒼影、リグルド、レグルド、ログルド、リリナを始めとするゴブリン、カイジン、ブレン、メディックを加え、会議をする事に。
どうやら、復活したみたいだな。
蒼影の報告に、俺たちは驚く。
蒼影「20万の豚頭族。その本隊が、大河に沿って北上している。そして、本隊と別動隊の動きから予想できる合流地点は…………ここより東の湿地帯。」
リグルド「つまり、蜥蜴人族の支配領域、と言う事ですな?」
蒼影「うん。」
リムル「20万か………。」
ゴルド「かなり多いな………。それにしても、豚頭族の侵攻目的はなんだ?」
その言葉に、全員が考える。
カイジンが口を開く。
カイジン「う〜ん………。豚頭族はそもそも、あまり知能の高い魔物じゃねぇ。この侵攻に、本能以外の目的があるってんなら、何かしら、バックの存在を疑うべきだろうな。」
黒兵衛「バックの存在だべか?」
リムル「例えば………。」
ゴルド「魔王とかか?」
その言葉に、全員の視線が、俺たちに向く。
そして、シズさんは何かを考えていた。
ゴルド「紅丸達の村に来た魔族、ゲルミュッドが関係しているなら………。」
リムル「………まっ、今の所、なんの根拠も無いが。」
そう言って、俺たちはシズさんを見て、シズさんの意見を聞く。
ゴルド「シズさん的には、この状況はどう思うんだ?」
シズ「何度か、
俺の質問に、シズさんはそう答える。
すると、紅丸が口を開く。
紅丸「魔王が絡んでいるかどうかは、分からん。だが………。」
リムル「だが?」
紅丸「
ゴルド「確か、数百年に一度、豚頭族の中から生まれる、ユニークモンスターだったか?」
紅丸「はい。20万もの軍勢を、普通の豚頭族が統率出来るとは思えませんから。」
ブレン「つまり……………その
メディック「とんでもない事になってきましたわね………………。」
リムル「ふむ………。」
紅丸の言葉を聞いていると、ルグルドが口を開く。
ルグルド「居ないと楽観視するよりは、警戒するべきだと思います。」
リムル「そうだな。」
ゴルド「じゃあ、今後の方針も、豚頭帝が居ると仮定して、進めるべきだろうな。」
クリム「そうするべきだろう。楽観視して痛い目を遭わない為にも。」
ルグルドの意見に、俺たちが頷いていると、蒼影の様子が変わる。
蒼影「あっ!」
リムル「どうした?」
蒼影「偵察中の分身体に、接触してきた者が居ます。」
ゴルド「接触?」
蒼影「リムル様とゴルド様に、取り次いでもらいたいとの事。いかが致しましょう?」
リムル「誰だ?」
ゴルド「ガビルみたいな変な奴は、もうごめんだぞ。」
蒼影「変………ではありませんが、大変珍しい相手でして。その………
一同『あっ………!』
リムル「樹妖精!?」
ゴルド「樹妖精って確か………。」
ゲームだと、木の精霊みたいな存在だったな。
すると、周囲が騒つく。
リグルド「樹妖精様が最後に姿を見せたのは、数十年以上前では無かったか?」
リムル「か………構わん。」
ゴルド「大丈夫なら、呼んでくれ。」
蒼影「はっ。」
すると机の中心に強い風が起こる。
紫苑、朱菜、シズさん、ハートが俺たちの前に立つ中、蔦が伸びてきて固まり、そこから、1人の女性が現れる。
鬼人達が俺たちの前で警戒する中、その樹妖精は口を開く。
トレイニー「魔物を統べる者と、機械生命体の王、及びその従者たる皆様。突然の訪問、相すみません。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい。」
リムル「俺は、リムル=テンペストです。で、そっちが………。」
ゴルド「ゴルド=テンペストです。えっと……トレイニーさん。いったい、なんの御用向きで?」
俺とリムルは名乗り、俺が、トレイニーさんに用件を聞く事に。
トレイニーさんは、口を開く。
トレイニー「本日は、お願いがあって、まかり越しました。」
リムル「お願い?」
ゴルド「それは、何ですか?」
トレイニー「リムル=テンペスト……魔物を統べる者。ゴルド=テンペスト……機械生命体の王よ。貴方方に、豚頭帝の討伐を依頼したいのです。」
トレイニーさんは、そう言った。
今回はここまでです。
紫苑の手料理は、ブレンすらも追い詰めました。
ちなみに、余談ですが、ブレンは新たなスキルを獲得しました。
それは、豚頭族戦にて使用します。
朱菜とゴルドは、徐々に、距離を近づけています。
ハートと紅丸は、お互いに馬が合うみたいですが、朱菜によく怒られています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ゴルドと朱菜の2人ですが、どんな感じにくっつけていくのかリクエストがあれば、よろしくお願いします。