転生したらロイミュードだった件   作:仮面大佐

11 / 16
第10話 ガビル参上!

 ハート達が仲間になって、しばらくが経過した。

 ハート達も、仲間達と馴染んでおり、交流をしていた。

 現在、俺、ブレン、クリムの3人で、シフトカーやらバイラルコア、ドライブの武装などの開発に着手している。

 シズさんはドライブになるので、戦力を作成中だ。

 チェイスは、リグル達警備班と行動をよく共にしている。

 メディックは、テンペストの人々に、治療技術などを教えている。

 これにより、テンペストでの医療技術はさらに発展していくだろう。

 ちなみに、他のロイミュードも生み出しており、072も生み出した。

 メディックは、072に対して行った事について謝罪した。

 072は、西城究と同じ人格になった。

 ハートはというと、紅丸とよく戦う事が多い。

 2人とも、好戦的な気質なので、気が合うのだろう。

 だが………………。

 

朱菜「お兄様!ハートさん!これはどういう事ですか!?」

紅丸「いや、その………………。」

ハート「これはだな……………。」

朱菜「2人が戦うのは構いませんが、周囲を傷つけないでください!」

「「はい………………。」」

 

 ある日、朱菜が紅丸とハートの2人に対して、説教をしていた。

 その理由は、2人が戦う度に、周囲に被害をもたらしているのだ。

 2人とも、本気で戦うのは良いのだが、周囲に被害を出すのは勘弁して欲しい。

 その為、ハートも朱菜には頭が上がらなくなった。

 そんなある日、俺は朱菜の様子を見に行く事に。

 途中、リムルと紫苑と合流する。

 俺たちは、中へと入る。

 中には、朱菜、ガルム、ドルド、ミルドが居た。

 

リムル「すごいな。」

「「「「ん?」」」」

ゴルド「もう絹織物が出来たのか。」

朱菜「ゴルド様!リムル様!」

ガルム「ども。」

ドルド「こんにちは。」

ミルド「うん。」

リムル「やっぱ、喋らねぇ!」

ゴルド「喋らないんだ。」

 

 すると、朱菜が俺の方へと寄っていく。

 そして、俺の手を握る。

 

朱菜「いらして下さったんですね!ゴルド様!リムル様も!」

ゴルド「ああ。」

リムル「それで、どんな具合だ?」

朱菜「はい。カイジン様が作ってくださった織り機は、とても使いやすいです。」

リムル「そうか、良かった。」

ゴルド「この調子で、皆の衣類の製作を頼んだぞ。」

朱菜「はい!お任せ下さい!」

 

 すると、紫苑が口を開く。

 

紫苑「では、リムル様。参りましょう。お昼が冷めてしまいます。」

朱菜「あっ、紫苑。秘書のお仕事は、ちゃんと出来ているのですか?」

紫苑「勿論です、朱菜様。」

 

 紫苑はリムルの秘書を名乗り出た。

 現在は、リムルの秘書兼護衛役だ。

 ただ、紫苑が料理を作ったという単語に、朱菜は驚いた様な反応をしていたな。

 何か、嫌な予感がするな。

 すると、朱菜は俺に話しかける。

 

朱菜「あの……………ゴルド様。もしお昼がまだでしたら、私が作りましょうか?」

ゴルド「え……………良いのか?」

朱菜「はい!」

 

 俺がそう聞くと、朱菜は顔を赤くしつつも、笑顔で頷く。

 

ゴルド「でも………………朱菜の負担を増やす訳にはいかないし……………。」

朱菜「いえ、ちょうど、作業もひと段落したので、大丈夫です!」

ゴルド「だがな……………。」

 

 流石に、朱菜に負担をかけさせるのは申し訳ないと思い、断ろうとする。

 すると。

 

リムル「良いじゃん、ゴルド。」

ゴルド「リムル………………。」

紫苑「そうですよ!朱菜様の料理は美味しいのですよ!」

ゴルド「………………なら、お願いして良いかな?」

朱菜「はい!」

 

 リムルと紫苑もそう言うので、お言葉に甘えて、作ってもらう事にした。

 その際、リムルやら紫苑やらガルム達が、ニヤニヤしながら見ていたのが気になるが。

 戻ると、紅丸、蒼影、白老の三人がいた。

 

紅丸「ああ、これはリムル様、ゴルド様。」

白老「お食事ですかな?」

ゴルド「ああ。俺は朱菜に、リムルは紫苑の手料理をいただくよ。」

「「「うっ………!?」」」

 

 俺がそう言うと、紅丸達は、顔を青ざめる。

 え?

 紫苑の手料理って、地味にやばいのか?

 

リムル「お前達も一緒にどうだ?」

紅丸「いや………俺は今、腹が減ってなくて………。」

白老「ええ。お茶だけで。」

蒼影「私は………。」

 

 蒼影がそう言うと、分身する。

 どうやら、分身のスキルを使えるみたいだな。

 

蒼影「村の周囲を、偵察に行って参ります!」

 

 そう言って、蒼影は逃げた。

 紅丸は冷や汗を流しまくり、白老は気配を消し始めた。

 まさかとは思うが……………。

 リムルが紅丸達の反応に首を傾げる中、紫苑と朱菜は料理を取りに行き、朱菜が先にやってくる。

 

朱菜「お待たせしました。」

 

 そう言って、俺の目の前に置いたのは、鶏肉の肉団子と野菜がたっぷり入ったすまし汁だった。

 普通に美味そう。

 

ゴルド「それじゃあ、いただきます。」

朱菜「はい!」

 

 俺は箸を取り、一口食べる。

 美味しい。

 

ゴルド「美味しいな!」

朱菜「ありがとうございます!」

リムル「へぇぇ………美味そうだな。」

 

 すると、紫苑がやって来て。

 

紫苑「お待たせしました。さっ、召し上がれ。」

ゴルド(やっぱりかぁ………。)

朱菜「……………。」

 

 紫苑の料理は、料理と言っていいのか、分からない代物だった。

 それを見た朱菜は、口を抑えていた。

 すると、リムルから思念伝達が来て。

 

リムル『助けてくれ!ゴルド!!』

ゴルド『ごめん………無理。』

リムル『そんな!?』

 

 リムルからの助けを、俺は断った。

 ていうか、あんなもん食ったら、無事で済まないだろ。

 俺は、朱菜の作ってくれたすまし汁を食べる。

 そんな中、ゴブタ、ゴブゾウ、ハート、ブレン、メディック、チェイス、シズさん、クリムが入ってくる。

 

ゴブタ「ああ〜腹減ったっす〜。」

シズ「そうだね。」

クリム「私は食べる事が出来ないのだがね。」

 

 そんな風に話していた。

 ていうか、紫苑の料理から、食材の怨念みたいなのが聞こえてくるぞ!

 すると、何を思ったのか、リムルは目を閉じて、スプーンを右斜め後方に突き出す。

 そこには、先程入ってきたゴブタの姿が。

 しかも、スプーンを突き出した際、紫苑の料理の一部が華麗な放物線を描き、ブレンの口の中に入る。

 ゴブタは、スプーンを咥えると、顔を青ざめる。

 

ゴブタ「むぐっ………!?」

ブレン「ん?」

リムル「むぐっ………?」

ゴブタ「うっ、うぐっ………!ぐわぁぁ!!」

ブレン「うぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 すると、ゴブタとブレンは震えて、首を抑えながら床に倒れる。

 しかも、ゴブタの緑色の肌が、紫色になっていき、ブレンも青ざめていく。

 

リムル「ああっ………。」

ゴルド「うわぁ………。」

ゴブタ「うぐぐ………!」

朱菜「……………。」

紅丸「……………。」

白老「……………。」

ハート「………………。」

メディック「………………。」

クリム「……………。」

シズ「………………。」

チェイス「………………。」

 

 それを見ていた俺たちは唖然となり、朱菜、紅丸、白老は顔を青ざめ、口を抑えていた。

 まるで、新たな犠牲者が出てしまった事に恐れながら。

 ハート達を始めとするロイミュード達と、クリムとシズさんも、呆然とする。

 しばらくすると、ゴブタとブレンの天に伸ばした手が、床に力無く倒れる。

 この場は、静寂が包まれる。

 すると、ブレンの体が薄くなる。

 

メディック「ぶ、ブレン!?」

ゴルド「メディック、手伝ってくれ!」

メディック「は、はい!」

 

 俺とメディックは慌てて、ブレンの蘇生作業を行う。

 そんな中、紫苑がつぶやく。

 

紫苑「…………あれっ?」

朱菜「紫苑………。」

リムル「紫苑。」

紫苑「は………はい!」

リムル「今後、人に出す飲食物を作る時は、紅丸の許可を得てからするように!」

 

 しれっと、紅丸が巻き込まれた。

 本当に、あれは酷い。

 食材の怨念が聞こえた気がするぞ。

 俺とメディックが必死に蘇生作業を行い、リムルと紫苑がそう話す中、ハート達は。

 

チェイス「………………ハート。なぜだが知らないが、あの紫苑の料理を見て、命の危険を感じたのだが。」

ハート「奇遇だな……………俺もだ。」

クリム「あれは料理というのかね…………。産業廃棄物が正しいのではないか?」

シズ「それは言わないであげて。……………無理もないけど。」

 

 ハート達は、そうコメントしていた。

 俺たちがそんな風にしている一方、蜥蜴人族(リザードマン)のガビルは、近隣のゴブリン村から、着実に協力を取り付けていた。

 尤も、豚頭族の侵略に恐れをなしたゴブリン達が、勝手に軍門に下ってるだけだが。

 

部下「う〜ん………。これで、総勢7千匹になりましたな。」

部下「さっすが、ガビル様!交渉も上手!」

ガビル「いやいや、精一杯やって、たまたま結果が出ているだけの事。」

 

 ガビルは、部下の褒めに、謙遜した態度をとる。

 すると、別の部下が、口を開く。

 

部下「謙遜すんなよ。実力だよ。」

部下「そうですよ!もっと自信を持ってくださいよ!」

部下「然り。次期、蜥蜴人族の首領なのだからな。」

ガビル「そ………そうか?」

 

 部下からそう言われたガビルは考える。

 

ガビル(やっぱり、我輩………いけてるのかもしれん!)

 

 ガビルはそんな風に思い、部下達に話しかける。

 

ガビル「あ〜。それで、次はどこに向かうのだ?この辺りに、他に村はあるのか?」

部下「もう一つ、集落があるって話ですよ。」

部下「しかし、先ほどの村の者が、おかしな事を言っておった。」

ガビル「おかしな事?」

 

 ガビルが、三人の部下の真ん中の青色の蜥蜴人族に尋ねる。

 

部下「何でも、牙狼族を操るゴブリンの集落だとか。」

ガビル「はあ?ゴブリンが牙狼を?そんな訳ないだろう。」

部下「ごもっとも。更に言えば、そのゴブリン達の親玉、スライムに人間だという。」

ガビル「はあ?」

 

 ガビルは、その言葉に耳を疑った。

 スライムは色んな魔物の食糧になり、人間がいる事に違和感を覚えていた。

 

ガビル「状況がよく分からぬが………。ならば!そのスライムとその人間を支配下に置けば、牙狼族をも支配出来るという事だな。」

部下「おおっ!」

部下「一石二鳥!」

部下「なんて奥深い考えだ!やはり、あんたについてきて良かったぜ!」

ガビル「フフッ。我輩に任せておくがいい!」

部下「いよっ!ガビル様!あっ、そ〜れ!」

『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

ガビル「フフフ………!フフフフ………!ヌア〜ハッハッハッ!!」

 

 部下達がガビルコールをして、手拍子も、ガビルが乗っている竜もする。

 それには、ガビルは高笑いを浮かべる。

 俺たちの村に向かうようだ。

 一方、俺とリムルは、カイジンと黒兵衛が話し合うのを見ていた。

 ちなみに、ブレンの蘇生作業は、メディックでも大丈夫なぐらいには回復した。

 

カイジン「へぇ〜………。焼き入れんの時の温度、勘なのかい?」

黒兵衛「んだ。火の色を見れば、大体分かるだよ。」

カイジン「俺は、測るなあ………。」

黒兵衛「おらも戻しの時は、きちっと測るだよ。」

カイジン「ああ。外が寒いと、粘りが出ねぇからな。」

 

 それを見ていた俺とリムルは。

 

リムル『黒兵衛すっかりカイジンと意気投合してるよな。』

ゴルド『ああ。二時間も、専門的な会話が続くくらいにはな。』

黒兵衛「あっ、それだったら、おらがいい土を教えてやるだ。」

カイジン「それはありがてぇ。」

 

 そんな俺たちは、うっかり中座するタイミングを逃して、今に至る。

 すると、カイジンと黒兵衛は、こちらを見てくる。

 

カイジン「なっ?」

黒兵衛「鍛造って、面白いべ。」

リムル「おっ………おう。」

ゴルド「そうだな。」

 

 カイジンと黒兵衛は、そんなふうに言い、再び専門的な会話に戻る。

 すると、リグルドが入ってくる。

 

リグルド「リムル様とゴルド様はいらっしゃいますかな?」

リムル「ナイスタイミング!」

ゴルド「どうした?リグルド。」

リグルド「リムル様、ゴルド様。蜥蜴人族の使者が訪ねてきました。」

 

 蜥蜴人族の使者が遂に、この村にも来たか。

 俺とリムルは、リグルドと共に使者がいる場所に向かおうとすると。

 

紅丸「リムル様、ゴルド様。」

ゴルド「ん?」

紅丸「俺たちも同席して構わないか?蜥蜴人族の思惑が知りたい。」

リムル「勿論だ。」

ゴルド「ああ。」

ハート「俺たちも行くぞ。」

チェイス「ああ。」

 

 さて、蜥蜴人族は、何を考えているのか。

 敵なのか味方なのかを、見定めなければならないな。

 俺は、リムル、リグルド、紅丸、紫苑、白老、ハート、チェイス、シズさんと共に、蜥蜴人族の一団がいる場所へと向かう。

 そこには、蜥蜴人族が並んでいたが、使者が居ない。

 

リムル「どいつが使者だ?」

ゴルド「ん?」

 

 すると、蜥蜴人族達は、槍で地面を突く。

 すると、先頭に居た三人の後ろにいた蜥蜴人族達が、二つに分かれて、その奥から、竜みたいなのに乗った蜥蜴人族が現れる。

 随分と芝居かかった登場だな。

 すると、その使者が槍で地面を突くのをやめさせて、大きくジャンプする。

 

ガビル「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」

部下「よっ!ガビル様!」

部下「最高!」

部下「かっこいい!」

部下「いかしてる!」

「「「「「「「「「はあ?」」」」」」」」」

 

 ガビルは、部下に盾の光の反射で自分を光らせるという、少し痛い演出をする。

 ていうか、配下に加わる?

 俺たちが?

 すると、1人の蜥蜴人族の部下が口を開く。

 

部下「ご尊顔をよ〜く覚えておくがよいぞ。このお方こそ、次の蜥蜴人族の首領となられる戦士!」

ガビル「ふ〜ん!」

部下「頭が高い!」

「「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」」

 

 なんだアイツ、偉そうに。

 何様のつもりだ。

 すると、リムルの方からミシミシという音が聞こえてきた。

 

リムル「えっ………ちょ………紫苑さん、やめて!スライムボディーが、スリムボディーになっちゃう〜!!」

紫苑「うう〜………!はっ………。」

リムル「うっ………。」

紫苑「すみません、すみません!」

 

 紫苑は、リムルを潰しそうになり、紅丸にリムルを持たせて、高速で謝る。

 一方、リグルドは、ガビルに話しかけていた。

 

リグルド「ゴホン!恐れながら、ガビル殿と申されましたかな。配下になれと突然申されましても………。」

ガビル「やれやれ。皆まで言わねば分からんか?貴様らも聞いておるだろう?」

ゴルド「豚頭族の侵攻に関してか?」

ガビル「どうやら、人間にしては、話が分かるみたいだな。」

ゴルド「それはどうも。」

 

 やっぱり、そんな所か。

 どうやら、蜥蜴人族達も、豚頭族の事を脅威に感じているみたいだな。

 ちなみに、今、俺はオーラを抑えている為、他の人からしたら、普通に人間だと認識しているようだ。

 

ガビル「しからば、我輩の配下に加わるが良い。このガビルが、貧弱なお前達を、豚頭族の脅威より守ってやろうではないか!貧弱な……貧弱……貧弱………ワオ〜。」

 

 ガビルは、俺たちを見ながら、そう言う。

 まあ、この村は、貧弱な奴は居ないからな。

 ちなみに、ガビルは、紫苑のおっぱいを見て、ワオと言った。

 すると、ガビルはしゃがみ、部下達と話し合う。

 

ガビル「ゴブリンが居ないようだが………。」

部下「あれ〜?」

部下「ここは確かに、ゴブリンの村のはず………。」

部下「っていうか、貧弱な奴が誰も居ないよ。」

 

 そんな風にガビル達は話し合っていた。

 俺とリムルは、思念伝達で話し合う。

 

ゴルド『どう思う?リムル。』

リムル『まあ、豚頭族が攻めてくるのなら、蜥蜴人族との共闘ってのも、選択肢の一つではあるんだが………。』

ゴルド『アイツに背中を預けるのはなぁ………。』

リムル『真に恐れるべきは、有能な敵ではなく、無能な味方であるって………ナポレオンの言葉だっけ?』

ゴルド『うん。その言葉は、ナポレオンの名言だな。』

 

 そんな風に話している中、ガビルが咳払いをする。

 

ガビル「ああ〜ゴホン!聞けばここには、牙狼族を飼い慣らした者達が居るそうだな。その2人は幹部に引き立ててやる。連れてくるがいいぞ。」

 

 そんな風に言うと、紫苑が再びリムルを強く握りしめる。

 すると、紅丸が良い笑顔で。

 

紅丸「コイツ、殺して良いですか?」

リムル「フッ………良いよ。」

ゴルド「何許可出してんだ!ストップ!」

 

 紅丸が、そんな風に言うもんだから、俺は必死に抑える。

 そんな中、ハート達は。

 

チェイス「ハート。あいつら、どう思う?」

ハート「実力はありそうだが、調子に乗っている様にしか見えんな。」

シズ「お調子者みたいな感じだよね。」

 

 そんな風にコメントをしていた。

 英雄であるシズさんからしても、お調子者に見えるみたいだな。

 そんな中、俺たちが口を開く。

 

リムル「えっと………。」

ゴルド「牙狼族を飼い慣らしたっていうか、仲間にしたのは、俺たちなんだけど………。」

ガビル「スライムと人間が?冗談を言うでない。」

ゴルド「ん………。」

リムル「嵐牙。」

嵐牙「はっ!ここに!」

 

 リムルが嵐牙の名を呼ぶと、紫苑の影から、嵐牙が現れる。

 それも、本来の大きさの。

 

ゴルド「お前に話があるそうだ。」

リムル「聞いて差し上げろ。」

嵐牙「御意!ふん!」

 

 嵐牙は、スキル・威圧を発動して、周囲の蜥蜴人族は威圧に怯える。

 

紅丸「あれっ?あんなにデカかったですかね?」

リムル「アレが本当の大きさなんだよ。」

ゴルド「まあ、威嚇するには、あのサイズの方が何かと都合が良い。」

シズ「なるほど………。」

 

 紅丸の疑問に、俺とリムルがそう答えると、シズが納得する。

 嵐牙は、ガビルに話しかける。

 

嵐牙「主達より、お前の相手をする命を受けた。聞いてやるから、話すが良い。」

ガビル「…………貴殿が、牙狼族の族長殿か?」

 

 へぇ。

 他の奴が萎縮してる中、平然としているな。

 根性があるのか、鈍いかのどちらかだが。

 

ガビル「美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムと人間とは、些か拍子抜けであるな。」

リムル「ああん?」

ゴルド「あ?」

 

 どうやら、後者の方だな。

 鈍い奴だ。

 嵐牙も、怒っているのか、目を細める。

 

ガビル「どうやら、貴殿は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」

部下「ガビル様、かっけ〜!」

部下「見せてやって下さいよ!ガビル様!」

部下「ガビル無双を!」

部下「あっ、そ〜れ!」

部下達『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

 

 部下達が、ガビルコールをして、ガビルはポーズを取る。

 すると、嵐牙が呟く。

 

嵐牙「蜥蜴風情が………!我が主達を愚弄するか………!!」

リムル(あっ、やばい。)

ゴルド(アイツ、死んだな。)

 

 ガビルがポーズを取る中、嵐牙は周囲から赤いオーラを出しつつ、目を光らせて、ガビルに迫っていく。

 すると、後ろから鼻歌が聞こえてくる。

 

ゴブタ「て〜ん、てってって〜ん!」

嵐牙「グワァァァ!!」

 

 嵐牙が咆哮を出す中、ゴブタが後ろから現れる。

 

ゴブタ「おお〜いっ、何やってるんっすか?」

紅丸「ゴブタ!?」

リムル「お前、生きてたのか?」

ゴルド「死んだかと思った。」

ハート「あれを食べてなお、まだ生きているとはな……………。」

ゴブタ「ま〜たまた、酷いっす。ちゃんと生きてるっすよ。」

 

 どういう事?

 そう首を傾げていると、悪之知識が伝える。

 

悪之知識『告。個体名紫苑の手料理に抵抗して、毒耐性を獲得したようです。』

 

 え、毒耐性?

 という事は、紫苑の料理は、毒があるのか?

 ていうか、俺とリムルは、毒耐性なんて持ってないのにな。

 そんな風に青褪めていると、嵐牙がゴブタを咥える。

 

嵐牙「いい所へ来たな。」

ゴブタ「えっ?」

 

 すると、嵐牙はゴブタに槍を持たせ、ガビルの前に置く。

 

ゴブタ「えっ?へっ?何すか、この状況!?」

嵐牙「蜥蜴。」

ゴブタ「ええっ?」

嵐牙「この者を倒せたのなら、貴様の話、一考してやろう。」

ゴブタ「な………何で?」

 

 嵐牙、意外と冷静だな。

 まあ、嵐牙が相手をすると、ガビルが死ぬからな。

 すると、ガビルがゴブタを侮ったのか、口を開く。

 

ガビル「構いませんぞ。部下にやらせれば、恥はかきませんからな。なあ、スライム殿に人間。」

ゴルド「ムカッ。」

 

 よし、言ったな。

 じゃあ、ゴブタには、遠慮なく行かせてあげよう。

 

リムル「ゴブタ!遠慮はいらん!やったれ!」

ゴブタ「ええっ!何なんすかもう………。」

ゴルド「お前が勝ったら、黒兵衛に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」

ゴブタ「ああっ!ほんとっすか?ちょっとやる気出たっす。」

リムル「負けたら、紫苑の手料理の刑な!」

ゴブタ「それだけは勘弁っす〜!」

 

 リムルの言葉に、ゴブタはオーラを出してやる気になる。

 リムルの言葉に、俺、紅丸、リグルド、ハート、チェイスが顔を青褪め、シズさんが苦笑する中、当の本人は。

 

紫苑「何やら、非常に不愉快な会話です。」

 

 そう言われたもんだから、紫苑はリムルを捻る。

 今のは、リムルが悪い。

 ていうか、紫苑の奴、自分の料理が最悪なのを自覚してないのか!?

 ガビルは、槍を振り回す。

 

ガビル「ふ〜ん!」

部下達『ガビル様〜!』

ガビル「準備は良いかな?」

ゴブタ「おお〜!」

嵐牙「では、始めろ!ワオ〜ン!!」

 

 嵐牙は、試合開始の咆哮を出す。

 ガビルは、ゴブタを侮っていた。

 

ガビル「フッ………。偉大なるドラゴンの末裔たる我ら、蜥蜴人族が、ホブゴブリンなんぞに………。」

ゴブタ「ふ〜ん!」

ガビル「ん?」

 

 そんな事を口にする中、ゴブタは自分が持つ槍を思いっきりぶん投げる。

 

ガビル「ぬおっ!?」

 

 その槍は、ガビルには当たらずに、部下達の目の前の地面に突き刺さる。

 

ガビル「おのれ!小癪な!」

 

 ガビルはそう言って、槍をゴブタに向かって振るうが、既にゴブタは居ない。

 

ガビル「あっ………。バカな、消え………たあァァァァァ!!ァァァァ………。」

 

 ガビルは、背後に現れたゴブタの回し蹴りを頭にくらい、そのまま気絶する。

 部下の蜥蜴人族達は、呆然とする。

 まさか、ゴブタの奴、影移動を使いこなしているとはな………。

 

ゴブタ「ハァ〜………。」

嵐牙「終わりだな。勝負あり!勝者ゴブタ!」

紅丸「おっしゃ!」

リグルド「よ〜し!」

紫苑「やった!」

シズ「うん。」

 

 すると、嵐牙とリグルドが、ゴブタを胴上げする。

 

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「アハハ………!」

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「高いっす!」

嵐牙「さすがは、ゴブタ!我が見込んだだけの事はある!」

リグルド「ようやった!ホブゴブリンの力を、よくぞ見せつけた!」

紫苑「見直したぞ。私に対する先ほどの失礼な発言は、聞かなかったことにしてやろう。」

シズ「凄いよ!強いわね!」

紅丸「俺たちと戦った時より、強くなっている様だな。」

白老「鍛えがいのありそうな才能を持っている様ですじゃ。」

ハート「あいつ、かなりの強者だと分かるな。」

チェイス「見事だ。」

 

 どうやら、皆、ゴブタの勝利を確信してたみたいだな。

 それを見ていた俺たちは、思念伝達で話し合う。

 

リムル『まさかゴブタが勝つとは……。俺はてっきりいちゃもんつけてボコボコにするのかと。』

ゴルド『俺も。まあでも、良いじゃん。勝ったんだし。』

リムル『ああ。俺は空気の読める男だから、期待通りだったことにしよう。』

 

 そんな風に話し合って、俺はゴブタに声をかける。

 

ゴルド「よくやった!約束通り、黒兵衛に武器を頼んでおく!」

ゴブタ「やったっす!」

リムル「お前ら、勝負はゴブタの勝ちだ!」

部下達『…………ハッ!?』

 

 リムルがそう声をかけると、固まっていたガビルの部下達は、動き出す。

 

リムル「豚頭族と戦うのに協力しろという話なら、検討しておくが、配下になるのは断る。」

ゴルド「今日の所は、さっさとそこのソイツを連れて帰れ!」

 

 俺とリムルがそう言うと、部下達は、ガビルを抱える。

 

部下「い、いずれまた来るぜ!」

部下「然り、これで終わりではないぞ。」

部下「きっ!お………覚えてろ〜!!」

 

 そんな、三流の悪役が言うような捨て台詞を吐きながら、蜥蜴人族達は、走り去っていく。

 

リムル「さてと。」

ゴルド「俺たちも、今後の方針を立てないとな。」

 

 その夜、豚頭族を偵察しに行っていた蒼影、リグルド、レグルド、ログルド、リリナを始めとするゴブリン、カイジン、ブレン、メディックを加え、会議をする事に。

 どうやら、復活したみたいだな。

 蒼影の報告に、俺たちは驚く。

 

蒼影「20万の豚頭族。その本隊が、大河に沿って北上している。そして、本隊と別動隊の動きから予想できる合流地点は…………ここより東の湿地帯。」

リグルド「つまり、蜥蜴人族の支配領域、と言う事ですな?」

蒼影「うん。」

リムル「20万か………。」

ゴルド「かなり多いな………。それにしても、豚頭族の侵攻目的はなんだ?」

 

 その言葉に、全員が考える。

 カイジンが口を開く。

 

カイジン「う〜ん………。豚頭族はそもそも、あまり知能の高い魔物じゃねぇ。この侵攻に、本能以外の目的があるってんなら、何かしら、バックの存在を疑うべきだろうな。」

黒兵衛「バックの存在だべか?」

リムル「例えば………。」

ゴルド「魔王とかか?」

 

 その言葉に、全員の視線が、俺たちに向く。

 そして、シズさんは何かを考えていた。

 

ゴルド「紅丸達の村に来た魔族、ゲルミュッドが関係しているなら………。」

リムル「………まっ、今の所、なんの根拠も無いが。」

 

 そう言って、俺たちはシズさんを見て、シズさんの意見を聞く。

 

ゴルド「シズさん的には、この状況はどう思うんだ?」

シズ「何度か、豚頭族(オーク)と戦った事があるんだけど、こんな大規模じゃなかったから、おかしいと思う。」

 

 俺の質問に、シズさんはそう答える。

 すると、紅丸が口を開く。

 

紅丸「魔王が絡んでいるかどうかは、分からん。だが………。」

リムル「だが?」

紅丸「豚頭帝(オークロード)が出現した可能性は強まったと思う。」

ゴルド「確か、数百年に一度、豚頭族の中から生まれる、ユニークモンスターだったか?」

紅丸「はい。20万もの軍勢を、普通の豚頭族が統率出来るとは思えませんから。」

ブレン「つまり……………その豚頭帝(オークロード)が現れている可能性は、十分に高いという事ですね!」

メディック「とんでもない事になってきましたわね………………。」

リムル「ふむ………。」

 

 紅丸の言葉を聞いていると、ルグルドが口を開く。

 

ルグルド「居ないと楽観視するよりは、警戒するべきだと思います。」

リムル「そうだな。」

ゴルド「じゃあ、今後の方針も、豚頭帝が居ると仮定して、進めるべきだろうな。」

クリム「そうするべきだろう。楽観視して痛い目を遭わない為にも。」

 

 ルグルドの意見に、俺たちが頷いていると、蒼影の様子が変わる。

 

蒼影「あっ!」

リムル「どうした?」

蒼影「偵察中の分身体に、接触してきた者が居ます。」

ゴルド「接触?」

蒼影「リムル様とゴルド様に、取り次いでもらいたいとの事。いかが致しましょう?」

リムル「誰だ?」

ゴルド「ガビルみたいな変な奴は、もうごめんだぞ。」

蒼影「変………ではありませんが、大変珍しい相手でして。その………樹妖精(ドライアド)なのです。」

一同『あっ………!』

リムル「樹妖精!?」

ゴルド「樹妖精って確か………。」

 

 ゲームだと、木の精霊みたいな存在だったな。

 すると、周囲が騒つく。

 

リグルド「樹妖精様が最後に姿を見せたのは、数十年以上前では無かったか?」

リムル「か………構わん。」

ゴルド「大丈夫なら、呼んでくれ。」

蒼影「はっ。」

 

 すると机の中心に強い風が起こる。

 紫苑、朱菜、シズさん、ハートが俺たちの前に立つ中、蔦が伸びてきて固まり、そこから、1人の女性が現れる。

 鬼人達が俺たちの前で警戒する中、その樹妖精は口を開く。

 

トレイニー「魔物を統べる者と、機械生命体の王、及びその従者たる皆様。突然の訪問、相すみません。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい。」

リムル「俺は、リムル=テンペストです。で、そっちが………。」

ゴルド「ゴルド=テンペストです。えっと……トレイニーさん。いったい、なんの御用向きで?」

 

 俺とリムルは名乗り、俺が、トレイニーさんに用件を聞く事に。

 トレイニーさんは、口を開く。

 

トレイニー「本日は、お願いがあって、まかり越しました。」

リムル「お願い?」

ゴルド「それは、何ですか?」

トレイニー「リムル=テンペスト……魔物を統べる者。ゴルド=テンペスト……機械生命体の王よ。貴方方に、豚頭帝の討伐を依頼したいのです。」

 

 トレイニーさんは、そう言った。




今回はここまでです。
紫苑の手料理は、ブレンすらも追い詰めました。
ちなみに、余談ですが、ブレンは新たなスキルを獲得しました。
それは、豚頭族戦にて使用します。
朱菜とゴルドは、徐々に、距離を近づけています。
ハートと紅丸は、お互いに馬が合うみたいですが、朱菜によく怒られています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ゴルドと朱菜の2人ですが、どんな感じにくっつけていくのかリクエストがあれば、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。