突然現れた、
それは、俺たちに
リムル「豚頭帝の討伐?」
ゴルド「ええと………俺たちがですか?」
トレイニー「ええそうです、リムル=テンペスト様、ゴルド=テンペスト様。」
俺たちの質問に、そう答えるトレイニーさん。
すると、紅丸とハートが俺たちの前に出て言う。
リムル「ん?」
ゴルド「紅丸?ハート?」
ハート「いきなり現れて………随分身勝手な物言いじゃないか。樹妖精のトレイニーとやら。」
紅丸「なぜ、この町へ来た?ゴブリンよりも強い種族は居るだろう。」
紅丸とハートの質問に対して、トレイニーは閉じていた目を開きながら言う。
トレイニー「そうですわね。
鬼人達「おっ………。」
トレイニー「まあ、そうであったとしても……この方々の存在を、無視する事は、できないのですけれど。」
リムル「ん?」
ゴルド「……………。」
トレイニー「我々の集落が豚頭帝に狙われれば、樹妖精だけでは抵抗出来ませんの。………ですから、こうして強き者に助力を願いに来たのです。」
なるほどな。
それにしても、仮説だった豚頭帝が、実際に存在するとはな………。
リムル「豚頭帝が居るって事自体、俺たちの中では仮説だったんだけど………。」
ゴルド「よく、豚頭帝が居るって事が、分かりましたね。」
トレイニー「樹妖精は、この森で起きた事ならば、大抵把握しておりますの。……居ますよ、豚頭帝。」
トレイニーさんは、そう言って、机の上に置いてあったポテチを食べる。
それを聞いた一同は、騒めき出す。
リグルド「樹妖精様がお認めに………!」
カイジン「ならば、本当に………。」
俺たちは、それを聞いて考え、答えを出す。
ゴルド「返事は少し待ってくれ。」
リムル「ああ。鬼人達の援護はするが、率先して、藪を突くつもりはないんだ。情報を整理してから、答えを出させてくれ。こう見えても、ここの主なんでな。」
ゴルド「俺は、副主です。」
トレイニー「あっ………フフッ………。」
トレイニーさんも会議に参加する事になった。
だが、リグルドとカイジンの間に座ったので、その2人が気まずそうにしている。
リムル「会議を続けるぞ。」
ゴルド「
俺たちがそう言うと、朱菜が声を出す。
朱菜「あ………。思い当たる事が一つあります。」
リムル「うん。」
ゴルド「何だ?」
俺たちが朱菜にそう問うと、朱菜は蒼影に質問をする。
朱菜「蒼影。私達の里、調査してきましたか?」
蒼影「はい。」
朱菜「その様子では………やはり、無かったのですね。」
蒼影「はい。」
リムル「ん?」
蒼影「同胞の物も、豚頭族の物も、ただの一つも。」
ゴルド「まさか………死体か?」
蒼影「そうです。」
その言葉に、俺はやはりと思った。
少し、引っかかっていた事があったのだ。
オークといえば、食欲旺盛なのがお約束なのだ。
すると、紅丸が口を開く。
紅丸「20万もの大軍が食えるだけの食料を、どうやって賄っているのか疑問だったが……。」
リムル「それって、まさか………。」
ゴルド「豚頭族も、襲った種族の物も関係なく、食べてるって事だろうな。今、進軍中の豚頭族達は。」
チェイス「何だと……………!?」
俺がそう言うと、周囲が驚く。
そんな中、トレイニーさんが口を開く。
トレイニー「ユニークスキル、
リムル「飢餓者………。」
ゴルド「それは、具体的には、どんなスキルなんだ?」
俺の質問に、トレイニーさんが答える。
トレイニー「世に混乱を齎す災厄の魔物、豚頭帝が生まれながらにして保有しているスキルで、豚頭帝の支配下にある全ての物に影響を及ぼし、イナゴの様に、周囲の物を食べ尽くす。食らった相手の力や能力までも取り込み、自分の糧とするのですわ。………リムル様の捕食者と似ていますわね。」
そう言いながら、俺たちを見る。
それは、かなり厄介なスキルだな。
確かに、リムルの捕食者と似ているスキルだな。
ていうか、俺たちの保有しているスキルの事も知ってるのかよ。
トレイニーさんは、話を再開する。
トレイニー「飢餓者の代償は、満たされる事のない飢餓感。豚頭族達は、果てしない飢えを満たし、力を得る為だけに進むのですわ。ただそれだけが、彼らの王の望み故に………。」
そう言って、お茶を飲む。
俺とリムルは、思念伝達で話し合う。
ゴルド『リムル。豚頭族達の狙いは……。』
リムル『ああ。大鬼族や
ゴルド『そう考えるのが、妥当だろうな。』
そうなると、ここも安全ではない。
リムルが伸びをして、口を開く。
リムル「さて、となるとだな。うちも安全とは言い難いな。
ゴルド「確かに、味はともかく、豚頭族達の欲しがりそうな力を持った餌だらけだな。」
リムルと俺がそう言うと、紅丸が苦笑しながら言う。
紅丸「1番、奴らの食いつきそうな餌を、忘れてやいませんか?」
リムル「あ〜?」
紅丸「居るでしょう。最強のスライムと、それと同格のロイミュードが。」
ゴルド「…………どこにだ?」
紅丸「ハハッ………。」
紅丸の指摘に、俺たちは受け流す。
そりゃあ、俺って、仮面ライダーだけど。
でも、俺は、味はかなり不味いんじゃないか?
そんな中、トレイニーさんが口を開く。
トレイニー「それに………豚頭帝誕生のきっかけとして、魔人の存在を確認しております。あなた様方は、放っておけない相手かと思いますけど。」
リムル「魔人か………。」
トレイニー「いずれかの魔王の手の者ですからね。」
ゴルド「うむ…………。」
さっき、トレイニーさんは、森で起きた事は、大抵把握していると言っていたな。
という事は、イフリートが暴走して、それをリムルが捕食して、俺がシズさんを助けたのを把握している事になる。
食えない姉ちゃんだな。
すると、トレイニーが立ち上がる。
トレイニー「リムル=テンペスト様。ゴルド=テンペスト様。改めて、豚頭帝の討伐を依頼します。暴風竜ヴェルドラの加護を受け、牙狼族を下し、鬼人を庇護するあなた様方なら、豚頭帝に後れを取ることはないでしょう。」
「「う〜ん…………。」」
俺は、悪之知識に聞いてみる。
ゴルド『悪之知識、どう思う?トレイニーさんを信用して良いのか?』
悪之知識『樹妖精は、ジュラの大森林の管理者。不届きな者、森に対し害意を持つ者に対し、天罰を下す存在とも言われています。』
ゴルド『天罰………。でも、相手は20万だしなぁ………。』
戦力差が否めないな。
すると、紫苑の声が聞こえる。
紫苑「当然です!!」
リムル「うえっ………。」
ゴルド「紫苑さん………?」
紫苑「リムル様とゴルド様ならば、豚頭帝など、敵ではありません!お二人ならば、豚頭帝を倒してみせるでしょう!」
トレイニー「うわぁ!やはり、そうですよね。」
この人は、勝手に………!
俺とリムルは、思念伝達で話し合う。
ゴルド『リムル。これは………腹を括るしかないよな。』
リムル『だな………。』
リムルは、スライムとしての姿に戻り、紫苑がキャッチする。
リムル「分かったよ。豚頭帝の件は、俺たちが引き受ける。」
ゴルド「皆も、そのつもりで居てくれ。」
朱菜「はい!勿論です!リムル様、ゴルド様!」
紅丸「どうせ、最初からそのつもりだ。」
シズ「ええ。」
ハート「俺たちが狙われるのなら、倒すのみだ。」
ブレン「ハートに従います。」
カイジン「俺たちゃ、旦那達を信じて着いていくだけさ。」
リグルド「その通りですぞ!我らの力を、見せつけてやりましょう!」
一同『おう!』
トレイニー「フフッ。」
皆がそう盛り上がっている中、俺とリムルは、話し合っていた。
リムル『な〜んて、格好つけて、負けたらどうしよう………。』
ゴルド『もうこの際、腹を括るしかないな。』
俺たちは覚悟を決めて、会議を進める。
リムル「豚頭族20万の軍勢を相手取るとなると………蜥蜴人族との同盟を前向きに検討したい所だが………。」
ゴルド「使者が、あれじゃなぁ………。」
あんなアホじゃあ、不安でしかない。
どうにか、話が通じるやつと交渉したいところなのだが………。
すると、蒼影が立ち上がる。
蒼影「リムル様、ゴルド様。」
リムル「ん?」
ゴルド「どうした、蒼影?」
蒼影「蜥蜴人族の首領に、直接話をつけても宜しいですか?」
リムル「蒼影。出来るのか?」
蒼影「はい。」
ゴルド「なら、俺も同行して良いか?」
俺がそう言うと、全員が驚く。
蒼影「ゴルド様もですか?」
ゴルド「同盟は、俺かリムルのどちらかを直接見ないと、結ぶのが難しいだろうからな。俺が同行すれば、手っ取り早いだろ?」
リムル「……分かった。ゴルド、蒼影。蜥蜴人族への使者を頼む。決戦は蜥蜴人族の支配領域である湿地帯になるだろう、これは蜥蜴人族との共同戦線が前提条件だ。頼んだぞ!」
蒼影「お任せを。ゴルド様、参りましょう。」
ゴルド「ああ。じゃあ、ちょっくら行ってくるわ!」
俺と蒼影は、影移動で、蜥蜴人族が支配している湿地帯へと向かう。
一方、気絶していたガビルは、やっと目を覚ました。
ガビル「んっ………。うわっ!あっ、あ……。」
部下「わ〜!」
ガビル「ん?」
部下「ガビル様〜!」
ガビル「ぐわ〜!」
ガビルが目を覚ますと、部下の1人が泣きながらガビルに飛びつく。
残りの部下もやって来る。
部下「起きたかよ。」
部下「ガビル様〜!」
ガビル「こ………ここは?」
部下「良かったよ〜ほんと、ううっ………。」
ガビルの目の前には、蜥蜴人族の部下達が集まっていた。
1人、蜥蜴人族ではないのが混じっているが。
ガビルは、どうしてこうなったのかを思い出した。
ガビル「そっ、そうだ!我輩は………。あのふざけた顔の男に………!うぬ。すっかり騙されたわ。」
部下「ど………どういう事?」
ガビルの言葉に、泣きついていた部下が首を傾げる。
ガビルは、立ち上がって説明をする。
ガビル「簡単な事よ。我輩を制したあの者こそ、あの村の本当の主に違いない!」
「「「なんと!」」」
ガビルは、ゴブタが主だと勘違いしていた。
その言葉に、部下達は集まって話し合う。
部下「あれが?」
部下「そうじゃないと、ガビル様、負けたりしないよ。」
部下「然り!」
部下「汚い!騙してガビル様の油断を誘うだなんて!」
部下「卑怯なり!」
部下「ふざけんな!」
ガビルの部下達は、そんな風に話し合う。
そんな部下達に、ガビルは話す。
ガビル「まあ、落ち着け。弱者なりの知恵という奴だろう。あっ………ハッ。」
部下「器の大きさ、山の如し!」
部下「流石、ガビル様!」
部下「いよっ!次期首領!」
???「いや〜かっこええなぁ、ガビルはん。」
ガビル「いやいや、我輩など、それ程でも……って、誰、なん!?」
部下「最初から居たよ、この人。」
ガビルは、やっと蜥蜴人族ではない者の存在に気づいた。
その男は、ガビルを褒め称える。
ラプラス「聞いた通り、偉い男前やないか。わいは、ラプラスという者です。」
ガビル「ラプラス?」
ラプラス「ゲルミュッド様の使いで、アンタに警告をしに来たんや。」
ガビル「おお!ゲルミュッド様の!」
ガビルは、少しラプラスに警戒していたが、ゲルミュッドの使いと聞いて、警戒を解く。
部下達は、話し合う。
部下「ゲルミュッド様って?」
部下「ガビル様に名を授けて下さったというお方だ。」
部下達は、ゲルミュッドの事について話す中、ガビルは、ラプラスに労いの言葉をかける。
ガビル「ご足労をおかけしたな。………して、ゲルミュッド様の警告とは?」
ラプラス「これがまた、偉い事になっとるんですわ!」
ガビル「ん?」
ガビルがそう言う中、ラプラスは回転しながら、ある事を伝える。
ラプラス「今回の豚頭族の軍勢、どうやら、本当に豚頭帝が率いてるらしいでっせ。」
部下達『豚頭帝?』
ガビル「うっ………。」
ラプラスが言った、豚頭帝という単語に、周囲はどよめく。
ラプラスは、話を再開する。
ラプラス「蜥蜴人族の首領は出来たお人やけど、もうかなりのお年やし………正直なとこ、お父上には、荷が重いんとちゃいます?」
ガビル「ん…………。」
ラプラスの言葉に、ガビルは考え、答えを出す。
ガビル「豚頭族軍撃退の後に、首領の座を受け継ごうと思っていたが………それでは、間に合わん様だな!」
ラプラス「せや、せや。」
ガビル達は、竜に乗り、移動を開始しようとする。
ガビルは、ラプラスに声をかける。
ガビル「ラプラス殿。挨拶もそこそこだが、我輩達は…………。」
ラプラス「ええって、ええって。湿地帯に戻りはるんやろ?早、行った方がええで。」
ガビル「かたじけない!………出発するぞ〜!」
部下達「おお!」
ガビル達は、湿地帯へと出発する。
それを見ていたラプラスは。
ラプラス「………せいぜい頑張りや、ガビルはん。」
そんな風に言う。
ラプラスは、何を企んでいるのか。
一方、豚頭族軍は、湿地帯を進んでいた。
豚頭族達「蹂躙せよ。蹂躙せよ。蹂躙せよ。蹂躙せよ。」
そんな風に言いながら、湿地帯を進んでいた。
俺たちは、そんな豚頭族達の気配を感じながら、蜥蜴人族の洞窟に到着する。
すると、見張りが俺たちに気づく。
見張り「貴様ら、何者だ!?」
ゴルド「何。首領に会わせて欲しいだけさ。」
蒼影「そこを通してもらおう。」
俺たちは、蜥蜴人族達の首領に会うべく、奥へと進んでいく。
しばらく進んでいくと、開けた場所へと出る。
ちなみに、俺は人間としての姿で来ている。
俺たちが現れると、首領が声をかける。
首領「失礼。今、取り込んでおりましてな。おもてなしも出来ませぬ。」
ゴルド「お気になさらず。俺は、あなた方蜥蜴人族と同盟を結びに来た。」
首領「同盟?はて。そちらの事は、わしは知らんのだがね。」
ゴルド「無理もないです。ホブゴブリンと牙狼族と共に住んでは居ますが、街になったばかりですし。」
首領「風の噂で聞いた事がある………。その町は、本当にあるのか?」
ゴルド「はい。俺は、その街の主の片割れさ。」
どうやら、俺たちの町は、かなり噂になっているみたいだな。
まあ、ゴブリンと牙狼族が一緒に暮らしているという時点で、噂にはなるだろうが。
俺の説明の続きを、蒼影が引き受けてくれた。
蒼影「そしてもう1人の主リムル様とともに、樹妖精より直に要請を受け、豚頭族軍の討伐を確約されている。」
蒼影のその言葉に、首領のすぐ横にいる2人の蜥蜴人族が驚く。
それは、首領も同じだった。
首領「森の管理者が、直接………!?」
ゴルド「そして、樹妖精からの情報によると、豚頭族軍を率いているのは、豚頭帝だ。」
部下「豚頭帝?」
ゴルド「この意味を踏まえて、よく検討して欲しい。」
首領「うう………。」
首領は、驚いていた。
どうやら、首領は豚頭帝が出現しているかもしれないと推測していた様だな。
すると、首領の部下の1人が、声を出す。
部下「ふ………ふん!リムルだと?聞いた事もない!どうせ、そいつらも、豚頭帝を恐れて、我らに泣きついて来たんだろう?素直に助けてくれと言えばいい物を………。」
首領「やめろ!」
部下「えっ?」
首領「口を塞ぐのだ。」
部下「しゅ………首領!その様な態度では、舐められ………!」
そこまで言うと、その部下の首に、糸が巻き付けられていた。
蒼影だ。
蒼影は、糸の一本を下ろそうとするが、俺が止める。
ゴルド「蒼影。そこまでやれとは言っていない。」
蒼影「………ッ!」
蒼影の気持ちは分かる。
自分の主人を馬鹿にされて、我慢出来なかったのだろう。
だが、そんな事をしたら、同盟を結ぶのが難しくなる。
蒼影は糸を解き、俺は首領に頭を下げる。
ゴルド「申し訳ない。対等な話し合いであるのにも関わらず、配下が無礼をしたな。」
首領「いや、今のは、こちらに非があった。お気遣い済まない。」
ゴルド「それと、俺は人間の様に見えるが、違う。新たに誕生した種族、ロイミュードだ。」
俺はそう言って、ZZZとしての姿になる。
それを見た首領のそばにいた蜥蜴人族は。
部下「魔物だったのか!?」
部下「なるほど………。」
そんな中、首領が口を開く。
首領「貴殿も魔物であったか。ジュラの大森林に暮らす魔物で、森の管理者を騙る愚か者は居ない。見た所、そなたの
蒼影「今は違う。リムル様より、蒼影の名を賜った折、鬼人となった。」
首領「鬼人?」
部下「鬼人って………!」
部下「ええ。大鬼族の中から、稀に生まれるという、上位種族………!」
ゴルド「それが、あと5人も居ますよ。」
首領「何だと………!?」
それを聞いた首領は、何かを考え込んでいたが、しばらくすると、顔を上げる。
首領「ゴルドとやら。一つ条件がある。」
ゴルド「聞きましょう。」
首領「もう1人の主、リムル=テンペストと会いたい。」
ゴルド「分かりました。」
蒼影「では、我々は準備を整え、七日後にこちらに合流する。その時、御目通りしていただくとしよう。」
首領「うん。」
蒼影「それまでは、決して先走って、戦を仕掛ける事のないよう。」
首領「承知した。」
ゴルド「それと、一つ忠告があります。」
首領「何だ?」
ゴルド「背後には気をつけた方がよろしいですよ。」
首領「………?そうしよう。」
ゴルド「では、七日後に。」
俺たちは、影移動で村へと戻る。
ちなみに、先ほどの言葉の意味としては、ガビルは、豚頭帝の事を知らなそうだった。
それに、次期首領になるとも言っていた。
つまり、謀反を起こす可能性がある。
そこまでするアホじゃないと良いんだけどな。
ゴルド「俺は、首領の条件を伝えに行く。蒼影は、豚頭族の動向を見張ってくれ。」
蒼影「はっ。」
蒼影は、再び影移動で移動する。
俺は、リムルの家へと向かう。
ゴルド「リムル、少し………。」
俺は、その光景に絶句した。
なぜなら、リムルが女装をしていたのだ。
しかも、周囲には、朱菜に紫苑といった女性陣がいて、シズさんは苦笑していた。
ゴルド「リムル………どういう状況だ?」
リムル「おお!ゴルド!ナイス!」
シズ「リムルさん、皆の着せ替え人形にされてたの。」
ゴルド「なるほどな………。あ、それと、蜥蜴人族の首領と話がついたぞ。」
リムル「本当か!?」
ゴルド「ああ。ただ、同盟を結ぶ際には、お前にも同行して欲しいそうだ。」
リムル「良いぜ、どうせ決戦予定は湿地帯なんだし、会っていもいない人物を信用しろってのも無理な話だ。」
ゴルド「会談の日は、七日後に設定したが、大丈夫か?」
リムル「ああ。」
そんな風に話した。
すると、朱菜が話しかけてくる。
朱菜「あの……………ゴルド様。」
ゴルド「ん?」
朱菜「ゴルド様から頼まれていた服が完成しました!」
ゴルド「そうか。ありがとう!」
朱菜「はい!」
朱菜がそう言ってくるので、朱菜を労うと、朱菜は笑顔で応える。
俺は、その服に着替える。
流石に、別室で。
その服は、ミリタリーロングコートに黒色の服だった。
朱菜「大変お似合いです!」
ゴルド「ありがとうな、朱菜。」
朱菜「い、いえ……………。」
俺がそう言うと、朱菜は顔を赤くする。
それを、他の人たちはニヤニヤしたり、微笑ましく見ていた。
何なんだ?
一方、蜥蜴人族達は、首領が仲間を集めていた。
首領「豚頭族軍は既に、この地下大洞窟のそばまで迫ってきている。………だが、恐れる事はない!七日後には、強力な援軍が見込める!それまでは、我々は籠城し、戦力を温存するのだ。間違っても、攻撃に打って出ようなどと思うな!戦死すれば、餌になり、奴らの力が増すと思え!それが、豚頭帝を相手に戦うということだ!………援軍と合流した後、反撃に転じる!その時まで、耐えるのだ!誰1人、死ぬ事は許さん!」
戦士達「おお!」
こうして、首領の指示により、蜥蜴人族は俺たちが来るまで、籠城する事になった。
それから四日後。
ある蜥蜴人族達は、侵入してきた豚頭族と交戦していた。
三人でかかり、倒す事が出来た。
戦士「これが、本当に豚頭族なのか?まるで、大鬼族とでも戦っている気分だ。」
戦士「ゾッとするな………。こんな奴らが20万も居るだなんて………。」
戦士「それが、豚頭帝の能力なんだろう。あと、三日も守り通せるだろうか。」
ガビル「守ってばかりでは、疲弊するだけだ。」
戦士「おおっ、あなたは………。」
そこに、ガビルが戻ってきて、首領の元に向かう。
ガビル「親父殿。」
「「「ん?」」」
ガビルの声に、首領、親衛隊長、副隊長がガビルの方を向く。
首領「おお、戻ったか!………して、ゴブリンからの協力は、取り付ける事が出来たのか?」
ガビル「はっ!その総数、7千匹。待機させております。」
首領「うん。」
ガビル「しかし………豚頭族相手に籠城とは、どういうつもりなのです?とても、誇り高き蜥蜴人族の戦い方とは思えませんな。」
首領「お前が居ない間に、同盟の申し出があったのだ。その者達と合流するまでは、防衛に徹するのが最善だ。」
首領の言葉を聞いたガビルは、呟く。
ガビル「ハァ…………老いたな、親父。」
首領「何?」
ガビルがそう言うと、立ち上がり、合図を出す。
すると、ガビルの配下達が一斉に入ってくる。
「「「なっ!?」」」
ガビル「天然の迷路を利用し、大軍と戦うのは、良い策かもしれん。………だが、それでは数多ある通路に戦力を分散させすぎて、戦力の集中による迎撃が出来ぬ。」
そう言いながら、合図を出して、ガビルの部下が、首領に槍を向ける。
首領「なっ………!?」
親衛隊長「ガ………ガビル殿!」
副隊長「これは、どういうつもりだ!?」
ガビル「落ち着け!親衛隊長に副隊長。危害を加えるつもりはない。」
親衛隊長「しかし………うっ!」
ガビル「手荒な手段になってしまった事は、後で詫びる。窮屈な思いをさせるが、我輩が豚頭帝を討つまで、辛抱してくれ。」
ガビルは、部下に指示を出して、首領、親衛隊長、副隊長、そして、首領の側近を拘束した。
首領「息子よ!勝手な真似は許さんぞ!」
親衛隊長「ガビル殿………いえ、兄上!目を覚まして下さい!」
副隊長「ガビル君!何を考えているんだ!?」
首領「ええい!放せい!放さんか!放すのだ!勝手な真似は許さん!」
首領、親衛隊長、副隊長がそう叫ぶ中、彼らは、牢獄へと連れて行かれた。
ガビルが、顔を俯かせていると、部下の1人がガビルの方にやって来る。
ガビル「ん?」
部下「ガビル様、これを。」
ガビル「親父殿の………。」
ガビルは、部下から、首領が持っていた槍を受け取る。
すると、槍とガビルが光り出す。
ガビル「こ、この力は………
水渦槍は、ガビルを主と認めた様だ。
その背後から、部下達が大勢やって来る。
部下「各部族長の掌握が完了したぜ。若い連中には、この防衛戦に疑問を抱いていた者も多かったからな。」
ガビル「そうか。」
部下「皆、アンタについていく。頼むぜ、ガビル様。」
部下達は、ガビルに跪く。
ガビルは、口を開きながら移動する。
ガビル「良いだろう。我輩が、蜥蜴人族の真の戦い方を見せてやろうぞ!時が来たのだ!」
部下達「おお!」
こうして、ガビル達は、俺たちの合流を待たずして、動き出してしまった。
豚頭族達「蹂躙せよ。蹂躙せよ。蹂躙せよ。蹂躙せよ。」
湿地帯を埋め尽くす豚頭族の大軍。
その一角から、ざわめきが生じた。
豚頭族「ううっ………!」
一体の豚頭族が、蜥蜴人族の攻撃を受けて、倒れた。
ガビル「豚どもを必要以上に恐れる事など無い!湿地帯は我らの領域!素早い動きで豚頭族どもを撹乱するのだ!ぬかるみに足を取られるのろまに後れは取らん!」
部下「やった!」
部下「攻撃が効いてるぜ!」
部下「然り!」
ガビル「豚頭族など、我ら蜥蜴人族の敵ではない!よし!一旦離脱!」
ガビルの実力は、仲間達が認める物だった。
だが。
部下「ああっ………うわぁ!」
ガビル「ん?」
ガビルが、部下の悲鳴に、何事かと豚頭族の方を見ると、豚頭族が豚頭族を食べていたのだ。
ガビル「何だ?」
ただ一つ、誤算があるとすれば、ガビルは知らなかった。
豚頭帝の恐怖を。
ガビル「豚頭族が、豚頭族を食っている………!?」
首領は知っていた。
豚頭帝の恐怖を。
その違いが今、結果となって、ガビルに牙を剥く。
豚頭族達「蹂躙せよ。蹂躙せよ。蹂躙せよ。食べた仲間の力を我が物に!食べた獲物の力を我が物に!」
今回はここまでです。
いよいよ、豚頭族戦が始まります。
ゴルドも、新たな衣装になりました。
そんな中、ガビルが暴走します。
果たして、どうなるのか。
楽しみにしてて下さい。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ゴルドと朱菜がどんな感じにくっつくのか、リクエストがあれば受け付けます。