転生したらロイミュードだった件   作:仮面大佐

8 / 16
第7話 救われる魂

 シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。

 だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。

 俺とリムルは、シズさんのそばに居た。

 

ゴルド「まだ目を覚まさないな。」

リムル「そうだな………。それはそうと、ゴルド。」

ゴルド「ん?」

リムル「お前は言ったよな?シズさんを助ける方法があるって。」

ゴルド「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか。」

 

 俺とリムルは、お互いに向き合う。

 さて、何から話すかな。

 

ゴルド「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ。」

リムル「どういう事だよ………!?」

ゴルド「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。」

リムル「それじゃあ………助ける方法は無いって言うのかよ………!?」

 

 やはり、そういう反応になるよな。

 でも、助けられないことはない。

 

ゴルド「いや、ある。」

リムル「ど、どうやって助けるんだ!?」

ゴルド「ロイミュードの体に、シズさんの魂を移す。」

リムル「出来るのか!?」

ゴルド「ああ。」

 

 そう。

 それは、実際に可能だ。

 事実、クリム・スタインベルトことベルトさんは、ZZZに魂を移そうと考えていて、ゾルーク東条が、それを実行したのだ。

 理論上、可能だ。

 だが………………。

 

ゴルド「問題があるんだよな。」

リムル「問題?」

ゴルド「ZZZには、心が暴走する危険性があるんだよ。」

リムル「えっ!?」

 

 そう。

 ベルトさんがZZZを用いなかった理由は、ベルトさんの精神力が足りなかったのもあるが、心が暴走する危険性があったからだ。

 事実、ゾルーク東条が起動させたが、目的の為なら、手段を問わない非道な性格に成り下がってしまったからな。

 その為、シズさんが暴走してしまうのが恐ろしい。

 無論、ZZZを改良して、暴走するリスクは可能な限りは下げたが、起動できなかったら、そのまま死んでしまう可能性がある。

 どうするか考えていると。

 

シズ「………スライムさん、ロイミュード君。」

リムル「シズさん!」

ゴルド「目が覚めたんだな。」

 

 シズさんが目を覚ました事に、リムルは安堵の表情を浮かべる。

 シズさんは、微笑を浮かべる。

 

シズ「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ。」

ゴルド「え?」

 

 聞いてたのか。

 俺たちが驚いている中、シズさんは、言葉を紡げる。

 

シズ「…………私が助かるその方法、お願いしていいかな………?」

ゴルド「良いのか?」

シズ「うん………。あなた達にお礼がしたいし、力になりたい。だから………お願い。」

 

 シズさんは、弱々しくも、どこか力強く言う。

 それを見たリムルは、俺の方を向いてくる。

 

ゴルド「分かった。作業を開始する。」

 

 俺は、すぐに作業を始める。

 シズさんの横に、ZZZのボディーを置く。

 シズさんの精神力の強さに祈るしかない。

 俺は、リムル、シズさんの2人に頷いて、シズさんの手をZZZに置く。

 

悪之知識『告。個体名シズエ・イザワの魂を、ZZZに移しますか?』

ゴルド『ああ。』

 

 悪之知識にそう言って、悪之知識が、シズさんの意識をZZZに移すサポートをする。

 すると、シズさんの手が力無く落ちて、ZZZが起き上がる。

 ZZZは、シズさんの体に手を触れると、情報がZZZに行き、姿がシズさんになる。

 

ゴルド『悪之知識さん、どうだ?』

悪之知識『告。コピーは、無事に成功しました。精神汚染は確認されません。』

ゴルド「そうか。」

 

 うまく行って良かった。

 リムルが、シズさんに尋ねる。

 

リムル「シズさん……………大丈夫なのか?」

シズ「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、ロイミュード君。」

ゴルド「いや、助かって良かった。」

 

 俺は、シズさんが助かって、ホッとする。

 助けられて良かった。

 そんな中、シズさんが言う。

 

シズ「何か………自分で自分の体を見るのは、複雑な気持ちになるね………。」

リムル「そうだな。………シズさん。良かったら、シズさんの体を、俺が食べても良いか?」

シズ「…………良いよ。」

 

 そう言って、シズさんは了承した。

 シズさんの残った肉体は、リムルが捕食者を使って取り込む。

 そして、リムルは、幼いシズさんの様な姿になった。

 すると、外から声が聞こえてくる。

 

リグルド「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」

カバル「ええ、リグルドさんもっすか。」

リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。」

シールド「リムル様、ゴルド様、失礼します。」

 

 そう言って、リグルドとシールドが入ってくる。

 どうやら、エレン達も居るみたいだな。

 すると、皆が驚く。

 それはまあ、当然の反応だな。

 すると、嵐牙が現れる。

 

嵐牙「我が主………!」

「「「え?」」」

リグルド「その姿は………!?」

「「「えぇぇぇぇ!?」」」

カバル「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」

ゴルド「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルだ。」

 

 俺は、そう言う。

 俺たちは、事情を話す事に。

 すると。

 

シズ「み、見ないでぇぇぇ!!」

リムル「うわっ!?」

 

 シズさんはそう叫んで、リムルに布団を投げつける。

 まあ、裸だったからな。

 間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。

 ちなみに、俺は視線を逸らしていた。

 流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。

 そんな中、ギドが口を開く。

 

ギド「本当に………リムルの旦那でやんすか?」

リグルド「間違いありません!」

嵐牙「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」

シールド「ええ。」

カバル「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………。」

ゴルド「本当だよ、リムル。」

リムル「ああ、ホレ。」

 

 リムルがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。

 すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。

 

カバル「ふへ〜………。」

ギド「見事なもんでやんすね………。」

 

 カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。

 

エレン「良かったよ〜!シズさんが助かって!」

シズ「うん。ロイミュード君のおかげで、助かったよ。」

 

 シズさんは、泣くエレンを宥めていた。

 やっぱり、この三人は、良い人達だと確信出来るな。

 その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。

 その翌日。

 

カバル「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ。」

ゴルド「国に帰るのか?」

カバル「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。悪い様には言わない。」

エレン「リムルさん達のことも、伝えておくね。」

ギド「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」

ゴルド「ああ、そうさせてもらうよ。」

シズ「皆、元気でね。」

エレン「シズさんも。」

カバル「ゴルドの旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます。」

ゴルド「気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」

 

 カバル達は、そう言って、立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。

 

カバル「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります。」

シズ「どうしたの?」

 

 すると、三人は頭を下げる。

 

「「「シズさん!ありがとうございました!」」」

シズ「三人とも………。」

カバル「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」

ギド「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」

 

 そして、エレンは、シズさんを抱きしめる。

 

エレン「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました。」

シズ「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ。」

 

 やっぱり、三人は良い人たちだ。

 この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。

 すると、リムルが声をかける。

 

リムル「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな。」

「「「ひどっ!」」」

 

 リムルがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。

 そうして、俺たちはカイジン達が作った試作品の防具を渡す。

 

カバル「おおっ!憧れのスケイルメイル!」

エレン「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」

ギド「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」

リムル「餞別だよ。ウチの職人の力作さ。」

ギド「職人?」

ゴルド「おーい。」

 

 俺が呼ぶと、カイジン達が出てくる。

 

カイジン「まっ、力作つっても、試作品だけどな。」

ガルム「着心地はどうだい?」

ドルド「細工は隆々ってね。」

ミルド「うん、うん。」

「「喋れよ!」」

 

 ミルドが喋らないのは、相変わらずみたいだな。

 気を取り直した俺は、彼らを紹介する事に。

 

ゴルド「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ。」

カバル「カイジン!?マジで!?」

エレン「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」

ギド「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」

カバル「ありがとうございます!これ、家宝にします!」

エレン「嬉しいです!」

ギド「夢の様でやんす!」

 

 そんな風に、三人は喜んでいた。

 やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだな。

 三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。

 その後、俺とリムルは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。

 だが、この時の俺は、知らなかった。

 俺とリムルを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。

 そして…………。

 干上がった荒野に、一体の豚頭族(オーク)が歩いていたが、限界が来たのか、倒れる。

 すると、そこに一体の鳥のよいなマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。

 その者が、豚頭族を見つめると。

 

???「お前に名前と食事をやろう。」

 

 その者がそう言う。

 豚頭族は、その者を見つめると、問う。

 

豚頭族「…………あなたは?」

ゲルミュッド「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい。」

 

 そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。

 それを見たゲルミュッドは。

 

ゲルミュッド「………このまま死ぬか?」

 

 そう問う。

 それに対する豚頭族の答えは。

 

豚頭族「………名前を………そして、食事を……。」

ゲルミュッド「お前の名は、ゲルド。」

ゲルド「ゲルド…………。」

ゲルミュッド「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ。」

 

 そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。

 これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。




今回はここまでです。
シズさんは、ZZZのボディーに魂が入る事で、助かりました。
その為、シズさんもロイミュードとなりました。
そして、次回、ドライブのあるキャラの登場だったり、大鬼族の襲来などが起こります。
そして、ゴルドの運命の人との邂逅も、近いです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
何とか、頑張っていきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。