独身魔王が婚活を仕掛けてきた!   作:はふへェ!

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ランキングぅ……乗りましたねぇ……!
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第12話 決闘説明

「………模擬テスト?」

 

長い沈黙の後、思わず言葉がこぼれたかのように問いかける魔王。

 

「そうよ!これはグレゴール王立魔法学院卒業試験と同じレベルの問題を集めたものなの。今回の決闘は、このテストの点数が高い方が勝ちよ!」

 

卒業試験レベルか……ええと、なになに……

 

第一問

『人類魔法史の父、アイボリー・ジェーンが提唱した体外放出式魔法発現理論(アウター・マギセオリー)は、現代の魔法学術では誤りのある理論とされている。しかし、現代でも《ファイアボール》など、多くの術式に体外放出式魔法発現理論(アウター・マギセオリー)が広く活用されている。その理由を具体的な活用法を絡め、500文字以内で説明せよ』

 

………うん、魔法を使えない俺には何も分からないが、果てしなく難しいということは分かる。

書かれている内容を読んでいるだけで頭が痛くなりそうだ。

 

「制限時間は1時間、魔法の使用はダメ、カンニングとか持ち込みとかももちろんダメよ!純粋な知識で解いて貰うわ!それから……」

「えっと……質問があるのだが……」

「もう、なによ」

 

おずおずと手を上げる魔王。

説明を遮られた姫様がムッとしながらも魔王に目を向ける。

 

「模擬テストと言えば……筆記の、テストの?」

「そうよ」

「実技じゃなく、紙とペンを使って問題を解く……」

「そうだって言ってるじゃない」

「いや、うん。そうだな……ちょっと待ってくれ……」

 

そう言いながら魔王は眉間を押さえる。

 

「なによ、文句でもあるの?」

「いや……決闘の内容はそっちが決める。それは前にも言った通りだし、そこに今更異議はない」

 

自身を納得させるようにそう呟く。

 

 

「だが……一体どうして修練場で模擬テストなんだ……???」

 

 

それはそう。

 

ここは騎士が普段訓練をする場所。決してテスト会場ではない。

それは先程の騎士団長が説明した通りだし、壁にかかった武器が如実にそう表している。

 

「そんなの、決まってるじゃない」

 

姫様は一体、何の意図があって……

 

 

「ここしか使えなかったからよ!!」

 

 

………うん?

 

 

「他の候補もあったんだけど、もう使われてたり邪魔が入ったりする可能性があって使えなかったのよね」

「なるほど……?」

「今日はどこも使えないから後日にしなくちゃダメだったの。でも私はどーーーしても今日やりたかったの!!」

「ええと、それはどうして……」

「だってあいつムカつくじゃない」

 

ああ、うん……キレてましたもんね……

 

「それで、何とかしようと思って『ここ貸して』って言ったら貸してもらえたの」

「貸しました!」

「それでここに居るんですね」

 

元気よく手を上げる騎士団長。

なんでここに居るのか疑問だったけど、元々ここを使う予定だったのか。

 

「今日は朝練だけの予定でしたが、お休みにするのもなんなので王都周辺の遠征任務にしました!」

「え」

 

俺たちが王城に着いたのは夕方くらいだ。

そこから姫様が決闘の内容を決めたりする時間を差し引けば……おそらく、深夜かそれに近い時間。

そうなると、騎士たちは数時間前に遠征任務が降って湧いたわけで……

 

いくら王侯貴族の無茶振りに振り回されるポジションだとしても、さすがに可哀想……いや、勇者だとよくある話だなコレ。うん、たまには良いんじゃないかな!

 

「期待……してたのに……」

 

膝から崩れ落ち、四つん這いになりながら生まれたての子鹿のように震えている魔王。

え、急にどうした。

 

「こんな場所だから、殴り合いかと期待したのに……!」

「確実に負ける勝負に挑むわけないじゃない」

「くっ……!」

 

うん、まあ……殴り合いになったらパーンッ!ってなって終わるよな。姫様の命が。

 

「他に言う事ないなら続けるわよ」

「ああ……」

 

意気消沈気味の魔王を放って、説明を再開した。

 

「今回、あくまでも公平にするために問題制作は他に頼んだわ」

「頼まれました!」

 

もう一度元気よく手を上げる騎士団長。

また貴女ですか……っていやいやいや。

 

「あの、騎士団長ってお勉強できましたっけ?」

「ふふん、ご心配には及びません!これでもグレゴール王国第一王女ですから!」

「えっ!?」

 

ドン!とドヤ顔で胸を叩く騎士団長に、素っ頓狂な声をあげながら目を大きく開く魔王。

……うん、まあ驚くよな。俺も初めて聞いた時驚いた。

 

 

グレゴール王国第一王女にして騎士団長、アイラ・フォン・グレイズロッド。

彼女が騎士団長に就任したのは、半分事故であると聞いている。

 

第一王女である彼女は花を愛でるより、劇を観るよりも剣を振る事を好んでいた。

ある日、彼女は父である国王に直談判した。「騎士になりたい」と。国王は何かの気の迷い、子供の突発的な発言と思っていた……しかし、それは違った。彼女は数年にわたり国王に言い続けたのだ。

これに困り果てた国王と貴族だ。口で言っても現場を見せても諦めない彼女をどう諦めさせたものかと頭を悩ませた。

そこで、貴族たちは一計を案じた。口がダメなら実力で……「騎士団と戦って勝てば考えよう」と条件をつけた。

一対一ならまだしも、一対多という圧倒的不利。現役の騎士が相手という事もあり、誰もが勝てるわけがないと思っていた。

 

しかし、予想は裏切られた。

彼女の剣は、人類の領域を逸脱していた。

力、速さ、技量……そのどれもが規格外、必殺を内包した一撃であった。

それは一瞬とはいえ「王女に対して攻撃しても良いのか?」と躊躇い、後手に回った騎士を圧倒するには容易く……

 

……こうして、騎士団の壊滅を以て彼女は騎士団長の肩書きを得た。

正真正銘の規格外、人類最強と名高い人物なのだ。

 

 

「に、人間の王族は戦闘は苦手と聞いてたんだが……」

「趣味が高じまして!」

「そっ、そうか……」

「ああ、そう言えば自己紹介がまだでしたね!グレゴール王国騎士団長及び第一王女のアイラ・フォン・グレイズロッドです!よろしくお願いします!」

「あ、ああ……よろしく……」

「そちらのお名前は?」

「ええと、その……ぷ、プロメア……」

「いいお名前ですね!」

「はは……」

 

魔王が押されてる!?……いや、思えば陰キャみたいな所あったし……もしかして、騎士団長みたいなタイプが苦手なのか……?

 

よく分からないが、とりあえずチラチラと見てくる魔王に親指を立てておくことにしよう。

 

「説明続けるわよ……えっと、聞いてる?」

 

 

 

あの後、何事もなく説明は終わり、いよいよ決闘の時が来ようとしていた。

まあ、説明と言っても『不正はするな』『公平な勝負』『ただの筆記試験』という事を長々と説明していただけだが。

 

「では、秒針が0になったら始めてください」

 

試験官役は騎士団長がやるらしい。

俺も手伝いを申し出たが、「景品は景品らしく座ってろ」と言われた。いや間違ってませんけど景品って……

 

チッチッ……と秒針の音が広い部屋に響く。

……自分の運命を他人に託すことがこんなにも胃に悪いとは……姫様、ああは言ってたけど大丈夫なのか……?なんだって───

 

「開始です!」

 

なんだって、相手は魔族の王なのだから。




コメディ作品だからもう二度と出ることはない死に設定くん……

体外放出式魔法発現理論(アウター・マギセオリー)
アイボリー・ジェーンが提唱した魔法理論の一つ。
これだけだと、ただ体内魔力を体外に放出するだけの術式。しかし、これを元にちょっと弄ると《ファイアボール》《ウィンドスラッシュ》などが使えるようになる。
誤りがある……というのは、「使えないことはないけど、上級魔法とかだと魔力消費量がバカにならないよね?」ということ。
噛み砕いて言うなら、「足し算だけで累乗の計算なんてやってられっか!!!」みたいな感じ。
しかし、単純な魔法なら使えないどころか便利すぎる理論。場慣れしていない魔法使いが実践でよく使う。

この理論をゲーム風に言うと『魔力消費量が増える代わりにリキャストが短くなるが、下級魔法にしか使えない』という魔法理論。


2023/4/1 一部表記の追加。

「会話」と「会話」の間は

  • 詰めて
  • 1行あけて
  • どっちでもいい早よ書け
  • 興味ないね……
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