死亡代行サービス   作:ダイヤモンドリリー

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6643字。

サブタイトル通り、素敵な仲間が増えますよ!


やったね仲間が増えるよ

2016年11月2日(4日目)

 

今日の仕事もささっと終わらせた。仕事中何ができて何ができないのかを実験する必要があるが、今はまだしなくていいだろう。仲間と情報が増えたらやることにした。

 

「よし、ひとまずは佐川のところに行こう」

 

今の時間は19時ちょい。多分もう佐川は部屋にいるだろう。

 

「あのーすみませーん。隣の部屋に住んでるものなんですがー」

 

「はーいなんでしょう?」

 

やっぱり記憶を無くしているようだな。なんか知ってる人に忘れられてるの悲しいな。あの時の佐川の気持ちもこんなのだったのかな。

 

「えっちょっと何を...お前片桐!」

 

よかったちゃんと記憶を取り戻せたみたいだ。

 

「本当に記憶消されてここに戻されたんだな...こうも実体験してしまうと信じざるを得ないな」

 

「信じてなかったのか?」

 

「いや信じてたよ。その上で憤ってるだけさ。あんのクソ女神俺らのこと騙しやがって...」

 

「あはは...一応聞いておきたいんだが、どの程度記憶を取り戻せたんだ?」

 

「えーっと...ほとんど全てだ。だけどまずお前のことを思い出して、そこから芋づる式に全ての記憶が引き摺り出されるような感じだな」

 

「なるほどなるほど...じゃあ俺が関わったことのある人しか記憶を取り戻せないってのは間違っていないようだな。じゃあ他のやつも記憶戻しに行ってくる」

 

俺は佐川の部屋を出て、一旦部屋に戻る。あの4人の部屋のメモを部屋に置いてきてしまったのだ。

 

「…あれ?さらっと流してたけど普通に解雇された人の記憶あるな。なんで覚えてられるんだろ...」

 

覚えていられることを前提として行動していたが、本来なら記憶が消えてないとおかしいのだ。

 

「んー、まぁ考えてもわからないよなぁ。いずれ考えればいっか。とりあえず今は記憶を戻すのが先だ」

 

メモを回収して部屋を出る。まずは原さんのところに行こう。4人の中であの人が一番話が通じそうだった。

 

「どこだーどこだー...部屋に表札出して欲しいな。地図だけだと分かりにくい」

 

一ヶ月で人が入れ替わるからいらないっていうことなのかな。結構細かいところでも設定破綻しないようにしてるのかなあのクソ女神。

 

「あっ、ここかな。すみませーん原さんいますかー」

 

「原さんならもう一個右よ」

 

「あっすみませんありがとうございます」

 

間違えちゃった。やっぱり表札欲しいな。

 

「すみませーん原さんいますかー」

 

「原なら私ですが何か用でしょうか?」

 

扉を叩いていると後ろから女の人の声がする。なんだ外にいたのか。

 

「いやーちょっとあなたに話が...ほれ!」

 

手首を掴む。

 

「ちよっと!何するんですか片桐さん!」

 

「ああ、あんまり声出さないで。ちゃんと記憶戻ったみたいだね」

 

「え...あれ確かになんであなたの名前を...っ!」

 

ちょっと思い出すまでにタイムラグがあったのは数分しか会ってないからかな。まぁ些細なことだけど。

 

「…ということはあなたが言ってた話は本当だったということですか?」

 

「そうだよ。自分で体験しちゃえば反論の余地ないでしょ?」

 

「…ですね。このまま一生ここで働かないといけないんでしょうか」

 

「死んでるのに一生ってのも変な話だけどね。でも大丈夫、それを回避するためにこうやって仲間を増やしてるのさ」

 

「回避ってどうするつもりですか?」

 

「具体的な方法はまだわかってないんだけどね...時間はまだあるからいずれ見つけるよ」

 

「そうですか...そういえば仲間と言ってましたね。私たちが必ず仲間になるとでも思ってました?」

 

「えっ」

 

拒否られる可能性は考えてなかった。これからどうしよう。

 

「ふふっ、大丈夫ですよ。ちゃんと仲間になります。あんなの知ってしまったからには協力せざるを得ません。一緒に頑張りましょう」

 

「あっ、ああよかった。仲間になってくれないかと思ってびっくりしたよ」

 

「考えが甘そうでしたからね。それに私たちがあの女神と繋がってたらどうするつもりだったんですか。仲間は選んだ方がいいですよ」

 

…確かにその可能性も考えてなかったな。これからはもう少し考えたほうがいいかな。

 

「忠告ありがとう原さん。これから気をつけるよ」

 

「礼なんていいですよ。今の抵抗戦線...でしたっけ?その中での最高戦力は記憶を取り戻せるあなたです。あの女神にやられないように気をつけてくださいね」

 

「ありがとう。じゃあ他の3人のところに行ってくるよ」

 

俺はその場を離れようとする。

 

「それなら私もついていきますよ。私がいた方が話もこじれなさそうですし、後でまた佐川さんの部屋で作戦会議もしたいですし」

 

「じゃあ一緒に行くか。次は立花さんのところに行こう。ここから近いしね」

 

原さんがパーティーに加わった!

 

俺は原さんと一緒に移動し始める。

 

「そういえばみんなってお互いのこと知ってるの?」

 

「いえ、共通の知り合いが佐川さんというだけで他の3人はあの時初めて会いましたね」

 

「へー佐川のやつ結構交友関係広いな」

 

「まぁ私は生前からの付き合いでしたからね」

 

「え、ちょっと待って何その情報。気になるんだけど」

 

「作戦会議の時に話します。ほら着きましたよ。多分立花さんの部屋はここですよ」

 

すっごい発言が飛んできた気がするが、原さんも話すつもりらしいしひとまずは立花さんの方に集中しよう。

 

「すみませーん!立花さんいますー?」

 

「片桐さんいつもそんなふうにやってるんですか?」

 

無視して扉を叩き続ける。

 

「はいはいはいはい!そんなドンドンすんな聞こえてんだよ!」

 

ヤンチャしてる感じの青年が中から出てくる。

 

「あれあなたそんな感じだったっけ...?」

 

「すみません立花さんで合ってます?」

 

「そうだけどなんか用?」

 

ちょっと声に怒気が入ってる。ちょっと叩きすぎたか。

 

「合ってたか。じゃあちょっと失礼して...よっと」

 

「うわ何しやがるテメェ!」

 

「いってぇ!」

 

勢いよく殴り飛ばされた。ひでぇ。

 

「ちょっと大丈夫ですか⁉︎」

 

「あっ、うん大丈夫。ああ言ったけどそこまで痛くない」

 

「あっ!お前あん時の!片桐とか言ったやつ!」

 

「殴る前に思い出してくれないもんかねぇ!」

 

全くひどいもんだ。初っ端殴りかかるだなんて...いや、今まで反抗されなかったのが幸運だったのか。

 

「ちょっと待て、てことはお前の言ってたことって!」

 

「そうだよ。それを証明しに来たんだ」

 

「それならそうと言ってくれりゃいいのに」

 

「触れないとダメなんだ。しょうがない。もし次があったら両手押さえてやる」

 

「そん時は多分キックすると思う」

 

「ってか雰囲気違いすぎない?最初人違いかと思った」

 

前にあった時はもう少し性格が丸かった気がする。

 

「ああ...何度も死んでちょっとな。軽く病み気味に...」

 

「あっ...そりゃ仕方ないな」

 

イキってたとしてもそんな経験したら丸くもなる。

 

「とりあえずついてきてくれる?他の2人も記憶を戻したら佐川の部屋で作戦会議する」

 

「りょ」

 

…ちょっと余裕出てきたのかな。それともまた何度も死ぬことになると知って壊れちゃった?

 

「今度は野田さんのところに行こうか」

 

「私今から佐川さんのところに行ってくるね。突然押しかけて部屋占領するのもアレだし先に承諾とって待ってる」

 

「ありがとね原さん」

 

原さんがパーティーを抜けた。代わりに立花がパーティーに加わった!

 

俺と立花の2人は野田の部屋へと向かう。

 

「立花はいつから佐川と知り合いなんだ?」

 

移動しながら問いかける。

 

「仕事先が同じ異世界でな。バケモンに一緒に食い殺されてから知り合いになった」

 

「すごい馴れ初めだな...それにしても異世界ねぇ、どんな感じなの?俺地球自分たちの地球担当だから異世界の話気になる」

 

「死ななければ面白いっすよ。魔法とか使えて楽しいし」

 

「魔法とか羨ましい」

 

「羨ましいと言われても...正直魔物に食われたり踏み潰されたり吹き飛ばされてバラバラになるのがほとんどですよ。それに医学が進んでないから回復魔法しかないし病気とかなると苦しんで死ぬ」

 

「うわ想像しただけで鳥肌が...地球でよかった」

 

そんな話をしていると、野田さんの部屋の前につく。

 

「すみませーん野田さんいますー?」

 

「いつもそんなふうにドア叩いてるのか?」

 

「だって扉薄いしこうしたら大体反応してくれるから...」

 

「...?」

 

扉がほんの少し開く。ほんとにほんの少しの隙間からこちらを見てくる。

 

「な...なん...です...か...?」

 

「野田さんですよね?」

 

「そ...そうです...けど」

 

なんかすごい怯えてらっしゃる。この人も性格変わってるクチかな。いや、あまり立ち振る舞いは変わってないし元々人見知りだったのかな。あの時はあんまり喋ってなかったから性格まではわからなかったな。

 

「いや、あなたが落とし物をしたのを見てしまいまして...ちょっと届けに来たんですよー」

 

さらっと嘘ついたけど、今のままじゃ触れることが出来ないから誘き出すためだ。

 

「えっあっありがと...ございます」

 

「はいこれ」

 

ポッケに手を突っ込んでから手を握り込み、物を取り出したように装う。野田さんが手を出してきたので、物を渡すフリをして手に触れる。

 

「あっあれ...片桐さん...ですよ...ね?」

 

「よしよし、思い出してくれたね」

 

よかったよかった。

 

「落としたものって...」

 

「あっごめんそれ嘘。記憶戻すには触れる必要があってね。ガード固かったから自分から手を出させてもらった。ごめんね」

 

「あっいえ...別に謝らなくても!...いいです」

 

「片桐お前あんなスラスラと嘘ついててちょっと怖くなったわ」

 

いきなり殴るようなやつには言われたくねぇ。

 

「状況は大体...わかりました。あの話は本当だったってこと...ですよね。協力...そう協力させてください!」

 

「うおっ、ちょっとびっくりした。ありがとね野田さん。じゃあ一緒に来てもらえる?あと有田さんのところ行ったら佐川のところで作戦会議みたいなのするから」

 

「わ...わかりました...!」

 

野田さんがパーティーに加わった!

 

最後の有田さんのところに3人で向かい始める。

 

「野田さんはいつ佐川と知り合ったの?みんなに聞いてるんだけど」

 

一応質問してみる。なんか興味深い話が聞けるかもしれない。

 

「わ...私は...ここに来てから...知り合いました。初めて来た時に、オロオロしてたところを助けてくれたんです」

 

「そうだったのか」

 

いろんな人に聞けば聞くほど佐川の知らない一面が見えて来る。とまぁそんなことはどうでもいい。有田さんの部屋に着いたようだ。

 

「あのーすみませーん。有田さんいますー?って痛い⁉︎」

 

「何あんたたち。邪魔だから帰ってくんね」

 

突然扉を開けるモンだから頭に思い切りぶつけてしまった。あと少しは心配してほしい。こっちは性格変わってないらしい。ちょっと怖い。

 

「あっ、あの!ちょっと話があるの!」

 

痛みに軽く悶絶していると野田さんが代わりに答えてくれた。

 

「は?何タメ口きいてるわけちびっこ」

 

「ち...ちび⁉︎」

 

「おいおいそんな言い方ねぇだろ?」

 

俺はそう言いながら自然な感じで肩に触れる。

 

「何勝手に触れてやがる片桐ィ!」

 

「怖いって!思い出したでしょその手止めて!」

 

振りかぶって今にも振られそうな拳が止まる。こ、怖え。

 

「あーちょっと外で待ってろ」

 

そう言って有田さんは部屋の中に戻る。

 

「あんのクソ女神ィ!!騙しやがってえええぇぇぇ!!!」

 

「ヒッ!」

 

中からものすごい声がする。元々扉が薄いとはいえここまで貫通するとは。ほら野田さん怯えすぎてるよ振動がこっちまで響いてくるよ。

 

「の、野田さん落ち着いて。大丈夫だから」

 

「アワワワワワワワ」

 

し、振動が腹に...響きまくって気分が...

 

「すまん待たした」

 

有田さんが部屋から出てくる。

 

「お前の言ってたことを信じる。あのクソ女神をぶっ飛ばすにうちは何をすればいい」

 

「とりあえず着いてきてくれ。佐川のところで作戦会議をするから」

 

「わかった」

 

有田さんがパーティーに加わった!

 

「よし、佐川のところに行くか」

 

佐川の部屋まで移動を始める。

 

「有田さんはどこで佐川と知り合ったんだ?一応みんなに聞いてるんだけど」

 

「一回佐川のやつを殺したことがある」

 

「へ?」

 

「アワワワワワワ」

 

ちょっと待ってどういうこと殺したって何⁉︎また野田さんが怯えてる!

 

「殺したつってもあれだぞ、仕事としてだぞ」

 

「こ、殺し屋⁉︎」

 

「違う違う、同じ異世界勤務なんだ。そこで佐川が乗り移ってる人を殺す必要があってな。仕事だとしても人殺しさせたあのクソ女神許せん!」

 

「怒りが再燃した...」

 

よくよく考えてみると人を殺したその日に死ぬ人だっているわな。そんな人に乗り移ったら代わりにやらないといけないのか...よかったそんな人に乗り移ることにならなくて。

 

「よーし着いた。入るぞー」

 

佐川の部屋に着いたのでさっさと中に入る。

 

「お、ちゃんとみんな来たか。原さんから話は聞いてるよ。作戦会議を始めようか」

 

部屋には佐川、原さんと、芦川さんに青山。あと名前は知らないあのイギリス人がいた。これで今記憶を取り戻している人は全員だ。部屋ギッチギチなんだけど広い場所でやりたいな。

 

「よーし部屋狭いけど仕方ない!作戦会議始めんぞ!」

 

総勢9人の会議が始まる。

 

「作戦会議とは言ったけどまず聞きたい。佐川と原さんの話聞きたい!」

 

「その前に知らない3人のこと教えて!あの外人さんは誰!」

 

「あー説明してなかったか。俺のここでの知り合いだ。記憶も取り戻してる。多分佐川が連れてきてくれたんだろ」

 

「よろしくねー」

 

3人が挨拶を済ませる。

 

「そんなことよりも2人の関係詳しく!」

 

「なに、ただの友人よ。まぁ親友に近い感じではあるけれど」

 

「幼馴染だしね」

 

まじすか。

 

「彼が死んだのが2014年10月5日。そして私が死んだのは11月4日。ちょうど30日後ね」

 

「そういえばみんなっていつ死んだの?」

 

こういう情報も何かの役に立つかもしれない。

 

「俺は2015年2月3日だったかな」

 

「わ...私は...2014年の...1月8日です」

 

「お、奇遇だなちびっこ。同じだわ」

 

立花、野田さん、有田さんの順に答える。

 

「あっ、あの!ちびっこって呼ぶのやめてくれませんか!私これでも25ですからね!」

 

「えっ」(有田)

 

「えっ」(俺)

 

「えっ」(佐川)

 

「なんでみんなびっくりしてるんですか!」

 

まさか同い年だとは...中学生か高校生くらいだと思ってたわ。てか佐川も知らなかったんかい。

 

「結構死んだ時期ここ1、2年くらいに集中してるな。芦川さんたちはどう?」

 

「えーっと...ごめんなさいね。2010年なんだけど何日までかは忘れちゃった」

 

「俺も忘れちゃった。確か2013年の5月くらいだったと思う」

 

「私は1987年でーす。日付は忘れまーした」

 

芦川さん、青山、イギリス人の順に話す。日付覚えてない人多いな。

 

「ふむふむ...あれ?ちょっと待ってね」

 

各々の死んだ日をメモに取っていると、少し気になったことがあったのでスマホを取り出し確かめることにした。

 

「えっとカレンダーカレンダーっと。えーっと佐川がこの日で野田さんたちがこの日、立花がこの日だから...やっぱりそうか!」

 

「えっと、何がわかったんだ片桐」

 

「えっとだな。解雇の日が同じ5人はだな、30日周期で死んでる。佐川を基準にして言うと、原さんはさっき言った通り30日後に死んでる。立花は120日後、野田さん有田さんは270日前に死んでる」

 

「それは...どういう意味だ?」

 

「死んだ日と仕事の日程は関係がある。そしてそれによって、あの女神の言っていた抽選で選ばれたってのが嘘という今までの説がさらに信憑性が増す」

 

「つまり...特に進展してなくね?」

 

「まぁそういうなよ佐川。もう一つ分かったことがある。と言っても謎が一つできたってことなんだが、どうもみんな死んだ日と仕事開始の日が9日ほどずれてるんだよね。30日の周期を当てはめてずらしていくと9日分ずれてるんだ。でもこれが何を意味してるのかがわからない」

 

「…よくわからないな」

 

「みんなはこれ何かわかる?...って時間か」

 

俺と芦川さんとイギリス人以外のみんなの姿が突然消えた。いつのまにか24時をすぎてしまったのだろう。彼らの仕事の日だ。

 

「しょうがない...今日のところは解散にしときましょうか」

 

その日の会議はお開きとなり、俺は部屋に戻って今日わかった情報をメモにまとめたのち、仕事の資料を読むことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎は深まるばかりだった。

 

このやり方であってるのかすらわからないが、続けるしかない。




新キャラの性格とか考えるの面倒になってきた...日付とかも計算しないといけないし大変だ。
名前ミスってたらごめんね。
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