ありふれぬ欲望の魔王はやはり世界最強   作:エルドラス

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前書きのネタが、なーーーーい‼︎


第五十一話 ティオ・クラルス

ルクスリアを解除戻しながらのグリードの問い掛けに、黒竜は言葉に詰まる。しかし、グリードが続けて「誤魔化しは無駄だぞ」と言ったところで、直ぐに諦めがついた様に溜息を吐いた。どうやら自分が竜人族である事は知られたくない様だったが、グリードには通用しないと察したのだろう。

 

 

『……如何にも。妾は誇り高き竜人族の一人じゃ。色々事情があってのぅ』

 

突如発せられた声と知らされた事実に、周囲は驚愕に包まれる。そんな中で、一早く正気に戻ったユエが動く。

 

「……何故、こんな所に?」

 

ユエにとっても、竜人族は伝説の生き物だ。自分と同じ絶滅した筈の種族の生き残りとなれば、興味を惹かれるのだろう。瞳に好奇の光が宿っている。

 

『妾は、操られておったのじゃ。お主等を襲ったのも本意ではない。仮初の主、あの男にそこの青年と仲間達を見つけて殺せと命じられたのじゃ』

 

黒竜の視線がウィルに向けられる。ウィルは、一瞬ビクッと体を震わせるが気丈に黒竜を睨み返した。グリードの戦いを見て、何か吹っ切れたのかもしれない。

 

「順を追って話してもらおうか」

 

英字は変身を解除し、黒竜に回復魔法を施しながら話を促す。

 

『うむ、妾は……』

 

黒竜の話を要約するとこうだ。

 

この黒竜は、ある目的のために竜人族の隠れ里を飛び出して来たらしい。その目的とは、異世界からの来訪者について調べるというものだ。詳細は省かれたが、竜人族の中には魔力感知に優れた者がおり、数ヶ月前に大魔力の放出と何かがこの世界にやって来たことを感知したらしい。

 

竜人族は表舞台には関わらないという種族の掟があるらしいのだが、流石に、この未知の来訪者の件を何も知らないまま放置するのは、自分達にとっても不味いのではないかと、議論の末、遂に調査の決定がなされたそうだ。

 

目の前の黒竜は、その調査の目的で集落から出てきたらしい。本来なら、山脈を越えた後は人型で市井に紛れ込み、竜人族であることを秘匿して情報収集に励むつもりだったのだが、その前に一度しっかり休息をと思い、この一つ目の山脈と二つ目の山脈の中間辺りで休んでいたらしい。当然、周囲には魔物もいるので竜人族の代名詞たる固有魔法〝竜化〟により黒竜状態になって。

 

と、睡眠状態に入った黒竜の前に一人の黒いローブを頭からすっぽりと被った男が現れた。その男は、眠る黒竜に洗脳や暗示などの闇系魔法を多用して徐々にその思考と精神を蝕んでいった。

 

当然、そんな事をされれば起きて反撃するのが普通だ。だが、ここで竜人族の悪癖が出る。そう、例の諺の元にもなったように、竜化して睡眠状態に入った竜人族は、まず起きないのだ。それこそ尻を蹴り飛ばされでもしない限り。それでも、竜人族は精神力においても強靭なタフネスを誇るので、そう簡単に操られたりはしない。

 

では、なぜ、ああも完璧に操られたのか。それは……

 

『恐ろしい男じゃった、闇系統の魔法に関しては天才と言っていいレベルじゃろうな。そんな男に丸一日かけて間断なく魔法を行使されたのじゃ。いくら妾と言えど、流石に耐えられんかった……』

 

一生の不覚! と言った感じで悲痛そうな声を上げる黒竜。しかし英字は冷めた目でツッコミを入れる。

 

「それはつまり、調査に来ておいて丸一日、魔法が掛けられているのにも気づかない位爆睡していたという事か?」

 

全員の目が、何となく馬鹿を見る目になる。黒竜は視線を明後日の方向に向け、何事も無かった様に話を続けた。

 

因みに一応、言い訳はあるらしい。海を越えて飛んできた黒竜は割と消耗していたのだが、任務の事もあり短時間での回復を図る為に普段より深い眠りに入っていたのだ。尤も、どちらにしろ失態である事に変わりはないので口にしないが。

 

そして、何故丸一日かけたと知っているのかという事については、洗脳が完了した後も意識自体はあるし記憶も残っていたところ、本人が「丸一日もかかるなんて……」と愚痴を零していたのを聞いていたからだ。

 

 

その後ローブの男に従い、二つ目の山脈以降で魔物の洗脳を手伝わされていたのだという。

 

そしてある日、一つ目の山脈に移動させていたブルタールの群れが山に調査依頼で訪れていたウィル達と遭遇し、目撃者は消せという命令を受けていた為これを追いかけた。うち一匹がローブの男に報告に向かい、万一自分が魔物を洗脳して数を集めていると知られるのは不味いと万全を期して黒竜を差し向けたらしい。

 

そうしてウィルを見つけたと思ったら、思わぬ存在──英字にフルボッコにされており、そのまま英字の能力によって支配を解かれたらしい。

 

 

「……ふざけるな」

 

事情説明を終えた黒竜に、そんな激情を必死に押し殺した様な震える声が発せられた。その場の全員がその人物に目を向ける。拳を握り締め、怒りを宿した瞳で黒竜を睨んでいるのはウィルだった。

 

「……操られていたから…ゲイルさんを、ナバルさんを、レントさんを、ワスリーさんをクルトさんをっ! 殺したのは仕方ないとでも言うつもりかっ!」

 

どうやら状況的に余裕が出来たせいか、冒険者達を殺された事への怒りが湧き上がったらしい。激昂して黒竜へ怒声を上げる。

 

『……』

 

対する黒竜は、反論の一切をしなかった。ただ、静かな瞳でウィルの言葉の全てを受け止める様真っ直ぐ見つめている。その態度がまた気に食わない様で、

 

「大体、今の話だって、本当かどうかなんてわからないだろう! 大方、死にたくなくて適当にでっち上げたに決まってる!」

『……今話したのは真実じゃ。竜人族の誇りにかけて嘘偽りではない』

 

なお、言い募ろうとするウィル。それに口を挟んだのはユエだ。

 

「……きっと、嘘じゃない」

「っ、一体何の根拠があってそんな事を……」

 

 食ってかかるウィルを一瞥すると、ユエは黒竜を見つめながらぽつぽつと語る。

 

「……竜人族は高潔で清廉。私は皆よりずっと昔を生きた。竜人族の伝説も、より身近なもの。彼女は〝己の誇りにかけて〟と言った。なら、きっと嘘じゃない。それに……嘘つきの目がどういうものか私はよく知っている」

 

ユエは、ほんの少し黒竜から目を逸らして遠くを見る目をした。きっと、三百年前の出来事を思い出しているのだろう。孤高の王女として祭り上げられた彼女の周りは、結果の出た今から思えば、嘘が溢れていたのだろう。最も身近な者達ですら彼女の言う"嘘つき"だったのだから。その事実から目を逸らし続けた結果が"裏切り"だった。それ故に、"人生の勉強"というには些か痛すぎる経験を経た今では、彼女の目は"嘘つき"に敏感だ。初対面で英字に身を預けられたのも、それしか方法がないというのも確かにあったが、英字自身が一切の誤魔化しをしなかったというのが、今にして思えば大きな理由だったのだろう。

 

『ふむ、この時代にも竜人族の在り方を知る者が未だいたとは……いや、昔と言ったかの?』

 

竜人族という存在の在り方を未だ語り継ぐ者でもいるのかと、若干嬉しそうな声音の黒竜。

 

「……ん。私は、吸血鬼族の生き残り。三百年前は、よく王族のあり方の見本に竜人族の話を聞かされた」

 

ユエにとって竜人族とは、正しく見本の様な存在だったのだろう。話す言葉の端々に敬意が含まれている。

 

『なんと! 吸血鬼族の……しかも三百年とは……成程、外界の情報から死んだものと思っておったが、主がかつての吸血姫か。確か名は……』

 

どうやら黒竜はユエと同等以上に生きているらしい。しかも、口振りからして世界情勢にも全く疎いという訳では無い様だ。今回の様に、時々正体を隠して世情の調査をしているのかもしれない。その長きを生きる黒竜をして吸血姫の生存は驚いた様だ。愛子や優花達は言わずもがな、驚愕の目でユエを見ている。

 

「ユエ……それが私の名前。大切な人に貰った大切な名前。そう呼んで欲しい」

 

ユエはそう言った。薄らと頬を染めながら両手で何かを抱きしめる仕草をしながら。

 

ユエの周囲に、何となく幸せオーラがほわほわと漂っている気がする。皆突然の惚気に当てられて、女性陣は何か物凄く甘いものを食べた様な表情をし、男子達は頬を染め得も言われぬ魅力を放つユエに見蕩れている。ウィルも、何やら気勢を削がれてしまった様だ。

 

だが、それでも親切にしてくれた先輩冒険者達の無念を思い言葉を零してしまう。

 

「……それでも、殺した事に変わりないじゃないですか……どうしようもなかったって分かってはいますけど……それでもっ! ゲイルさんは、この仕事が終わったらプロポーズするんだって……彼等の無念はどうすれば……」

 

頭では黒竜の言葉が嘘でないと分かっている。しかし、だからと言って責めずにはいられない。心が納得しない。

 

英字は内心、「見事なフラグだな」と変に感心しながら、ふとここに来るまでに拾ったロケットペンダントを思い出す。

 

「ウィル、これはゲイルという奴の持ち物ではないか?」

 

そう言って、取り出したロケットペンダントをウィルに放り投げた。ウィルはそれを受け取ると、マジマジと見つめ嬉しそうに相好を崩す。

 

「これ、僕のロケットじゃないですか! 失くしたと思ってたのに、拾ってくれてたんですね。ありがとうございます!」

「お前の?」

「はい、ママの写真が入っているので間違いありません!」

「…マ、ママ?」

 

予想が見事に外れた挙句、斜め上を行く答えが返ってきて思わず頬が引き攣る英字。

 

写真の女性は二十代前半と言ったところなので、疑問に思いその旨を聞くと、「折角のママの写真なのですから若い頃の一番写りのいいものがいいじゃないですか」と、まるで自然の摂理を説くが如く素で答えられた。

 

その場の全員が「あぁ、マザコンか」と物凄く微妙な表情をした。女性陣はドン引きしていたが……

 

 

因みに、ゲイルとやらの相手は"男"らしい。そして、ゲイルのフルネームはゲイル・ホモルカというそうだ。名は体を表すとはよく言ったものである。

 

 

母親の写真を取り戻したせいか、随分と落ち着いた様子のウィル。何が功を奏すのか本当に分からない。

 

尤も、落ち着いたとは言っても恨み辛みが消えたわけではない。ウィルは今度は冷静に、黒竜を殺すべきだと主張した。また洗脳されたら脅威だというのが理由だが、建前なのは見え透いている。主な理由は復讐だろう。

 

そんな中、黒竜が懺悔する様に声音に罪悪感を含ませながら己の言葉を紡ぐ。

 

『操られていたとはいえ、妾が罪なき人々の尊き命を摘み取ってしまったのは事実。償えというなら、大人しく裁きを受けよう。だが、それには今暫く猶予をくれまいか。せめて、あの危険な男を止めるまで。あの男は、魔物の大群を作ろうとしておる。竜人族は大陸の運命に干渉せぬと掟を立てたが、今回は妾の責任もある。放置は出来んのじゃ……勝手は重々承知しておる。じゃが、どうか妾に悲劇を止める機会を与えてはくれんか?』

 

黒竜の言葉を聞き、英字以外の全員が魔物の大群という言葉に驚愕を露わにする。自然と全員の視線が英字に集まる。このメンバーの中では、自然とリーダーとして見られている様だ。実際ここまで事を運んだのは英字なので、決断を委ねるのは自然な流れと言えるだろう。

 

その英字の答えは……

 

「何を言っているんだ? お前は既に私の部下だ。殺す気などない」

 

そう言って指を鳴らした。

 

途端、黒竜はその体を黒色の魔力で繭の様に包まれ、完全に体を覆うとその大きさをスルスルと小さくしていく。そして丁度人が一人入る位の大きさになると、一気に魔力が霧散した。

 

黒い魔力が晴れたその場には……両足を揃えて崩れ落ち、片手で体を支えながら、驚愕に顔を染める黒髪金眼の美女がいた。腰まである長く艶やかなストレートの黒髪が薄らと紅く染まった頬に張り付いていて、なんとも艶めかしい。ハァハァと荒い息を吐きながら恍惚の表情を浮かべている点も、実に扇情的だ。

 

見た目は二十代前半くらい、身長は百七十センチ近くあるだろう。見事なプロポーションを誇っており、息をする度に乱れて肩口まで垂れ下がった衣服から覗く二つの双丘が激しく自己主張し、今にも零れ落ちそうになっている。シアがメロンなら、黒竜はスイカであろう。

 

「なんてこった……こいつは凶悪だ」

「これが、これがふぁんたずぃ~かっ」

「くそっ、起きろよ! 起きてくれよ俺のスマホっ!」

 

黒竜の正体がやたらと艶かしい美女だった事に、特に淳史達男子勢が盛大に反応している。思春期真っ只中の淳史達三人は、若干前屈みになりつつ阿呆な事を口走っている。このまま行けば四つん這い状態になるかもしれない。優花達の淳史等を見る目は、既にゴキブリを見る目と大差が無い。

 

「まさか……魔力は確かに残り少なかったが、強制的に解かれるとはのぅ……」

「この程度なら造作もない」

「……面倒をかけた、本当に申し訳ない。妾の名はティオ・クラルス。最後の竜人族クラルス族の一人じゃ」

 

ティオ・クラルスと名乗った黒竜は、次いで、黒ローブの男が、魔物を洗脳して大群を作り出し町を襲う気であると語った。その数は、既に三千から四千に届く程の数だという。何でも、二つ目の山脈の向こう側から、魔物の群れの主にのみ洗脳を施すことで、効率よく群れを配下に置いているのだとか。

 

魔物を操ると言えば、抑々英字達がこの世界に呼ばれる建前となった魔人族の新たな力が思い浮かぶ。それは愛子達も一緒だったのか、黒ローブの男の正体は魔人族なのではと推測した様だ。

 

しかしその推測は、ティオによってあっさり否定される。何でも黒ローブの男は、黒髪黒目の人間族で、まだ少年くらいの年齢だったというのだ。それに、黒竜たるティオを配下にして浮かれていたのか、仕切りに「これで自分は勇者より上だ」等と口にし、随分と勇者に対して妬みがある様だったという。

 

黒髪黒目の人間族の少年で、闇系統魔法に天賦の才がある者。

 

ここまでヒントが出れば、流石に脳裏にとある人物が浮かび上がる。愛子達は一様に「そんな、まさか……」と呟きながら困惑と疑惑が混ざった複雑な表情をした。限りなく黒に近いが、信じたくないと言ったところだろう。

 

そこで英字が突如、遠くを見る目をして「これは……」などと呟きを漏らした。聞けば、ティオの話を聞いてから、タカカンドロイドを飛ばし、魔物の群れや黒ローブの男を探していたらしい。

 

そして、遂にタカカンドロイドがとある場所に集合する魔物の大群を発見したのだが……その数は、

 

「これは三、四千というレベルではないな、桁が一つ追加されるレベルだ」

 

英字の報告に全員が目を見開く。しかも、どうやら既に進軍を開始している様だ。方角は間違い無くウルの町がある方向。このまま行けば半日もしない内に山を下り、一日あれば町に到達するだろう。

 

「は、早く町に知らせないと! 避難させて、王都から救援を呼んで……それから、それから……」

 

事態の深刻さに、愛子が混乱しながらも必死にすべき事を言葉に出して整理しようとする。

 

いくら何でも数万の魔物の群れが相手では、チートスペックとは言えトラウマ抱えた優花達と戦闘経験が殆ど無い愛子、駆け出し冒険者のウィルに、魔力が枯渇したティオでは相手どころか障害物にもならない。なので愛子の言う通り、一刻も早く町に危急を知らせて、王都から救援が来るまで逃げ延びるのが最善だ。

 

と、皆が動揺している中、ふとウィルが呟く様に尋ねた。

 

「あの、英字殿なら何とか出来るのでは……」

 

その言葉で、全員が一斉に英字の方を見る。その瞳は、もしかしたらという期待の色に染まっていた。英字は、それらの視線を気にしていないのか、考える様な声音で返答する。

 

「まぁ、可能ではあるが、私の仕事は、あくまでウィルをフューレンまで連れて行く事だ。保護対象を連れて戦争なんてする馬鹿がいるか」

 

英字の何とも言えない態度に反感を覚えた様な表情をする淳史達やウィル。そんな中、思いつめた様な表情の愛子が英字に問い掛けた。

 

「七葉君、黒いローブの男というのは見つかりませんか?」

「さっきから群れを確認しているが、それらしき人影はないな」

 

愛子は英字の言葉に、また俯いてしまう。そしてポツリと、ここに残って黒いローブの男が現在の行方不明の清水幸利なのかどうかを確かめたいと言い出した。生徒思いの愛子の事だ。この様な事態を引き起こしたのが自分の生徒なら放って置く事など出来ないのだろう。

 

しかし、数万からなる魔物が群れている場所に愛子を置いていく事など出来る訳が無く、優香達生徒は必死に愛子を説得する。しかし、愛子は逡巡したままだ。その内、じゃあ英字が同行すれば、なんて意見も出始めた。

 

いい加減、この場に留まって戻る戻らないという話を聞かされるのも面倒になった英字は、愛子に『試すような』眼差しを向ける。

 

「残りたいなら勝手にしろ。先生に自衛の術があるとは思えないがな」

 

そう言って、ウィルを肩に抱えて下山し始めた。それに慌てて異議を唱えるウィルや愛子達。曰く、このまま大群を放置するのか、黒ローブの正体を確かめたい、英字なら大群も倒せるのではないか……

 

英字が、溜息を吐き愛子達を振り返った。

 

「さっきも言ったが、私の仕事はウィルの保護だ。保護対象を連れて大群と戦闘なんて出来るはずがない。それに、仮にこの場で大群と戦う、或いは黒ローブの正体を確かめるとして、では誰が町に報告する? 万一私達が全滅した場合、町は大群の不意打ちを食らう事になるんだぞ?」

 

理路整然と自分達の要求が、如何に無意味で無謀かを突きつけられて何も言えなくなる愛子達。

 

「まぁ、ご主じ……コホンッ、彼の言う通りじゃな。妾も魔力が枯渇している以上、何とかしたくても何も出来ん。先ずは町に危急を知らせるのが最優先じゃろ。妾も一日あれば、大分回復する筈じゃしの」

 

押し黙った一同へ、後押しする様にティオが言葉を投げかける。若干英字に対して変な呼び方をしそうになっていた気がするが……気のせいだろう。

 

愛子も、確かにそれが最善だと清水への心配は一時的に押さえ込んで、まずは町への知らせと、今傍にいる生徒達の安全の確保を優先する事にした。

 

ティオが魔力枯渇で動けないので、英字が抱き上げる。

 

実は、誰がティオを背負っていくかと言うことで淳史達が壮絶な火花を散らしたのだが、それは優花達によって却下され、ティオ本人の希望もあり英字が運ぶ事になった。

 

一行は、背後に大群という暗雲を背負い、急ぎウルの町に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃魔物の大群から少し離れたところでは、一人の『魔人族』がローブの男を監視していた。

 

「やっと戦力が集まったみてぇだなぁ。まぁあの程度の魔物で、奴が倒せるとは思えねえが。ま、失敗したら『お前ら』が片付けとけよ」

 

そう言う魔人族の後ろには、『仮面を被った者達』がいた。




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