文書は、相変わらずです。
優花side
「すごい」
優花達は、驚愕していた。
目の前には、自分たちでは叶わないほどの力を持った仮面の戦士が先程まで自分たちを殺そうとしていたのだ。
だが、その戦士はもう立ち上がらない。
「がっ、かはっ!」
先程のティオとの戦いで、目の前にいる仮面の戦士…リュウガは、瀕死の状態になっていた。もう長くはないだろう。
「まっ、まさ、か、あんな、切り、札を、もっ、持ち合わ、せて、いるとは、な」
「お主の負けじゃ、その様子ではもう長くはないじゃろう。ご主人様をどこに連れて行ったのか、吐いてもらうぞ」
「そ、そうです!七葉君を何処に連れて行ったんですか!」
声を上げたのは、愛子だ。今英字は、別の空間に閉じ込められている状態。自分の生徒が閉じ込められているなど先生である愛子が放っておけるはずがない。
そんな二人にリュウガは、途絶え途絶えに喋り出す。
「しっ、心配、しなく、ても、あの、男の、実力なら、直ぐに、あの、空間、から、出て来れる、だろう」
その発言を聞いて二人はホッとした。
その時……
「おーい!皆さーん!」
「シア、うるさい」
愛子達が声のしたほうへ向くと、そこには少しボロボロになってはいるが、間違いなくユエとシアだ。
それを見てリュウガは、驚いた。
「まっ、まさか、ソーサラー、と、あっ、アマゾンΣが、やられた、と言う、のか」
リュウガが驚くのも無理はない。
二人のことはあまり詳しくないが、気配で実力がかなりのものなのは分かっていたので、ユエやシアに負けるとは思わなかったのだ。
「二人とも無事だったか」
「はい、かなり強かったんですが……」
「?どうしたんじゃ」
「……最後に、光の粒みたいになって消えた」
「!」
ユエとシアの話では、ソーサラーとアマゾンΣは、ある程度のダメージを受けた後光の粒になって消えてしまったらしい。
「魔物でもないのに消えるとは……お主達は一体何者なのじゃ?」
この場にいる全員が、視線をリュウガに移し、何者なのかを聞き出そうとした。
「悪い、が、俺もよく、わから、ない」
リュウガ曰く、自分達は気づいた時には、マスターと言われる存在の側にいて、命令を遂行していたのだと言う。
「だが、悪くは、なかった。ティオ・クラルス、貴様、と、戦った、時間、は、有意義、だった、から、な」
そう言うリュウガの体は、徐々に光り輝いていた。
「どうや、ら、こ、こまで、らし、い、な」
そんな時、愛子が口を開いた。
「何故、貴方達はこのようなことを?」
それは、至極当然な疑問。何故このようなことをしたのか、すると、リュウガは、口を開く。
「何故、か、命、令、された、から、と、しか、言え、ないが、強いて、言うなら、戦って、見た、かった。俺を、倒、せる、ほどの、戦士と、ただ、それ、だ、け、だ……」
キラキラキラキラ
次の瞬間には、リュウガも、ソーサラーやアマゾンΣと同じように、光の粒になって消えてしまった。
???side
「ったくよぉ、簡単にやられやがって、やっぱりもうちっと強い奴を出すべきだったかなぁ。でもなぁ、この世界で強い奴の『???』はねぇし……まぁいっか。後のことはカトレアに任せて俺は少し待機してよーっと。あいつには、『あいつら二人』をつけてやったし、万が一にも失敗はないか」
愛子side
強敵を退いた。後は、別空間に閉じ込められた英字の帰りを待つだけだ。助けに行こうともしたのだが何処にいるかわからないため、大人しくここで待つことにしたのだ。
愛子は未だ下を向いている清水を見ていた。
「清水君……」
無理もない。魔人族に騙されて操られた結果、後少しで先生を手にかけるところだったのだから。
「やれやれ、ソーサラーから殺れって合図があったから来たのによぉ。全く、役立たずどもめ。マスターからの命令もまともに遂行できないのか?」
『⁉︎』
声が聞こえた次の瞬間、愛子達は恐怖した。そして、声がした方に向くとそこには……赤い服を着た男がいた。
「まぁ、おかげで俺が活躍できるからいいけどよ」
男はそう言うと、懐から何かを取り出すとそれは男の腰に巻き付く。
そして男は、手に持っていた蜘蛛が描かれている『ボトル』を、蜘蛛の形をしたアイテムに差し込み、それをベルトに装填した。
キルバスパイダー!
そして男は、ベルトのレバーのような部分を回転させる。
Are you Ready?
ベルトから音声が流れると男は、叫ぶ。
『変・身!』
スパイダー!スパイダー!キルバススパイダー!
次の瞬間男は、赤と黒を基調とした、蜘蛛のような鎧を纏っていた。
「俺の名は、“仮面ライダーキルバス”!テメェら全員、ここで殺す!」
男……キルバスはそう言うと、直ぐさま移動し、愛子を真っ先に殺そうとしてきた。
「でぇりゃぁぁぁ‼︎」
だが、それをユエ達が黙って見ているはずもなくシアはキルバスに向かってドリュッケンを思いっきり振り上げる。
「おいおい、なんだこれ、蚊でも止まったか?」
「!」
「ほーらよっと!」
「がはっ!」
しかし、キルバスはその攻撃を片手で止め、そのままドリュッケンを掴むと、ドリュッケンを掴んでいたシアごと地面に叩きつけた。
「シア!」
「よそ見すんな!」
「はっ、ぐっ!」
叩きつけられたシアにユエが視線を向けると、キルバスは、今度はユエに近づき、腹に膝蹴りを入れた。
「さぁて、このままトドメをさして「させぬ!」あ?」
キルバスはユエの心臓を貫こうとし構をとるが、そうはさせまいとティオが魔法を放つ。が、キルバスは、ユエを投げ捨てると、その魔法をなんと避けずに受け止めた。
「なに!」
「おいおい、この程度かよ。つまんねぇな!」
「なっ!がはっ!」
ティオの魔法をダメージを受けることなく受け切ったキルバスは、愚痴を溢すと、ティオの後ろに回り込み腰に向かって蹴りを入れ、その攻撃を受けたティオは、シアと同じく地面に叩きつけられてしまった。
「うそでしょ……」
そう言ったのは優花だ。
先程のティオとリュウガの戦闘を見ていた優花達は、今目の前で起こっていることが信じられずにいた。
英字の仲間であり、自分達よりもはるかに強いユエ達が今、たった一人の仮面ライダーにでも足も出ずにやられてしまっていたからである。
「あーあ、なんか冷めた」
キルバスはそう愚痴を溢しながらユエ達を腕から出した糸で拘束すると、愛子達の方へと歩いてくる。
「さぁて、とっとと仕事を済ませるとしますかねぇ」
キルバスは、そう言いながら段々とこちらに近づいてくる。優花達は、愛子と塞ぎ込んでいる清水を守る様に戦闘態勢に入る。
「はっ!やめとけやめとけ、お前らがときじゃ俺には勝て……ん、お前は」
キルバスはそこまで言うと、何故か急に言葉を止めるが、優花達……正確には清水を見て、再び言葉を発する。
「あぁ、思い出した。確かお前、清水とか言う奴だっけ」
急に名前を呼ばれて驚いている清水だが、キルバスは、そんなことは気にせずに続ける。
「いやぁ、マスターの命令でよぉ『お前も殺す』事になってんだわ」
『!』
その場にいる全員……いや、正確には清水以外の全員が驚愕した。
何故なら清水は、もう全てがどうでも良くなっていたのだ。操られて、町の人や愛子を殺しかけた。清水はもう既に、この先に待っているであろう未来に絶望したのだ。
「んじゃま、そう言うわけで、バイバーイ♪」
そんな清水の側に高速で移動したキルバスは、そのまま清水を手にかけようとする。
(あぁ、死ぬのか俺。まぁいいや、もうどうでも)
清水は、そう心の中で思いながら目を閉じた。
「だめぇ‼︎」
しかし、次の瞬間体に衝撃が走り倒れ込んだ。
何事かと目を開けるとそこに居たのは……自分を庇うように上に被さっている愛子の姿だった。
「なっ、なんで」
「うっ、し、清水君大丈夫ですか」
しかし愛子は、清水を庇った為、少し傷がついている。
そしてそれを見たキルバスは、愛子と清水以外の全員を糸で拘束してしまう。(騎士達は気絶してる)
「なっ!」
「話しなさいよ!」
「くうっ!」
「くっそ!」
「なんだよこれっ!」
「ほどけねぇ!」
優花達はなんとか糸の拘束から逃れようとするが、どうやってもほどけないでいた。
「さぁてと、じゃあこれから、『豊穣の女神と裏切り者の処刑』を始めようじゃねぇか!」
そう言うとキルバスは、愛子と清水の二人に近づく。
だが、愛子は傷を負っているにもかかわらず清水を庇うように前に出る。
「やらせません。絶対に」
「……ふっははははははははははははは‼︎」
愛子がそう言うとキルバスは、急に大笑いし始めた。次の瞬間キルバスは、愛子の首根っこを思いっきり掴む。
「ぐっ!」
「はははっ、お前、生粋の馬鹿だぜ。コイツはお前を殺そうとしたんだぞ、しかも町の連中も巻き込んでな。そんな奴を守るために命を捨てるとか…ほんっっっと馬鹿だな!」
そう言うとキルバスは愛子の首を掴んでいる腕の力を徐々に強めていく。どうやらこのまま愛子の首を折るつもりらしい。その後に気づいた優花達は声を荒げ必死に止めようとする。
が、キルバスはそれが鬱陶しくなったのかその口に糸を巻きつけ喋らなくした。
「黙って見てろ。お前らの恩師がこの俺に無様に殺される瞬間をな!」
そのままキルバスは、力をさらに込める。
清水side
(なんで、なんでこんな俺を助けたんだよ!先生!)
清水は、理解ができなかった。自分は先生を町の人達ごと殺そうとしたのにその先生は、その自分を庇って今殺されかけている。
あの時、英字が奈落に落ちた時と同じだ。自分は今恐怖で動けないでいる。
(あぁ、結局俺は何もできないのか。俺を助けようとした人すら助けられないのかよ)
清水は再び自分への無力感で押し潰れそうになった。
「……それ、でも」
「あ?」
「!」
そんな時、愛子は苦しそうにしながらも言葉を続ける。
「それでも、清水君は、私の生徒です!私は、教師になる時に決めたんです。生徒を導ける教師になると!だからこそ、生徒の皆さんは私が守ってみせます」
「!」
その時清水は思い出した。自分が憧れた英雄、勇者と呼ばれる人達が何故、危険を冒してまで人々を守るために戦っていたのかを!それは自分自身が願った事。守りたいと思ったからそこに理由などない事を。
次の瞬間清水は動いていた。
「うあぁぁぁぁ!」
「あ?」
「っ!清水、君」
清水は、キルバスの腕に掴み掛かると思いっきり引っ張り愛子の首から手を離そうとする。
「はっ!裏切り者が今更何カッコつけてやがる。お前如きににこの俺が倒せるとでも思っているのか?」
「……あぁそうさ。俺じゃあんたには勝てない」
「だったら「それでも!」あ?」
「それでも!こんな俺でも見捨てないで助けようとしてくれた、先生は、助けてみせる。『俺の命を賭けてでも!』」
その時、空から『何か』が落ちてきた。
その何かが落ちた衝撃でキルバスは、愛子を離してしまった。そして清水は、その落ちてきた何かを手に取る。
それは、不思議な形をしていたがその何かの一つは英字の持っていたグリードバイスタンプに似ていたが描かれているのは『蜘蛛』だった。
そして手にした瞬間清水の頭に、『映像』が流れ込んできた。
それは、この何かの使用方法と『英字の記憶』だった。
清水は、手に取ったそれを『デモンズドライバー』を腰に巻き付けると、一緒に付いていたバイスタンプ『スパイダーバイスタンプ』の天面にあるスイッチを押した。
スパイダー
そしてスパイダーバイスタンプをデモンズドライバーの天満にある『デモンズレッドパッド』に押し付ける。
Deal...
次の瞬間清水の隣には小さな蜘蛛が現れる
そして直ぐさまスパイダーバイスタンプを押し込んだ左手を顔の前まで持ってきた後、左手をゆっくり下げながら右手をゆっくり大きくあげてデモンズドライバーの真正面にあるオーインジェクターにスパイダーバイスタンプを押印する。
あの言葉を叫びながら。
『変身!』
Decide up
Deep.(深く)
Drop.(落ちる)
Danger.(危険)
仮面・Rider
Demons!
次の瞬間、清水の隣にいた蜘蛛が糸を出しながら清水をその糸で包み込む。
糸が弾け飛ぶとそこに居たのは、右肩のクモを中心に胸部・顔面がクモの巣の意匠で覆われている見た目をした『仮面ライダー』だった。
「てめぇ、何者だ!」
キルバスが問いかけると清水はゆっくりと答える。
「俺の名は、デモンズ『仮面ライダーデモンズ』だ!」
この瞬間、トータスに新たな仮面ライダー、仮面ライダーデモンズが誕生した。
と言うわけで、清水をデモンズに変身させました。
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