ありふれぬ欲望の魔王はやはり世界最強   作:エルドラス

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第七十七話 再会後のあれこれ

必死に感情を押し殺した光輝の声が響く中、その言葉を向けられている当人はというと、まるでその言葉が聞こえていないかのように、屑ヤミー(強化)達を影に入れながら、スタスタと倒れ伏すメルドの傍に寄り添うシアのもとへ歩みを進めた。

 

ユエの方も、光輝達の護衛はもういいだろうと、英字達の方へ向かう。背後で「あぁ、お姉さまぁ!」と心の中に小さなおっさんを飼う鈴が叫んでいたがスルーだ。

 

「シア、メルドの容態はどうだ?」

「危なかったです。あと少し遅ければ助かりませんでした。……指示通り"神水"を使っておきましたけど……良かったのですか?」

「あぁ、メルドが抜ける穴は、色んな意味で大きすぎる。特に、勇者パーティーの教育係に変なのがついても困るしな。まぁ、あの様子を見る限り、メルドもきちんと教育しきれていないようだが……人格者であることに違いはない。死なせるには惜しい人間だ」

 

英字は龍太郎に支えられつつクラスメイト達と共に歩み寄ってくる光輝が、未だに自分を睨みつけているのに目もくれず、シアにメルドへの神水の使用許可を出した理由を話した。ちなみに、〝変なの〟とは、例えば、聖教教会のイシュタルのような人物のことである。

 

「……英字様」

「ご苦労だったなユエ」

「んっ」

 

しがみ付いてきたユエに、英字は労いの言葉をかけて頭を撫でる。嬉しそうに目元を綻ばせるユエ。自然、英字の眼差しも和らぎ見つめ合う形になる。

 

「あっ! ……英字さん! 私も、私も撫で撫でしてください!」

「あぁ、シアもよくやった」

 

自分もと労いの言葉を強請るシアに、英字は同じ様に頭を撫でる。シアの表情がフニャフニャと崩れる。

 

何やら光輝とは違う意味で睨む視線が増えた様な気がするが、一々気にする事では無いと英字は歯牙にもかけない。

 

「おい、七葉。何故彼女を……」

「英字くん……色々聞きたい事はあるんだけど、取り敢えずメルドさんはどうなったの? 見た感じ、傷が塞がっているみたいだし呼吸も安定してる。致命傷だった筈なのに……」

 

英字を問い詰めようとした光輝の言葉を遮って、香織が真剣な表情でメルドの傍に膝をつき、詳しく容態を確かめながら英字に尋ねた。

 

英字は香織の疑問に答えた。

 

「この迷宮の奥地で手に入れた秘薬だ。瀕死の重傷だろうとたちどころに治すという代物だが、私には不要な物だからな」

「そ、そんな薬、聞いた事無いよ?」

「まぁ、伝説になってるくらいだからな。さて、それよりも」

 

次に英字は腕を掲げ、「回復魔法は苦手なんだんだよなぁ」と小さく呟きながら、魔法を行使する。

 

「ヒール・フィールド」

 

次の瞬間、魔法陣が、光輝達を含めたクラスメイト達全員の足元に現れ、全員の傷を治していった。雫も香織も愕然となる。それを見て、ユエとシアが得意気な表情になる。

 

だが取り敢えず、メルドは心配無いと分かり安堵の息を吐く香織達。そこで、光輝が再び口を開く。

 

「おい、七葉。メルドさんの事やさっきのは礼を言うが、何故かの──」

「英字くん。メルドさんを助けてくれてありがとう。私達の事も……助けてくれてありがとう」

 

そして再び、香織によって遮られた。物凄く微妙な表情になっている。

 

しかし香織はそんな光輝の事は全く気にせず、真っ直ぐに英字だけを見ていた。英字の変わり様に激しいショックを受けはしたが、それでもどうしても伝えたい事があったのだ。メルドの事と、自分達を救ってくれた事のお礼を言いつつ英字の目の前まで歩み寄る。

 

そして、溢れ出てくる津波の様な感情を堪える様にギュッと服の裾を両の手で握り締め、しかし堪えきれずにホロホロと涙を零し始める。

 

嗚咽を漏らしながら、それでも目の前の英字の存在が夢幻でない事を確かめる様に片時も目を離さない。感情の雫で溢れた瞳は、まるで幾万の星を仕舞い込んだかの様。

 

そんな煌めく瞳のまま、香織は桜色の唇を小さく震わせながら言葉を紡いだ。

 

「英字ぐん……生きででくれで、ぐすっ、ありがどうっ。あの時、守れなぐて……ひっく……ゴメンねっ……ぐすっ」

 

雫だけでなく、女子メンバーは香織の気持ちを察していたので生暖かい眼差しを向けており、男子の中でも何となく察していた永山や野村は同じ様な眼差しを、近藤達は苦虫を噛み潰した様な目を、光輝と龍太郎は、香織が誰を想っていたのか分かっていないのでキョトンとした表情をしている。鈍感主人公を地で行く光輝と脳筋の龍太郎、雫の苦労が目に浮かぶ。

 

シアは「むっ、もしや新たなライバル?」と難しい表情をし、ユエはいつにも増して無表情でジッと香織を見つめている。

 

そして当の英字は、最初は目の前で顔をくしゃくしゃにして泣く香織を特に何とも思わず見つめていたが、遠藤に聞いていた通りあの日からずっと自分の事を気にしていたのだったと思い出し、何とも言えない表情をした。

 

香織のことはクラスメイトだったので、一応、覚えてはいたのだが、まさかこれ程までに、強く想われていた事に、少しだけ困惑した。

 

英字は、困ったような迷うような表情をした後、苦笑いしながら香織に言葉を返した。

 

「……どうやら心配をかけた様だな。だがまぁこの様に、私は無事だ。謝罪の必要はない。だから、泣かないでくれ」

 

そう言って香織を見る英字の眼差しは、香織を気遣う優しさが宿っていた。その眼差しに、あの約束を交わした夜を思い出し、胸がいっぱいになる香織。思わずワッと泣き出し、そのまま英字の胸に飛び込んでしまった。

 

胸元に縋り付いて泣く香織に、どうしたものかと溜息を吐く英字。他のクラスメイトだったら、飛び込む前に避けたのだが、ここまで純粋に変わらない好意を向けられると、娘とほぼ同い年という事もあり流石に邪険にし難い。

 

なので取り敢えず、泣き止む様にという意味も込めて頭を撫でる。

 

傍らにいる雫から「私の親友が泣いているのよ! 抱きしめてあげてよぉ!」という視線が叩きつけられているが、知らん振りして受け流す英字。

 

「……ふぅ、香織は本当に優しいな。クラスメイトが生きていた事を泣いて喜ぶなんて……でも、七葉は無抵抗の人を殺したんだ。話し合う必要がある。もうそれくらいにして、七葉から離れた方がいい」

 

永山パーティから「お前、空気読めよ!」という非難の眼差しが光輝に飛んだ。この期に及んで、この男はまだ香織の気持ちに気がつかないらしい。どこか英字を責める様に睨みながら、英字に寄り添う香織を引き離そうとしている。

 

単に、香織と触れ合っている事が気に食わないのか、それとも人殺しの傍にいる事に危機感を抱いているのか……或いはその両方かもしれない。

 

「ちょっと、光輝! 七葉君は私達を助けてくれたのよ? そんな言い方はないでしょう!?」

「だが雫、彼女は既に戦意を喪失していたんだ。殺す必要は無かった。七葉がした事は許される事じゃない」

「あのね光輝、いい加減にしなさいよ? 大体……」

 

光輝の物言いに、雫が目を吊り上げて反論する。永山達はどうしたものかとオロオロするばかりであったが、檜山達は元々英字が気に食わなかった事もあり、光輝に加勢し始める。

 

次第に、英字の行動に対する議論が白熱し始めた。香織は既に英字の胸元から離れて涙を拭った後だったが、先程の英字の様子にショックを受けていた事もあり、何かを考え込む様に難しい表情で黙り込んでいた。

 

そんな彼等に、今度は比喩的な意味で冷水を浴びせる声が一つ。

 

「……くだらない連中。英字様、もう行こう?」

「あぁ、そうだな」

 

絶対零度と表現したくなる程の冷たい声音で、光輝達を“くだらない”と切って捨てたのはユエだ。その声は小さな呟き程度のものだったが、光輝達の喧騒も関係無くやけに明瞭に響いた。一瞬で静寂が辺りを包み、光輝達がユエに視線を向ける。

 

英字は元々遠藤から話を聞いて、クラスメイトが死ぬと、目覚めが悪くなるから助けに来ただけなので、自身の手を引くユエに従い、部屋を出ていこうとした。シアも周囲を気にしながら追従する。

 

そんな英字達に、やはり光輝が待ったをかけた。

 

「待ってくれ、こっちの話は終わっていない。七葉の本音を聞かないと仲間として認められない。それに、君は誰なんだ? 助けてくれた事には感謝するけど、初対面の相手にくだらないなんて……失礼だろ? 一体、何がくだらないって言うんだい?」

「……」

 

光輝がまたズレた発言をする。言っている事自体はいつも通り正しいのだが、状況と照らし合わせると「自分の胸に手を置いて考えろ」と言いたくなる有様だ。ここまでくれば、何かに呪われていると言われても不思議ではない。

 

ユエは既に光輝に見切りをつけたのか、会話する価値すら無いと思っている様で視線すら合わせない。光輝はそんなユエの態度に少し苛立った様に眉を顰めるが、直ぐにいつも女の子にしているように優しげな微笑みを湛えて再度ユエに話しかけようとした。

 

このままでは埓があかない事を察した英字は、面倒そうな表情で溜息を吐きながらも代わりに少しだけ答える事にした。

 

「天之河。どうやらお前は、この状態を見てまだ理解できていない様だな。故に、少しだけ指摘させてもらう」

「指摘だって? 俺が、間違っているとでも言う気か? 俺は、人として当たり前の事を言っているだけだ」

 

英字から心底面倒だ。という表情を向けられ、不機嫌そうに英字に反論する光輝に取り合わず、英字は言葉を続けた。

 

「人として当然、か……誤魔化すな」

「いきなり何を……」

「お前は、私があの女を殺したから怒っているんじゃない。人死にを見るのが嫌だっただけだ。だが、自分達を殺しかけ、騎士団員を殺害したあの女を殺した事自体を責めるのは、流石に、お門違いだと分かっている。だから、『無抵抗』の相手を殺したと論点をズラしたんだろ?見たくないものを見させられた、自分が出来なかった事をあっさりやってのけられた……その八つ当たりをしているだけだ。さも、正しいことを言っている風を装ってな。タチが悪いのは、お前自身にその自覚がないことだ。相変わらずだな。その息をするように自然なご都合解釈は」

「ち、違う! 勝手な事言うな! お前が無抵抗の人を殺したのは事実だろうが!」

「敵を殺す。それの何が悪い?」

「なっ!? 何がって、人殺しだぞ! 悪いに決まってるだろ!」

「……ここは日本とは違う。勝者が生き残り、敗者は死ぬ。そんな世界だ。そんな世界で、"人を殺してはならない"と言っていたら何も守れない。それを気に食わないと言って私の前に立ちはだかるなら……」

 

英字が一瞬で距離を詰め、光輝の額にオンインバスター50の銃口を押し付ける。同時に、英字の〝スペルディア〟が発動し周囲に濃密な殺気が大瀑布のごとく降りかかった。

 

「たとえクラスメイトでも、容赦はしない」

「お、おまえ……」

「勘違いするなよ? 私は、戻って来たわけじゃない。まして、今となっては、お前達の仲間でもない。私がここに来たのは、クラスメイトが死ぬと目覚めが悪くなるから助けに来た、ただそれだけだ。ここを出たらお別れだ。私には私の道があるからな」

 

それだけ言うと、何も答えず生唾を飲む光輝をひと睨みして、英字はオンインバスター50をアイテムボックスにしまった。〝スペルディア〟も解けて、盛大に息を吐き英字を複雑そうな眼差しで見るクラスメイト達だったが、光輝は、やはり納得出来ないのか、なお何かを言い募ろうとした。しかし、それは、うんざりした雰囲気のユエのキツイ一言によって阻まれる。

 

「……戦ったのは英字様。恐怖に負けて逃げ出した負け犬に、とやかく言う資格は無い」

「なっ、俺は逃げてなんて……」

 

光輝がユエに反論しようとすると、そこへ深みのある声が割って入った。

 

「よせ、光輝!」

「メルドさん!」

 

メルドは少し前に意識を取り戻して、光輝達の会話を聞いていた様だ。まだ少しボーッとするのか、意識をはっきりさせようと頭を振りながら起き上がる。そして、自分の腹など怪我していた筈の箇所を見て、不思議そうな顔で首を傾げた。

 

香織がメルドに簡潔に何があったのかを説明する。メルドは自分が、何やら貴重な薬で奇跡的に助けられた事を知り、そしてその相手が英字であると聞いて、血相を変えて頭を下げた。それに困惑する光輝達を他所に、メルドが口を開く。

 

「此度は我々を救って戴き、ありがとうございます。まさかこの町に戻られていたとは」

「私がこの町に来たのは偶然だ。礼なら、浩介に言ってくれ」

 

英字とのやり取りを聞き、光輝が割って入る。

 

「メ、メルドさん? どうして七葉に畏まって……それに、何でメルドさんが謝るんだ?」

「当然だろう、俺はお前等の教育係なんだ。……なのに、戦う者として大事な事を教えなかった。……人を殺す覚悟の事だ。時期がくれば、偶然を装って賊を嗾けるなりして人殺しを経験させようと思っていた……魔人族との戦争に参加するなら絶対に必要な事だからな。……だが、お前達と多くの時間を過ごし、多くの話をしていく内に、本当にお前達にそんな経験をさせていいのか……迷う様になった。騎士団団長としての立場を考えれば、早めに教えるべきだったのだろうがな。……もう少し、あと少し、これをクリアしたら、そんな風に先延ばしにしている間に、今回の出来事だ……私が半端だった。教育者として誤ったのだ。そのせいで、お前達を死なせるところだった……申し訳無い」

 

そう言って再び深く頭を下げるメルドに、光輝達はあたふたと慰めに入る。どうやら、メルドはメルドで光輝達についてかなり悩んでいた様だ。団長としての使命と私人としての思いの狭間で揺れていたのだろう。

 

メルドも王国の人間である以上、聖教教会の信者だ。

 

それ故に、"神の使徒"として呼ばれた光輝達が魔人族と戦う事は当然だとか、名誉な事だとか思ってもおかしくはない。にも関わらず、光輝達が戦う事に疑問を感じる時点で何とも人がいいというか、優しいというか、英字の言う通り人格者と評してもいいレベルだ。

 

メルドの心の内を聞き押し黙る光輝。そう遠くない内に人を殺さなければならなかったと言われ、女魔人族を殺しかけた時の恐怖を思い出した様だ。それと同時に、たとえ賊であっても人である者を訓練の為に殺させようとしていたメルドの言葉にショックも受けていた。賊位なら圧倒出来るだけの力はあるのに、態々殺すなんて……と。

 

そして、香織の方も押し黙っていた。それは、メルドの話を聞いたからではない。ずっと、英字の言葉について考えていたからだ。

 

どの言葉も、以前の英字からは考えられない発言だ。だが先程の殺気がその言葉を本気だと証明していた。他人の為に体を張って行動できる優しい英字が、自分達にすら躊躇う事無く殺意を向ける。自分の知る英字と、目の前にいる英字の差に香織の心が戸惑い揺れる。先程香織を気遣った時に感じた、以前の英字は自分の錯覚だったのかと不安になる。

 

と、香織がそんな事を考え込んでいると不意に視線を感じた。香織がそちらを見やると、そこには金髪紅眼の美貌の少女。香織でも思わず見蕩れてしまうくらい美しいその少女が、感情を感じさせない瞳で香織をジッと観察していた。

 

そういえば英字と随分親密そうだったと思い出し、香織も興味を惹かれてユエを見返した。暫く見つめ合う二人。

 

「……ふっ」

「っ……」

 

しかし、その見つめ合いはユエの方から逸らされた。嘲笑付きで。

 

思わず息を呑む香織。嘲笑に込められた意味に気がついたからだ。即ち「この程度で揺れる思いなら、そのまま英字の事は忘れてしまえ」という事に。

 

ユエは当然、香織の態度から英字の事をどう思っているのか察していた。そして、英字が奈落に落ちても生存を信じて頑張っていたと聞いて、これは強力な恋敵が現れたかもしれない、受けて立ってやる! と内心息巻いていたのだ。

 

だが実際に香織を見てみると、以前の英字と今の英字を比べて、以前と異なる事に戸惑いと不安を覚え一歩引いてしまっている。その反応は人として当然と言えば当然ではあるのだが……ユエからすると取るに足りない相手に見えた様だ。

 

 

お前なんて相手にならない。英字様はこれからも『私の』英字様だ。英字様の"特別"に選ばれるのは私だ!

 

 

言外にそう宣言され、香織は顔を真っ赤に染めた。それは、怒りか羞恥か。それでも反論出来なかったのは、香織が英字という人間を見失いかけていたからだ。ユエと香織の初邂逅は、ユエに軍配が上がった様である。

 

光輝達が微妙な雰囲気になっているのを尻目に、英字がユエとシアを連れて、暇潰しがてらショートカットを使わずに歩いて出ていこうとした。

 

それに気がついた光輝達も、英字達に追随し始める。全員精神的に消耗しているので地上に出るまでの間英字達に便乗しようと遠藤が提案し、メルドが英字に頼み込んで了承を取ったのである。

 

地上へ向かう道中、邪魔くさそうに魔物の尽くを軽く瞬殺していく英字に、改めてその原理・理解不能の強さを実感して、これが嘗て"無能"と呼ばれていた奴なのかと様々な表情をする光輝達。

 

檜山は蒼褪めた表情のまま英字を睨み、近藤達は妬みの視線を送り、永山達は感嘆の視線を向けながらも仲間ではないとはっきり言われた事に複雑な表情をしている。

 

近藤達は英字の実力を間近で見て萎縮はしているものの、以前の英字に対する意識が抜けきっていないのだろう。永山達は、英字が檜山達にどういう扱いを受けているか知っていながら見て見ぬふりをしていたことから、後ろめたさがある様だ。仲間と思われなくても仕方ないかもしれないと……

 

背後からぞろぞろと様々な視線を向けてくる光輝達を、サクッと無視して我が道を進む英字。

 

途中、鈴の中のおっさんが騒ぎ出しユエにあれこれ話しかけたり、英字に何があったのか質問攻めにしたり、二人が余り相手にしてくれないと悟るとシアの巨乳とウサミミを狙いだしたりして、雫に物理的に止められたり、近藤達がユエやシアに下心満載で話しかけて完全に無視されたり、それでもしつこく付き纏った挙句、無断でシアのウサミミに触ろうとして英字に殴られたり、マジな殺気を受けて少し漏らしながら今度こそ恐怖を叩き込まれたり……色々ありつつ、遂に一行は地上へと辿り着いた。

 

香織は未だ、俯いて思い悩んでいる。雫はそんな香織を、心配そうに寄り添いながら見つめていた。だが、そんな香織の悩みなど吹き飛ぶ衝撃の事態が発生する。英字に心を寄せていた一人の女としては、絶対に看過できない事態。

 

それは、オルクス大迷宮の入場ゲートを出た瞬間にやって来た。

 

「あっ! パパぁー!!」

「おっ、ミュウか」

 

英字をパパと呼ぶ幼女の登場である。




次回は遂にあの修羅場回。
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