立て続けに重装甲の総力戦が続いてうちの完凸フルパワーゴリゴリミカちゃんが1145141919回ぐらい祈ってる。
アツコは目の前で激昂
常に人懐っこい笑みを浮かべ、揶揄う中でも確かな愛情と優しさを持ってサオリと接していたはずのレンゲが、まるで人が変わったようだった。
全くの無表情。
つい先ほどまで浮かべていた憤怒の形相すら消え、感情を削ぎ落とした能面のような無表情で窓から外を覗いていた。
これが怒りで顔を歪めていたのならまだ理解できる。あれほど大切と語っていた家族を傷つけられれば、誰だって怒り狂うはずだ。だが、今のレンゲからは一切の感情が読み取れない。
外にいるアリウスの生徒達を見つめる視線のあまりの冷たさに、アツコは背筋が震え上がる。
「アツコ、ちょっとの間だけサオリを頼んだよ」
気を失ったサオリに一瞬だけ目を向けたレンゲは懐から拳銃を取り出しながら告げた。
機械のような、恐ろしく平坦な声。
「落ち着いて、レンゲ。いくらレンゲでもあの人数を相手に一人なんて無理。ここは逃げるしか──」
「アツコ」
一言、自分の名が呼ばれる。
それだけで、もう目の前の少女には何を言っても無意味なのだとアツコは悟った。
「やっぱり私、何やっても上手く行かないなぁ。サオリを……家族を守るのが私の役目なのに」
血管が浮き上がるほど強く握られた拳銃に、新たな弾倉が装填される。
最後に一度、アツコの腕の中で気を失っているサオリへ振り向いた。
「一体なんのために私は生きてるんだよ。家族を守ることが生きる理由なのに……あはは、これじゃあ私が生きてる理由無いよね」
今にも涙が瞳から溢れ落ちそうなほど、その表情は歪んでいた。
「安心して。すぐ終わるから」
凄まじい速度で割られた窓から飛び出し、一瞬にしてレンゲの姿が見えなくなってしまった。
残されたアツコは、それでもなおレンゲが飛び出した窓を見つめ続ける。
「レンゲ……」
自分のせいで、この幸せな家族を狂わせてしまったのかもしれない。
彼女たちが自分を助けようとしなければ、この二人は傷つく事は無かったのかもしれない。
しかし、彼女には最早どうする事もできない。
「どうか無事に帰ってきて、レンゲ」
サオリの頭から流れる血を拭き取って自身の膝の上に乗せると、アツコは静かにレンゲの無事を祈った。
今の自分にできるのは、レンゲが戻ってくるのを信じるだけだから。
●
背後からアツコの視線を感じながら、息を殺して家の影に潜る。
目視できる範囲で確認できた敵の数は23人。いや、ロケットランチャーを打ち込んだ敵がどこかにいるのを考えると、最低でも24人はいる。そこから後方支援や指揮を行なっている生徒も含めると、合計30人程度。
人数的には……相手にできなくはない。ただし私も五体満足では済まないだろうね。それはそれで構わないけど。
隙を伺いながらこちらへ歩み寄ってくるアリウス生徒たちを眺めていると、微かにあいつらの話し声が聞こえる。
「誰も出てきませんよ、1-1」
「まぁ落ち着け、1-2。メスガキ共があの家にいたのは確かなんだ。どうせ直ぐに痺れを切らして飛び出してくる」
「しかし、ロイヤルブラッドは傷つけないようマダムから厳しく言われていたのでは?」
「『可能な限り』傷つけるなというご命令だ。反抗の意思を見せればその限りではない。奴は抵抗する素振りすら見せず連れて行かれたんだ、きっとグルに違いない。全く……ナメた真似をしてくれる」
「いや、それでもほんとはダメですよきっと……」
集結している部隊から数歩ほど離れた位置でこちらの様子を伺っている、二人のアリウス生徒。
どちらもガスマスクに白いコートという基本的なアリウスの戦闘員の姿をしているけど、うち一人は特徴的なインカムを装備している。
どうやらあいつが指揮を行っているらしい。
「だからって開幕早々ロケランをぶっ放して良かったんですか? これでロイヤルブラッドが重傷になれば、マダムになんて言われるか……」
「心配しすぎだ。ロケット一発でヘイローが壊れるはずがない、しばらく身動きが取れなくなるのが精々だろう。そこを我々が確保すれば、全てが丸く収まる」
「なんでそんな自信満々なんですか……まぁ、問題なくそうなってくれると良いですけど……」
でも、変な気分だ。目の前の敵を全員皆殺しにしたいぐらい腹の中が煮え返ってるのに、頭は妙に冴えている。今ここで突っ込めば無駄死にだと、私の中に残る微かな理性が語りかけてくる。
この人数が相手では文字通り骨が折れる。
どうにかして撹乱できれば……。
「……あれは」
インカム越しに何か指令を出している指揮官の生徒の胸元で揺れる、細長い缶ジュースのような物体。最初はただのグレネードだと思ったけど、表面に書かれている文字の形に見覚えがあった。
「ヒヒッ、あれなら使える」
撹乱の糸口を見つけた。
思わず笑い声を漏らしてしまい、咄嗟に口を押さえる。
ここで見つかってしまえば難易度は一気に上がってしまう。それでも歓喜に震え上がる自分の身体を抑える事が出来なかった。
これでこいつらをめちゃくちゃにできる。
「ふぅ……」
全ての神経を研ぎ澄ます。
身を低くし、徐々に両足に力を込める。
銃は既にセーフティを外してある。弾倉は残り二つ。そして現時点で装填されているマガジンに残っている銃弾は7発だから、合計で27発。かろうじて全員分は残ってるか。
後は──自分次第か。
「やりますか」
両足に込められた力を解放し、私は飛び出した。
こちらに向けて進軍していたアリウス生徒も置き去りにして、全速力で駆け抜ける。
狙いは、未だインカムで指令を出していてこちらに気づいた様子がない、敵の指揮官。
「ッ!? 1-1、敵襲です!」
「なに!? どこ──」
隣の副官らしき人に気づかれるも、もう遅い。
腹に力を込めて飛び上がり、その指揮官の顔をガスマスクごと踏み潰した。砕け散るガスマスクと、悲鳴をあげる暇すらなく昏倒する指揮官。
これで残り23。
そして、ここからが本番だ。
「お前……!」
慌ててこちらに銃を向ける副官には目もくれず、私はピクリとも動かない指揮官の胸元から例のジュース缶を奪い取り、ピンを抜いた。同時に響く数発の銃声。
「なっ、外した!?」
この距離なら簡単に避けられる。
迫り来る銃弾を最低限の動きで躱し、奪い取った缶を地面に叩きつけた。
「各位、リーダーがやられた! 至急応援を求む!」
完全に作動し切るまで大体15秒ぐらいと言ったところかな。
それまでに耐えればやれるはずだ。
蹴りの衝撃で吹き飛ばされたインカムに向かって何かを話している副官へ、同じように全力で駆け出す。
「クソッ!」
インカムを投げ捨て、再度こちらに発砲してくる副官。今度はセミオートではなく、無数の弾丸がこちらに凄まじい勢いで迫ってくる。
それが全て無駄だと知らずに。
「そんな……どうして当たらないんだ!?」
相手の銃口の向き、指の動き、腕の動き、そして自分の勘。
それさえ分かれば、たとえフルオートだろうと避けられる。
混乱する副官の懐に潜り込み、自分の拳をめり込ませる。大きく息を吐き出し蹲ったことであらわになった彼女の後頭部に、容赦無く銃弾を叩き込んだ。
22。
「そ、そんな……リーダーと1-2が……」
一歩遅れて到着する残りのアリウス生徒たち。
向こうから来てくれるのなら、こちらとしても好都合だ。
徐々に立ち込む
今日が無風で良かったよ。
「スモーク……? 一体誰が──」
既に大きな雲のように辺りを包み込んでいた煙が、私含め全員の視界を塞いだ。
相手はガスマスクを付けているから目眩しにしかならないけど、重要なのは相手がこちらの姿が見えない事だ。
「ぐぁ!?」
「どうした!?」
煙の中からアリウス生徒を見つけ出し、足払いでバランスを崩す。無防備な状態で倒れ込んだ相手の額に銃口を押し付け、引き金を引く。
21。
お互い相手の事は見えないけど、私はあいつらの事が
「この煙の中だ! 注意して──うぐっ!?」
それなら囲んでリンチされる心配がない。
残り20。
「どこだ!? 誰か分かるか!?」
「いいや、何も見えない!」
混乱しているアリウス生徒たち。
指揮官を失い、その代理となるはずの副官も倒れた。後は統率が取れていないこいつらを各個撃破するだけ。
あらぬ方向へ銃を向けているアリウス生徒の背後から近づき、全力で後頭部を殴りつける。衝撃により意識が朦朧としているのか頭上のヘイローが点滅する。そんなアリウス生徒の懐を弄り、見慣れた緑色のボール見つけた。
すかさずピンを抜いてグレネードを元のポケットに突っ込み、別の突っ立っているアリウス生徒に向けてその人を押しつける。
「おい、しっかりしろ! 相手はどこに──」
そのままグレネードが爆発し、二人のアリウス生徒が衝撃で地面に叩きつけられた。
18。
たとえ無風でも煙が続くのは精々2分程度が限界だろうか。
それまでにこいつらを可能な限り減らす。
「誰一人逃がさない……」
一人、また一人と煙の中にいるアリウス生徒へ襲い掛かる。
まだ年齢が二桁にすらなっていない小柄な私と、既に成人近い年齢になっているアリウス分校の生徒。視界が悪い中そんな私に気付けと言う方が酷だろう。
「ハァ……ハァ……これで残り12……」
銃口を顎の下から突きつけて弾丸を叩き込むと、声を上げることもなく敵が倒れた。
ようやく半分。
しかし、息も上がってきたし体力も限界が近づいているのが分かる。音を頼りに敵を見つけるというのは予想以上に疲れるようだ。
そして、私にとっての生命線とも言うべきスモークも段々と晴れてきた。残された時間は少ない。
「え?」
あともう一踏ん張りと気合を入れようとした瞬間、何かが煙の中に打ち込まれた。
銃弾とは少し違う、重い何かが地面に落ちてくる音と、風船から空気が一気に解放されるような──。
「ッ!? がッ……」
喉から燃えるような激痛が走り、息が出来なくなる。
まるで小さな虫に首を食い荒らされているような感覚で、思わず何度も咳き込んでしまう。
薄くなっていたはずの煙が再び濃くなっていくのが見えたけど、直ぐに視界も一気にぼやけて見えなくなる。
「なに、これ……?」
息が苦しい。
呼吸をしたいのに、すればするほど苦しみが増す地獄。
これは……催涙ガス……ッ!
「けほっ、けほっ……うぇ……」
今まで私を守ってくれていたはずの煙に牙を剥かれ、私は無我夢中で走り出した。
微かに見える視界を頼りに、太陽の光に向かって半ば転がるようにして飛び込む。背後に立ち込める色がどこか濃くなった煙が、辛うじて私があの地獄から抜け出せたことを教えてくれる。
新鮮な空気を何度も吸い込む。
今まで感じたことのない苦痛は、これまで銃の痛みに慣れてきた私でもあまりにも耐え難いものだった。
まさかアリウスが私一人を止めるためにここまでするなんて……。
「ゴホッ……ゴホッ……」
まだ視界は不明瞭だし、喉も痛い。
それでも身体に鞭を打ち、フラフラと立ち上がる。
私にはまだやらなきゃいけない事があるんだ。
「いたぞ! こっちだ!」
煙の中から何かが出てきた。
咄嗟に銃を向けるも、あの変な煙のせいでまるで銃を持つ手が震える。
「あークソッ!」
当たらないと分かりきってるなら貴重な弾薬を使う意味は無い。
悪態つきながら銃を下ろし、ぼやけた視界の中を無我夢中に進む。
今のままじゃ銃弾も避けられない……だったら撃たせる暇すら与えない!
「うぐッ!?」
飛び出してきた一人のアリウス生の鳩尾に渾身の頭突きを突き刺す。短く呻き声を上げてくの字に体を曲げたアリウス生の頭を抱え、渾身の力で体を宙に浮かせる。
「堕ちろッ!」
そのまま宙に浮いたアリウス生を全力で地面に叩きつけた。
地面に横たわりピクリとも動かなくなったアリウス生の頭上からヘイローが消えるのがぼんやりと見えた。
これで残り11……。
「ハァ……ハァ……けほっけほっ……」
あまりの息苦しさに思わず片膝をつく。
もうガスの中にはいないはずなのに、まだ呼吸するだけで痛みを感じる。疲労も苦痛も既にピークに達していた。
でも、当然ながらアリウスはそんな私に休む暇すら与えてくれない。
「いッ……!?」
煙の中から複数の足音がこちらに向かっていると気づいた時には、ついに一発の銃弾が肩へ直撃する。
でも、それは当然のように一発では終わらない。
続け様に何度も身体に衝撃が叩きつけられた。
頭、胸、腕、足。ありとあらゆる場所に銃弾が直撃し、私は声にならない悲鳴を上げた。
「打ち方やめ!」
永遠にまで感じられた暴力の嵐がようやく終わる。
糸が切れたように、私はその場に力無く倒れ込んだ。
あはは……身体中の感覚が無いのに、めちゃくちゃに痛いことだけは分かる。こういう時に限って痛覚というのは的確に働くらしい。
痛いしまだ息苦しいし、一周回って笑えてくるよ。
そして、ダメ押しのように近づいてくる足音たち。
銃を構えながらも倒れた私に向かってゆっくりと近づいてくるのが見える。
そんな彼女たちに向けて、一言短く呟いた。
「ヒヒヒ、助かったよ」
暴力の嵐の中でも決して手放さなかった銃を先頭のアリウス生徒に向ける。
「うぐっ!? こいつ、まだ動けるのか!」
震える腕でもここまで近づいてくれれば外さない。
放たれた銃弾はガスマスクに直撃したのか、撃たれた生徒の首が後ろへ仰反る。
当然のように、真正面から撃ってもハンドガン程度じゃ大したダメージにはならない。
それでも何度も何度も引き金を引く。
反動すら抑える力すら残っていないのか、最初に放った一発以外は全部が明後日の方向に飛んでいき、掠る気配もないまま消えていく。
やっぱりサオリみたいには行かないか……。
やがてスライドがロックされ、ついには引き金を引くことすら出来なくなる。あと一つ弾倉が残ってるけど、リロードする気力すらもう残っていない。
「ッ……」
返答代わりにアリウス側から一発の銃弾が右腕を撃ち抜き、衝撃で銃がこぼれ落ちる。カラカラと地面を転がる愛銃を、私はまるで他人事のように眺めていた。
あーあ、ここからは素手かぁ。
自分でももう戦えるような体じゃないと分かってるのに、そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
目の前に迫り来るアリウス生徒たちを、今はただぼんやりと見上げる事しかできない。
「こんなガキ一人に、ここまでやられるなんて……」
一人が私を見下ろしながら何かを呟いている。
私としては全滅させるつもりだったんだから、その言葉は心外だ。
普段ならここで煽りの一つでも入れてるだろうに、なんだか今回はそんな気持ちにもならない。何より、悔しくて悔しくて堪らない。
サオリも守れなくて、敵を潰し切ることもできない。
やっぱり私がやる事はいつも上手く行かないみたいだ。
「マダムのところへ──」
「こんな危険なガキをマダムのところに──」
「でもマダムは戦力を──」
目の前で何かを話すアリウス生徒たちをぼーっと眺める。
一旦逃げるチャンスかもしれないと一瞬思ったけれど、肝心の身体がもう言うことを聞かない。もう少し頑丈な身体があれば、こいつらも倒せたのになぁ……。
思い返せば、私のやる事全てが失敗続きだった。
最初は誰かに殺されたいと思ったのに死ねず。
今は家族を守りたいと戦ったのに守れず。
いつも家族の優しさに甘えていて何一つ恩返しも出来ていない。
サオリ、ミサキ、ヒヨリ、そして新しく入ったアツコ。
いつもワガママばっかり言ってるけど、せめて最後のワガママとして──みんなで一緒にご飯が食べられたらなぁ……。
「……?」
朦朧とする意識の中、アリウス生徒たちの話し声に混じって何かが微かに聞こえた。
意識を向けないと聞こえないぐらいの小さな音が、徐々にこちらに近づいてくる。ほんの数分前にも聞いた。まるで何かが風を切るような音。
やがてそれはアリウス生徒たちの耳にも入ったのか、全員が慌ただしく周囲を見回し始めた。
この音は……もしかして──。
「なッ、全員退避しろ──」
アリウス生徒の言葉は最後まで続かなかった。
耳をつんざく大きな爆発音。
間髪入れず襲い掛かる衝撃に、朦朧としていた私の意識が一気に現実へと引き戻される。アリウス生たちの真後ろで何かが爆破され、衝撃と共に全員が吹き飛ばされる。アリウス生に庇われるような形で、私はその爆風から身を守ことができた。
「ゴホッゴホッ……! 一体何が……」
黒煙が晴れると、辺りにはヘイローが消えたアリウス生徒が何人も倒れていた。
「どうして……?」
今のは明らかにアリウス側が持っていたロケットランチャーからの攻撃だ。
なのにどうしてそれは私をかろうじて外し、あろうことか味方のはずのアリウス生たちを吹き飛ばしたの……?
予想だにしなかった事態に、脳が混乱する。
誤射か? でも、瀕死の
「レンゲ姉さんッ!」
混乱する私の耳に響き渡る、この場にいるはずのない声。
でも、同時に誰よりも聞きたかった人の声。
「ミサキ……ヒヨリ……」
大切な家族二人の姿に、思わず目を見開いた。
見慣れたライフルを抱えながら周囲を警戒しているヒヨリと、その小さな肩にアリウスのロケットランチャーを乗せたミサキ。
まさかの助けに思わず笑みを浮かべそうになるも、同時に言いようのない罪悪感が襲いかかってくる。
今の私にこの子たちに合わせる顔なんてない。
「ご、ごめんなさい……私……」
「今は喋らないでいいから。それよりも傷を手当しないと」
「そ、そうですよ! このままじゃ姉さんが──」
「違うの……私……サオリを守れなくて……ッ!」
この二人にとっても大切な人なのに、私は──。
「……はぁ。こんな状態になるまで戦ってくれたのに私たちが怒ると思う? サオリ姉さんがどうなったのかは知らないけど、姉さんは守られないといけないような人じゃないのはレンゲが一番よく分かってるはず。だから……えっと……泣かなくてもいいよ。サオリ姉さんならきっとそう言うよ」
あまりにも不器用に励ましてくれるミサキ。
それがどこまでもミサキらしくて、でも今はそのらしさがどこまでも心に染み渡る。
立ち上がれない私を抱き抱えてくれたミサキの胸に、気が付けば顔を埋めていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
「み、ミサキさん……ど、どうすればいいのでしょうか!?」
「落ち着くまで待ってるしかない。ヒヨリ、援軍が来ないか警戒してて」
「はい……でも、レンゲ姉さんのこんな姿を見るなんて……うわぁぁぁん!」
「ヒヨリまで泣いてどうするの……」
結局私はまたこうやって、家族に甘えてしまう。お姉さん失格だ。
それでも私は流れる涙を堪えきれず、声を上げて泣き続けた。
自分の情けなさを噛み締めるように、何度も何度も謝りながら。
ちょっとだけ無双する主人公が書きたくなり、気がつけばこうなっていた。今の主人公ちゃんだと結局は身体能力のゴリ押ししかできませんが。
ちなみに催涙ガスは喉や目の痛み以外にも身体中の穴という穴から汁が流れるらしいですが、透き通るような世界のブルアカではちょっと描写できないのでこの世界では目や喉にダメージを与えるものになっています。常時ガスマスク付けてるアリウスならこれぐらいはやりそう。
・レンゲ
ブチ切れモードでバフが掛かってるおかげでここまで戦えた。お前が曇るんかい。
主人公の名前どうする?
-
変更なし
-
改名するべき