アリウス生徒の奮闘記   作:ハァン

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動き出すアリウス(2)

 

 

「うわぁ……あの人なんで平気なんですか……? きっと辛くて苦しいはずなのに……」

 

 建物の影から飛び出してきた三人の人影をスコープ越しから確認すると、少女は困惑した様子で呟いた。ボルトを引いてを薬莢を排出し、すぐさま代わりの弾丸を流れるような動作で装填する。

 淀みない一連の動作を行うものの、少女は顔を顰めながら手に持った狙撃銃を見つめた。

 

「うぅ……やっぱり扱い難いです。ボルトに変な感触がありますし、狙いも外れる……こういうのを粗悪品って呼ぶんですかね……えへへ、まるで私の人生みたいです……」

 

 人知れず自己嫌悪に陥り人知れず泣く少女。

 ライトグリーンの髪を揺らしながらも、狙いは先程から狙撃を続けている三人の人影を捉えたまま。泣きながらも標的は外さない、ある意味で凄まじい精度だった。

 

「よく見たら私と同じ子供ですし……」

 

 少女は自身が見下ろしている三人の人影に、どこか憐れみすら感じていた。

 

 少女自身、物心がついた時から日々の飢えを凌ぐような毎日を送っていたが、つい最近謎のガスマスクの集団に捕まってしまい、こうして雑用に駆り出されている。

 幸いにも少女には狙撃の才能があったため、前線で使い捨てられるような事はなかった。

 

 だが、毎日のようにガスマスク集団と共に後方支援に駆り出せるほど少女は体が強くない。毎日の重労働に徐々に体が動かなくなっていくのが分かる。

 それでも、少女には服従する以外の選択肢はない。

 

「でも、従わないと私が殺されちゃうので……へへ、恨まないで下さいね……」

 

 スコープ越しにもう一度狙いを定め、トリガーを引く。

 

 青いヘイローの人影を狙った弾丸は僅かに外れ、近くの建物の窓を粉砕する。パラパラとガラス破片が宙を舞うのを眺めながらも、少女は努めて平静さを保ちながら機械的に薬莢を排出する。

 

「わっ、撃ってきた……」

 

 もう一度スコープを覗こうとした瞬間、自身が身を潜めている空き家の壁に数発の弾丸が直撃する。どうやら居場所がバレたらしい。

 

「えへへ、でも正確な位置は分からないみたいですね……」

 

 しかし、少女が隠れる空き家に届く弾丸はまばらだった。

 隣の部屋に打ち込まれたと思えば、一つ下の階に当たるものもある。建物はバレてもこの様子なら、心配する必要はない。

 

 再びスコープ越しに外の様子を覗くと、夜のスラムに二つのヘイローが浮かんでいるのが見えた。

 青色のヘイローと赤色のヘイロー、それぞれの主が銃を構えながら必死に乱射している。無論、それらは当たる気配は無い。

 

「辛いですよね、苦しいですよね……きっと必死になって私を倒そうとしてる……それが無駄な足掻きだなんて分からないまま……」

 

 ならせめてもの情けは、その苦しみを終わらせてあげること。

 青色のヘイローの人影へ狙いを定め、静かに息を止める。これまでの射撃で今持っている銃の軌道もある程度修正できた。次の一発はきっと外れない。

 

「えへへ、私の事は恨まないでくださいね……」

 

 相手の苦しみに満ちた人生を終わらせようとトリガーに掛けた指に力を込める──。

 

「──はろー、良い夜だね」

「●△⭐︎⊆◇X!?!?!?!?」

「ちょ、せめて人間の言葉で喋ってってば」

 

 次の瞬間、突然スコープ越しの視界一杯に琥珀色の瞳が映り込んだ。

 声にならない悲鳴を上げ、全力で後退する少女。

 

「ふぅ……いやー走った走った。こんなに全力でダッシュしたのはいつかの鬼ごっこ以来だよ」

 

 いつの間にか気配もなく近寄っていた、焦茶色の髪をした自分と同じ年頃の少女。悪戯が成功したと言わんばかりの笑みを浮かべながら、ジリジリと自分へ歩み寄ってきている。

 そういえば最初に狙撃した時は三人だったはずの人影が一人減っていたなと今更思い出し、少女は顔を青く染めた。

 彼女がここに来た目的など、考えるまでもない。

 

「ひぃ!」

 

 咄嗟に少女は手に持っていたライフルを向け、無我夢中に引き金を引いた。高速で発射された弾丸は無防備な相手へ直撃する──はずだった。

 

「え……?」

「あっぶね! 急に撃たないでよも〜。危うく当たりそうだったよ」

 

 いや、普通は当たるんですが……。

 少女は心の中で悲鳴を上げるものの、それを聞く者は誰もいない。もしかして自分はとんでもない人たちに喧嘩を売ってしまったのだろうか?

 

「じゃあ……死のうか?」

「あわわわわ……お、お慈悲を……」

 

 目の前の人物は人懐っこい笑みを浮かべているはずなのに、両手をポキポキと鳴らしながら近づいてくる。表情と言動が一致していない。

 笑顔は威圧の意味もある、と以前教わったのを思い出した。

 

「ご、ごめんなさい……! 通る人全員に発砲しろと無理矢理命令されて……ほ、ほら! この通りもう戦う意志はありませんから!」

 

 恥も誇りもかなぐり捨て、少女は銃を投げ捨て仰向けに寝転がった。

 以前褒美で貰った雑誌では、動物はお腹を見せる事が降参の意思表示と書いてあった。そのためこれが彼女にとって精一杯の降伏の意思表示だったが、目の前の化け物がそれを理解してくれているかは怪しい。

 

 しかし、にじり寄っていた茶髪の死神はそのまま少女をじっと見つめながら動きを止めた。いつの間にか笑顔も消えていて、二つの琥珀色の瞳が無表情で床に横たわる自分を見つめている。少女は恐怖で気が狂いそうになった。

 

──この人なんで急に止まるんですかめっちゃ見てくるしせめて何か言ってください助けて神様。

 

「あぁ……私はこのままこの人にめちゃくちゃにされるんですね……雑誌で読んだ『オトナのオシオキ』とは比べ物にならないような凄惨な仕打ちをされて、そのままボロ雑巾のように捨てられる……あ、私元々ボロ雑巾みたいなものでしたね……」

「可愛い……」

「もう終わりです……うわぁぁぁん!」

 

 相手が何か呟いた気がするが、今は命乞いに必死でそれどころじゃない。しかしそんな彼女の願いも虚しく、化け物はさらに一歩近づいてきた。

 死神の鎌の如く、茶髪の少女がついにこちらに向かって手を伸ばして──。

 

「……よしよし、もう大丈夫だよ」

「……?」

 

 だが、その手は少女に襲い掛かるでもなく、仰向けに寝転ぶ少女の頭を優しく撫で始めた。

 来るべき暴力の嵐に身構えていたはずの少女は、目を丸くして相手を見つめた。身の毛もよだつほどの無表情を浮かべていたはずの怪物は、いつの間にか慈母のような微笑みを浮かべている。

 あれ、お前さっきと雰囲気変わってね?と少女は困惑した。

 

「私は荻野レンゲ! 君、名前は?」

槌永(つちなが)ヒヨリです……」

 

 レンゲと名乗った少女のあまりの変貌に敵であるにも関わらず、ヒヨリは思わず素で名前を教えてしまう。

 

「ヒヨリもずっと一人だったの?」

「は、はい……えへへ、道端に転がっている小石のような生き方でなんとか毎日を乗り越えていました」

 

 今振り返っても惨めとしか言いようがない日々。

 だが、それも今の生活と変わらないのかもしれない。申し訳程度の食事の支給が貰えるが、代わりに毎日のように雑務に追われる。空腹とどちらがマシかと聞かれたら、ヒヨリは答えに詰まってしまう。

 

 自分を利用している年上たちが言っていた言葉──この世に意味はなく、全ては虚しい。

 

 そんな言葉に縋りたくなる自分がいる。

 

「そっか、じゃあ私たちと同じだね」

「え……?」

 

 隣に座り込んで渇いた笑いをこぼすレンゲを見て、ヒヨリは目を丸くさせる。

 

「私含めて他の二人も、みんな一人ぼっちで生きてきて。だから家族になったの。苦しみも痛みも、家族がいれば少しは和らぐかなって思って」

「家族、ですか?」

「そう! 私とサオリ──あの青いヘイローのおっかない女の子がお姉ちゃんで、三人目のミサキが妹! みんな仲良く……かどうかは置いといて、結構楽しいんだよ? ご飯も食べられるし!」

「……他人同士なのに助け合って生きてるんですか?」

「うん。不思議でしょ? 孤児(わたしたち)にとって他人なんて、食料を奪い合う敵でしかないはずなのに。でもね、その他人が自分のことを家族って呼んでくれて優しくしてくれるのが、たまらなく嬉しいんだぁ。こんなクソッタレな世界をもう少し生きてみようかなって思えるぐらい」

「ッ……!」

 

 物心が付いた頃から孤独だったヒヨリにとって、それは考えもしなかった事だった。

 

 彼女の言う通り、他人は食料を奪い合う敵でしかない。

 騙され、暴力を振るわれ、何度も裏切られてきた。元々気が弱く引っ込み思案だったヒヨリは、理不尽とも言える暴力の渦にただ飲み込まれるだけの日々を送っていた。

 

 全ては虚しい。

 

 だが、目の前の少女はその虚しさを前にしても、燦然と輝きを放っていた。

 

「だから、ヒヨリも一緒に家族になろ?」

 

 目を輝かせながら手を伸ばすレンゲ。

 ある意味では苦痛しか存在しないこの世界を受け入れている考え方。それを『家族』という名目の『依存』で少しでも()()にしようとしている。

 

 ヒヨリはそれが健全だと思えなかった。

 結局苦痛である事に変わりはない。

 

「うぅ……」

 

 それでも、ヒヨリには伸ばされたその手があまりにも眩しすぎた。

 

 一緒に苦しんでくれる人がいるだけで、彼女にとってはその手を取る理由には十分だった。

 

「うわぁぁぁん!」

「おうふっ」

 

 手を取らず抱きつく事で、ヒヨリは自分の意志を示した。

 

 初めて感じる他人の人肌は、ほんのり暖かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「弁明を聞こうか、レンゲ」

「まぁ落ち着いてサオリ。そんな怖い顔したらヒヨリが怖がっちゃうでしょ?」

「五分で終わると自信満々に言いながら合図が遅れたのはひとまず置いておいて、その子はどうしたの?」

「拾ってきた。うちで面倒見ていい?」

「さっきまでアリウスの仲間だったんでしょ? 元にいた場所に戻して来て」

「私が責任持ってお世話するから!」

「うぅ……もはや人扱いすらされない仕打ち……やっぱり私は畜生以下の存在なんだ……うわぁぁぁん!」

「どうでもいいから早く喧嘩はやめて……」

 

 うっかり忘れていた合図を出してサオリとミサキにこの空き家まで来てもらって早々、私はサオリに問い詰められた。

 ヒヨリはアワアワとしながら私とサオリを交互に見つめ、少し離れた場所でミサキは呆れたように首を振っていた。どうやら私に味方してくれる人はいないみたい。

 

「大体、レンゲはこの子に撃たれたんだよ? そんな奴を迎え入れるなんて……」

「あれー、おかしいなぁ。サオリにも会って早々撃たれた気がするけど」

「あの時の状況だとレンゲのこと警戒するに決まってるでしょ! それにそもそも当たってない!」

「当たらなかったんじゃなくて私が避けただけですぅー、避けてなかったら頭に当たってましたぁー」

「この……ッ!」

「やんのかゴラ!」

 

 ついに取っ組み合いの喧嘩をおっ始める私たち。

 これはサオリにどちらが正しいか身をもって教える必要がありそうだ……!

 

「あ、あの……外に敵が──」

「大体サオリは頑固すぎるよ! ミサキの時は私、事後報告だったけど特に反対もしなかったじゃん!」

「ミサキの時とは全然違う! ミサキと違ってこの子はさっきまで敵だったんだから、少しは私にも相談するべきでしょ!」

「あの……レンゲ姉さん──」

「そうやってすぐミサキを庇おうとする! どれだけ溺愛してるの!」

「庇うも何も事実でしょ! レンゲはいつも危機管理が無さすぎる!」

「誰も聞いてくれません……うわぁぁぁん!」

「諦めて。この二人がこうなると言葉じゃ止まらないから」

 

 床を転がりながらお互いの頬を引っ張っていると、視線の間に黒色の髪が映り込む。間に割り込んだミサキにより、私とサオリは呆気なく引き剥がされた。

 

「二人とも落ち着いて。ヒヨリ、外にいる敵は何人ぐらい?」

「この辺りを哨戒していた部隊が帰ってきたみたいです。確認できる限りではおそらく十人ぐらいかと……」

「多分銃声を聞いて戻ってきたんだろうね。サオリ姉さん、どうする?」

 

 隣でスコープ越しに外を覗いていたヒヨリから届いた情報に、流石の私とサオリも頭が一気に冷やされる。

 最後に私を一度睨んでから、サオリは渋々ヒヨリが覗いている窓から同じように外へ視線を移す。

 

「あの数じゃここから見つからず逃げるっていうのは難しい……」

「ならボコすしかないね」

 

 辺りを警戒しながら移動するガスマスクの集団を見て、サオリは険しそうな表情を浮かべる。予想通り、ヒヨリの銃撃が合図になってしまったというわけだ。

 本当ならヒヨリを倒して速攻でこの場を離れていれば良かったんだけど……。

 

「ごめん、サオリ……私が遅かったから……」

 

 私がヒヨリを家族に迎えようと時間を忘れてしまったせいで、あの部隊が戻ってくる時間を与えてしまった。

 

 明らかに私のミス。

 

「……レンゲの性格的にこの子を見捨てられなかったのは分かるよ。私の方こそ、無理に一人で行かせてごめん」

 

 いや、あれは一番運動神経が良い私がする役目だから、サオリは悪くない。それに、色々と作戦とかを考えてくれるサオリと違って、私にはこういう事しかできない。

 さらに反論しようと口を開きかけるも、サオリに無言で制されてしまう。サオリの力強い眼差しが「この話は終わりだ」と告げていて、私は従う他ない。

 

「今は、あの人たちをどうにかするよ」

 

 サオリの睨みつけるような視線の先にいる、アリウス生徒約十人。

 対するこちらは銃を持った子供三人と、素手の子供が一人。

 

 正攻法からじゃ、勝てない。

 

「サオリ、もう分かってるよね?」

「ッ、でも!」

「大丈夫。私にできるのは()()()()()しかないから」

「……待って。姉さん、もしかしてレンゲは──」

「さっきと逆、私があいつらを引きつけてくるよ。だから掃除はお願いね」

 

 先程はサオリとミサキがヒヨリを引きつけて、私がヒヨリを倒した(というか手懐けた)。

 今回は私があのアリウス生徒たちを引きつけて、残りの三人が倒す。

 

 これが銃を持っていない私にできる最善策なのは、サオリが何より理解している。

 それに囮役とか単独行動はもう慣れてる。

 

 何も答えないサオリを見て、ミサキの表情が若干歪んだ気がする。

 

「姉さん嬉しいよ、まさかミサキが心配してくれるなんて」

「……心配なんてしてない。どうせいつかはみんな死ぬんだから、それがここになるのか何十年後になるのかの誤差に過ぎない」

「はいはい、ありがとね」

 

 ミサキがまた何やら難しい言葉を言っているけど、頭が悪い私ではあまり理解できない。でも、多分心配してくれているっぽい。

 

「レンゲ姉さん……」

 

 ヒヨリが同じく心配そうに準備運動を続ける私を見つめている。

 でもヒヨリの事だから、多分私の心配というよりも私がいなくなったらサオリに虐められちゃうから怖いんだと思う。まだサオリもヒヨリのことを警戒してるっぽいし。

 

「えへへ、モーマンタイ! 大船に乗った気持ちで待っててくれていいよ。あんな奴らに私が捕まる訳がない!」

「それ絶対捕まるパターンだからやめて」

 

 隣から浴びせられるミサキの手厳しい指摘。

 それでも、あんな奴らなんて片足ケンケンしながらでも逃げられそうだ。全員重装備であまり素早く動けなさそう。

 

「……ふぅ」

 

 何かを堪えるように大きく息を吐くサオリ。

 三人は銃に弾を込めると、姿勢を低くして窓枠の影に隠れた。

 

 つまり。

 

「──作戦開始」

 

 私の出番だ。

 

 

 

 

 

 

 統率された動きで夜のスラムを進む武装集団。

 歩幅は正確で乱れなし、各部隊員が互いの死角を補いながら周囲を警戒。厳しい訓練を乗り越えた、紛れもない兵士たちだ。

 

 しかし、家族たちから少し離れた別の空き家の屋根からその集団を見下ろしているレンゲにとって、どれだけ訓練を積んでいようと大差ない。

 訓練で受けた事がないような予想外なことをすればいいだけだから。

 

 屋根から飛び降りて猫のように音もなく着地したレンゲは、気配を殺して集団へ歩み寄る。暗闇に紛れる小柄な彼女に集団が気が付く様子はない。

 

 ある程度アリウス生たちに近づくと、一気に速度を上げる。

 

「こんばんは!」

 

 そして、そのまま無防備にも集団の目の前に躍り出た。

 

「なッ!? 誰だお前!」

「待て。ここに置いていたヒヨリの銃声は、多分こいつを狙ったものだ」

 

 アリウス生の一人が咄嗟に銃を構えるも、中央のリーダー格がそれを制する。

 

「どこの誰か知らないが、見られたからには逃す訳には行かない。一緒に来てもらうぞ」

「あー、やっぱりそういう感じ? 私なんて役に立たないと思うけど」

「使えないガキでも、マダムは今一人でも多くの人手を欲している」

「マダムマダムって、君たちそればっかりだね。馬鹿らしい」

「……大人しく投降するつもりは?」

「答えはノーって事だよ! やっちゃって、みんな!」

「ッ!?」

 

 突然集団の背後を指差すと、レンゲは大声で合図を送る。

 慌てて全員がレンゲの指差した方向へ向き、銃を構える。その淀みなく素早い動きは確かに洗練されていて、全員の練度の高さを物語っていた。

 

 しかしそれも、結局は教科書通りの反応。

 

「……どういう事だ? まさか──」

 

 弾丸一つ飛んでくる気配すらない静かなスラムに隊員たちは首を傾げる中、慌てて再度レンゲの方へ振り返る部隊長。

 

あはは! ばーかばーか! こんなのに引っかかるなんて恥ずかしくないの? このロリコン変態ガスマスク集団め! 幼女に騙されてどんな気持ち? ざまぁ見ろ! お前らなんてゴリラに襲われてボコボコにされちゃえ!

 

 目の前を腹を抱えて笑いながら走り去る茶髪の少女。

 

 この時、部隊全員の気持ちが一つになった。

 

「……リーダー、指示を」

「ヘイローを破壊しろ」

 

 アリウス生とレンゲの決死の鬼ごっこ。

 参加者が若干増えた第二ラウンドは、こうして幕を開けた。

 

 

 




まさか何年も後にアリウスの生徒が本当にゴリラに襲われる日が来るなんて、言った本人も思っていない。

・レンゲ
ヒヨリを見て初めて母性本能をくすぐられた。

・サオリ
ワンコが捨て犬を拾ってきたことに頭を抱える飼い主。

・ミサキ
まともなのは自分だけかもしれないと思い始めてる。

・ヒヨリ
ワンコその2。書いてて一番楽しいです。

主人公の名前どうする?

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