~呉鎮守府所属新海上自衛隊第零護衛隊群物語~「全てを魔改造し、全ての運命を変えろ!」(艦これいつ海二次創作) 作:提督兼指揮官兼トレーナー
僕の書いた作品の中で、初の完結する作品となります。
なんか某ニコニコの動画、その他もろもろのネタマシマシですが、最終話なので気楽に見てってください
1945年3月下旬、新自衛隊呉整備工場
「はい黒騎ですが?」
多元からの通達が来る。
「わかりました、やってみます」
即答した黒騎。
<<君は躊躇いは無いのかね?>>
<<自分の仕事は兵器を開発するか、敵を倒すかの2択です。そこに躊躇いはありません>>
<<そうか……、苦しい戦いになる。頼んだ>>
電話を切った多元。
「俺よりもよっぽど肝が座っているな、次行くぞ」
今度は新自衛隊百里基地にかける。
新自衛隊百里基地
「もしもし、腰堀です」
こちらにも多元からの通達が来る。
「いざとなったら徹底的にやれ、必ず帝都侵入前に駆逐せよと……、了解」
電話を切り、仕事中の他の技術者達に檄を飛ばす。
「深海棲艦の大艦隊が迫ってくるぞ!、緊急増産だ!、ASM-2とペンギン対艦ミサイルをじゃんじゃん量産しろ!、対空ミサイルもだ!、残った資材をかき集められるだけかき集めろ!、
いいな!、
出し惜しみは無しだ!、何としても目標を潰す!」
バキッ
持っていた鉛筆が折れると同時に全員が起立して腰堀の方を向く。
「了解!」
百里基地にいた蒼隼はもう居ないが、腰堀はこの短期間に新たに1個飛行隊の航空機をこの百里基地に配備していた。
「対艦番長の異名を見せてやれ」
腰堀がそう言いながら、滑走路を見ると、洋上迷彩の施された単発の戦闘攻撃機が居た。
そう、アイツ……
平成のゼロである。
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新自衛隊横須賀出張所
「えっ?、何ですって!?、わかりました。こちらも魔改造できる船をやれるだけやります」
「どうした?、真多よ」
「緊急事態だ、深海棲艦の大艦隊が向かっている」
「なっ!」
「いいか、今から積めるだけの対艦ミサイルを積む、具体的には……」
「いや、真多、いい、私は姉さんほど物分りが良くない、簡潔に頼む」
「皆殺しだ」
それだけで彼女には十分だった。
「おう、
この武蔵、伊達ではないぞ!」
動き始める真多。
「近日中に12式も展開完了するらしい……、どこに置くか……、やっぱり朝霞に置いてもらうのがベターだ、多分腰堀さんもすぐにこっち来て戦闘機への改造を話し合うかもしれないからね、急がないと」
「真多!、横須賀提督が来たぞ」
スタスタと歩いてくる横須賀提督。
「真多くん、新自衛隊はどう対抗する?」
「まだ確定はしていないのでなんとも言えませんが、初手で敵の航空戦力を潰します。そこから横須賀鎮守府などと合同で艦隊攻撃を行い、殲滅します」
「上陸部隊は?」
「陸軍近衛師団含めた防衛部隊との共同作戦です」
「わかった、艦隊の配置について話し合いたい、帝都防衛の担当者を集めて欲しい」
「わかりました、あと、参加艦艇と航空機にこれをお願いします」
そう言って取り出したのはIFF。
「これでこちらからの誤射を防ぐつもりです」
「わかった、すぐに量産を頼む」
「はっ!」
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新自衛隊呉司令部飛行場
「物部はどこだ!」
「俺ならここだよ」
北海道に向かう輸送機から手を振る物部。
「行先……、わかっているのか?」
「ああ、南西諸島方面は多元、帝都は合同作戦になるが、一応指揮は出来るようになった腰堀と真多。他転生者もそれぞれ配置した、俺だって多元程じゃないとは思うが腰堀よりかは指揮は取れる。となれば北海道配置が妥当だろ」
「陸戦で、1番キツイぞ?」
「大和だって戦っているんだ、俺が逃げてどうする」
「別に俺が行ってもいいんだぞ?」
エンジンが唸りを上げる中、無線機を使いながら会話する両名。
「……メ…」
「ん?」
「ダメだ、大和も出撃していて、北海道のヤツらが巻き込まれていて、さっさと引きこもるなんて、出来るわけが無い!!」
エンジンが離陸のためにより一層出力を上げる。
「離陸しろ!、
C-2、千歳基地へ!」
その言葉を聞いて、何か言わなくてはいけないと感じた多元。
「ご武運を、物部!」
その言葉を合図に、護衛のF-15と共にC-2輸送機が上がる。
「………、うーむやっぱりここでクラッシックのあれ流すべきじゃね?」
「イーグルにアフターバーナー使わせないでくださいよ」
「後の時代で、この様子を記録していたコメント欄には赤字が……」
「後の時代があればですけどね」
「そういうこった、せっかくラピッドドラゴン開発しておいたんだから、しっかり使いこなさないとな」
「後はあれだな、F-16、あれも一応用意しておいた」
「へぇー、F-16を?」
「そうそう……、んでここで重要なのは……、自衛隊はこのタイプのF-16は運用していないってことだ」
「元ネタ通りのやつでも作ったんですか?」
「STOL持たせたかったからね」
「F-16改は前線飛行場へ、F-15と早期警戒管制機は千歳基地だ、前者は8機しかいないし、後者も18機だ。初手の打撃が肝心になる。陸軍はなんて言ってきてる?」
「戦闘地域の住民避難完了、地雷と柵の構築を始めているとの事」
「結構、せっかく多元から機甲師団預かってるんだ、こっちもやるぞ」
「地盤は大丈夫なんですか?」
「問題無い、試験済みだ」
新自衛隊は、陸上部隊として6つの防空部隊とそれを護衛する普通科を入れた3個旅団、対艦ミサイル、長射程兵器を運用する2個師団。そして、司令部を守る即応機動連隊を有する1個師団。そして、最後に本土決戦を前提として編成されていた1個機甲戦闘軍がいる。
このうち、最も司令部のある呉から遠い北海道には、最初から長射程兵器を有する1個師団と、1個旅団がおり、即応機動連隊編成完了と共に機甲戦闘軍を北海道に移転した。
北海道は陸戦、帝都は防衛戦、南西諸島は艦隊決戦となるこの戦い。
勝てば深海棲艦は文字通り壊滅状態となり、海は再び穏やかな場所となる。
負けてしまえば言うまでもあるまい。
「まもなく千歳基地到着!」
物部を運んだC-2と護衛のF-15は千歳基地に向かっていった。
後の日本大戦の幕開けである。
○日本大戦主要参加部隊一覧
・北海道戦線
*新自衛隊
航空戦力 新航空自衛隊第996飛行隊F-15×18
第997飛行隊F-16改×8
第2001飛行隊E/P-1×2
第2002飛行隊C-2×1
新陸上自衛隊第9000飛行隊45式特殊生物対応重戦闘攻撃機
陸上戦力 新陸上自衛隊901、902旅団
03式、11式、87式、及び96式、軽装甲機動車と中距離多目的誘導弾を保有する普通科部隊
新陸上自衛隊904師団
12式、極超音速滑空弾、長射程兵器、MLRS、自走砲を保有する特科部隊
新陸上自衛隊第907機甲戦闘軍
10式戦車によって構成された中戦車連隊、45式重戦車によって構成された重戦車大隊、89式と10式で構成された偵察中隊、89式で構成された機械化歩兵連隊、99式で構成された野戦特科連隊。15式軽戦車で構成された軽戦車中隊。CV90で構成された装甲機械化歩兵連隊。中距離多目的誘導弾や対戦車火器を保有する対戦車大隊を保有する防御型機甲部隊
*大日本帝国軍
航空戦力 大日本帝国陸軍航空隊疾風×32
大日本帝国海軍航空隊97艦攻×48
陸上戦力 大日本帝国陸軍第7師団(61式戦車装備)
大日本帝国海軍陸戦隊(60式自走無反動砲装備)
45式重戦車 某モビルスーツ作品の連装砲戦車を参考に単装にした上で、油気圧サスペンションを装備した重戦車
・帝都防衛線
*新自衛隊
航空戦力 新航空自衛隊第995飛行隊F-2×16
新航空自衛隊第2001飛行隊E/P-1×2
陸上戦力 新陸上自衛隊第903旅団(百里基地)
901と同様防空部隊である
新陸上自衛隊第905師団(12式のみ)
904と同様特科部隊である
*大日本帝国軍
航空戦力 大日本帝国海軍横須賀鎮守府所属横田基地航空隊(現在は海軍が使用しているが元は陸軍である)Mig-29×16
大日本帝国海軍横須賀鎮守府所属厚木基地航空隊F-5E×32
大日本帝国海軍木更津飛行場噴式航空隊橘花改二(エンジン出力改善等を行った戦闘爆撃機型)×16
大日本帝国海軍横須賀航空隊一式陸攻×16、紫電改×16機
大日本帝国陸軍航空隊横田飛行場火龍×16
大日本帝国陸軍航空隊横田飛行場噴式飛龍×16(ジェットエンジン換装型)
大日本帝国陸軍航空隊横田飛行場疾風、飛燕、隼、月光、飛龍合わせて72機
陸上戦力 大日本帝国陸軍近衛師団等4個師団
大日本帝国海軍陸戦隊
(装備は北海道のものと同じ)
海上戦力 大日本帝国海軍
長門、瑞鶴、千歳、瑞鳳、千代田を含めた転生者より魔改造を受けずにレイテ直前まで残っていた艦娘(レイテでは被害は出たものの、損失は無いため)、武蔵
甲標的×32隻分
・南西諸島戦線
*新自衛隊
航空戦力 新航空自衛隊第991飛行隊F-3×16
新航空自衛隊第992飛行隊F-2×16(元いた機体は鳳翔航空隊に移動した)
新航空自衛隊第993飛行隊05式防空戦闘機「蒼隼」×16
新航空自衛隊第994飛行隊戦術打撃航空機「宙虎」×16
新航空自衛隊第1000飛行隊AAS-1×8
新航空自衛隊第1001飛行隊E/A-1×4
新航空自衛隊第2000飛行隊E/P-1×2
(新航空自衛隊は最終的に新田原に移動)
新海上自衛隊第9000飛行隊P-1B対潜哨戒機×20
(こちらは鹿屋に所属)
陸上戦力 新陸上自衛隊残存戦力
海上戦力 新海上自衛隊第零護衛隊群
*大日本帝国軍
航空戦力 佐世保、呉鎮守府基地航空隊Mig-29×32
海上戦力 第二水雷戦隊+大和+龍鳳、高速雷撃艦隊、航空水上打撃艦隊(伊勢、日向、利根、最上+護衛艦で編成)、他の魔改造済みの艦艇
各部隊の詳細な兵器は後ほど紹介。
深海棲艦北海道侵攻部隊
姫級推定200体
鬼級推定500体
姫鬼除く陸上型深海棲艦大小合わせて推定50000体(輸送船に格納されていると見られ、推定のみ)
艦艇型推定480体(未確認の大型輸送船タイプあり)
陸上型最大52000体
帝都侵攻部隊
姫級8体
鬼級16体
通常型4000体
南西諸島侵攻部隊
総計30000体
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1945年4月6日午前0時
先手を取ったのは日本側だった。
「航空隊、全力出撃!、向こうの空母は少ない、必ず全滅させろ!」
「全機出撃!、空母を全力で叩け!」
「ミサイル飽和攻撃用意!、敵の航空戦力を根こそぎ奪う!」
北海道、帝都、南西諸島方面のそれぞれに展開中の新自衛隊の部隊が一斉に行動を開始、航空隊や、各種長射程兵器で洋上航空戦力を叩く。
北海道では、12式や極超音速滑空弾とF-15からLRASM、F-16改からハープーン、珍しいところだとMLRSから短距離弾道ミサイルが放たれ、帝都防衛線ではF-2から93式、F-5Eからペンギン、12式や、Mig-29からも対艦ミサイルが放たれ空母棲姫やヲ級などに命中する。
南西諸島はさらに多くのミサイルが、様々なプラットフォームから放たれ、空はミサイルが覆っていた。
それもそのはず、今回参加した機体は128機に上り、対艦ミサイルの本数は雷華が6発、F-2が4発、蒼隼が6発、宙虎が8発、AAS-1が12発、E/A-1、P-1がそれぞれ8発、Mig-29が4発であり、その合計は800発に上る。
とはいえ、30000隻を撃沈するには全く足りておらず、12式やそのほかのミサイル部隊も全力で攻撃を続ける。
「一隻見逃すだけで1000人単位で人が死ぬぞ!、だが焦るな!、こっちにはあの小玉さんの開発した重戦車大隊もいる!、陸戦になることは織り込み済みだ!、奴らの頭をぶち抜いてやれ!!」
特に、北海道戦線では、一体見逃せば新自衛隊はともかく、大日本帝国軍に甚大な影響が出る。
ちなみに。LRASMや、ラピッドドラゴンに使用されるミサイルの中には滑空弾程では無いが内部に対深海棲艦細胞停止薬が含まれており、2発撃ち込むことで姫級鬼級を死に至らしめることが出来る。
北海道の航空隊は壊滅状態だとタカをくくっていたのか、専門の連中は少ない。
「空母棲姫、及び正規空母系の連中は20隻居ない!、全て潰せ!」
「それ以外の連中を潰しやすくするためにも全力で叩くんだ!」
12式はヲ級に、短距離弾道ミサイルは離島棲鬼に、ハープーンは護衛艦に、対深海棲艦細胞停止薬持ちのミサイルは全て空母棲姫や、航空機運用能力の高い姫鬼級に集中している。
「波状攻撃は上陸地点到達まで何回できる!?」
「3回です!」
「陸軍にその旨伝えろ」
根室付近、大日本帝国陸軍戦車隊
「新自衛隊より報告、空母棲姫の掃討を確認、尚、一部に欧州棲姫なども確認されている模様」
「奴らの陸上戦力がどれほどのものかはフィリピンの連中から聞いている。だが、こちらも新自衛隊の協力の元、攻撃力は上げている。海軍陸戦隊の連中は?」
「陣地転換場所の確認だそうです」
「航空隊は?」
「用意完了との事」
「そうか………、さて、何人生き残れることやら……」
塹壕に隠れつつ、海を睨む戦車隊。
戦いは近い。
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帝都防衛線
<<こちら航空隊、攻撃成功なるも、姫級中心に依然として侵攻継続中!>>
<<防空能力の高いやつを叩け、第3防衛ラインでは大日本帝国軍のレシプロ機や、初期ジェットも参戦する>>
F-2、F-5E、Mig-29が参加している帝都防衛線の超音速ジェット機部隊による攻撃は、防空能力の高いものから順に攻撃を開始し、これまでに鬼級なども含めた100体単位で撃沈している。
「帝都が少ない理由ってのはなんだ!」
腰堀は専門の軍人ではないが、必死に頭を回転させて帝都に固執しない深海棲艦の思考を読もうとする。
「本土決戦……、オリンピック作戦……、違う、もっとだ、もっと考えろ………」
その間にも、12式が攻撃を続行し、再出撃の早いF-5Eがペンギンミサイルで護衛を叩く。
「はっ!、長期戦……、前線基地の構築か!!」
南西諸島を攻略し、補給を潰す。
それと同時に北海道を占拠し、前線基地として帝都攻撃の足がかりにする。
「となれば、不味い。これを終えたら速攻で部隊を回さないと!」
「腰堀司令!、F-2再出撃完了!」
「厄介なやつを先に潰せ!、艦隊決戦の時に動かれたら厄介だ!」
「爆撃機の出撃を確認!」
「近寄らせるな!、03式は攻撃開始!」
「帰投中のMig-29、自衛用短距離空対空ミサイルで迎撃に入りました」
爆撃機は数が少なく、すぐに壊滅する。
「帝都防衛艦隊は?」
「配置につきました!」
「真多くんと連絡回線開いて!」
ここで横須賀に待機していた真多を呼ぶ
<<真多くん、艦隊の改装は!>>
<<瑞鶴に艦載機型のドラケンを積み、千歳と千代田には烈風、瑞鳳には紫電改四搭載、攻撃機は全機流星改。長門には電探とCIWSと携行対空ミサイルと装甲ボックスランチャーを装備!、それ以外の艦艇も改装済み!>>
<<紫電や烈風はともかく艦載機型ドラケンって!、真多くんテストは!?>>
<<そんな暇あるか!!>>
<<ほかは!>>
<<武蔵には限界までミサイルを積んだ。多分これで上陸はできないと思う>>
<<真多くん!、北海道や南西諸島に救援を回すとして何時間かかる?>>
<<2日はかかる、安全を見たら5日以上の可能性もある>>
<<南西諸島はともかく北海道は不味い!>>
<<なんとか持ちこたえることを信じよう>>
「F-2対艦攻撃完了、帰投します」
ふたりが連絡を取っている間にも攻撃は続く。
「次は総力を挙げた航空攻撃だ!、大日本帝国軍に通達しろ!」
「了解!」
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南西諸島戦線
「空母中心に多数の敵艦撃沈を認めるもさらに接近中!」
「想定範囲だ、ミサイルの補給を急がせろ」
<<こちら平河、補給艦サザンクロス。出撃完了、予定地点にて待機します>>
「了解した、気をつけろ」
<<こちら第零護衛隊群旗艦鳳翔、現在太平洋上にて遊弋中です。追加の指示を>>
「高速雷撃艦隊と航空水上打撃艦隊、扶桑山城両名の攻撃が終わり次第艦載機発艦、敵空母を叩け」
<<了解>>
この間も地対艦ミサイルが攻撃を続行、深海棲艦に打撃を与えていく。
「対艦ミサイルの積み替え急げ!」
「慌てる必要は無いが、一隻逃せば味方が吹き飛ぶリスクが跳ね上がる。積み終わり次第、直ちに発射!」
鹿屋にて射撃中の12式地対艦ミサイル連隊は作戦開始以来ずっと連続攻撃を行っていた。
「空対艦ミサイルの方はどうなってる?」
「再装填中、あと2回は行けます」
「爆撃機接近中、数16」
「戦闘機隊は忙しい、中SAM、叩き落とせ!」
「潜水艦隊は?」
「まもなく攻撃態勢に入ります」
南西諸島沖、深海棲艦艦隊前方深度600m
「今日は決めゼリフは言わないでち!、魚雷、対艦ミサイル発射!!」
残存潜水艦娘を集め、魔改造を施した潜水艦隊がいっせいに襲いかかる。
89式魚雷、ハープーンがいっせいに放たれ、全弾命中する。
「撤退でち、サザンクロスへ」
全弾命中させたゴーヤ達は速やかに撤退し、サザンクロスにて補給を行う
「潜水艦隊、サザンクロスに向け後退」
「高速雷撃艦隊、攻撃態勢に入ります」
「航空水上打撃艦隊、同じく攻撃態勢に入ります」
航空水上打撃艦隊には伊勢と日向、利根と最上と護衛艦として海防艦が組み込まれている。
「12式対艦巡航誘導弾って何気にワビサビよね」
「榛名、全力で参ります!」
榛名もVLSが増設されたことで、飽和攻撃戦艦に改造されており、誘導砲弾と組みあわせてアウトレンジ攻撃を担当する。
「今は瑞雲よりこの機体だな」
「航空隊、発艦!」
「カタパルトが不調でもこれならなんとかなる」
「その気になれば対艦ミサイルも積めちゃうんだね、つくづく転生者ってすごいよ」
航空水上打撃艦隊の中核を担う伊勢、日向、利根、筑摩は瑞雲ではなくF-35Bを搭載して航空攻撃を行う。
尚、フル武装での離陸が難しいとされていた航巡からのF-35B発艦はRATOによって解決している。
「艦対艦誘導弾一斉射撃用意!!」
高速雷撃艦隊程では無いが、対艦ミサイルを豊富に搭載する航空水上打撃艦隊が艦載機発艦の後に一斉に対艦ミサイルを発射する。
「撃てぇ!」
高速雷撃艦隊と同時に対艦ミサイルを発射。
生産性優先で亜音速だが、これでも普通に脅威となる。
「弾着………、今!」
レーダー上の円が重なると、ミサイルが命中した深海棲艦が消える。
「全弾命中!」
「誘導砲弾、攻撃開始!」
続けて高速雷撃艦隊の榛名や、航空水上打撃艦隊の伊勢、日向。他の護衛艦が誘導砲弾や射程延長弾を利用したアウトレンジ射撃を試みる。
この際、小さくて当てずらい通常型は狙わず、的がでかい姫級鬼級を優先して狙う。
一方、別の場所でも………
「姉様、行きますよ」
「ええ、山城。時雨達をしっかり援護してあげましょうね」
「誘導弾、攻撃開始!」
使い捨てにした対艦ミサイル発射筒も設置して一艦あたり360発の対艦ミサイルを撃ち込む。
こちらはやたら数の多い通常型を目標にしてある。
「攻撃終了……ね、なんだか呆気ないわね」
「補給を終えたらもう一度行います。サザンクロスに向かいますよ、姉様」
一方、航空水上打撃艦隊や、高速雷撃艦隊も攻撃が終了していた。
「攻撃終了、サザンクロスに後退」
「航空水上打撃艦隊より第零護衛隊群へ、航空攻撃を要請」
<<了解です、これより航空攻撃を実施します>>
航空水上打撃艦隊より50km東の地点にて
「風向き、良し!、航空部隊発艦!」
「18式艦上戦闘攻撃機発艦!」
F/A18EとF-3が葛城と鳳翔から発艦して、対艦攻撃を実行する。
既に陽は昇り、深海棲艦は大東島沖合200km地点にまで接近していた。
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呉新自衛隊司令部
「第零護衛隊群攻撃を開始しました」
「基地航空隊、追加攻撃に入ります」
「黒騎を呼べ」
<<はい、黒騎ですが?>>
<<例のアレを出せ、北海道に回す。真多と物部が弾薬を用意してくれているから厚木で補給、千歳基地から反復出撃するように>>
<<わかりました、やってみます>>
黒騎が革ジャンを着て、外に出る。
「スーパーXⅢ改は?」
「ただいま離陸準備中」
「わかった、到着する頃には陸戦が始まっているかもしれない。迅速に進めろ」
「はっ!」
帽子をかぶり、格納庫に向かう黒騎。
「黒騎さん、こっちです」
「ああ、わかっている」
装甲化された機体に入る黒騎以下3名。
「搭乗完了、発進体制へ」
格納庫がせり上がり、地上に出る。
<<滑走路展開>>
格納庫の扉が開くと共に、滑走路と、後部にジェットブラストディフレクターが展開され、発進体制に入る。
<<離陸準備完了、電磁カタパルト射出準備良し>>
<<スーパーXⅢ改へ、離陸準備完了>>
「スーパーXⅢ改、テイクオフ」
搭載されたエンジンが唸りを上げ、同時にカタパルトから射出される。
「スーパーXⅢ、離陸完了」
<<了解、そのまま高高度巡航で厚木へ向かえ>>
「了解」
新陸上自衛隊第9000飛行隊
深海棲艦という特殊な存在に対抗し、姫級鬼級を確実に倒すことを目的に設立された新陸上自衛隊唯一の航空機運用部隊。保有機は45式特殊生物対応重戦闘攻撃機だけだが、単機で大艦隊すら殲滅しうるポテンシャルを持つ同機体を効果的に運用できる部隊として結成が急がれており、新自衛隊が開設した初期の頃から計画はあったが、乗組員の錬成の問題で今作戦には最初から参加することが出来なかった。
45式特殊生物対応重戦闘攻撃機
通常攻撃が効かないとされる深海棲艦の中でも特に頑丈で脅威度の高い姫級鬼級に対抗するために黒騎魈が中心となって開発を進めていた秘匿兵器。機首のメーザー砲は通常型なら一撃撃沈、致命傷になる威力で、例え姫級や鬼級に命中したとしても、無視できないレベルの被害をもたらす。主翼にはミサイルを多数携行可能で、LRASMなどの長射程兵器を運用する。また、機体上部の専用ポッドから発射されるkadomiumu弾は深海棲艦の生命活動を数分以内で死滅させる能力を持つ。飛行に関しては核融合炉を使った推進機関でマッハ2.5以上の速度をだして飛ぶことができる。開発は黒騎魈、対深海棲艦用兵器の集大成である。
kadomiumu弾
正式名称無害性細胞停止破壊即死特殊弾と呼ばれるこちらの弾薬は、弾頭に仕込まれた薬品の特徴を示す英文の特定の文字<Kill And Destroy Organ , death in MInUte harMless, Unique(英語は苦手なんだ、すまぬ)>を取ってこう名付けられた。命中すると姫級でも数分以内に細胞の活動停止または、破壊が行われ、死に至る。深海棲艦が地球上の生物との類似点を持たないことから、深海棲艦のみに効果がある弾薬として対深海棲艦細胞停止薬を改良して作られた。当然人体には無害である。
スーパーXⅢ改は、マッハ1.8で超音速巡航して厚木に向かって行った。
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北海道戦線
「空母系を優先して撃沈するも、依然として多数の敵が接近中!」
ガンッ!、机を叩く音がする。
「だめだ!、この程度の攻撃では埒が明かない!!」
「沿岸部への機雷敷設は?」
「完了しています。N2爆雷はどうします?」
「そいつは最終手段だ、第3防衛ラインを割られた時に使う」
今回最も厳しい戦いとなるとみられていたのが新自衛隊の司令部、大日本帝国軍司令部から最も遠い北海道だ。
もとより北海道というより北方方面全体に言えることだったが、基本的に深海棲艦の侵攻が少なく、そのこともあって主戦力は南方へと転換され、航空部隊もさして多くはなかった。
転機となったのは史実なら1945年7月あったはずの北海道大空襲だ。
恐らくレイテで大敗北を喫したことがトリガーとなり(少なくとも大日本帝国軍と新自衛隊の認識はそうなっている)防衛戦力を分散させるなどの意味合いを込めて、北海道に深海棲艦による大規模な空襲が行われたのだ。
当然、対応が遅れた北海道の防衛部隊は壊滅、特に航空部隊は甚大な被害を受けた。
これを受けて、新自衛隊と大日本帝国軍は急遽予定を変更、上記の部隊を速やかに向かわせたのだ。
しかし、どうみたって数は足りないため、航空部隊や艦娘部隊による迎撃では対応不可能とし、ある程度の攻撃を加えた後、陸戦によって決着をつけることが決定された。
陸戦における防衛ラインは以下の通り。
第1防衛ライン
根室市近郊(放棄前提)
大日本帝国軍主体
第2防衛ライン
浜中町、別海町付近(主戦場)
機甲軍+大日本帝国軍
第3防衛ライン
釧路市、中標津町付近(航空部隊に撤退命令の可能性)
全部隊(撤収体制を確保)
このうち、第3防衛ラインが破られた場合、上記の市町村及びその周辺全体にN2爆雷攻撃が行われることとなる。
「目標、根室市に向け上陸体制に入ります」
「連中はこちらの脅威を知っている。千島列島や、北方領土に乗り込むことはしないはずだ」
島に上陸すれば極超音速兵器による大規模な空襲があることを知っている深海棲艦は上陸前に拠点を作るということはせず、一心不乱に根室市を目指す。
「未確認の輸送船含む艦艇型400隻と姫級鬼級が根室市にまもなく上陸!」
「機雷原に突っ込むぞ!」
誰しもが機雷原で見事に爆散する深海棲艦を想像した次の瞬間………
「こ、これは……」
軌道往還機からの情報を見た物部以下司令部は言葉を失った
「自爆……」
「正気じゃねぇぞ!、なんでこんなところで!!」
先行していた艦艇型深海棲艦が濃密な機雷原を前に突如として自爆。
当然その爆発の余波で機雷原に進路が生まれる。
少しでも陸上戦力を減らしたいがために機雷原を大量に用意していた防衛部隊だったが、艦艇型が完全な盾となって機雷原を処理し始めたのだ。
「海軍陸戦隊に連絡!、根室上陸部隊は相当数になる模様、後退体勢を整えつつ、各部隊水際作戦を実施せよ!」
<<こちら大日本帝国海軍陸戦隊!、了解した航空支援を頼む>>
予想外の方法で機雷原を突破した深海棲艦により、当初よりも数多くの部隊が上陸することとなった北海道戦線。
その地獄の陸戦が始まろうとしていた。
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帝都戦線
「航空隊、発艦!」
「アウトレンジ、決めます!」
「ビック7の力、侮るなよ」
遂に帝都防衛艦隊の海戦予定ラインに迫った深海棲艦に対して、僅かながらでも改装を受けた横須賀、舞鶴の残存艦艇、南方や北方の各泊地から撤退してきた部隊によって戦闘が展開される。
「F-2、航空攻撃開始!」
「F-5E、対艦ミサイル発射」
「Mig-29、弾薬補給のため後退」
超音速機も対応を行うが、今回の数的主力は彼らでは無い
「いくぞ、陸軍航空隊、攻撃開始!」
「横空の実力を見せてやる!」
橘花、火竜、ジェット化した飛龍。一式陸攻なども加わり、熾烈な航空攻撃が行われる。
「陸攻が半分以上撃墜されています!」
「橘花、敵対空砲の直撃を受け、炎上、突っ込みます」
新自衛隊のように圧倒できる訳では無いため、速度の遅い機体を中心に被害が続出するが、それでも帝都を守るべく、決死の攻撃を続ける。
「噴式飛龍が誘導爆弾を旗艦に命中させました!」
「敵空母、一式陸攻の雷撃を受けて爆沈!」
「橘花、爆弾投弾後に敵機を撃墜!」
それでも、防空能力の高い深海棲艦を優先して新自衛隊が叩いたこともあり、着実に戦果が挙げられる。
「誘導弾、発射!」
「流星改は旗艦を叩いて!」
更に艦娘部隊による攻撃も行われ、陸海空のあらゆる場所から攻撃を喰らい続ける。
「この武蔵の誘導弾攻撃を喰らえ!!」
更に、限界までミサイルを積んだ武蔵が640発の対艦ミサイルを発射。この攻撃が見事命中し、深海棲艦の残存艦艇は一気に1000を下回った。
「このまま押し込む、甲標的を出せ」
横須賀鎮守府の提督の指示で甲標的が艦隊に向け突撃。
肉薄攻撃を仕掛ける。
対潜警戒はしていたとはいえ、肉薄してからの一斉雷撃は回避を困難なものとし、空や海上を見ていた深海棲艦にとってはさらなる厄介者の登場に混乱を極めていた。
気がつけば、深夜から始まった戦闘は昼を過ぎてもなおも続き、最早日が傾く頃まで進んでいた。
「残り姫級3、鬼級4、通常型100!」
「この気を逃すな!、姫級と鬼級にASM-3をぶち込む。F-2の帰投後直ちに換装せよ!」
ここで、かろうじてまとまった数の揃ったASM-3を撃つために艦娘部隊へ真多から目標の変更が告げられる。
「艦娘部隊は通常型に目標を変更せよ!」
<<わかった、この長門の主砲で通常型を一掃してみせる!>>
<<姫級なんかに比べたら遥かにマシよ!、噴式航空隊、全機発艦!>>
<<こちらスーパーXⅢ改、厚木への着陸許可を>>
「許可する」
次いで、北海道に向け移動中のスーパーXⅢ改が補給のために厚木に着陸。陸戦が始まる北海道での作戦支援を行うために急いで補給を行う。
着陸後、補給の確認のために降り立った黒騎に対して真多が駆け寄る。
「黒騎くん、南西諸島はどうなった?」
「まもなく第二水雷戦隊が攻撃を開始します」
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南西諸島戦線
「佐世保鎮守府より入電!、まもなく第二水雷戦隊が敵艦隊に向けて突入するとのこと!」
「第零護衛隊群は航空支援に入れ!、F-2はどうした?」
「まもなく攻撃体制に入ります」
レーダー上にプロットされたF-2を示す青いマークが高度を維持しつつ敵艦隊に向かう。
一方、佐世保鎮守府から出撃した第二水雷戦隊は、ここまで相手から一切補足されることなく、接近に成功していた。
「大和、電探に反応は?」
「無いわ、矢矧。第零護衛隊群や、他の諸艦隊、航空隊のおかげね」
「時雨、雪風、先陣は任せた」
「任せて矢矧」
「雪風は沈みません!」
初撃は対艦ミサイルの一斉射撃。次は龍鳳と大和の艦載機による航空攻撃。その間にも他艦隊からの攻撃は続くが、最終的には大和、矢矧、雪風、時雨、涼月、冬月が突撃隊として艦隊に向け突入。龍鳳以下護衛艦はその場に留まり突撃隊突入後は大和艦載機も一時的に収容しつつ、護衛されながら近接航空支援を行う。
「上空艦対艦誘導弾、扶桑山城両名からのものです」
「すごい数だ……」
扶桑と山城はサザンクロスでの補給を終えると、再びミサイルを発射。
時雨たちが突入するギリギリ手前で再度行った飽和攻撃により、3万いた深海棲艦は半分を割って12000隻まで減っていた。
だが、まだ数のある深海棲艦は力でのゴリ押しをやめない。
「突入!、各艦は各自の判断で自由回避を許可します」
そう言うと、大和は自分の主砲を敵艦隊に向け、砲撃戦を始める。
「早期警戒管制機からのデータ入力完了……、第1第2主砲、斉射、始め!」
轟音とともに日の落ちた南西諸島沖の海に世界最強の超弩級戦艦の主砲が火を噴く。
51サンチ誘導砲弾
ロケット推進と、早期警戒管制機をはじめとする外部からのデータリンクによって、上空で軌道を調整することが可能な誘導砲弾。最早ミサイルと言っても差支えのない砲弾で、大和は各主砲の10斉射分は保有している。
「艦対艦誘導弾、発射!!」
ついで矢矧らと共に、対艦ミサイルを一斉射撃する。
命中し、漆黒の海を赤く染めて燃え上がる敵艦を横目に艦隊はさらに接近する。
「全艦砲撃戦用意!」
その言葉を聞いて各艦の主砲が一斉に敵艦を指向する。
「射程延長弾装填完了!」
「誘導爆弾発射準備完了!」
「大重量砲弾、切り替え完了!」
そして、再び海に轟音が響く。
「撃てぇ!」
大和の合図で一斉に砲撃を開始する第二水雷戦隊突撃隊。
砲撃戦……、いや砲激戦とも言える南西諸島沖の夜戦は初手のジャブからのフックの連打によって始められた。
この時点で、敵艦隊との距離は40km程だが、大和以下の艦娘は正確な射撃で、確実にダメージを与えていった。
「忌々シイ艦娘共メ、沈メ!!」
深海棲艦の中にも僅かながら51センチ砲持ちが居るようで反撃されるが、たかが1945年レベルの射撃管制システムでは、ものによっては22世紀に片足突っ込んでいる転生者達の開発した最新鋭のFCSに勝てるわけが無い。
「敵の砲弾、いずれも遠弾です」
「友軍に当たりそうなものは?」
「ありません。ぶっちゃけ見当違いの方向です」
「結構です。今後も監視を強めてください」
「はっ!」
こちらが最大射程で命中させ続けていることもあってか、深海棲艦による砲撃が命中しないまま、砲撃戦が開始されてから早数時間が経過していた。
「F-2、ASM-3発射!、51cm砲持ちを破壊しろ!!」
「哨戒機部隊は重巡や、軽巡を狙え、ついで駆逐艦の姫級や鬼級だ、残すと魚雷を喰らう!」
「我が基地航空隊は残存している空母、または夜戦の邪魔になる駆逐艦等を狙え、この誘導弾の弾頭では戦艦は殺れない」
「鳳翔航空隊は敵の艦艇をとにかく減らしてください!」
「葛城航空隊は装備換装急いで!」
「平河さん、再出撃にはあとどれ位?」
「20分待ってくれ」
「おやっさん、こっちの燃料補給は?」
「もう終わっておる。お前さんは少し休め」
「みんな、行くでちよ!」
南西諸島戦線は、西日本艦娘部隊の総力を挙げた戦いとなっていた。
鹿屋から飛び立った蒼隼が機関砲でヲ級の頭を破壊して、Mig-29の放った対艦ミサイルが命中して爆散。
F-2から放たれたASM-3で空いた風穴にP-1からの対艦ミサイルが命中して大爆発など、対艦ミサイルと兵器の質に物を言わせた物量作戦が展開される。
数は多くとも、最新鋭のテクノロジーで武装した南西諸島戦線は人類側が優位に立ち回っており、大和以下突撃隊が大和のAPFSDSを発射する段階までには8000隻を下回るようになっていた。
帝都戦線も、数は少なくとも、参戦していた新自衛隊とその技術力によって底上げされた部隊が、大日本帝国軍の精鋭達と協力して、1mmたりとも本土上陸させない体制を築き上げていた。
だが、唯一劣勢となっていた戦線がある。
物部以下陸上部隊による陸戦となっていた北海道戦線だ。
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「海軍陸戦隊第4対戦車小隊との通信途絶!!」
「浜辺からは後退しろ!、見通しのいい浜辺では的になる!、市街地戦を行いつつ第2防衛ラインまで交代するように伝えろ!」
「一部が釧路市近郊に向かう模様!、別地点より上陸する気です!」
「行かせるな!、12式はそっちを狙え!、ATACMSを侵攻中の部隊に照準!!」
陸戦の始まった北海道戦線は厳しい戦いを強いられていた。
「航空機の発艦を確認!」
「陸軍航空隊を呼べ!、こっちじゃ対処しきれん!!」
「根室市近郊の地雷原突破されました!!」
「第6対戦車小隊へ!、地雷原を突破した部隊が来る!、陣地転換をして接近に備えろ!」
「F-16による航空攻撃開始!」
「F-15への補給はあと何分だ!」
「8分です!」
「急げ、一分遅れれば味方が消し飛ぶぞ!」
予定よりも多くの深海棲艦が上陸した根室市では、海軍陸戦隊による水際作戦を早々に切り上げ、根室市市街地まで一気に後退。市街地戦を行うことにした。
<<目標敵多脚戦車、無反動砲、撃てぇ!>>
<<上空敵機!!、突っ込んでくる!!>>
まるで蜘蛛や百足、蟹のような見た目をしながらもこの世のものとは思えない不気味な見た目をした深海棲艦戦車。
60式の隠れ撃ちや、パンツァーファウストを携行した歩兵部隊による熾烈な市街地戦は深夜になってもその勢いは衰えず、後退しつつも高い火力で攻撃の手を緩めない対戦車小隊と、それを潰すためにあらゆる手を用いる深海棲艦との間の戦闘で町はさながら第二次世界大戦のドイツやフランス、その他紛争地域のような地獄の様相を呈していた。
<<陸軍砲兵部隊より海軍陸戦隊へ!、これより根室市東部に向けた効力射を実施する!、直ちに指定地域から撤退せよ!>>
<<その必要は無い!、指定地域にいた味方はたった今全滅した!>>
<<なっ……、これより効力射を開始する!!>>
上陸部隊との激戦をすることになった海軍陸戦隊対戦車部隊は部隊の3分の1が全滅、つまるところ組織としては壊滅状態に等しいことになりながらも、遅滞戦術を駆使して敵に出血を与えてきた。
「新陸自の航空機はいつ来る!」
「現在東北地方を通過!、まもなく根室市上空に向かいます!」
「東北地方の弾道ミサイルは何をやってる!」
「根室市近郊の浜辺を攻撃していますが、命中精度の都合上、市街地は狙えません!」
「嗚呼もう!、敵が多すぎるんだよ!!」
<<こちら海軍陸戦隊!、まもなく第2防衛ラインまで後退する!>>
<<了解した、後退完了後直ちに所定地域に攻撃を開始する。速やかに退避せよ!>>
60式や、ジープが次々と後退を始める。
皮肉なことに、機雷原突破のために多数の艦艇型を犠牲にしたためか、撤退中の追撃に艦砲射撃はほとんど無かった。
「海軍陸戦隊撤退完了」
「新自衛隊はなんと言ってきてる?」
「いつでも良いと」
「うむ、全車前進!、深海棲艦を叩く!!」
北海道の精鋭第7師団。
61式戦車へと転換が進められたこの師団は、新自衛隊の機甲軍と協力して、北海道東部の広大な平原で戦闘することとなる。
「目標捕捉!」
「撃てぇ!」
61式戦車の90ミリライフル砲が一斉に射撃を開始する。
如何に深海棲艦が硬いとはいえ、戦後MBTは伊達では無い。
「命中!、多脚戦車沈黙!」
「良し!、このまま押すぞ!」
「上空より敵機!」
「何!?」
突っ込んできた敵機。
「衝撃に備えろ!」
身構えた兵士たちだが、<その時>は訪れなかった。
<<こちら新航空自衛隊所属F-15戦闘機、これより航空支援に入る>>
LRASMを撃ち終えたF-15が残っていた空対空ミサイルで敵機を撃墜する。
「た、助かった……」
「上は自衛隊が抑えてくれている!、今は目の前の敵を倒すぞ!」
「了解!」
61式戦車は、その機動性を活かし、多脚戦車を中心に撃破を重ねていく。
新自衛隊北海道司令部
「61式戦車交戦中、戦況はここに来てやや劣勢まで持ち直しました」
「機甲軍を投入、重戦車大隊を姫鬼級へ向けろ、中戦車はその支援に迎え、軽戦車隊は戦場を動き回り火力支援を、対戦車部隊は海軍陸戦隊の救出に当たれ」
<<重戦車大隊了解!、全車前進!!>>
<<中戦車連隊了解!、油圧サスペンション始動!、精密射撃開始!!>>
<<軽戦車隊、全車散開、分隊毎に支援要請のあった場所に支援に入れ!>>
<<こちら対戦車部隊、司令内容確認、目標味方追撃中の多脚戦車、攻撃開始!>>
堂々たる陣容を誇る新自衛隊最強の機甲部隊、第907機甲戦闘軍。
その一番槍は対戦車部隊だった。
中距離多目的誘導弾と言えば高機動車に載っかった物を思い浮かべるかもしれない。
だが、舗装率も低く、悪路の多い場所では装輪式ではかえって機動力を損なうため、新型を用意していた。
それが44式自走対戦車特車である。
特車と言われれば戦車を誤魔化すための言葉だと思われるが、明確な名称が付けられなかったこの車両にはむしろよく合っており。10式を流用した車体に、中距離多目的誘導弾の発射機と再装填装置を装備した対戦車車両であり、これに20mmバルカン砲を装備した対戦車、対装甲目標向けの専用車両となっている。
この44式特車は当然ながら10式のようにサスペンションで上下することができるため、隠密性、攻撃力共に高い水準となっている。
「隊長!、追っ手が!」
「おぉ……、自衛隊だ!、自衛隊が来たぞ!!」
破壊された多脚戦車を見て、対戦車部隊の隊長は自衛隊の支援と判断。そのまま後退し続け、なんとか味方陣地まで引き上げた。
「半数以上の損失と引き換えに多数の敵を葬り去ったのはいいが……、失われた命は戻らない……」
「隊長……」
「だが、これで戦いは終わった訳では無い。万が一に備えて再び準備せよ!」
「了解!」
海軍陸戦隊は、深海棲艦艦載機の自爆特攻や、多脚戦車による砲撃、その他各種の対地攻撃により、所属部隊の半数を損失する大損害を被ったものの、なんとか離脱に成功した。
そして、別の場所では、姫鬼級が悲鳴を上げていた。
「155mm、目標捕捉!」
「第1小隊全車連動!、足元を狙って撃てぇ!」
自走砲並の口径を持ちながらも、10式と遜色ないレベルの機動性を見せつけて離島棲鬼達を相手取っているのは、戦後はその存在意義が薄れたことによって消えていった重戦車大隊所属の45式重戦車。
とはいえ、さすがに硬い陸上型の姫鬼級深海棲艦を倒すには少々無理があるので、高い火力を活かして移動不能、活動不能に追い込み、後方からの火力支援をもって撃破していく。
「ヤ゛メ゛ロ゛!!、来ルナ!」
「バケモノメ!!」
深海棲艦側からすれば、柔らかい所を狙って砲撃し、痛みを与えてから空から猛烈な火力を喰らうこの戦術は恐怖でしかなく、先程まで海軍陸戦隊を追い詰めていた様子はどこへ行ったという有様である。
そして、やや劣勢だった61式部隊にも支援が来る。
「多脚戦車爆散!、味方の砲撃です!」
「どこからだ!?」
<<こちら中戦車連隊、10式戦車。こちらは長射程精密射撃で支援する。まもなく軽戦車隊も到達されるため辛抱されたし>>
「軽戦車!?、来ても的になるだけだぞ?」
<<心配無用、こちらの軽戦車は105mm砲搭載である>>
「お前のような軽戦車がいるか!」
とはいえ、そうしている間にも、塹壕などの物陰をサスペンションを使って上手く隠れつつ、精密射撃を行う10式戦車によって次第に戦況は好転していった。
<<軽戦車隊、突撃!>>
さらにここで15式軽戦車が突入。10式のデータリンクによって敵の位置を明らかにされた15式は、そのまま105mmライフル砲を用いて敵を撃破する。
だが、15式軽戦車隊は予想以上に大きな多脚戦車に困惑する
「嘘だろ……、なんてデカいんだバケモノめ!!」
(お前の方がバケモノだよ)
<<こちら第2戦車小隊、負傷者の出た味方を退避させようとしている。新自衛隊側に支援を求む>>
<<了解した、第2中戦車小隊は直ちに向かえ>>
<<了解、セイバー6より全戦車に告ぐ、前進!!>>
そう言って塹壕から飛び出てくる10式戦車。
「あそこです!、3500m前方!」
見ると多脚戦車が襲いかかろうとしている
「殺ろうぜ!」
「慌てるなまだ射程外だ」
冷静な車長はそのまま狙いを定めるように言う。
多脚戦車側もこちらに気づいたか砲を撃ち込むが、3.5世代戦車標準装備の複合装甲に容易く防がれる。
「1500m接近中!、こちら砲撃準備完了!」
「FIRE!」
「待ってました!!」
日本製鋼所44口径120mm滑腔砲が火を噴き、APFSDSが多脚戦車の頭部らしき部分から胴体までを貫き爆発させる。
「いいぞ!、いえーい!いえーい!」
「興奮するのはまだだ、次のターゲットを探してくれ」
「装填、確認!」
「良し!」
「FIRE!」
再びAPFSDSが放たれ爆散する多脚戦車。
「FIRE!」
立て続けに放たれた砲撃で多脚戦車は後退、その間に61式は撤退していった。
自走砲陣地
「FIRE」
「FIRE!」
「FIRE!!」
99式自走155mm榴弾砲が一斉射撃を行う。
TOT、Time On Targetをいとも容易く行うことの出来る自走砲部隊は、姫級や鬼級のいる場所に手当り次第山ほどの弾薬を撃ち込む。
「目標の爆散を確認!」
<<こちら61式戦車小隊
ありがとう!>>
<<お易い御用さ>>
1時はかなり劣勢に追い込まれた北海道戦線だが、陸自航空機到着前になんとか体勢を建て直すことができた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
物量作戦となった今回の戦い。
最初に決着が着いたのは帝都戦線だった
「Target echo 1-1」
「Target echo 1-1」
「FIRE!」
真多が装甲ボックスランチャーの予備で作った自走トマホーク発射機で攻撃に入る。
「命中、撃沈!」
「良し!」
F-2などによる度重なる波状攻撃、艦娘による艦隊決戦、陸地からの対艦ミサイル攻撃を一手に受け続けた深海棲艦帝都侵攻部隊。
「残るは旗艦のみ!」
残った敵に全力を差し向ける帝都防衛部隊。
「ASM-3、攻撃開始!」
「主砲、撃てぇ!」
「SSM-1(2)、撃てぇ!」
陸海空全てから大火力を差し向ける。
「何故ダ……、何故ダァァァァァァァ!!」
空からASM-3 32発
海から41cm砲 8発他各種砲熕
陸よりトマホーク他対艦ミサイル 12発
オーバーキルという言葉がまさに相応しい大火力を喰らった帝都侵攻部隊旗艦中枢棲姫は欠片すら残さず吹き飛んだ。
「はぁ……、はぁ……」
最後に41センチ砲を叩き込んだ長門。
「殺った……のか?」
「多分……ね」
「良し……、やったぞ!!」
うぉぉぉぉ!、と盛り上がる艦娘達。
「倒した!、倒したぞ!!」
やったー!、大日本帝国バンザイ!、天皇陛下バンザイ!と声を上げる大日本帝国軍関係者。
「良し……、ここは何とかなった……」
<<ああ、今は信じよう、南西諸島戦線は提督が何とかしてくれる。北方には黒騎も行った。ここで焦ってしまっては元も子もない>>
「………準備だけはしておこう」
<<その通りだ>>
負傷者救出のために発進する捜索機のために滑走路を空けながら、夜が明けていく様子を眺めていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一方、大和以下突撃隊突入後の南西諸島戦線
「大重量砲弾射撃終了、戦艦用装弾筒付翼安定徹甲弾発射用意!」
「敵弾来ます!」
大和、ここで賭けに出る。
「水中墳進錨を下ろしなさい!」
「えっ?」
「錨を下ろしなさい!」
錨を担当する妖精が錨を下ろす。
「大和!?、何やってるの!?、みんな死ぬよ!!」
ガガガガガ、と音を立てて錨が海の中に入っていく中で突然の暴挙に矢矧が声をかける。
「死は避けられない、矢矧さんだって死ぬし、私だって死ぬ。
みんないつか死ぬ。
でも今日じゃない!!」
ガキンッ!
「操舵用補助動力装置始動!、回ります!、同時に錨上げて!!」
大和の大きな艤装が一気にターンする。
「敵弾回避!、砲撃用意完了!、
痛いのをぶっ喰らわせてやれ!!」
初老の砲術長妖精が照準を合わせて双眼鏡を覗き込みながら声を上げる。
「撃てぇ!」
大和搭載の51cm三連装砲3基9門が一斉に火を噴き、硬い装甲に覆われた深海棲艦の姫級を軽々とぶち抜いて内部で炸薬が炸裂。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
悲鳴をあげる深海棲艦だが、物部によって魔改造された大和の恐ろしさはこんなものでは無い。
「多目標同時照準!」
「多目標同時照準良し!、姫級3、鬼級2、その他深海棲艦を捕捉、砲撃準備完了!」
「撃てぇ!」
51cm砲が一門ごとに違う目標を指向し、そのほかの副砲も異なる目標を同時に捕捉して発砲した。
所謂マルチロックオンと呼ばれるタイプのこれは、多対一を強いられる大和に向けて開発された装備の1つである。
命中精度についても言わずもがなというわけで、見事にほとんどの目標に命中させてしまった。
「姫級2、鬼級2、その他深海棲艦10隻以上を撃沈!」
「矢矧さん、時雨さん、雪風さん、冬月さん、涼月さん。大丈夫ですか?」
「平気よ、大和」
「上空航空機、味方機だ!」
見れば葛城のF/A18Eスーパーホーネットが対艦ミサイルを放って敵を仕留めている。
「残存勢力は?」
「姫級鬼級含め残り300!」
「ここで決めましょう……。さあ、やるわ!、砲雷撃戦用意!!」
「魚雷戦用意!」
「新自衛隊より入電、最後の航空攻撃を始めるよ!」
P-1対潜哨戒機とF-2がASM-3を発射し離脱する。
ASM-3は88発で、ここにゴーヤも攻撃に参加する。
「魚雷、誘導弾発射!」
対艦ミサイルと魚雷が放たれ、ASM-3と共に命中する。
<<大和、援護するわ、時雨、しっかりやんなさい>>
「山城……」
山城が対艦ミサイルを発射、高速雷撃艦隊なども対艦ミサイルを発射し、突撃隊を援護する。
最後の飽和攻撃によって、あと残すところは中枢棲姫。
再び闇夜が明るくなり、まもなく朝日が差し込んでくる。
「目標、正面!、中枢棲姫!」
時雨と雪風が中枢棲姫の攻撃を躱しながら懐に潜り込む。
「ゆき!」
「ぐれ!」
魚雷を同時に発射し、中枢棲姫を攻撃する。
「矢矧さん!」
「ええ、撃ち方用意!、涼月、冬月!」
「「了解!、撃てぇ!」」
矢矧以下涼月、冬月も攻撃を開始、高い火力で相手を追い詰める。
「オノレ……!、コンナハズデハ……」
恨み節を上げる中枢棲姫。
その矛先は艦娘か、人類か、はたまた転生者か、それは誰にもわかることは無い。
「砲術長妖精、装弾筒付翼安定徹甲弾の残弾は?」
「一斉射分あります!」
「装填してください射撃します」
「了解!、あ、大和航空隊からデータリンクです」
送られてきたデータは中枢棲姫の正確な座標だ。
そこに込められた航空隊の想いを受け取った大和。
「そうか……、それなら……、やるしかないわね!」
大和の51cm砲が中枢棲姫をしっかり捉える。
「夾叉無しで直撃させます!」
大和がこの海戦一番の集中力を発揮する。
「撃てぇ!」
1度目を閉じ、カッと見開いて主砲を放つ。
発射された砲弾は途中で分離し、槍のような細長い物体へと変化する。
・・
従来の砲弾に比べ、明らかに高速なソレは中枢棲姫に命中するとマッシュルーム状に変形し、中枢棲姫の体内で炸裂する。
体内では、身につけていた装備が貫徹された際の破片や、弾そのものの破片、そして大きな衝撃波が中枢棲姫を襲う。
当然耐えられるものではなく、体全体から泡のように膨れ上がった何かが体を覆い尽くし、やがて大爆発を起こした。
最後、絶叫すら残さずに逝ったのは、APFSDSの速度と加害の速さ故か、それとも別の何かかは誰も分からない。
「勝った……」
「ええ、勝ちました。私達の……、いえ、人類の勝利です」
矢矧と大和が喜びを静かながらも漏らす。
やったぁ!、と時雨に抱きつく雪風。
「すごい……、本当に勝てたんだ……」
未だに何が起きたのか分からず立ち尽くす時雨。
涼月と冬月は共に抱き合っている。
喜んでいたのは第零護衛隊群、高速雷撃艦隊、航空水上打撃艦隊、佐世保、呉も同じだった。
だが、多元は、転生者達はまだ緊張感を保ったまま、司令部から出てこない。
北海道ではまだ戦いは続いていたのだから。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
北海道戦線
「機甲軍上空に大型機!」
「来たか!」
10式から送られてきた映像を見れば濃緑色の有翼の機体が旋回しつつ、敵を攻撃していた。
<<作戦参加中の全部隊へ!、この期を逃すな!、深海棲艦へのクソ野郎共に総攻撃だ!>>
<<''了解''>>
塹壕で精密射撃をしていた10式が塹壕から出てスラローム射撃を行う。
89式が、CV90が機関砲と対戦車ミサイルで多脚戦車を撃破しつつ、味方を援護する。
「kadomiumu弾、発射」
黒騎が指揮するスーパーXⅢがkadomiumu弾を撃ち、姫級深海棲艦を倒す。
「俺達も行くぞ!」
砲撃を受けて撃破された味方を乗り越え、大日本帝国陸軍の61式が射撃する。
「海軍陸戦隊の意地を見せてやる!」
ここまで一番の被害を出してきた海軍陸戦隊も無反動砲で攻撃を行う。
15式軽戦車の軽快な機動力が敵を翻弄し、105mmライフル砲で確実に仕留める。
45式の火力が多脚戦車を形すら残さずに消し飛ばす。
第2防衛ラインまで後退していた陸上部隊が押し返しを図ると共に、航空隊も動き出す。
「LRASM発射!!」
「マーベリック発射!」
追加で航空攻撃も加わり、次第に深海棲艦は追い込まれていく
「メーザー照射!」
強力なメーザーを喰らった姫級が全身を燃え上がらせ、焼け死んでいく。
遂に深海棲艦は根室市市街地に立てこもることとなった。
「この期を逃すな!、全長射程兵器攻撃開始!」
99式、MLRS、12式、極超音速滑空弾、東北地方まで移動してきていたスカッド改良型ミサイルが一斉に立てこもった深海棲艦に対して攻撃する。
雨嵐のように降り注ぐ攻撃に耐えかねて飛び出してきた敵を確実に倒しながら、包囲網を形成。
延べ20000発以上の砲弾を叩き込んだ根室市市街地は最早更地同然となったが、一体逃すだけで再び人類の脅威になりかねない。
「撃てぇ!」
「発射!」
「攻撃開始!!」
残ったのは欧州棲姫。
機甲軍、陸軍、海軍陸戦隊の総力を結集して撃破にあたる。
「オノレ……、ジエイタイメ……、貴様ラガ居ナケレバ……」
禍々しい声が戦場に響く。
「うるせぇ!、さっさと逝け!」
容赦のない機甲軍は砲撃を続行。
「F-15、あれを落とせ」
<<了解、バンカーバスター投下>>
トドメとばかりにバンカーバスターを2発投下。
地下のコンクリート製の建物を破壊できるこの爆弾が、欧州棲姫を貫く形で爆発。声すら出せずに消し飛ばした。
「赤外線、光学カメラ、各種センサー及び目視で確認できる敵の存在を確認できず!、我々の勝利です!!」
「うぉぉぉぉ!!」
最後は10式戦車の連隊長が報告したことで、北海道司令部に北海道戦線での人類の勝利が伝えられ、日本大戦は集結した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1964年、10月
「東京オリンピック、開幕です!」
世界中の青空を全て東京に持ってきたような素晴らしい天気の中で平和の祭典が開かれる。
[開催を記念しまして、<ほうしょう>航空隊による五輪マークです!]
電光掲示板と会場のアナウンスに同じ内容が流れる。
見れば、戦闘機に特別処置を施した5機が国立競技場の上空に大きな五輪をカラースモークで描いている。
「こら!、<しぐれ>!!、あんたどこ行ってたのさ!」
「ごめん、<やましろ>、ちょっと飲み物買ってた」
「あんたねぇ…」
「<やましろ>、あんまり責めてはダメよ」
「姉様……、ま、いいわ、せっかくのオリンピックなんだから楽しまなくちゃいけないわね」
深海棲艦の猛攻を日本が退けて19年。
長らく中止されていたオリンピックがようやく東京で開かれることとなった。
市ヶ谷、防衛省
<<さぁ、各選手スタートの構えを取った!………>>
テレビ中継を部屋で見ている多元の元に物部が入ってくる。
「よぉ多元、仕事サボってオリンピック観戦か?」
「おい、物部、てめぇ上官に対する口がなってねぇな?」
「おっとこれは失礼、多元統合幕僚長」
「全く……、こんな奴が陸幕とか陸自は大丈夫か?」
「空幕長と兼任の方が何をおっしゃるか」
「人が居ないんだよ」
「腰堀くんとかならどうなんです?」
「ダメ、あいつ今新三菱」
「あー、なるほど……」
多少のタメ語くらいなら許す多元である。
「あれから19年か……」
「海自は未だに忙しいらしいんですな」
「そうだな……、成田が嘆いていたよ」
主力を撃滅したとはいえ、それなりの規模が生き残っていたこともあり、まともに終結宣言が出せたのは日本大戦が終わった1945年4月から4ヶ月も経った8月15日だった。
当然、姫級などにも生き残りがいたため、新自衛隊は引っ張りだこであり、目が回るほど忙しいこともあった。
そして、国内でも深海棲艦を倒したとはいえ、それまでの財閥経済は完全に崩壊し、改革の必要性に迫られた。
そして、そんな中で、戦後のGHQ改革のような内容を日本主導で行うこととなる。
同時に憲法の再制定に伴い大日本帝国軍は自衛隊へと変更され、その要職は一部を転生者達が占める形となる。
艦娘達は自衛隊に引き継がれて名前も自衛隊のようにひらがなに改訂されており、新規建造された軍艦と共に第零護衛隊群から第五護衛隊群の6個護衛隊群が再編成された。
そして、しばらくは海上輸送の護衛を行い、深海棲艦の脅威が少なくなってきた現在は他国の海軍再建支援を行っている。
未だにまともな海軍が日米英独くらいしか残っていないこともあり、各地で再建を進める海軍の指導に海自は引っ張りだこだ。
「三八寒波の時は陸自も大変だったんですけどねぇ」
「あん時はご苦労さま、戦車まで持ち出して除雪したらしいじゃないか」
「ジェットエンジン使って除雪するわけにもいかんでしょうよ」
「あの後国鉄が借りに来た時は驚いたよ」
「まぁ、新幹線も開通して、史実より色々進んだのは良かったですね」
この世界では東海道・山陽新幹線の他に上越新幹線、東北新幹線が盛岡まで開通している。
「上越は開通急がせて正解だったな」
「あれで三八寒波は乗り切ったようなものですよ」
「お前さん今日から休みだろ?」
「ええ」
「どうせなら乗ればいいんじゃないか?」
「いえ、今回僕は山陽に乗りますよ、呉の<やまと>に久しぶりに会いに行かないと」
「500系のデビューに合わせた感じか?」
「もちろんです」
「ドライブデートでもするのか?」
「ちょ!、統幕長!!」
アハハハ、と笑う多元。
「高速道路も開通してるからな、のんびりするといい」
これにて会話は終わった。
海上自衛隊、呉基地
「<やまと>、待たせてごめん」
「いえ、私も今来たばかりですから、気になさらず」
「そっか、じゃあ行こうか」
海岸線を歩く2人。
「東京からここまで5時間足らず、やっぱり新幹線はいいなぁ」
「本当に便利な時代になりましたね」
夕日は美しく、海面をオレンジ色に染め上げている。
「<やまと>は国外行かないのか?」
「これからは航空機の時代ですから」
その言葉が全てを物語っていた。
航空戦力主体となった現在、戦艦は急速にその価値を失い、<やまと>は近いうちに予備役入りする予定となっている。
「予備役入りしたら、どうする?」
「とりあえず、ゆっくりしたいですね」
「そうか……」
世界最強の戦艦としてその名を轟かせてきた<やまと>と誘導弾運用構想の元に運用されてきた<むさし>
日本大戦で南西諸島戦線を支えた<ふそう>、<やましろ>
最後まで象徴としてあり続けた<ながと>
彼女たちが予備役入りするということは、1つの時代が終わったことを表すのかもしれない。
「ゆっくりして……、それから……」
「それから?」
物部が問うと同時に物部の前に出る<やまと>
「あなたについていきますよ」
夕陽の沈む瀬戸内海をバックに彼女はそう言った。
転生者達のその後
多元 実 航空自衛隊初代幕僚長を務め、その後統合幕僚長を兼任するようになる
腰堀 二郎 新自衛隊を退任後、新三菱重工に相談役として入社、以降自衛隊機の製造に携わる
平河 結弦 新自衛隊を退任後、現実世界におけるJMUを設立。自衛隊艦艇の建造を担当する
小玉 義雄 新自衛隊退任後、腰堀と共に新三菱重工に入社し、戦車開発に関する相談役となる
真多 獅郎 新自衛隊退任後、新たに設立された科学技術庁の長官になる
物部 咲 陸上自衛隊初代幕僚長となり、三八寒波では災害派遣で指揮を執る。
各鎮守府提督のその後
横須賀提督 大日本帝国海軍最後の海軍大臣となり、自衛隊との架け橋を担当する。その後は退役
呉提督 自衛隊最初の完全軍人艦隊である第4護衛隊群の群司令となる。
成田提督 海上自衛隊初代幕僚長になり各国の海軍再建に尽力する。
これにて今作は終了となります。
補足事項がありましたらまたこちらに記入させていただきますが、今後とも私の作品をどうぞよろしくお願いします。