ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了) 作:砂岩改(やや復活)
「失礼します…隊長?また寝坊ですか?」
ロシウス第5小隊のメカニックワーカー・シクトは中々起きてこない隊長、神風トオルの部屋に来ていた。
「お…おう……すまんなワーカー、体がだるくてな……」
「隊長!?おもいっきり病気じゃないですか!?」
ワーカーの叫びがスワン荘に響きわたるのだった…。
「すぐ寮長呼んできます!」
「おう……すまんな…」
ワーカーが慌てて寮長室に向かう途中でノインが慌てるワーカーを見て話しかける。
「どうしたワーカー?そんなに慌てて?」
「隊長が!病気に…それでえらそうで……」
「ほう……」
それを聞いたノインは怪しく微笑み急いで女子寮に向かうとバネッサの部屋を開けてまだまどろみにいるバネッサにかかと落としを喰らわせるとバネッサが跳ね起きる。
「なんだ!?一瞬のお迎えが!」
「起きたかバネッサ……」
「なんだ!ノイン!朝からハードだな!おい!」
当然ながらバネッサが半ギレで起きるとノインが
「バネッサ!今日は休め!」
「ハァ!?」
意味の分からない事を言い出すのでバネッサはスッキョトンな声を上げる。
「私がリリーナ寮長に言って置くから!」
「だから何なんだよ!いきなり!理由を説明しろ!」
「今日、トオルが病気で休む!」
「ハァ……」
「これはチャンスだ!トオルの事好きなんだろ?」
「ホワァァァァァォ!」
ノインのドストレート発言にバネッサは再び叫ぶとノインがバネッサの耳元で囁く。
「最近、トオルはハーネスの女子と仲良くしているらしい…」
「え?」
「この前の遅刻の時の罰則も"二人っきりで"受けたらしい!」
「ハッ!」
バネッサは遅刻からトオルの様子がおかしい事を思い出す。
「これでいいのか?だが今日休めばトオルと二人っきりで看病……これほど良い状況はない!」
いつものクール系キャラはどこへやらノインはバネッサに熱く語りかける。
「そのまま勢いで告ってしまえ!」
「ホワァァ!」
もはやパニックで自分のせかいに飛び立ってしまった親友を見てノインは楽しそうに寮長室に向かうのだった。
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「そうですか……バネッサちゃんまで…」
「はい……ではよろしくお願いいたします…」
ノインはスワン荘の寮長であるリリーナ・ドーリアン寮長に報告すると学校の支度を持って学校に向かうのだった。
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その頃、取り残されたバネッサはとりあえずベットに潜り込むと
(うまくやれと言ってもどうすれば…)
寝ることもせずに普段使わない頭を必死に動かすのだった。
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しばらくしていつの間にか寝ていたバネッサが目を覚ますと
「あ……寝ちまったか…」
「大丈夫?」
そう言ってリリーナが体温計を持ってバネッサの部屋にやって来るとバネッサに計るように促し、話しかける。
「昨日あんなに食べてたのに…病気って分からない物ね?」
「ギクッ)そ、そうですね…ハハハ」
バネッサが作り笑いをすると体温計のアラームが鳴り響き一応体温を確認するバネッサ…すると37、5度……意外とあった……。
「37、5度か…まぁ大丈夫そうね?」
「あの……トオルは?」
「ん?けっこう高かったわよ…」
「そうですか……」
「じゃあ……お粥作ってくるから…」
「あの……リリーナさん…少しお願いが…」
「ん?」
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その頃トオルは高熱の中でうなされていた。
(ロシウスの為ではなく!あなたの為に働きたいのです!)
「ん……」
そしてゆっくりと目が覚めるトオルは一人でため息を着くと
「どうした?ため息なんて着いて…?」
「あぁ……ちょっと昔の事を………へ?」
横からバネッサの声がしたので横を向くとそこには声通りバネッサがいた…。
「なんで要るんだ?」
「私も病気だったんだ…治ったけど…」
「そうか……」
「ほれ……お粥だ…」
そしてバネッサは持っていたお粥をトオルに差し出すとトオルは上体を起こして食べる…要するにアーンである、それに気づいたバネッサは顔を赤くするも当然ながらトオルは病気のためそんなんに気づかない。
「それにしてもバネッサが看病か……」
「なんだよ…不満か?」
「いや……出会って一秒で人の食べ物を平気で食う奴が…」
「悪かったな…」
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半年前
当時トオルは当然ながら無名のプレイヤーだった、彼が神威大門に入学した時に彼はいきなり隊長に任命された…それが当時ノイン、オットー、ワーカーしか居なかった隊長不在のロシウス第5小隊だった…
「貴様が新しい隊長か?」
「え?ま、まぁ……そうなるけど…」
一番最初に話しかけて来たのはノインだった
「言っておくが貴様のような新入りの指示に従わん…私は私のやり方でやらせてもらう…」
そうハッキリ宣言してきたノインに驚くトオル、その時現れたのがオットーだった
「おい!ノイン!いきなり何言ってんだ!」
「何って?私のやり方を言わせてもらっただけだが?」
オットーがノインを注意するがノインは聞く耳を持たずに去ってしまった。
「すいません…本当はいい奴なんですけど…」
「いや……気にしないでくれ…君は?」
「ロシウス第5小隊のプレイヤー、オットーです」
「今日からお世話なる神風トオルだ……よろしく…」
これが神風トオルとオットーの初めての出会いである…
そして初めてのウォータイムもさんざんな物だった…ノインは宣言通り独断専行、ワーカーもトオルへの報告もせずにオペレーションをしだす……唯一 オットーがトオルをカバーするがその間トオルは黙って全員の動きを見ていたのだった。
「ノイン!ワーカーも!せっかく隊長が要るんだから!」
「新入りでしょう?」
「だから言ったはずだ……」
オットーの注意もワーカーとノインは聞かずにさっさと帰ってしまう。
「すいません…隊長……」
「いやいや~気にしないでくれ…確かに新人なのは本当なんだし…」
オットーはトオルに謝るがトオルは明るく振る舞い気にするなと言ったのであった……。
それから一ヶ月近くの間この小隊内の壁は崩れる事無くトオルは蚊帳の外に追いやられていた、しかし普通の人ならば指令に小隊の移動申請など出そうものなのだがトオルはその気配すら出さなかった、そんなトオルにノインとワーカーは興味を抱き始めた……。
そして今回のウォータイムはタンデムの港の防衛任務だった、アラビスタの襲撃されなんとか守る防衛隊だがアラビスタ特有の大量戦術により防衛隊が次々とブレイクオーバーまたはロストさせられる。
「クッ!このままでは…」
トオルはノイン達が苦戦しているのを見ると
「オットー」
「はい?なんでしょう?」
「ここにいるロシウスの全小隊に通信を送れるか?」
「送れます!でもなんで?」
「繋いでくれ…」
「了解!」
オットーはトオルの指示に疑問を持ちつつも通信を繋げる。
「各小隊!残存報告!」
「第11小隊、全機健在」
「第32小隊、残存一機」
「第21小隊、残存二機」
「第17小隊、残存一機」
トオルの命令に他の小隊が残存数と小隊番号を報告するとトオルの元にノインが通信を飛ばす。
「貴様!何をやっている!」
「勝ちたければ俺に従え!」
トオルの気迫にノインは言葉を失い通信を切るとトオルは全ての部隊に指示を飛ばす。
「全機!フラッグに集結!」
トオルの指示でフラッグに集結するとトオルがモニターを使いながら作戦を伝える。
「現在、アラビスタは部隊を大きく三つに分けてフラッグに向かっている、それで全ての部隊で中央の部隊を殲滅その後迅速に左右の部隊を殲滅する。」
「バカな!フラッグを空きにするのか!」
「その前に全ての部隊を叩く…」
「もうそこまで迫っているのだぞ!」
「敵の中央の部隊は指揮官機があった……指揮官を叩けば少なからず混乱する……それを突くしかない…」
トオルの賭けの作戦にノインが反対するが現在のロシウスの戦力を考えるとそうするしかなかった。
そしてトオル指揮のもと、ロシウス残存部隊は敵、アラビスタの中央部隊を殲滅し迅速に全ての部隊を殲滅したのであった
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そして登下校の時いつも通りトオルはオットーと帰っていたが校門でノインとワーカーが待っていた
「貴様をまだ認めたわけではない…だが……今回の指揮は見事だった…それからも頼むぞ…"隊長"……」
「すいませんでした…隊長」
そう言って二人はさっさとスワン荘に戻って行ったのである…。
「よかったですね?隊長」
「あぁ……ありがとうな…オットー」
「いえいえ~」
それからは徐々にだが小隊内の隙間が埋まっていき今に至るのである。
当時からノインと仲がよかったバネッサはトオルと言う人物に興味を持ち始めていた……ある日ワーカーがニヤニヤしながら話しかけて来た。
「隊長!」
「ん?なんだよ?」
「隊長の戦闘データが取れたので専用機を作りたいんですが…」
「専用機を?」
「はい……これ見てください」
するとノートにはLBXの設計図があった、『トールギス』見るからにトオルがセカンドワールドで見てきたLBXを凌駕するLBXがそのノートには記されていた。
「凄いな…これは…」
「でしょう?装備のドーバーガンの強力な火力とスーパーバーニアによる高機動力と近接戦闘も収納しやすいエネルギー系の武器で対応できます…つまりどんな状況でも柔軟に対応できるLBXだと言う事です」
「いいのか?俺が使って?」
「はい……あなたに…」
「ありがとう…」
トオルはワーカーに静かに礼を言うのだった…。
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その後トオルはウォータイムが無いため肉屋さんでコロッケを買いカモメ公園でコロッケを食べていると後ろから話しかけられた。
「おい……」
「ん?」
トオルが振り返るとそこには黒肌で紺色の髪を団子状のポニーテールにした少女が仁王立ちで立っていた。
「お前が…神風トオルだな?」
「あぁ…そうだけど?」
黒肌の少女が確認を取るとトオルの横に座り手元の袋にあったコロッケの一つを取って美味しそうに食べる。
「ノインから話しは聞いている…なんたっていい隊長が来たってな…」
「ノインがそんなことを…」
「あぁ…ノインが楽しそうにしてるのは久しぶり見たからな…興味を持ったんだ…そう言えば紹介がまだたったな……私はバネッサ、バネッサ・ガラだ」
「神風トオルだ……よろしく…」
二人は笑いながら握手を交わす、これがバネッサとトオルの最初の出会いであるがこの時、実はバネッサはコロッケ三枚目に突入していたのだった…。
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お粥を全てのもらったトオルは満足そうにすると布団をバネッサにかけてもらい一息つく……そしてバネッサは部屋を出ようとするとトオルがひき止める。
「もう少しいいか?」
「ん?あぁ……いいがなんだ?」
「一人は寂しくてな…」
目をそらしながらブツブツ言うトオルに苦笑しながらもバネッサはベットの横に椅子を持ってきて話し始めるのだった…。
どうも砂岩です!なんかバネッサが優しい!そしてまだまだ明かされていない過去はちょいちょい出すつもりです。
次もよろしくお願いいたします!