ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

13 / 63
第十一戦「リーブラ」

 

 

 

 

 

「すまない…トオル……」

 

「気にするなよ…ムラク……」

 

司令室で怒られた後ムラクとトオル達はスワン荘の帰路についていた。

 

「しかしあの大鎌のLBXといいあの大型ライフルを持ったLBXといい……バンデットはどれだけ持っているんだ…」

 

「分からない…例えラボでこっそり作っても記録が残るし……なぁ…カゲト?」

 

「そうだな…それにあのコアボックスを貫くやり方……なにか意味があるのかもしれない…」

 

ノインの呟きに二人のメカニックはただ疑問を増やすだけだった。

 

「しかし凄かったよ…あのクナイを持ったLBXは…」

 

「あぁ……確か星原ヒカルってやつだったな……」

 

「へぇ~なんで知ってんの?」

 

ミハエルの感想にバネッサが答えるとトオルが珍しそうな顔でバネッサを見る、それはみんなも同じだったようでムラクさえも顔を向けていた。

 

「あぁ…ムラクに傷を負わせたんだ…気になるさ…それで調べたんだよ…気になったらすぐ調べるのが基本だろ?」

 

「それはトオルの言葉だろ…」

 

バネッサがあまりにもどや顔で言うのでムラクが珍しく突っ込んだ。

 

「……明日は竜巻が来るな…」

 

「あぁ……私も同感だ…」

 

二人の珍しい光景にトオルとノインが呟きそれにムラクとバネッサ以外の全員が心でうなずくのだった…。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

次の日いつも通り早くにスワン荘を出ようとすると後ろから怒鳴り声のような大きな声がトオルを呼び止める。

 

「おう!トオルか!久しぶりだな!!」

 

「うげっ…グレゴリー先輩……」

 

後ろから首を締め上げるように腕を肩に乗せたグレゴリーはトオルが苦しむのに気づかずに話を続ける。

 

「最近調子が悪いと聞いて気になっていたんだがな~」

 

「先輩……トオルが死にかけてます…」

 

「おぉ!すまんな!」

 

ノインがグレゴリーに警告するとグレゴリーは気づいたように腕を離す。

 

「ゴホッ!ゴホッ!…オウェェェェェ……」

 

「たいちょょょょょ!」

 

トオルが倒れて朝ごはんを戻す勢いで空気を胃から吐き出すのを見てワーカーが急いでバケツを用意する。

 

「それで……なんのご用でしょうか…先輩」

 

「あぁ!さっき言った事もあるが昨日俺にジェノック進行作戦の指揮を執れと言われたからな」

 

「ではエンジェルピースに?」

 

「あぁ……しかし知っていると思うが俺は建設中の移動型メガフロート要塞"リーブラ"の防衛も兼任している……それでトオルにリーブラの防衛をしてもらいたい…」

 

「リーブラの防衛ですか?」

 

「あぁ……どうだろう?」

 

「わかりました…がんばります…」

 

「おう!頼むぞ!トオル!」

 

「グハッ!」

 

トオルの答えに満足したグレゴリーは背中を叩いてスワン荘から出ていく…トオルに甚大なダメージを与えて。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

昼休みにムラクとトオル達は司令官のクロスキーに小言を言われていた。

 

「まったく…バンデットのような連中に翻弄されタンデムの港をジェノックに明け渡すとは…バイオレットデビル、ライトニング・カウントの名にあるまじき失態だな…覚悟は出来ておろうな…ムラク、トオル」

 

「「はい……」」

 

ムラクとトオルの返事を聞くとクロスキーはスクリーンに勢力図を写し出し話し始める。

 

「タンデムの港を制圧したジェノックはここを拠点に海洋輸送路を構築勢力を拡充させつつ進行し領土拡大を狙うだろう……しかし小国であるジェノックは相対的に守りが薄くなる…そこでジェノックの本土を叩く…第6小隊……貴様らは沿岸要塞エンジェルピースに赴き守備隊長アンドレアス・グレゴリーの指揮下に入れ……」

 

「了解しました…しかし第5小隊は?」

 

ムラクの問いにクロスキーは勢力図を太平洋オーストラリア付近に移動させその海上にある要塞を写し出し説明を始める。

 

「我々が現在建設中の移動型メガフロート要塞だ……これが完成すればアラビスタや最近調子に乗っているハーネスすら叩き潰せるだろう…これもグレゴリーが守備していたがジェノック進行作戦によりしばらくエンジェルピースにいることになる…グレゴリーの推薦により第5小隊が守備の指揮を執れ……」

 

「第5小隊神風トオル……拝命します……」

 

「よし……では頼むぞ…以上だ…では行け……」

 

「「了解」」

 

クロスキーの言葉で司令室を後にしたムラク達は廊下を歩きながら話す。

 

「グレゴリー先輩の指名とは…知り合いなのか?」

 

「まぁな……俺が入学したばかりの時先輩に鍛えてもらったからな」

 

「そうなのか…」

 

「あぁ……少しでも強くならんと認めて貰えなかったから…」

 

ムラクとトオルの会話を聞いてノインとワーカーが少しだけ申し訳なさそうな顔をするのだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

そしてウォータイム

 

今回トオル率いる第5小隊が守備を担当する移動型メガフロート要塞"リーブラ"は文字通り移動できる海上要塞である周りには多数の対空砲が設置されクラフトキャリアの発着場も完備ブリッジはまるで城塞のような造りでもし上陸されても対応できるようになっているのである、そして最大の特徴は主砲の超大型試作ビーム砲である。

 

「しかしでかいですね~」

 

今回はクラフトキャリアがいらないのでワーカーも自身のグレイリオで出撃してリーブラの巨大さにしたを巻いていた。

 

「まぁロシウスの攻撃の要になる要塞だからな…」

 

「だがアラビスタが何度も来ているようだぞ…」

 

「だからこその俺達なんだろう…」

 

「しかしハーネスはまだ一度も来ていませんが…」

 

トオルとノインが話しているとワーカーが疑問を浮かべるとトオルは少し楽しそうに、ノインは少し顔をしかめる。

 

「ハーネスか……」

 

「なかなか因縁のある国だな…ハーネスは」

 

「まぁな……だが面白い国でもある…」

 

三人が話しているとオペレーターから通信が入る

 

「トオル隊長……巨大な魚雷のような物がこちらに接近中です…」

 

「対海砲撃は出来ないのか?」

 

「はい……まだ調整が整っておりません…」

 

「なら付近の小隊に対応させろ…それと第一種戦闘配置より第二種戦闘態勢に移行、対空砲及び主砲を起動させろ…」

 

「了解しました……」

 

トオルが指示を飛ばすと付近にいた小隊がランチャーをその魚雷に向けて撃つのを確認してクラフトキャリアが来ないかと空を見上げた瞬間迎撃にあたっていた小隊から悲鳴が聞こえた。

 

「な!なんだ!ウワァ!」

 

迎撃にあたっていたグレイリオが見たのは海中から出てきたクラフトキャリアだったそのグレイリオはクラフトキャリアに体当たりされブレイクオーバーする他の小隊のガウンタとグレイリオも続々出てくるクラフトキャリアに体当たりされブレイクオーバーしていくのだった。

 

「ハーネスの襲撃だ!」

 

「迎撃だ!迎撃するんだ!」

 

ロシウスの小隊が襲撃してきたハーネスに向かい迎撃するが三機の新型、ドットフェイサー、バル・スパロス、オーヴェインとハーネスの手慣れた攻撃により次々とブレイクオーバーされる…しかしロシウスの生徒もバカではない建造用の資材をバリケードに使い撃ちまくり一進一退の状況になっていた。

 

「ノイン、ワーカー……頼む…」

 

「「了解!」」

 

「二個小隊!私に続け!」

 

「支援します!」

 

ノインは護衛の二個小隊を連れてハーネスのセイレーンの小隊に突っ込み分断すると一個小隊が二機を相手にし残り一機をノインともう片方の一個小隊で囲む。

 

「卑怯だろうがなんだろうがやらせてもらうぞ!」

 

「行かせていただく!」

 

ノインとワーカーの加勢で状況が均衡するかと思われたがノインとワーカーの前には黒いバル・スパロスと白いオーヴェインを駆る乾カゲトラ、無敵ギンジロウが立ちふさがる。

 

「行くぞ!」

 

「ハッハッハッ!ブレイクオーバーしたい奴から俺の前に並びやがれ!」

 

ギンジロウが放ったオーハンマーをワーカーはランチャーの持ち手で防ぐがすかさず来た二撃目でランチャーを手放してしまう素手になったワーカーにギンジロウはオーハンマーで吹き飛ばすとワーカーは壁に叩きつけられる。

 

「クソッ!後の兵士の為にも…ここで負けるわけにはいかない!」

 

「ハッハッ!やりがいがあるぜ!」

 

ワーカーはそう叫ぶと近くでブレイクオーバーしたガウンタのソルジャーサーベルを持ってギンジロウのオーヴェインに突撃する。

 

そしてノインとカゲトラも激しく斬りあっていた、ノインの絶妙な剣さばきで小太刀特有の手数の多さを防ぎつつ反撃するがカゲトラも高い機動力を最大限に利用して避け反撃する。

 

「えぇい!」

 

ノインは大型シールドをカゲトラに投げつけると大きく後退して落ちていたソルジャーサーベルを取ると二刀流になるとバル・スパロスに突撃し攻撃速度をさらに上げる。

 

「これ以上トオルの顔に泥を塗るわけにはいかないのだ!」

 

「俺にも負けられない理由がある!」

 

カゲトラからもノインの気合いが伝わっていたが彼にも隊長として負けられない意地があった。

 

ーーーー

 

そしてその頃カゲトラに危機を救って貰った第3小隊のオトヒメ率いるセイレーンがリーブラのコントロールセンターの扉の鍵を解除し扉が開くのを待っていた。

 

「流石はジ……ではなくドルドキンス様、ハッキングも素晴らしいですわ~」

 

第3小隊隊長の白小路オトヒメがややテンション高めで扉が開くのを見ているがその姿には油断がなく部下のスイとシェリーもお互いの得物を構えている中、扉がLBX一機分開くとそこに影があるのを知覚したオトヒメは槍を構えるが遅かった……。

 

「な、なんですの!?」

 

一瞬にして両腕が斬り飛ばされたのである。

 

「な、なんなの!?」

 

「僕がガードするシェリーは……」

 

突然の事態に冷静に対処しようとするスイの目の前で高速で移動した敵に吹き飛ばされブレイクオーバーするシェリーのセイレーンがいた。

 

一瞬で二機を潰した機体を見てスイは恐怖に震える。

 

「ら……ライトニング・カウント………」

 

ーーーー

 

事務的にセイレーンを沈黙させたトオルは

 

「来い……俺はここにいるぞ……スズネ」

 

そう呟くとトオルの耳に独特の走行音が聞こえたキャタピラではなくホバーでもない車のようにタイヤで走行する音……間違いなくドットフェイサーの走行音だった…そして振り向いた先に居たのは青いドットフェイサー。

 

「首洗って待っとたかいな!トオル!」

 

「スズネ……」

 

そう呟いたトオルとスズネはお互い笑い武器を構える。

 

(終了時間となりました…ウォータイムを終了します…)

 

 

 

 





ついに来ました!ライバル対決!トオル対スズネの一騎討ち次回もがんばります!


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。