ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

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第十三戦「トールギス」

 

 

 

「よっ!」

 

「トオルか……」

 

登校していたムラクの肩を後ろから叩くトオルを見てムラクは歩を少しゆっくりにする。

 

「今日は風当たりが強いだろうな~」

 

「そうだな…カゲトたちには迷惑をかけるだろうな…」

 

「たくっ……無愛想の癖にお優しいんだから…」

 

「悪いか?」

 

明らかに口がへの字になっているムラクを見てトオルは笑っていると歩いている先に噂の瀬名アラタと第1小隊がいた。

 

「あの瀬名さん!サイン下さい!」

 

クルセイドと思われるオレンジ色の制服を着た女子生徒がアラタではなく星原ヒカルに色紙を向けていたのだった。

 

「クッ……」

 

その光景にトオルは思わず笑いそうになるがなんとか堪えると気づかれないように素通りして下駄箱まで行くと小さく笑いながらムラクに話しかける。

 

「まぁ…確かにアイツはイケメンだから仕方ないっちゃ仕方ないが笑える!」

 

「全く…いつまでに笑っている行くぞ…」

 

ムラクはいつもの無表情でさっさと行くがトオルは見逃さないムラクの肩が小刻みに震えていることに。

 

そうして楽しく登校してきた二人だがロシウスの教室らへんで表情を固くしながら教室に入ると騒がしかった教室は一斉に静かになりトオルとムラクに視線が集中すると見ていた生徒の一人が大きな声で言う。

 

「あ~あ~どこかの誰かさんたちのせいでロシウスの面子は丸潰れ」

 

「どこに行ってもジェノック、ハーネス」

 

悪口の中バネッサたちが二人に駆け寄り話しかける。

 

「あんなの無視しとけばいいっす」

 

「カゲトの言う通りだ」

 

「惨めな思いをさせてすまない…」

 

カゲトとノインの言葉にムラクは謝罪の言葉を述べるがみんなは笑顔で

 

「なに言ってんだよムラク」

 

「僕たちはどこまでもついていくさ…」

 

「そうですよ…ムラクさんと隊長は我々の誇りです!」

 

「バネッサ……ミハエル……ワーカー……すまないな…」

 

トオルもみんなの言葉に感謝し素直に礼を言うのだった。

 

ーーーーー

 

そして昼休みはムラク達と全員で昼食を食べていた。

 

「で?トールギスの修復はいつまでかかる?」

 

「えぇっと……かなり酷かったですから……一週間くらいは…」

 

「そんなに酷かったのか?」

 

トオルの問いにワーカーが答えるとカゲトが驚きながらカレーを食べる。

 

「あぁ……左腕は丸ごと持っていかれたしスーパーバーニアもフル稼働を何回も繰り返したせいでオーバーホールしなきゃいけない…腹部は大破……間接は全てが悲鳴を挙げていた…」

 

「トールギスがトオルの操縦についていけなかったと言いう事か…」

 

「たぶんそうですよ…ムラクさん……」

 

うどんを食べながらムラクが冷静に分析するとバネッサが感慨深そうに言う

 

「最初は振り回されてたのにな…」

 

「それは否定しない…これ程じゃじゃ馬なLBXは無かったよ…」

 

「そうだったのか?」

 

「あぁ……ムラクはまだ居なかったっけ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

遡ること数ヶ月前…

 

試作型トールギスが完成したとき全員が驚いていた中世の騎士を沸騰させるデザインとその驚異的な性能は魅力的だった。

 

「まだ本格的な試験はしていませんが…スペック上は機動力はガウンタの15倍、装甲は3倍が妥当でしょうね!」

 

誇らしげに言うワーカーを尻目にみんながトールギスに見惚れていた。

 

「格好いいですね!隊長!」

 

同時部下だったオットーが一番喜んでいた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

そしてウォータイムにてエルダーシティで試験を行うことになった…トオルはワーカーの指示通りに複雑なビル郡を避けながら飛行テストをしていた。

 

「どうですか?調子は?」

 

ビルの上で観測していたオットーがトオルに聞くとトオルはトールギスのスピードに驚きつつも答える。

 

「あぁ……いい感じだが慣れるのには少しかかりそうだな…」

 

「余り無理をするなよ…良い機体とは言え試験型だ……不調が必ずあるからな…」

 

「失礼だな!ノイン!理論上は問題ない!」

 

「机上の空想と言うのを知っているかワーカー?」

 

ノインとワーカーのやり取りを聞きながらトオルは

 

「最高速度を見させて貰うぞ…」

 

そう言ってスロットルを全開にすると世界が変わるかのように景色が一瞬で移動するのを感じ取ったトオルはすぐに速度を緩めた。

 

「どうしました?」

 

オットーがその様子を見て疑問に思うがトオルが答える前にウォータイム終了のサイレンが鳴り響くのだった。

 

ーーーーー

 

「どうしました?」

 

ウォータイム終了後オットーはトオルに先程の事を聞くとトオルは

 

「いや……少し驚いただけだ…余りにも早かったから……」

 

「そうですか…」

 

「だが……何かしらの違和感があったのも事実だ…」

 

そう呟きながら眉に紫波を寄せながら歩くトオルを見て三人は

 

「おい……ワーカー」

 

「わかってるよ…ちょっと調べてみる」

 

「だから言ったろ…試作型だって」

 

「ノイン……マジで黙って…」

 

試作型(製作者否定)トールギスの再テストが行われる事が決定したのだった。

 

ーーーー

 

ロシウスのスワン荘の娯楽室でトオル操縦しノインが相手取りテストをしていたが

 

「どうですか?違和感は?」

 

「無いな…やっぱりフル稼働の時か…」

 

オットーの問いにトオルが不思議に思っているらしく上手く言葉にしない

 

「う~ん何もないな~」

 

トールギスにコードを繋げた端末を操作しながら検査するがどこにも以上が見つからなかった。

 

「ここで全速力で動けないからな…」

 

ノインもそれを見て前髪を弄りながら考えるが答えが出るハズもなくこの日は終わるのだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

次の日ウォータイムの出撃許可も降りずに下校していたノインとワーカーは

 

「あれ?隊長は?」

 

「知らないな…オットーも居ない…」

 

そう話している頃トオルとオットーはトールギスを持って高等部の教室に行っていた。

 

「失礼します…トオルです」

 

「オットーです」

 

「おお!来たか!トオル!」

 

野太い声が二人の耳を襲うが二人は馴れているようで普通に返事をする。

 

「どうもです、グレゴリー先輩」

 

「どうも…」

 

「それは…新しい機体か!という事は打ち解けたか!」

 

トオルの境遇を何かと心配してくれた先輩にトオルは感謝しお願いをする。

 

「先輩、また教えてもらいたいのですが」

 

その後トオルはグレゴリー指導の元トールギスを扱っていったのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「って感じだ……」

 

「なるほど……その後に俺が来たと言うことか…」

 

トオルはすっかり冷めてしまった天ぷらうどんを食べようとすると

 

「んっ?」

 

乗ってるはずの無傷のかき揚げが半分消えていた……そしてトオルは迷わず隣にいたバネッサを見ると背を向けて顔が地味に動いている。

 

「……」

 

「……」

 

沈黙が続くとトオルはバネッサの肩を持ちこっちを向かせると頬っぺたを引っ張る。

 

「いひゃい!いひゃい!(痛い!痛い!)」

 

「今日はキツネうどんの気分じゃなかったのか?」

 

「ひゃっておひひほうひゃったから(だって美味しそうだったから)」

 

「人のを許可なく食べるな!」

 

「とひょるだひぇだもん!(トオルだけだもん!)」

 

「ちょっとどや顔になるな!」

 

「いひゃい!いひゃい!」

 

(ちょっと可愛いかも)

 

そう頭の片隅で思ったトオルはしばらくバネッサで遊ぶのだった。

 

(端から見ればバカップルにしか見えんな…)

 

(やっぱりバネッサはトオルといるとさらに生き生きしてるな…)

 

(いいなぁ~そういうの欲しいなぁ~)

 

(俺も…)

 

(バネッサの転属届けを出してみようか……)

 

ノイン、ミハエル、ワーカー、カゲト、ムラクの順である、その後本気で転属届けを出そうとしていたムラクを全力でバネッサが止めたのはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






どうも砂岩でございます!
今回はトールギスの誕生とグレゴリー先輩との絡みです、アニメ初登場は偉そうとか思っていましたが話がどんどん進んでくと凄くいい先輩で驚いたのが記憶にあります。
では次回も頑張ります!
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