ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

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第二十二戦「世界とは」

トオルたちは今日、新任教師であるセレディー・クライスラーの授業を受けるために視聴覚室に集まり各自好きな席に座り授業を待っている間にトオルたちは話していた。

 

「そう言えば昨日のエゼルダームはなんだったんだ?」

 

「わからない…」

 

「守りに徹するのも分からないでもないが防衛装置すら動かさないなんて……」

 

「何を考えてるのでしょうか……あの先生は…」

 

トオル、ムラク、バネッサ、ワーカーが話し終わるとちょうど開始のチャイムがなりセレディー・クライスラーが視聴覚室に入ってくると授業を始める。

 

「今日から皆さんの公民の授業を担当する、セレディー・クライスラーです……よろしく…」

 

セレディーはまず挨拶をすると何かを探しているように周りを見渡ししばらくトオルを見ると再度話を始める。

 

「最初に言っておきます…私の授業はあなた達の目を現実に向ける為の物です…」

 

その言葉を聞きトオルは若干目を細める。

 

「皆さんはセカンドワールドで戦争のシュミレーションをしています…戦略を建て、いかにして被害を最小限に押さえる…効率よく敵に勝つ事を考えている筈です…しかし……ここだけの戦争にだけ目を向けていたら…私たちを生きている現実の世界を見ている事にはなりません…」

 

「どういうことだ?」

 

トオルの隣のバネッサが思わず疑問を呟くがトオルは目を細めながら静かにセレディーの授業を聞いていた。

 

「どういう事か…詳しくお話ししましょう…皆さんが戦場としているセカンドワールドは文字通りもう一つの世界…あらゆる物が精密に再現されています…実は…再現されていない物があるのです…それは…トオル君分かりますか?」

 

セレディーの突然の指名にトオルは驚くが少し考えると静かに答える。

 

「セカンドワールドはコンピューターでは分からない兵士の感情を再現される為にある……それでも足りないと言うのなら………兵士以外の…民間レベルの感情ですかね…」

 

トオルの答えを聞くとセレディーは気を良くしたようで笑うと話の続きを話す。

 

「素晴らしい…その通りです…トオル君の言う通り日常を生きている者の感情は反映されてすらいない……兵士たちが戦う後ろには…常に普通の人々の生活があります…銃声に怯え、経済は混乱し、貧困や犯罪にさらされる…それが…現実に巻き込まれた人々の現実です…それに戦争状態による犯罪の多発、歴史認識による民族レベルによる軋轢など……戦争シュミレーションをするならこれらを対象にしなければ意味がありません!」

 

セレディーが演説する中、ムラクとトオルは静かに話していた。

 

「トオル…これは…」

 

「あぁ…問いかけてる…セカンドワールドの矛盾を…そして……本当の意味を…」

 

みんなが動揺する中セレディーは気にせずに話を続ける。

 

「そして…これが最も重要な事ですが…戦争は人々の支配者層によって産み出され…操られているのです…支配する者は権力と財力を独占し常に普通の人々に犠牲を強いている!当然この事もシュミレーションでは考慮されていません…現実を直視しないのは罪です!皆さんはセカンドワールドを疑わなければなりません!」

 

聞いていたロシウス生徒全員がこの演説で騒ぎ出すがちょうど終了を告げるチャイムが鳴り生徒たちがセレディーの授業内容を話しながら帰る中、セレディーは前に通りかかったトオルを呼び止める。

 

「何でしょうか?セレディー先生…」

 

「さっきの授業……よい答えだったね…」

 

「そうですか…ありがとうございます…」

 

礼を言ってトオルは立ち去ろうとするとセレディーが質問する。

 

「君はどう思う?私の授業は?」

 

「そうですね…先生が言っているのは……管理戦争のことだと思われます…確かに一部の者達の為に人々が恐怖に怯える日々は良いとは言いません…しかし……何も知らない無知な者たちを使って平和だと叫んでいる者たちも私は許しませんよ…」

 

「君は私が考えている以上に素晴らしい人材だ…どうだろう?私の元に来てこの世界を創造してみないか?」

 

「スカウトと受け取ってよろしいでしょうか?」

 

「あぁ…その通りだ…」

 

「せっかくですが…お断りします…」

 

「へぇ~なぜか…聞いていいかな?」

 

「自分はロシウスと言う国には少なからず愛着が沸いていますし……それに」

 

「おい!トオル!なにしてんだ?」

 

するとトオルの元にバネッサが駆け寄ってくるとトオルはバネッサ肩を叩き

 

「自分には…守ると決めた奴等もいますから…」

 

「そう…それは残念だ……」

 

セレディーはそれを見ると笑いながら教材を片付けると

 

「気が向いたら……いつでも歓迎するよ…神風トオル君…」

 

そう言って視聴覚室を後にするのだった。

 

「トオル?」

 

「ん?」

 

「なんの話だったんだ?」

 

「ん~大切な人たちの話だ…」

 

トオルはバネッサ問いをバネッサの頭を軽く叩きながら言うと教室に向かって歩き出すのだった……そのトオルの後ろで自分の世界にバネッサが突入したのは言うまでも無いだろう…。

 

ーーーー

 

その頃セレディーは

 

「守ると決めた奴等も…か……彼は頭はいいが…まだ分からないらしい…世界がどれだけ非情かを…"アレ"は使うつもりは無かったけど一応用意しておこうかな…」

 

廊下で一人怪しく笑うのだった。

 

 

 

 

 

 

 




どうも砂岩でございます!
今回はセレディーの初授業とちょっと危険なフラグが立ちました…それはお楽しみです。
次回も頑張ります!
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