ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了) 作:砂岩改(やや復活)
(拠点制圧完了……ローズシティの所有権はロシウスよりエゼルダームに移ります…ロシウスの登録機体はローズシティの敷地内より退去してください…)
「く……くぅ………」
拠点制圧を告げるサイレンが鳴り響く中、トオルはワタルを守れずにただ……コントロールポットの中に歯を食い縛り泣いていた。
首都防衛戦より生き残った機体はグレゴリー小隊、ムラク小隊、トオル小隊の三小隊だけだった…その他は例外なくロストに追い込まれロシウスは事実上壊滅した。
スワン荘ではリリーナ寮長による食事が用意され通夜のような静けさがスワン荘を支配していた。
「トオルは?」
「分からん…まだ帰ってこない…」
ノインの問いにムラクは静かに答える……その頃、トオルは一人で海を眺めていた。
「また…守れなかった……」
トオルも知らなかったがムラクの直前の本拠地移動の提案のお陰で何とかロシウス消滅は間逃れたが大幅な領地縮小により生徒数がはみ出てしまい一部の希望する小隊は仮想国の移動が可能になっていた…当然トオルは移動する気なんでさらさら無かったが。
「笑ってくれていいよ……」
トオルは後ろに気配を感じてその人物に話し掛けた。
「トオル…」
「なんだ……バネッサか…」
トオルは声の主を当てるとバネッサの心配そうな顔を見て言葉を続ける。
「どうした?こんな所に…」
「トオルは何をしているんだ…」
「今後のロシウスを考えていた…」
トオルは自分でも何を言っているか分からなかった…ただここで弱音を吐いてはダメだ……そう思って気丈に振る舞う。
「精鋭が壊滅した今、我々はもはや小国同然だ…その為には今後の戦力きょ…………」
バキッ!
しかしトオルの強がりも強制的に終わらせられる……バネッサがグーでトオルの頬を殴ったのだ…。
「バネッサ……」
トオルは殴られた頬の痛みを感じながらバネッサを見ると……泣いていた…。
「何でだよ…」
「…………」
「何で!!」
バネッサはそう言うとトオルの胸ぐらを掴むと泣きながらトオルに怒鳴る。
「何で!お前は頼ってくれないんだ!」
「…………」
「あの時のみたいに!何で一人で抱え込もうとするんだよ!……この前!お前言ったよな!私たちのお陰で安心して戦えるって!嘘だったのか!?」
「違う!嘘なんかじゃ!」
「私は戦場だけじゃない!お前に…お前に……」
そう言うとバネッサはトオルの胸ぐらを離しトオルの胸を叩きながら泣き崩れるのを見てトオルはバネッサを抱き締める。
「バネッサ……すまない…俺はただ……心配させたくないだけだったんだ…」
「うっ……」
泣き止まないバネッサを見てトオルも自然と涙が溢れてくる…。
(泣かないって決めたのにな…)
トオルはバネッサを抱き締めながらそう思っていた。
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バネッサが泣き止むのを見たトオルは彼女をゆっくりと砂浜に座らせると自分も座り海を眺める。
「俺は…」
静かに話し始めたトオルに少し不思議に思いつつもバネッサはトオルの話しに耳を傾ける。
「俺は…この学校に…神威大門統合学園にLBXをするために…楽しんで…強くなるためにここに来た…」
「あぁ……私もその為にこの学校を目指してここにいる…」
「だが……憧れ続けた学園は醜かった…」
「…………」
バネッサはトオルの呟きに何も返せなかった…自分もその通りだと思ったからだ。
「ロストしたら退学……生き残れたら明日もいられる…常にピリピリして互いに潰し合い、牽制して、いがみ合う…直ぐにロストして退学しようと思った」
「それは……」
「だけどさ…オットーとかグレゴリー先輩が居たから俺はもう少し続けてみようと思った…」
トオルの呟きは近くに隠れていたムラクたちにも聞こえており一人も話さず耳を傾ける。
「国の代理戦争……それが絡んでいたのはショックだったな……純粋にLBXバトルが上手くなりたい…楽しみたい…そんな思いすら……ここは気づかないうちに捨てさせて…国の道具として扱われ…LBXを動かす事を作業にしてしまう。」
「あぁ……俺もそうだった…お前と出会うまでは…」
「ムラク……」
トオルが話しているといきなりムラクが後ろに立っていた、それにトオルが驚いているとバネッサとトオルの後ろから次々と皆が集まる。
「フッ…当時の私が恥ずかしいよ…」
「まぁ……正直自分もです…隊長」
「でも君は強かった…心もLBXもね」
「でも一人で抱えるのはいけないっすよ……トオルさん…」
「みんな……聞いてたのか?」
トオルの問いに全員が少し微笑むとトオルも笑う。
「すまんな…背中を…預けるぞ…」
「「「「「任せろ!(っす)」」」」」
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次の日
トオルたちは朝早くロシウスの生徒が立ち去るのを見送っていた。
「これ程と多くの同士が…この島を立ち去ることになるとは……」
同じく見送りに来ていたグレゴリーは悲しそうに呟いているとトオルとムラクの後ろからワタルが来て二人に話しかける。
「ムラク先輩……トオル先輩……」
「ワタル…」
「すいません…ムラク先輩の大切なべリアルエッジが……」
「気にするな…」
「でも……あれがあればムラク先輩があそこまで追い詰められる事は…」
ワタルの悲しい声にムラクも思わず顔を歪めてしまう。
「トオル先輩…ありがとうございました…あそこまで助けてくれようとして……」
「あぁ……すまなかった…助けられなくて…」
「いえ……ムラク先輩、トオル先輩……ありがとうございました…」
ワタルの鳴き声にムラクとトオルは顔を歪め、バネッサはきつく目を閉じ、ノインは顔を見せずにただ背を向けて静かにしていた。
ワタルが去り本島行きのフェリーが出発するのを全員が静かに見ていた。
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ハーネス教室
「ハァ~どうなるんやろうな~トオルたちは……」
「さぁな……一応消滅は間逃れた……向こうは向こうで何とかするだろう…」
スズネが机に寝そべりながら呟いているとカゲトラが読んでいた本を机に置くと答える。
「二人とも…そろそろHR(ホームルーム)だよ……」
思考の海に行きそうだった二人をタケルは元に戻すと教室にドルドキンスこと海道ジンと日暮マヒロが教室に入ってくるとジンが全員に聞こえるように話し始める。
「今日から新しく三人が配属される事になった…」
ジンの言葉にクラス全員が口々に話し始める。
「三人もかいな……」
「確かに席は一個小隊分空いていたからな…来ても不思議じゃない…」
「だけど、この時期に転校生なんて……」
スズネたちが話しているとジンに促されハーネスの制服を纏った三人の生徒が教卓の横に並ぶといきなりスズネが立ち上がり叫ぶ。
「何で!トオルがおんねん!」
「「「「「えぇーーーーーーー!!」」」」」
ライトニング・カウントの神風トオルの名前は知っていたが顔を知らないハーネスメンバーは一斉に声を揃えて叫ぶのだった。
どうも!砂岩でございます!
はい!今回はトオルたちの絆と新生、第5、第6小隊出発です。
なぜトオルたちがハーネスに行ったのか…それは次回で語らせていただきます!
では次回も頑張ります!