ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

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第三十七戦「壊れゆく騎士」

「バネッサ!なんでそんな機体を使っているんだ!!」

 

トオルはバネッサに向かって必死に叫ぶがバネッサはまるで聞こえていないように黙りまったく無反応だった……その原因は少し前にさかのぼる。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

トオルとアラタが司令室に向かった少し後にバネッサは兵士に連れられてコントロールポットルームに来た。

 

「司令室じゃ無いのか?」

 

バネッサはてっきり人質に使われるかと思ったが予想がハズレ少し驚くがバネッサが連れてこられた先に一ノ谷ユイが立っていた。

 

「お…お前は……」

 

「ご苦労様です…」

 

ユイの言葉で兵士が引き上げる。

 

「バネッサ・ガラさん…あなたが神風トオルのかげがえのない人らしいですね…」

 

「なっ!」

 

バネッサはユイの言葉に顔を赤くする。

 

「あの方はとてもいい人ですね…私も少し心を救われました…」

 

「お前……トオルにいつ会って……」

 

「今、自分が任務に疑問を持ったのは初めてです…が……すいません」

 

「なに……を………」

 

バネッサが疑問の声を挙げるが突然目の前に現れたウイングゼロをが手に持っていたガスボンベから睡眠ガスを噴射させバネッサを眠らせるとポケットから機械のチョーカーを取り出しそれをバネッサの首に着けたのだった。

 

「しばらく眠っていてくださいね…」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

トオルが戸惑っているとオープンチャンネルからセレディーの声が聞こえてくる。

 

「やぁ…神風トオル……」

 

「セレディぃぃぃぃぃ!何をしたぁぁぁぁ!!」

 

「君は数年前に起きたディテクター事件を知っているかね…」

 

「あのテロ事件か…」

 

「あぁ……その時に大量のLBXがテロの道具として使われた…それを可能としたのは司令コンピューターの恩恵を受けてこそだった…その際に司令コンピューターを守るために催眠状態のプレイヤーを護衛として配置したそうだ…」

 

セレディーの質問にトオルはハッ!としその様子を見たかのように笑うとセレディーは話を続ける。

 

「そうだ!その時の物を一つ回収したのだよ…中々手に入れるのに手間取ったが…お陰でバネッサ君は忠実な下部になったわけだ…君に彼女を撃てるのかい?」

 

「卑怯な!」

 

「戦場では例え友であろうとも恋人であろうとも殺し会うものだよ…ちなみに……このエピオンが破壊されたら彼女は……死ぬ…」

 

セレディーの言葉を聞いたトオルは経験した事がないほど頭が沸騰しているのが自分でも分かった。

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

トオルの目はこれ以上ないほど赤く光りトールギスⅢを中心に衝撃波が発生し周囲にいたビルゴⅡやキャリパー達が吹き飛ぶ。

 

「これほどのオーバーロードを体得したのかやはり素晴らしいぞ!神風トオル!!」

 

セレディーが嬉々と叫ぶとトールギスⅢのバイザーが激しく光だし身体中の排気口から異常なまでの量を出し続ける。

 

「赦さん…」

 

トオルはそう呟くと文字通りトールギスⅢが消えた…周囲にいたビルゴⅡたちが消えたトールギスを探そうとしているとロストした…トールギスがいた場所とセレディーのファントムがいた場所の間のビルゴが次々とロストしていく……ビルゴはトールギスの姿すら見られぬまなま破壊されついにファントムを吹き飛ばす。

 

「なに!?」

 

セレディーが驚いたのもつかの間また吹き飛されファントムの体からスパークが吹き出る。

 

「てめぇだけわぁぁぁぁぁ!!!」

 

トオルが叫びながらファントムに迫るがトールギスⅢは横にいつの間にか追い付いていたエピオンに吹き飛ばされる。

 

「クソッ!………ッ!」

 

トオルは舌打ちすると反撃しようと操縦幹を握りしめると突然の激しい痛みにトオルはコントロールポットの中でもがく。

 

「うぐぅぅぅぅ…がぁぁぁぁ!」

 

頭が割れてそこを抉られるような尋常じゃない痛みに加え目の前はかすみ何を見ているのか分からない…手足は痺れまるで言うことを聞かない……トオルの体は限界を超えていた…オーバーロードの異常と言われるほどの覚醒スピードがトオルの体を蝕んでいた、アラタと違いオーバーロードを体得し数度に渡って使用している…そのダメージは計り知れない。

 

倒れたトールギスⅢを囲むようにビルゴⅡがビーム砲を向けるのをエピオンは黙って見ていた…すると突然横からビームがビルゴを襲い破壊する。

 

「トオル!」

 

「隊長!!」

 

「アラタ!」

 

その発射元はトールギスⅡ…ノインたちは兵士の目をかいくぐりトオルとアラタを救出に来たのだ。

 

「無事か!」

 

「うぅ…うわぁ……」

 

ノインはトオルのうめき声を聞くと一緒に来ていたハルキに向かって叫ぶ。

 

「ハルキ!このままではトオルもアラタも身が持たないぞ!」

 

「分かっている…しかしこの包囲網をどうやって…」

 

ハルキの言う通り救出に来たノインたちが通ったルートは既に塞がれ完全に囲まれていた。

 

「自分がなんとかします!ハルキ!必殺ファンクションを!」

 

ワーカーがそう叫ぶとグレイリオがライディングソーサから四連ミサイルランチャーを取り出す。

 

「……分かった…必殺ファンクション!」

 

(アタックファンクション!トライキャノン!)

 

ハルキはワーカーの言葉の意図が分からずに迷うが他に方法も無く必殺ファンクションを撃つと包囲網に穴が空きノインを先頭にその中に突っ込む。

 

「来るぞ!」

 

ヒカルが叫び皆が見ると後ろから脅威的なスピードで追い付こうとするエピオンが迫っていた。

 

「来た!」

 

ワーカーは四連ミサイルランチャーを構えありったけエピオン向かって撃ちまくると当然エピオンは避けるがそのミサイルは爆発せずに目が眩むような閃光を出す……閃光弾である。

 

あいてが閃光で足止めされているうちに全員はなんとか逃げ出すことに成功したのだった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

その後、トオルとアラタは保健室に運ばれたがアラタが目覚めてもトオルの意識は戻らずアラタから聞いた出来事に全員が言葉を失っていた。

 

「そんな…バネッサが……」

 

「クソッ!あの時必死に止めていれば…」

 

「スレイブプレイヤーか……」

 

みんなが悲しむ中ジンがボソリと呟くとムラクが聞く。

 

「スレイブプレイヤーってなんですか?」

 

「あぁ…プレイヤーを強制的に催眠状態に陥らせて操られているプレイヤーの事だ…恐らくディテクター事件の奴が…」

 

「あっ!ディテクター事件ってセレディーも言っていました」

 

ジンの説明にアラタも反応し全員が話始めると後ろから日暮先生がジンを呼びつけ部屋を出ると小声で話始める。

 

「トオルは危険だ…ただでさえ精神が不安定なのにこの追い討ち…このままでは精神崩壊の恐れもあるぞ…」

 

「日暮先生…実はオーバーロードの実験データにも精神崩壊を起こした事例があります…」

 

「それじゃ…」

 

「えぇ…このまま行けば確実にトオルは……二度と普通の生活には戻れないかもしれません…」

 

 

 

 

 




どうも砂岩でございます!
とりあえずここまで大波乱になっております…トオルはバネッサはどうなるのか?
まだまだ続きます!
次回も頑張ります!
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