ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

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最終戦「静かな海に騎士は佇む」

 

「……、…………」

 

「………!」

 

「……!………!」

 

トオルは何かが自分を呼んでいる気がした。

 

「あ…あぁ……」

 

予想以上の荒れた声にトオルは驚くが体中が痛くそんな驚きはすぐに消えた…するとトオルの周りに居たスズネ達が驚き喜ぶ。

 

 

「良かったで!トオル!死んだかと思ったで!」

 

「隊長ぉぉぉぉ」

 

号泣するワーカーを見たトオルは笑うがその行為ですら全身に痛みが走り顔を歪めていると

 

「大丈夫か?隊長殿……」

 

懐かしく思える声がトオルの耳に届く。

 

「ノイン……」

 

「全く…お前は無茶しすぎなんだ…」

 

「なんで……」

 

「人を勝手に殺すな…毒ガスが"手違い"で睡眠ガスになっていたのさ…それに言ったろう?必ず帰るとな…」

 

「…………」

 

ノインが笑いながら後ろを見ると人影に隠れるようにいた一ノ谷ユイがいた。

 

「ユイ…ありがとうな…」

 

「何も特別な事はしていない…」

 

「フッ…そうか…」

 

トオルは弱々しく笑うとユイは黙って部屋のドアを手にかけて

 

「"また…"」

 

そう言って出ていった…恐らくユイはもう会わないだろうがユイの"また"を信じて会う機会を楽しみにしておこうと思ったトオルであった。

 

その後トオルが聞いたのはエピオンを倒しバネッサを救出し自身が気を失った後の事だった。

セレディーはスズネ、アラタを筆頭にジェノック、ハーネスの新型部隊によって討伐された。

トオルは自身がその場に立ち会えなかった事に酷く悔しがったがバネッサが無事だと分かり取り合えずそれで良しとした。(トオルは会いたがっていたが皆が動くと危険だからと止めた)

 

ーーーー

 

次の日

 

トオルは港で痛む体を黙らせてセレディーを待っていた。

 

「あれが…」

 

「あぁ…そうらしい…」

 

トオルが見たのは若々しいセレディーとは正反対の疲れきった様子のセレディーだった。

セレディーはトオルを見ると運んで来たジンに止めるように頼びトオルに話しかける。

 

「神風トオル……」

 

「……」

 

しゃがれたセレディーの声にトオルは黙って耳を傾ける。

 

「お前には力がある……冷静に物事を見て判断できる力が…出来れば私の元で使いたかった…」

 

「確かに…お前の言っていた事は何一つ間違っていなかった…だが方法が間違っていたんだよ…お前は焦りすぎた…」

 

「フッ…私は見たかっただけだ…穏やかに佇む海を…ただそれだけだ…」

 

そう言ってセレディーは警備兵に囲まれ本島から来たヘリに運ばれて行ったセレディーを見てトオルは呟く。

 

「セレディーは…世界を本当に変えたかったのだろうか…」

 

「なに?どう言う事だ?」

 

トオルの呟きにノインは思わず聞き返す。

 

「いや…ただ…荒れ果てた自分の海を静めてくれる死に場所を求めていたのかもしれないなと…」

 

「死に場所か…私たちには分からんな…」

 

ノインの言葉に聞いていたワーカーも頷くのをトオルは見ているとフッと求めていた人がトオルの視線に映る。

 

それはセレディーによって洗脳され、トオルが命がけで助けたバネッサだった。

トオルは足を引きずりなからバネッサの元に駆け寄り優しく名前を呼ぶ。

 

「バネッサ……」

 

「トオル……」

 

静かになった港で二人はお互いの名前を呼び合うとバネッサが泣きながらトオルの胸に飛び込む。

 

「バネッサ……」

 

「ごめんなさい…ごめんなさい……」

 

泣きながら謝るバネッサをトオルは抱き締めると泣きじゃくるバネッサを静かに見ると話しかける。

 

「いいよ…でも良かった……無事で…」

 

「トオル……」

 

何かしらの絶対領域を作り出す二人に周りの人は思わず注目する。

 

「バネッサ……俺は…皆を…お前を守りたかった」

 

「トオル…」

 

「だが…何も守れなかった…でも変なんだ…」

 

「トオル?」

 

何か要領の得ないトオルにバネッサは不思議に思う。

 

「バネッサが…居なくなってしまった時……オットーやドロシーを失った時とは違うんだ…」

 

「違う?」

 

「分からないが…悲しかった…心から何かがスッポリ抜けたような…寂しかったんだ……だからずっと居て欲しい…側に居てくれ…」

 

「「「わぁ…」」」

 

周囲にいた者男女問わずに顔を真っ赤にする。

 

「私も!トオルが好き!大好きだよ!」

 

バネッサが勇気を振り絞って言った言葉にトオルは

 

「え?それって告白なのか?」

 

「「「「いや!お前はしてないつもりかよ!!」」」」

 

神威島に居た全員が心を合わせ見事にトオルにツッコミを入れると全員が笑い合うのであった。

その中にはやっと緊張が解けて腰が抜けたのか座り込む人もいる。

そんな和やかな空気が流れ始めた時、トオルは一気に視界が揺らぎバネッサに倒れ込んだ。

バネッサは驚くがそれを支えるように抱き締める。

そして気を失ったトオルはまるで小さい子供が親に甘えるような穏やかな表情だった。

 

ー戦士たちのつかの間の休息。傷つきし魂に祈りを、また再び騎士が戦場に佇む、その日までー

 

 

 

 

 

 

 




どうも!砂岩でございます!
まず…今までありがとうございました!皆様のお陰で最後までやれた事をここらから感謝です!
一応本編は終わりましたがその後日談も短編にして出していこうかなと思います…それと皆様のリクエストがあれば言って頂ければ出来るだけ書いて行こうと思います!
例えば…ノインと○○○の話が見たい!やトオルとバネッサの甘い話が欲しい!等どうぞお待ちしております!
では皆様!今までありがとうございました!


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