ダンボール戦記ウォーズ ロシウスのライトニング・カウント(本編終了)   作:砂岩改(やや復活)

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アフターエピソード編
第1戦「感情を殺した少女の物語り」


「では…被告人の判決を言い渡す…被告は……無罪」

 

日本の主都にある最高裁判所ではワールドセイバー構成員の裁判が行われておりその中で唯一の無罪を言い渡されたのは一ノ谷ユイだった……ユイは無罪の判決を聞いても無表情で裁判官の言葉を聞き続ける。

 

「被告はワールドセイバーのテロに加担しつつも罪のない神威大門の生徒を救いなおかつ最後ではワールドセイバーから離反し討伐に参加している点を見て無罪放免とする…」

 

傍聴していたマスコミ等はざわめくがユイの無罪が覆る事は無かった……。

 

ーーーーーーーーーーー

数日後…彼女は釈放されたが彼女が持っていると言えば僅かなお金と身に付けている服のみ…親が居ない事が知られているので国からの支援金も貰えるがそう多くは無かった……ユイは国からの支援金を使ってとある場所に向かった。

 

「……ハァ…」

 

彼女が向かったのは故郷"だった所"……人が住んでるのか怪しいくらい山奥の山奥に一ノ谷ユイの故郷があった、かつて故郷だった場所は今はダムの水の底…彼女がワールドセイバーに身を投じる事になったのは数年前のある出来事のせいだった。

 

ーーーーーーーーーーー

数年前

 

一ノ谷ユイは田舎の田舎で住んでいる事意外特に何もない普通の少女だった…村にはユイしか子供は居らず村の皆に愛されている幸せな少女だった…当時ユイは知らなかったがこの村は前々からダム化の計画があり村の人々は当然反対した…正式な交渉で何とか村の存続を繋いだ村人たちは喜び安心して皆が農業に専念しユイとの時間が癒しの一時だった……しかし当然それを良く思わない連中がいた…。

 

「たく…田舎者の癖に……あんな辺境の地の何処が良いんだ…」

 

「本当ですね…地図にすら載らない村の癖に……」

 

「おい…今何て言った?」

 

「はい?……地図にすら載らない村の癖に…と言いましたけれども…あっ!」

 

「そうか…地図にすら載らないのは可哀想だな…おい」

 

「了解です!すぐに必要な書類を偽造しておきます…」

 

「おい…正式な書類だろ?」

 

「おっと…すいません…間違えました…」

 

ーーーーーーーーーーー

 

その日もユイは村の人達に遊ばれたり勉強をしたりといつも通りの日だった…しかしユイは何かしらの違和感を覚えていた…それは静かすぎると言う物だった。

 

「お母さん……」

 

「何?ユイ」

 

「何か…静か…」

 

「静か?」

 

ユイの母である一ノ谷サクラは娘の突然の言葉に耳を澄ませる。

 

「本当ね…動物が居ない…」

 

サクラはユイの言葉にいつも近くまで堂々といる動物たちが全然姿を見せない事に気がついた…。

 

「おぉ!ユイちゃん!」

 

「オジサン…どうだったの?」

 

サクラが異変に気づいた時…ユイの隣に住んでいて狩猟をしているオジサンがやって来る。

 

「カズトさん…どうでした?」

 

「今日は全然ダメだった…獲物が影も形もありもしない…こんな事無かったのにな…とうとう俺の恐ろしさが分かったのかな」

 

そう言いながら大声で笑う中、村に大きな地響きが起こる。

 

「なんだ?地震か?」

 

カズトが不思議に思い呟いているとサクラの耳には地響きの音と共に聞こえてくる大きな水の音を捉えていた…。

 

「ユイ!木に捕まって!」

 

「え?」

 

ユイは母に言われるがままにかま焚き用のまだ割っていない大きな木に捕まると何かに吹き飛ばされたような衝撃を味わった。

 

「!?」

 

すると飛ばされたかと思われたが水中に居た自分に気が動転しながらも必死に木に捕まっていると水からでて水面で流されていく。

 

「ガホッ!ゴボッ!」

 

ユイは水面に出ると肺に溜まった水を一気に吐き出すと何かにぶつかり地面に転がる。

 

「ゴボッ!ゴホッ!ゴホッ!」

 

一気に咳をすると肺が痛くなるのを我慢して周囲を見渡すと大きな川の横の森に居た…しかしユイは先程まで村に居たと言うのに……それにこんな大きな川はユイの記憶上無い…それで状況が分からない程、ユイは子供ではなかった…。

 

「え?お母さん?…オジサン?」

 

時間が経つごとに頭がスッキリして頭が勝手に状況を整理してユイに最悪の答えを導き出す。

 

「沈んだ…村が……何で!?」

 

とにかく助けを呼ばなければ…ユイは急いで近くに人が居る所まで走り始める…さほど遠くない所に町がある、しかし車で一時間掛かる道のりを子供の足では倍以上掛かってしまう…しかしユイは必死に走る……当然道など存在せず草木をかき分けて進む…途中で木の枝で身体中に傷を作りながら走っていると道路に出るがユイが出た所は崖になっており数メートル落ちるとやっと道路に転がる。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」

 

全身泥だらけ、傷だらけの少女が出てくるのを見た通行車は車を止めてユイに駆け寄る。

 

「どうした?」

 

「村が!村が!」

 

ユイが車から降りてきた男性に必死にしがみつき村の事を言おうとするが…車の助手席にいた男性が叫ぶ。

 

「おい!コイツ村の娘だぞ!」

 

「なっ!」

 

明らかに態度がおかしい二人の男性をユイがちゃんと見ると少し前に何度も村に来て追い出されていた奴だった…。

 

「あぁ…」

 

ユイは確信した…"コイツらだ"と……するとユイが身の危険を感じて急いで逃げようとするとどこからか出してきたスコップで頭を殴られ気絶する……それを見た男二人は

 

「死んだか?」

 

「たぶんな…ほっとけば勝手に死ぬさ……行くぞ…」

 

「あ…あぁ……」

 

そう言うと二人はこの場所から離れたのだった…。

 

ーーーー

 

「うっ……くっ…………」

 

ユイは何とか生きていた…鉛のような体を何とか動かし周囲を見渡すと森は深い闇に覆われておりかなりの時間が経ったのがわかる…もう沈んだ村は助からないだろう…ユイの頭にその事が横切るとユイは狂ったように叫ぶのだった。

 

「くぅぅぅぅ……あぁぁぁぁ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

その後の事はユイにも良く分からなかった…ただ……あそこで助けたのはワールドセイバーだったと言う事と…そのワールドセイバーに彼女は死ぬために生きると言う矛盾を孕んだ理由で参加したと言う事は分かっている事だ…。

 

「さよなら……」

 

ユイは泣きそうな声でそう呟くとその場から姿を消したのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

……その後のユイの足取りは不明となっている…日本政府の監視を振り切り逃走したのか…それともそのダムで自殺したのか…真相は分からないが……その一年ほどたった頃から……世界各地で羽根を生やしたLBXを操り人々を助ける謎の少女の噂が立つようになったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 





どうも砂岩でございます!
リクエスト企画第一段!ユイの過去とその後でした!
文才の無い砂岩ですが出来るだけご期待に沿えるように頑張ります!


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