愛だの恋だのくだらないものだと思っていた。
崇拝尊敬はまだわかるとかつての自分は上から目線で知った顔をしていた。
だが今の自分は違う。
下江コハルとのツーショット写真を見るだけで胸が高鳴る。
これが人を狂わせる麻薬ってわけか。
さいっっこう。恋最高!愛最高!
今すぐ会いに行きたい!
だがしかし凶悪な謎の生徒がトリニティ総合学園内の教室で正義実現委員会の構成員に危害を加えたとかなんかで警備が厳重になってるんだよね。
さながら運命に引き裂かれた2人!
9割9分俺のやらかしのせいだけど。
まだ現状相思相愛じゃないのが物語と違うとこだけど。
普通の警備なら簡単に抜けられるけど流石に
正体不明の侵入者に可愛い後輩を傷つけられたと怒る正義実現委員会と静かに怒りの炎を燃やす化け物が密かに守るコハルには近づけない。
モモトークで呼び出すか?
いや。常識的に考えて知らん人からモモトークきても無視するか、身近な人間に対処を聞くかするだろうし。
まともな恋愛したことないしわかんねぇ。
友達からなぁなぁで長く永く作戦か?それとも電撃速攻超高速告白作戦か?
うーんどうしたもんか。
身近で一番頭いい子に聞くか。
「正義実現委員会の一年に胸揉まれたら恋におちちゃったんだよね。でもトリニティ潜入が大事件になって気軽に会いに行けなくなっちゃったんだ。どうしたらいいと思う?」
目の前の少女は書類仕事の手を止めて理解できないと言った顔でこちらを見てくる。
「は?…は?」
小学生と見間違うほどちんちくりんなくせにこの世界有数の戦闘能力を持つ少女はめんどくさいとため息をつく。
美人の所作ってどんなものでも目をうばれちゃうよな。
馬鹿なことを考えていたせいか次の瞬間には簀巻きにされて転がされていた。
相変わらずお強いことで。
縛られてるだけって結構暇なんだよな。
「ねぇねぇ書類仕事手伝うからさ解いてくれない?暇すぎて死んじゃう。」
何かをすることが苦痛な人がいるように何もしないことが苦痛な人もいるのだ。
ため息をつくヒナ。
仕方ないと言った顔で縄を解いてくれた。
そうして山のような書類を指差してこう言う。
「じゃあ私の承認がいるものと要らないものと分類してもらえる?」
「はいはーい」
こう言う単純作業って割と好きなんだよね。
脳のリソースを割かなくていいから。
テキパキと仕分けを終えちらりとヒナの方を見る。真剣な顔で書類を捌いている。
改めて見るとこいつ顔が良いな。
こんだけ顔が良いとさぞモテるんだろなぁ。
堅物ヒナは恋を知っているのだろうか。
「終わった?それとも何か気になる?」
「ヒナってさぁ。彼女とかいらっしゃないんですか?」
「突然なに?」
「いや気になって。それでどうなの?」
「貴方のような問題児が仕事を増やすせいでそんな暇はないのだけれど」
「じゃあアコは?仕事もできるし向上心もある。それにヒナのこと好きでしょ。まあペット的な感じでそう言う感情とかないか」
「大事な部下」
ふーんそんなもんなのか。あんなにいい子なのに。ゲヘナという頭のおかしな学園で数少ない常識人だし。
「じゃあさ。シャーレの先生は?」
「…そんなことよりどうしてトリニティへ潜入をしたの?誰かの指示?」
「強いていうなら過去の自分かな。」
「またいつもの衝動的行動ってわけ。自分の行動には責任が伴うっていい加減理解して。ゲヘナの子はみんな自由すぎ」
責任とれね。ゲヘナの生徒で自分のやらかしたことの後始末をつける子なんて片手で数えるほどしかいないだろ。他の学園ならまだしも。自由が校風と言っても過言じゃないし。無法者の集いゲヘナぞ。テロリスト養成学校といっても過言じゃないんだよね。ていうかバレてないし俺に責任発生しなくない?ヒナが黙ってればバレないし。でも俺たちが問題起こしたら委員長の責任になるのかな。
責任責任。責任ね。
そのとき電流走る。
これだ!
トリニティ総合学園校門で叫ぶ女がいた。
トリニティと不倶戴天の敵だったゲヘナ学園所属の女。
「下江コハル!私の体をめちゃくちゃにした責任とれぇぇ!」
愛川エル。ゲヘナ学園所属。部活動には所属していない。衝動的に行動しがちなそんな女が。
「コハル?知り合いですか?」
「コハルちゃん?めちゃくちゃってどういうことなのかな⭐︎」
「ふふふ…コハルちゃん」
「だ、誰!?誰なの!?誤解だからぁ!」
続かない。また反応があったら頑張ります。