仮面ライダーガァング   作:脱臼 させ太郎

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化物にもトラウマ

 

空間の裂け目が大きく割れ、中から出たのは巨大なカブトムシ。立派なツノの先には無数の複眼が泡の様に集り蠢き、従来目のある位置には虹色の太い触覚が突き出ている。

裂け目から這い出るなり、その場でクルクルと愉快に回り出した。

 

「そんなにこちら側が快適ですか。申し訳ないがお呼びでない。」

待ち構えていた学得がバイクから降りる。バックルを叩いた。

 

「変身。」

 

『カッサライイ"イ"ィイ"ーッ!』

『ガァ、ガァ、ガァング!』

 

スタスタと変魔に近づき、足蹴りで鬱陶しい回転を止める。が、想像以上のパワフルさ。力が拮抗し、互いを弾く様に距離を取った。

 

「今ので雑把にステータスが測れましたね。パワーもさることながら、いかにも硬そうな装甲だ。」

ガァングへ突進する変魔。攻撃を防ぎつつ、押されるのと同じ方向へジェット飛行を行い、威力を受け流す。その勢いは凄まじく、壁を突き破り廃倉庫の中まで吹き飛ばされた。

 

すぐさま体勢を立て直す。

『デバン、ガング!』

「最善の札を切りましょう。いきなさい、()トリック。」

 

派手なピンクの高ハンドルバイクが、召喚されたそばから変魔へ特攻。そして周囲の空気を激しく揺らす大爆発を起こした。

立ち込める煙を掻き分け出てきた変魔。ダメージは全然って感じだ。

 

「相当に頑丈ですね。...こういう時の為に機能拡張を取り組んでいて良かった。」

 

『デバン、ガング!』

前方に大きな刃の様な機構が付いたバイクを召喚する。

「出番ですよ、Sキラー。それと君達も。」

 

『デバン、ガング!』

立て続けに、マッハカラスとVAN惨懐を召喚。3台のバイクは並列に並びガァングがもう一度バックルを叩いた。

 

『ドッキン、ガング!』

 

指令が鳴り、3台が変形・合体する。それは巨大な大剣へ。両の手で掴む。

 

劈くような雄叫びをあげ、ガァングに再度突進する変魔。

 

「"(サン)グラ'S()ラッシャー"。」

 

カウンターで変魔を居合い切る。

その刃は外骨格を貫通、両断。肉体は切り口から腐敗し散り散りに消えた。

 

 


 

 

「仮面ライダーマボット、変身完了。」

 

「...三間くん、君も間宮さんと同じ、ロボットだったのニコか......?」

「間宮...あぁ、マークX(テン)のことね。そうでござるよぉっ、拙者は彼女同様、Dr.マボトの手で生み出されたAIロボット!マボットマークIII(スリー)にござ候ッッ!」

「マボト......?」

 

「間宮も拙者も君を近くで監視し続け、時が来れば攫うことが任務でござった。でも君の力の成長が予想以上過ぎたもんで、間宮はあっさり敗北しちまったンゴねぇw」

 

マボットは右手の平を茎野の方へ突き出す。

「まあ、今度はそう上手くいかないでごさるよ?間宮が残した君の戦闘データ、拙者にもインプットされ情報更新されてんでござるからさあぁッ!!」

 

砲撃みたく放たれる光弾。受け止めようと茎野も右手のひらを突き出した。衝撃波がビリビリと響く。

「こ、これは触るより躱してったほうが良さそうニコだなっ...!」

光弾の威力を右方へ流し、軌道をズラして回避する。

「ハハっ ほぼほぼ最大出力だぞ、なんで一瞬でも受け止めれてんだよバケモンがァ」

 

マボットの背部アーマーが可動展開し、大量の銃口が茎野を捉えた。それぞれが光弾を放つが、茎野は全力のダッシュでその全てを振り切る。

茎野を光弾で牽制しつつ、マボットは隙を狙っていた。集中砲火を止めた一瞬、茎野の足も止まる。

 

真正面で捉えた。胸部のアーマーが開き、太い砲身から強力な光線を発射。

茎野はコレをパンチ1発で粉砕した。

 

「〜〜〜ッ、くたばれでござるぅッッ!!」

顔のクラッシャーが大ーーーきく開く。中からミサイル弾を発射。

 

茎野はコレをキャッチ。そのまま投げ返した。マボット、爆散。

 

 

ふーっと一息付く。駆け寄って来るのは学得。

「お待たせしました、......?如何しましたか、茎野さん。」

「あ、えっあ学得くん。な、何もなかったニコよ〜!」

「そう、ですか?」

「うん...あっ、み 三間くんはなんか、用事があるって帰ったニコよ。ってか、あ、俺も急用思い出したので、帰るニコねーー!」

 

「え、あっはい、また......」

言い終わるまでに姿は見えなくなった。

 

学得が周りを見渡す。明らかに何か戦闘があった痕跡、道の隅の方で転がる謎の部品を訝しげに拾う。焦げた匂いだ。

 

 


 

 

自室の机の上、置かれたノートパソコンを開く。骨付き肉のイラストのステッカーと、骨の付いてない肉のイラストのステッカーが貼ってあるパソコン。

インターネットを開き検索窓には"Dr.マボト"と打った。

「マボト......マボット...マボト博士...おっ」

 

それらしい検索結果にヒット。記事を開くと、一枚の写真がある。身長の高いらしい、白衣を来た男だ。

がたいも中々良く、20代くらい。前髪は中分け。

 

その顔を見た茎野の思考が止まる。思考が止まり記憶が動き出す。

自分がこの男の手で人体実験を受けていたという、確かな、失われていた記憶が。

椅子から転げ落ちた。

 

「...俺、前にも......コイツに攫われてるニコ......?」

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