それではどうぞ!
2023年3月5日午後3時24分
司令室
僕は司令室で丘のようになっている書類を処理している。
「あっ…」
仕事中にとあることに気づいた。
「昼食食べてない…」
昼間はずっと堤防のところにいたので、完全に昼食のことを忘れていた。
(今から食べに行こっかな。いやだけどそれはそれで迷惑?)
(ならコンビニに買いに行くか!)
「電、僕ちょっと基地を離れるから少しの間よろしくね。」
「分かったのです!」
僕はおにぎりを買いに基地近くのコンビニに向かった。
ガラガラ
僕は一番近いコンビニに来た。
「いらっしゃいませ!」
僕はすぐにおにぎりを買って戻ることにした。
「356円になります。」
「ありがとうございました!」
僕は急ぎ足で基地に戻った。
「ただいま。」
「おかえりなのです!」
「ごめんね、少しの間任せちゃって。休憩してていいよ。」
「大丈夫なのです!」
「ほんとに?」
「はい!」
「ならいいけど…」
僕は買ってきたおにぎりを片手に仕事を再開した。
2時間後
「ふぅ。」
「お疲れなのです。」
電はそういうと麦茶を渡してくれた。
「ありがとう。」
朝は山のようにあった書類は全て終わり、目の前には応対用の椅子、机、そしてドアが見えた。
デジタル時計を見ると時間は午後5時49分。日はもうほぼ沈み、周りは暗くなろうとしていた。
(仕事も終わったし、何しよう?)
そんなことを考えていると…
バタン!
「司令!駆けっこしましょ!」
いきなり司令室のドアが開いた。
「島風、せめてノックして…」
「とりあえず!行こうよ!」
「分かったよ…」
こうして僕は島風と駆けっこすることになったが、多分というか絶対勝てない。これまでに100回?いやもっとか。まぁそれぐらいやってるのだが、全敗だ。そりゃあ艦娘、ましてや島風に勝とうだなんて無理な話なのだが…
「ねぇ、島風。」
「ん?」
「いつも思うんだけどさ。」
「その服装で寒くないの?」
「うーん、寒い時もあるけど今はそんなにかな。」
「そうなんだ。」
そして僕たちはいつも駆けっこをする場所についた。
スタートの合図は近くにいた長波がやってくれるようだ。
「位置について、よーい、ドン!」
ゴールは反対側にある援護艦しまんとまで。
「司令おっそーい!」
「少し、ハンデぐらい…あっても…いいじゃないか!」
僕はかなり必死だが、島風は余裕なのか煽ってくる。
「いっちばーん!」
「ハァ…ハァ…やっと…ついた…」
僕は島風がついてから3秒後についた。
「やっぱり…島風には…勝てない…」
「これで…何連勝だっけ?まっいーか!司令、またやりましょうね!」
「うん…」
「じゃあ!」
(良かった、食後じゃなくて。)
食後だったら確実にヤバいことになってただろう。
「とりあえず、休憩しよう。」
僕はすぐ近くにあったパイプ椅子に座った。
「近くに椅子があってよかった。」
そう思いながら座っていると
「司令だクマ。」
「球磨、どうしたの?」
「司令が座っていたから声をかけただけクマ。」
「そっか。」
「司令は何してるクマ?」
「さっき島風と競争して、疲れたからここに座って休憩してるんだ。」
「そうなのかクマ。」
「そういえばこの前の船団護衛ありがとね。」
「感謝されるほどでもないクマ♪」
球磨自身はこんなことを言っているが内心かなり嬉しそうだ。
ちなみに名古屋基地で多い任務は船団護衛であり、全体の45%を占める。名古屋港に隣接しているため輸入、輸出する船の護衛がかなり多い。
「球磨、早く来るにゃ!」
「多摩、ごめんクマ。」
球磨と話していると多摩がきた。どうやら球磨と待ち合わせをしていたようだった。
「何分待ってもこないからびっくりしたにゃ!」
「猫みたいだな。」
球磨と多摩のやりとりを見ていてこんなことを小声で聞こえないぐらいで言った。
「猫じゃないにゃ!」
「へ?」
「さっきの聞こえてたにゃ!」
「まじで?」
少しビビった。まさかあれが聞こえてるだなんて思わなかったから。
「とりあえず行くのにゃ!」
そうして球磨は多摩に連れて行かれた。
腕時計を見ると時間は6時20分ぐらいを指していたので夕食を食べに行くことにした。
「間宮。味噌煮込みうどんをお願い。」
「分かりました。珍しいですね?」
「いやだって、ここ半年食べてないからさ…」
名古屋基地名物の一つ、味噌煮込みうどん。3年前なんかはこんなものは食べられなかったが輸出入が安定している今なら食べることができるのだ。
「少し時間がかかりますがよろしいですか?」
「うん。大丈夫だよ。」
僕は味噌煮込みうどんが来るのを楽しみに待っていた。
「司令官、隣いい?」
「ん?別にいいよ。」
皐月が食べ物を持って隣に来た。
「司令官は何食べるの?」
「味噌煮込みうどんだよ、最近食べてなかったからね。」
「そうなんだ。ボクもそうすればよかった…」
皐月は少し悔しそうにしていた。
「まぁ、今度食べればいいんじゃないかな。」
「うん。そうだね!」
「そういえば他のみんなは?」
「向こうで食べてるよ。」
「一緒に食べないの?」
「ときには司令官の隣で食べようかなって。」
「へぇ、そうなんだ。」
(喧嘩とかじゃなくてよかった。)
僕は理由を聞いて少し安堵した。
「司令!味噌煮込みうどんできましたよ!」
「ありがとね。」
僕は半年ぶりに食べる味噌煮込みうどんを食べた。
「やっぱり美味しい!」
いつも食べる米や味噌汁なども美味しいが、それよりも一段と美味しく感じた。
「美味しそうに食べるね!」
「え?そんなに顔に出てた?」
「すごい出てたよ!」
(ちょっと恥ずかしい…)
そうして10分ぐらいで味噌煮込みうどんを食べ終わると返却口に返した。
「ごちそうさま、美味しかったよ!」
皐月は他のみんなを待つそうなので今日3回目の散歩に行った。やはり暇な時は散歩に限る。
「司令?」
「おっ、古た…って眩しっ!」
「し、司令?すみませんでした!」
「あ、いや、大丈夫だから。」
不意打ちで思いっきり古鷹に目潰しを食らった。(決してわざとではない)
「ここで何をしているのですか?」
「暇だからね。散歩。」
「司令って結構散歩しますよね。」
「それ以外することが特にないからね。」
「まぁ、最近はかなり平和ですからね。」
「うん、一番酷かった時は休みなしだったから。」
「あのときは本当に大変でしたよね。」
あのときというのは2020年ごろのことでその頃は太平洋に敵の主力がおり、定期的に空襲や艦砲射撃を浴びせてきていた。
「うん。そう考えると暇って贅沢なことだな。」
「ええ。」
不意に時計を見ると時間は6時58分、もうすぐ7時だった。
「そろそろ司令室に戻るね。」
「あっ、はい!では。」
そして僕は司令室に戻った。
司令室の机にはとある書類が置いてあった。
「なに?この書類。」
そう電に聞くとこう答えた。
「どうやら市ヶ谷から来た書類らしいのです。」
僕は気になってその書類を見ることにした。
その書類には「艦娘近代化計画の配備について」と書いてあった。
(なになに?『3月11日より試験運用として護衛艦朝日を名古屋基地に配備する』)
「え?」
僕は思わず声が出てしまった。
(いやいや、配備は5月からじゃないのか!?)
(まぁ、設備はまだ余りがあるからいいとはいえ…)
「電、これ出し忘れとかじゃないよね?」
「はい!その書類は今日届いたものです!」
「そう…」
(あとで市ヶ谷に問いただしてやる)
僕はそう心に決めた。
時間は7時33分。
(うーん。風呂にはまだ早いし、もう散歩はいいし、何しよう。)
そんなことを考えていると
バン!
「また!」
「司令!夜戦しよ!」
ノックせずに勢いよく入ってきたのは川内だった。
「川内、せめてノックしてよ。あと、夜戦はないからね。」
「えー!」
「というか、最近深海棲艦出てこないし。」
「そんなー!」
「っていうことで。夜戦は無し!」
「じゃあ演習は?」
「うーん…」
「まぁ、今の時間ならいっか。」
「やったぁ!じゃあ行ってくるね!」
そう言って川内は司令室を出て行った。
「それにしてもなんで川内さんは夜戦をしたがるのですか?」
「うーん。僕が思うに元々の軽巡川内の参加した作戦がほぼ夜戦だからかな?まぁ本人に聞かない限りは分からないけどね。」
「そうなのですか。」
(今のうちに連絡するか)
僕は電話機を手に取り市ヶ谷の防衛省に連絡した。
「もしもし、名古屋基地所属の松島透一等海佐と申します。名崎秀雄二等海将にお取り次ぎをお願い致します。」
「もしもし。」
「二等海将。こちらの書類は一体…」
「そのままの意味です。」
「11日より護衛艦朝日を名古屋基地に配備します。」
「もう少し早くに書類を頂きたかったのですが…」
「設備に余りがあるので問題がないと思ったので。」
「いやしかし…」
「問題はありませんよね?ならいいのでは?」
「…承知しました。では失礼します。」
僕はこれ以上は無駄だし、起こったことは仕方がないと思い、電話を切った。
「はぁ…」
正直僕は、名崎二等海将が苦手だ。どこか人に無関心なところが特に…
「そういえば朝日についての書類はある?」
「あっ、これなのです!」
「ありがとう。」
僕は朝日についての書類を見た。
(兵装や搭載機も基本変わらないか。)
(問題は出力か?他の艦に比べると出力がかなり違う。)
(これに関しては、どうにかして組むか。)
そうして諸々について考えているとかなり時間が経っていた。
(取り敢えずこれくらいでいっか。あとはこれを書類にするだけ…)
チラッと時計を見ると時間は午後9時34分。
「風呂入るか…」
僕は風呂に入るために司令室を出た。
風呂は司令室のすぐ近くにある。風呂場の中は更衣室含め三人入れて限界といったとこだ。
「とりあえず8分で出るか。」
僕はすぐに風呂場を出た。司令室には戻らずに酒保に向かった。
酒保でコーヒーを買うとすぐに司令室に戻って半分ぐらい飲んだ。
「よし、書類を作るか。」
僕はさっきまでメモ欄に書いていた朝日の運用についての書類を作り始めた。
3時間後
「ふぅ、終わった。」
仕事が終わる頃には深夜1時前になっていた。
「歯磨いて寝るか。」
外を見るとここ以外ほとんど電気がついてなかった。
僕は歯を磨くとすぐに着替えて布団に入った。
(今日は4時間くらいしか寝れないな。めんどくさい書類を夜に届けやがって!)
僕は大事な情報を夜に届けた防衛省にムカつきながら寝た。
2023年3月6日午前0時59分 就寝
さて!これでこの日は終わりです!次回は3月11日、護衛艦朝日が基地に所属する日です!今回は前回よりも長く4000越えになりました。いっそもう一話ぐらいに分ければよかったと反省しています…
少し話は変わりますが、明日で3月11日、東日本大震災から12年となります。僕は被災していないのですが、忘れてはならない、風化させてはならないと思います。なので次回では東日本大震災の話も少し出しますので気分が悪くなりましたら読むのをやめてください。よろしくお願いします。
ではまた次回!