仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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6558字。

ドラゴン覚醒。
今回は珍しくW目線の戦闘があります。


Nの正体/立ち上がれドラゴン

「完成だ!」

 

「完成ってドラゴンの制御装置のことか?」

 

「そうさ。それと武器もね」

 

俺はみんなに完成したものを見せる。

 

「これは...ドラゴン?」

 

「翔太郎たちの使ってるメモリガジェットを参考にさせてもらったよ。と言っても起動自体にはメモリは必要ないけどね。ほら」

 

ひとりでにドラゴンが動き出し、事務所の中を飛び回る。

 

「ギジメモリもなしで動くガジェットか。興味深い...」

 

「ただのガジェットじゃないぞ。これにドラゴンメモリを挿せば...」

 

話そうとした瞬間、外から爆発音と悲鳴が聞こえた。

 

「ドーパントか?」

 

「ここを狙ってきたってことはサイエンスが関わってるかもな。行くぞ!」

 

俺たちはビルドドライバーとダブルドライバーを腰に取り付けながら外に向かった。外では、五、六体のドーパントが暴れ回っていた。

 

「あれってもしかして全部バットドーパントか?」

 

「バットドーパント...どれだけメモリを量産してやがんだ」

 

「いや違う。コブラと同じでメモリのデータだけ入れたんだろう。ナイトローグがどこかにいるはずだ」

 

『JOKER』 『RABBIT』『TANK』

 

ラビット!タンク!ベストマッチ!

 

「変身」「変身!」

 

サイクロン!ジョーカー!

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!

 

それぞれWとビルドに変身する。

 

「翔太郎、俺はナイトローグを探す。ドラゴンと何個かメモリを置いていくからバットドーパントを頼む」

 

「ああ、わかった」

 

「ドラゴンにメモリを挿せば別の攻撃ができるからうまく使ってくれ!じゃあ行ってくる!」

 

ラビットの速さでバットドーパントの群れの間を抜けていく。この程度のドーパントならWでも勝てるしドラゴンの補助もあるから任せられる。だから俺はさっさとナイトローグを倒すことにした。奴を倒さなければまたバットドーパントが増えるだけだ。

 

「どこだ...どこにいるナイトローグ!」

 

高速で町を飛び跳ねて移動してナイトローグを探す。けれど、なかなか見つからない。少なくとも事務所の近くにいるはずだから、ここら辺にいると思ったんだが...

 

『LOCK』

 

『注入』

 

ナイトローグの、変声期を通した声が響く。そして、鎖のような音が辺りに響いた。

 

「この音ってまさか⁉︎」

 

路地裏の方から、ロックドーパントが三体現れる。ナイトローグの仕業だろう。

 

「この奥にナイトローグが...でもその前にお前らを倒さないとな」

 

ロックドーパントたちは暴れ回るだけで、その行動に意思があるようには思えなかった。さっさと倒して解放させてあげよう。

 

俺はまず一体のロックドーパントに狙いをつけて、ガンモードのドリルクラッシャーを連射する。

 

「お願いだからメモリを使えなくさせるのはやめてくれよ...!」

 

念のためメモリの収納場所はバラバラにしてあるが、面倒なことには変わりない。

 

「と言ってもやっぱり弱いなこいつら。青いビルドよりも弱い。意志のあるなしが関係しているのか...さっさと倒すか!」

 

ハリネズミメモリを取り出してドリルクラッシャーのマキシマムスロットにセットする。

 

ハリネズミ!マキシマムドライブ!

 

ボルテックブレイク!

 

鋭い針が連続で発射される。さっきまで狙っていた一体目に集中して撃ち続けると、爆発とともにドーパント化が解ける。

 

「あと二体。殴った方が早そうだな」

 

『GORILLA』『DIAMOND』

 

ゴリラ!ダイヤモンド!

 

「ビルドアップ!」

 

輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!

 

ゴリラモンドフォームに変身した俺は、右手のサドンデストロイヤーで思い切りロックドーパントを殴る。すると、二体のうち一体が一瞬でドーパントから人間に戻る。

 

「即死効果でもあるのかこの拳...?よっしゃラストォ!」

 

周囲の無機物をダイヤへと変換し操作して、ロックドーパントの鎖の攻撃を妨害しながら拳を叩き込んでいく。

 

「よしこのまま...うわあぶな⁉︎」

 

突然ロックドーパントが、前に青いビルドが放ったような鎖型のエネルギーを放ってくる。驚きテンパってしまったが、なんとかダイヤモンドサイドの肩から光の防壁を展開してエネルギーを反射する。

 

「危なかった...ってあれ?」

 

先ほど反射したエネルギーはロックドーパントに当たっており、いつのまにか人間に戻っていた。

 

「そっかメモリの力を抑制するから...というか自滅しちゃうのか」

 

まさかこうなるなんてな。無我夢中で反射したからちょっとびっくりした。

 

「そうだ忘れてたナイトローグだ。きっとこの先にいるはず!」

 

俺はロックドーパントが現れた路地裏の方に駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バットドーパントねぇ...さっさと倒して戦兎を追うぞ!」

 

『コブラドーパントと同じみたいだね。理性が感じられない』

 

俺たちは暴れ回るバットドーパントを連続で蹴りつける。しばらく蹴り続けたのち、サイクロンの力で突風を起こして吹き飛ばした。

 

「そんなに強くはねぇな。いけドラゴン!」

 

すると、吹き飛ばされていって起きあがろうとしていたバットドーパントに向かって、ドラゴンのガジェットが炎を吐き出して攻撃をしだした。炎を喰らったバットドーパントは過度のダメージを受けて人間に戻った。

 

「おお!やるなこいつ!」

 

『メモリを入れてみようか』

 

「ほら!降りてこいドラゴン!メモリ入れるから降りてこい!」

 

そう呼びかけるが、ドラゴンのガジェットはこちらを無視してドーパントの群れに攻撃を続けていた。

 

「おいフィリップ!あいつ無視しやがるぞ!」

 

『…僕に考えがある』

 

『GATLING』

 

フィリップは戦兎にもらったガトリングメモリを起動させると、上に放り投げた。

 

「ちょフィリップ何やってんだ!」

 

『大丈夫だ。僕の予想によれば...』

 

ドラゴンのガジェットが放り投げられたガトリングメモリに向かって飛んでいく。そして自らの背中にあるスロットに自分でメモリをセットした。

 

「あいつ自分でメモリを⁉︎」

 

ドラゴンのガジェットはガトリングメモリの効果で、ガトリング弾のように炎を放つようになった。連続して放たれた炎はドーパントたちに全て直撃していき、人間に戻していく。

 

『なるほど、やはりサイエンスメモリにはサイエンスメモリをぶつけた方が効率が良さそうだ。次はこれで行こう』

 

『ROCKET』

 

バットドーパントを蹴りながらメモリを起動して放り投げる。すると、器用にガトリングメモリを外したドラゴンのガジェットはロケットメモリをセットする。

 

ドラゴンのガジェットは自らの炎で自分の体を包むと、まさにロケットのようにドーパントに突っ込んでいった。

 

「巻き込まれると面倒だな。トリガーでいくか」

 

『TRIGGER』

 

サイクロン!トリガー!

 

「ハッ!」

 

トリガーマグナムを取り出し、風を纏った弾丸を放つ。風によって周囲で燃えていた炎を巻き込み、ドーパントに炎の弾丸が当たる。

 

「そうだ!炎には炎だ!」

 

『HEAT』

 

ヒートメモリを起動して放り投げる。ドラゴンのガジェットはヒートメモリをセットすると、ものすごい勢いで炎の温度が上がっていき、口元で大きな火球を作り出していく。

 

そして炎の勢いが限界まで強くなったとき、火球が放たれバットドーパントたちがほとんど吹き飛ばされていった。

 

『想像以上だ。ここまで強いものだったなんて』

 

「あと一体か。この調子ならいける...ってどこ行くんだあいつ⁉︎」

 

ドラゴンのガジェットがヒートメモリを排出すると、どこかに飛んでいってしまった。

 

「まったくしょうがねぇな。俺たちだけでやってやるか」

 

『そうだね。戦兎ばかりに頼るだけじゃダメだ。僕たちも先輩としていいところを見せないとね』

 

俺たちは残る一体のバットドーパントと戦い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よぉ葛城ィ。待ってたぜ』

 

「…ナイトローグ!」

 

路地裏をしばらく走っていると、空き地のような場所でナイトローグが待っていた。

 

「ロックメモリを返してもらおうか」

 

『いくらやっても無駄さ。君には俺は倒せない』

 

「今更だけどさ...ボイチェン強すぎて聞き取れねぇんだよ!」

 

俺はさっさと攻撃を始める。ナイトローグもトランスメモリーガンを撃って反撃してくるが、光の防壁で反射していく。そして勢いよく殴りかかる。

 

『反射されるならゴリラサイドに撃てばいいだけだ』

 

大ぶりの攻撃だったためか軽く避けられ、がら空きとなったゴリラサイドに連射されてしまう。

 

「いつつ...その銃ほんとに厄介だな」

 

『自信作だ。言っただろう?今の君には俺は倒せない』

 

「すまんな。なんて言ってるのかワカンねぇなァ!」

 

狭い空き地なので他のメモリに変えるよりもゴリラモンドのままの方が使いやすい。それにメモリを変えている時間もないためそのまま殴りかかるしかない。

 

『単調な攻撃になってきたな。ビルドは応用性が本質だというのに』

 

「うるさい静かにしてろ!」

 

そう言って殴りかかるも、ナイトローグは剣を取り出して俺の拳を受け止めてしまう。そして拳を弾き飛ばすと、そのまま剣とトランスメモリーガンを合体させて、バットメモリをセットした。

 

バット!マキシマムドライブ!

 

スチームショット・バット!

 

『ッ!!』

 

ナイトローグが引き金を引くと、弾丸はコウモリが飛ぶように上下に振動しながらこちらに迫ってくる。光の防壁を展開して防御をしようとするも、弾丸は防壁を避けて俺のビルドドライバーに直撃した。

 

「ぐうっ!うぅっ...」

 

ビルドドライバーが外れて変身が解除される。

 

『ほらやっぱり勝てない。頑張ってメモリとの適合率を上げたまえ』

 

「待てよ...ナイトローグ」

 

ナイトローグが歩き去ろうとするが、引き止める。

 

『何をするつもりだ?今の君じゃあ、今のビルドじゃ俺には勝てない。それともなんだ?Wが来るのを待つのか?』

 

「違うね。確かにビルドじゃお前には勝てない」

 

そう言いながらワンサイドライバーを腰につける。

 

『そっちじゃ尚更だ。メモリ一つで何ができる』

 

「こいつならお前を倒せる。理論上な」

 

ドラゴンメモリを取り出す。

 

『確かに理論上はできるだろうな。暴走しなければの話だがな。もう一回デビルスチームを当ててやろうか?』

 

「暴走なんてしないさ。来い!クローズドラゴン!」

 

『…クローズドラゴン...だと⁉︎』

 

空からドラゴンのガジェット、クローズドラゴンが飛んでくる。

 

「ビルドなら勝てないさ。ビルドなら、な」

 

飛んでいるクローズドラゴンを掴み取ると、取り出したドラゴンメモリを挿し込む。そしてさらに押し込んで、下部からメモリ先端を飛び出させ、メモリとガジェットを一体化させた。そしてメモリを起動する。

 

『CROSS-Z DRAGON』

 

「さぁ、実験を始めようか」

 

クローズドラゴンメモリをワンサイドライバーにセットして展開する。

 

「変身!」

 

展開した瞬間、ドラゴンメモリの上部についていたクローズドラゴンがドロドロに溶け出して、ワンサイドライバーと一体化しだす。

 

Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!

 

「今の俺は……負ける気がしねえ!」

 

『クローズ...だと⁉︎』

 

俺はビルドではなく、クローズへと変身する。そして蒼い炎を纏いながら、動揺しているナイトローグを勢いよく殴り飛ばした。

 

『グッ...なんでその力を...ドラゴンを制御している!』

 

「ドラゴンを制御するには、ロックで力を封じるか適合率を上げるかの二択だ。ロックがない以上適合率を上げるしかないだろう?」

 

俺は説明をしながら攻撃も続ける。

 

「クローズドラゴンは俺の大脳辺縁系とリンクしている。闘争心が高まると適合率が上がるこのメモリの特性を利用して、クローズドラゴンを使い直接ドラゴンメモリの適合率を上げたのさ」

 

『く、クソ!』

 

ナイトローグはトランスメモリーガンと剣の合体を解いて、剣のバルブを570°回した。そしてトリガーを引く。

 

デビルスチーム!

 

剣から煙が放たれる。一瞬避けようかと考えたが、そのまま煙の中を特攻してナイトローグへの攻撃を続けた。

 

『っ⁉︎なぜ暴走しない!』

 

「いくら力を上げたって無駄だ!もう暴走はしない!」

 

逆に今の攻撃によってさらにドラゴンメモリの出力が上がって強化された。本当に負ける気がしない。

 

「来い!ビートクローザー!」

 

ベルトに纏わりついたクローズドラゴンからビートクローザーが飛び出してくる。それを掴み取り、ナイトローグに斬りかかった。

 

『その武器まで作ってるのかよ⁉︎』

 

動揺しているナイトローグを連続で斬りつけていく。斬るにつれてビートアップゲージのメーターが上がり威力も上がっていく。

 

「どんどん行くぞぉ!」

 

ビートクローザー下部のグリップエンドスーターを一度引っ張る。

 

ヒッパレー!

 

スマッシュヒット!

 

刀身に蒼炎がまとわりつき、一気に斬撃を放つ。

 

『こいつ...!』

 

「マキシマムで終わりだ」

 

ドラゴンメモリをワンサイドライバーから取り出しビートクローザーにセットする。

 

ドラゴン!マキシマムドライブ!スペシャルチューン!

 

そしてグリップエンドスーターを二回引く。

 

ヒッパレパレー!

 

ミリオンスラッシュ!

 

「ハァアアア!」

 

刀身から蒼炎の火炎弾を飛ばす。火炎弾はナイトローグに直撃すると、変身を解除させた。

 

「ぐっ....チッ!」

 

「さてさて、ナイトローグ様の正体はなんですかっと...お、お前は⁉︎」

 

「はぁ、バレちゃったか」

 

「お前は、青いビルドの!」

 

ナイトローグの正体。それは、あの青いビルドの変身者であった。

 

「おい!大丈夫か戦兎!」

 

Wが空き地の中に入ってくる。

 

「そいつは...」

 

「ナイトローグの正体だ」

 

『なるほど...君だったのか』

 

フィリップが話し出す。

 

『君が誰なのかは翔太郎が写真で聞き込んでくれたおかげでわかったよ。地球の本棚で裏付けもとった』

 

「……」

 

『君の本名は、佐藤太郎だ』

 

「佐藤太郎...?」

 

「…よく調べたな。正解だよ」

 

佐藤太郎は少し大袈裟な動きをとりながら話し出す。

 

「そうさ、俺の名前は佐藤太郎。サイエンスの2人しかいないメンバーの1人さ」

 

佐藤太郎はそう言いながら、懐からビルドドライバーを取り出し腰につけた。

 

「ビルドドライバーだと⁉︎」

 

『PHOENIX』『ROBOT』

 

フェニックス!ロボット!ベストマッチ!

 

「変身」

 

不死身の兵器! フェニックスロボ! イェーイ!

 

「新たなメモリ...!」

 

「そいつももらうぞ!」

 

俺はフェニックスロボに向かって走り出し、炎を纏ったビートクローザーを叩きつける。しかし、全く効いている感じはない。

 

『炎を吸収しているのか⁉︎戦兎炎はダメだ!』

 

「もう遅い!」

 

フェニックス!ロボット!マキシマムドライブ!

 

ボルテックフィニッシュ!

 

フェニックスロボは炎を纏いながら空中を飛び回る。そしてそのまま俺たちに向かって突進してきた。

 

「ガァッ!」

 

俺たちは吹き飛ばされてしまう。

 

「しょうがない、色々と計画を練り直さないといけないようだ。今日のところは帰らせてもらうよ」

 

フェニックスロボを引き止める暇もなく、そのまま飛び去ってしまった。

 

「…逃げられたか」

 

ドライバーを戻してドラゴンメモリを引き抜く。変身が解除され、一体化していたクローズドラゴンが分離して元の姿に戻っていった。

 

「こっちもどうにかして倒す方法を考えないとな」

 

ひとまず、これで今日起こった騒動は終わった。俺は先程佐藤太郎が落として行ったロックメモリを回収してから、さっさと事務所に戻って新たな力を創り出すため模索を始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかクローズに変身するなんてな...」

 

「なかなか面白いじゃないか。お前とは違う道を進んでるのを見るのは面白いねぇ」

 

「面白がっている場合かよ。俺の正体もバレちまった。計画の大幅な修正が必要になった」

 

「正体がバレたってそんな表面の秘密なんてバレてもいいだろ別に」

 

「そうだが...バレない方が動きやすかった」

 

「俺たちの本当の正体は誰にも分かりやしないんだ。そんなに気にすることないだろ?」

 

「…そうだな。それを気にするよりも計画を練り直す方が先か」

 

「そうだろ?お前はそっちに専念してな。実験の方は俺が進めとくから」

 

「何をするつもりだ?」

 

「なに、ただクローズと戦ってみたいだけさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NIGHT ROGUE no syoutai wa Satou Tarou to yobareru otoko datta.

 

Keredo jihaku ni engi ga mazatteiru youni kanjitanowa kinoseidarouka.




クローズ最初は登場するはずじゃなかったんですけど、面白そうなんで入れてみた。

佐藤太郎黒幕概念はなかなか珍しいと思う。
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