仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合 作:ダイヤモンドリリー
原作15、16話です。
「ふーむ、弱点がわかったけれどどうすればやつを倒せるんだろう。アイデアが全くわかん」
クローズドラゴンからコブラメモリのデータを抽出して調べたおかげで弱点は既にわかっている。けれど、その弱点を突くための方法が全く浮かばないのだ。
「新しい武器...いや違うな。武器じゃ弾かれて終わりなんだよな。どうすれば...」
ブラッドスタークは武器を弾き飛ばしてくることが多い。だから武器にしたら弾かれてそのまま何もできずにやられることになる。
「クローズドラゴンみたいなドライバーやメモリに付属できるようなのにするか...?いや、それなら新しく専用のドライバーを作るって手もあるな」
…少し迷走してきた気がする。ちょっと休憩しようかな。ずっと考えてて疲れた。
「ところでフィリップはリボルギャリーにこもって何やってんだ?」
少し前からフィリップは色々と器具を持ってきて何かをしてた。中で何をしているのかは見てないからわからないけど。
「フィリップーどこだー」
翔太郎と亜樹子がガレージに入ってくる。
「フィリップならリボルギャリーの中だ。何やってるのかは知らん」
「そうか...ってなにやってんだフィリップ⁉︎」
翔太郎がリボルギャリーを開くと、中からすごい熱気がやってきた。フィリップはストーブを焚き、レインコートを着てグローブをつけながらダンベルを持ち上げていた。本当になにやってんだ。
「やれやれ...君は知らないようだね翔太郎。これがボクシング名物、減量地獄だ!」
「…ったく!一度ハマると、止まりゃしねぇんだから...知識の暴走特急だな。そのうち死んじまうぞ?」
「ちゃんと見て止めるべきだったか...」
フィリップは大量の汗をかいており、ふらふらで今にも倒れそうであった。
「亜樹子!水、水!」
翔太郎が亜樹子に水を持ってくるように頼む。とりあえず今のフィリップに水を飲ませたり、水をかけて体を冷やさないとやらないと倒れてしまうだろう。
「お待たせー!あっ、あっ、あっ...!」
亜樹子がすっ転んで水の入ったバケツを思い切りひっくり返す。中に入っていた水は全て翔太郎にかかっていた。
「最悪だ...」
「あーっもーっ!暴走特急しかいねぇのか、この事務所は!?」
そうだな。フィリップも亜樹子も突き抜けてるからな。俺と翔太郎で制御しないとな...
「おい戦兎。お前自分はまともとか考えてねぇだろうな」
「えっ」
俺はまとも...だと思っていたが違かったらしい。ひどい扱いだ。
「とりあえずフィリップ寝かそう」
3人でフィリップをベッドに運ぶ。
「ちゃんと寝てろよー」
よし、フィリップをベッドに寝かしたし十分休憩した。実験に戻ろうかな。
「あのー鳴海探偵事務所ってここで合ってますかね?」
お、探偵の依頼が来たみたいだ。今作業したら音出まくって迷惑になりそうだな。ここで待ってよ。
「ささ、ここ座ってください」
依頼人に席に座ってもらう。
「仮面ライダーを探して欲しいんです」
依頼人であった麻生冬美の依頼はこうであった。
「フフフ…超簡単な依頼だね。だってここにいるんだモン」
「結構、有名になったもんだよな。俺達も」
「そうだな。でも俺たちがそうだって明かすわけにもいかないし案外面倒な依頼じゃないか?」
コソコソと俺たちは話し込む。見つけるにしてもあっさりと見つけましたじゃ怪しまれるし結構難しい依頼な気がする。
「仮面ライダーは、この街の敵。憎むべき犯罪者です!」
……え?
「あのクソ野郎…!」
………訳がわからないが、何か変なことが起きているということだけはわかったのであった。
麻生冬美の話を聞いた後、翔太郎と亜樹子が調査をしに行った。バイクを駆ってあちこちで強盗や押し込みを働き、その際自らを「仮面ライダー」と名乗ることで俺たちに罪を着せようとしている偽物を捕まえるためだ。
フィリップは今ガレージのソファで横になっていた。俺もガレージに戻って作業をしていた。新しいアイデアが湧いてきたので形にしようとしているのだ。
「フィリップーちょっと聞きたいんだけど、俺が一番適合してるメモリってラビットとタンクなんだっけ?」
「ああ。その通りだ」
「おっけありがと。ならこれをこれにして...」
部品をいじりながら頭の中の構想を形にしていく。
「フィリップーここってどうすればいいと思う?」
「すまない戦兎。僕の出番みたいだ」
作業を止めフィリップの方を見てみると、腰にダブルドライバーが付けられていた。
「問題ない。僕は元々、体を使わない」
『CYCLONE』
「変身」
フィリップがサイクロンメモリをダブルドライバーに挿すと、転送されてフィリップの意識も飛ばされる。
「フィリップ寝たまま変身しやがった...いつもそれでよくね?」
毎回倒れるのを亜樹子が支えるのを何回か見てきたが、最初から地面に寝ながら変身すればいいことに今気づいた。これからもそうしたらいいと思った。
「まぁ俺がいなくても大丈夫だよな。怪我してるしそもそも何もできないだろうし。実験してよ」
作業に戻る。クローズドラゴンの中にあるコブラメモリのデータを活用しながら精密作業を続ける。
「すぅーーー...ふぅーーー...よし集中!」
ずっと作業をしていると目も疲れてくるので適度に休憩を挟みながら作業を続ける。
作業に戻って十数分した後のことだった。フィリップが起き上がった。戦いが終わったのだろうか。
「手がかりを翔太郎が手に入れた。戻ってきたら検索をしよう」
どうやら偽物を倒すことはできなかったが手がかりは手に入れたらしい。俺たちは翔太郎たちの帰還を待つことにした。
「よし、閲覧した。シャーウッドビルの地下だ」
手に入れた手がかりとフィリップの検索により場所が分かった。
「どうする?待ち伏せでもするか?」
「いや待ってくれ戦兎。なぜ倉田が僕達の、仮面ライダーの名を騙っているのかわかっていない。それにきちんと対策を立ててからでないと返り討ちにされるだけだ」
確かにそれもそうだ。迂闊に飛び込んだら罠だった、だなんてことにはなってはならない。
「ちょっと待てフィリップ。仮面ライダー...Wは2人で1人。俺とお前なんだぞ。俺たちの名誉挽回しないでどうする」
「それは...」
「対策なんて動いてから立てりゃいいんだ」
翔太郎はガレージから出て行く。おそらく待ち伏せをしに行ったのだろう。亜樹子もついて行っていた。
「行っちゃったけど...フィリップ、お前はどうするんだ?」
「…対策は僕が考えておくことにするよ」
フィリップはリボルギャリーの中で座り込み、考え始めた。
「どうせ俺は何もできないしな。さっさと作業を終わらせておこう」
おれは自分の定位置に戻ると、すぐに作業に取り掛かった。ゼロから設計図もなしに作っているし、独学なのでちゃんと起動するかどうかわからないが、ある程度形にはなってきているのだ。と言っても完成まであと数時間はかかるだろう。俺は急ぎながら、かつミスのないように作業を進めていった。
『HEAT』
「変身」
いつのまにか結構な時間が経っていたようだ。フィリップの腰にはダブルドライバーが装着されており、ヒートメモリを起動してセットしていた。フィリップが倒れ込む。
そしてまたしばらく経ったあとのことだった。フィリップを乗せたリボルギャリーが突如動き出して発進し出す。寝ているフィリップを乗せてったけど大丈夫なのだろうか。
フィリップを乗せたリボルギャリーが行ってからしばらく経ったあと、リボルギャリーが帰ってきて中からフィリップだけが出てきた。
「おいフィリップ。翔太郎たちはどうした」
「翔太郎は...」
フィリップが何かを言いかけた時、フィリップの持つスタッグフォンに電話がかかってくる。
『人質を返して欲しければ一人でこい』
場所を告げた倉田はすぐに電話を切ってしまう。
「攫われた...のか。フィリップはここで待ってろ。俺が行く」
「君は怪我をしているだろう。その体じゃ無茶だ」
「無茶だろうが関係ない。大切な仲間を取り返すのに迷う暇なんてない」
俺はまだ少し痛む体を引き摺りながら事務所を出ると、マシンビルダーを起動して乗り込み走り出した。
俺は倉田の言っていた場所にやってきた。
『お前...誰だ?』
「そいつらの仲間さ。ちゃんと1人で来たんだ、文句ねぇだろ」
『用があるのはフィリップとかいうガキの方だ。お前は引っ込んでな」
「戦兎⁉︎どうしてここに!」
翔太郎はロープで吊るされており、ロープは亜樹子が頑張って支えていた。翔太郎の足元には剣山のようなものが置かれていた。なんて悪趣味な方法なんだ。許せない。
「フィリップはきっとやってくる。だけどあいつは迷いに迷いそうだからな。時間稼ぎにきた」
クローズドラゴンに翔太郎を吊るしているロープを支えてもらう。完全に持ち上げるほどのパワーはないが、ある程度楽にはなるだろう。
「悪い翔太郎。ちゃんと助ける時間はなさそうだ」
『RABBIT』『TANK』
ラビット!タンク!ベストマッチ!
すでに腰につけていたビルドドライバーにメモリをセットしていく。
「変身」
鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!
「とりあえず代わりに言っておく。お前の罪を数えろ!」
ラビットタンクに変身した俺はアームズドーパントに蹴りかかる。
『お前も仮面ライダーだと⁉︎』
「ビルドだ!覚えておけ!」
アームズドーパントは腕を刀に変えると、それを振り回して防御をしてきた。それをラビットの俊敏さで避けながらタンクサイドで蹴りを叩き込む。もちろん足裏のキャタピラで装甲を削り取りながら蹴っていく。
「仮面ライダーを騙るやつにゃ負けねぇ!」
ドリルクラッシャーを取り出してアームズドーパントの剣を受け止める。そして一気に力を込めて剣を押し返すと、そのまま腹に向けてドリルクラッシャーを突き刺す。
『チッ!』
アームズドーパントは一度腕を元に戻すと、今度は機関銃に変化させて銃弾を乱射してくる。
(これは...避けきれない!)
走るだけじゃ避けきれないと判断した瞬間にドリルクラッシャーをガンモードに変え、ハリネズミメモリをマキシマムスロットにセットする。
ハリネズミ!マキシマムドライブ!
ボルテックブレイク!
銃口から大量の針が発射され、アームズドーパントの弾丸を全て撃ち落とす。このまま撃っても埒が開かないと察知したのか、アームズドーパントは機関銃の腕を元に戻し、腰につけたハンドガンを左手で撃ちながら右手で盾のような巨大な剣を持ってこちらに近づいてくる。
(武器多すぎだろ畜生!ここは暴走覚悟でキードラゴンを使うか)
俺はラビットとタンクのメモリを取り外し、ロックとドラゴンのメモリを取り出す。
『LOCK』『DRAGON』
「戦兎!気をつけろ!」
翔太郎が忠告を飛ばしてくる。けれどその忠告はもう遅すぎた。
メモリをセットするために速度が落ちたときに、アームズドーパントは俺のドライバー目掛けて銃弾を撃ち込んだ。衝撃が走るが、無視をしてメモリをセットしようとする。けれど、それは叶わなかった。
「な、なに⁉︎」
ビルドドライバーになにか金属のようなものがこびりついていてメモリを入れることができなかったのだ。メモリが入っていないので変身が解除されてしまう。
「やばい!んぐっ⁉︎」
アームズドーパントにタックルされて勢いよく吹き飛ばされる。
「いっっつ...ワンサイドの方を使うか」
俺はビルドドライバーを取り外し、ワンサイドライバーを取り出そうとする。
『おっと、妙な真似はしないでもらおうか』
アームズドーパントにハンドガンを突きつけられてしまう。
(どうすれば...どうすればここから逆転できる...!)
考えても策は浮かばない。クローズドラゴンに背中から攻撃して貰えばまだ可能性はあるが、そうすれば翔太郎たちの危険が増してしまう。そんなことはできない。
「ごめん翔太郎...もう...限界!」
クローズドラゴンの支えがあっても、亜樹子が耐えきることができずロープを手放してしまった。まさに絶体絶命だ。
けれど、翔太郎が死ぬことはなかった。
「ファング⁉︎まさか!」
ファングメモリがロープを咥えて支えていたのだ。ちょうどその時、バイクの音が響いてくる。そしてひとりの男がやってきた。
「やっと来たか...」
フィリップがバイクから降りる。
「フィリップ!」
「絶交でもなんでもしたまえ。させないけどね。後悔するなよ、倉田剣児。僕はもう知らないぞ」
「フィリップ!お前まさかファングを!おい!何か策はあるんだろうな!」
「対策なんか、動いてからたてればいい」
それは前に翔太郎が言っていたことだった。
「僕は、君や麻生冬美のように、理屈でなく動いてみることにした」
「フィリップ...」
「地獄の底まで悪魔と相乗りしてくれ、翔太郎!来い、ファング!」
ファングメモリは翔太郎のロープを投げ捨てる。ファングメモリが自分からフィリップの手の上に飛び乗る。フィリップはファングメモリを変形させ組み立てると、起動させた。
『FANG』
その瞬間、フィリップの腰にダブルドライバーが出現し、翔太郎のダブルドライバーに刺さったまんまだったジョーカーメモリが転送される。
「よせ!フィリップ!」
「変身」
ファングメモリをセットしてドライバーを展開させる。
ファング!ジョーカー!
「うおあああああ!!!」
フィリップをボディとしてWに変身する、ファングジョーカーフォーム。話には聞いていたが、実物を見るのは初めてだ。
「これがファングジョーカー...って暴れてやがる⁉︎」
ファングジョーカーは溢れ出る力に飲み込まれて理性を失っていた。アームズドーパントだけでなく周りのものを巻き込んで暴れ回る。
「まずい止めないと!」
『CROSS-Z DRAGON』
ワンサイドライバーを腰につけながらドラゴンメモリをクローズドラゴンと融合させる。
「変身...!」
Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!
痛む体を無理やり動かしながら変身した俺は暴れているファングジョーカーを止めにかかる。
「落ち着けフィリップ!あばれ...暴れんな!」
「うわあああああ!!!」
嘘だろ、クローズでも抑えきれない...!
『おっと、そこから動くなよ。こいつは人質だ』
いつのまにかアームズドーパントは亜樹子を人質に取っていた。
『大人しく変身を解除しろ』
アームファング!
そんな声を無視してファングジョーカーはタクティカルホーンを一回押した。腕からアームセイバーを伸ばして、暴れたままアームズドーパントのもとに走っていく。
「止まれ!...ガァッ!!」
このままでは亜樹子が巻き込まれてしまう。そう思って先に止めようとするが、アームセイバーで斬られてしまう。元々ボロボロだったので、その攻撃で変身解除されてしまう。
「クソッ!止められない...!」
もうファングジョーカーを止めることはできない。そのままアームズドーパントのもとに走っていきアームセイバーを振るう。その刃はそのまま人質になっている亜樹子のに当たる...
ことはなかった。すんでのところでファングジョーカーの動きは止まっていた。
「暴走が...止まった...の、か」
意識を保っていられたのはそこまで。度重なる疲労と怪我により俺はそこで意識を手放してしまった。
俺が目覚めたのは事務所のベッドの上だった。どうやらアームズドーパントを倒し、その後幹部のドーパントと戦った後に助けてくれたみたいだ。
「もう。また戦兎は無理をして!」
「しょうがないだろお前らを助けるためだったんだから。それに疲れが溜まってただけで新しい怪我はそこまでしてないんだからいいだろ」
そう言うと亜樹子は黙り込んだ。助けてもらった手前あまり言うのも悪いと思ったのだろう。
「そういえばファングメモリってどこいったんだ?見当たらないけど」
「ファングならあの後どこかに行ってしまったよ」
「そっか...あっそうだフィリップ!頼みたいことあったの忘れてた。ちょっと手伝ってくれ」
「わかったよ。今度は何をすればいいんだい?」
「えっとだな...これの仕組みを教えてくれないか?」
「それならお安い御用さ」
「ありがとう。それでちょっと...さっきから気になってたことがあったんだけどさ」
目が覚めてそれを見た時、夢でも見てるのかと思ってしまった。
「お前なんでそんな太ってやがんだ⁉︎」
「ああこれのことか。君は知らないのかい?リバウンドさ」
「そうはならんだろ!ほらダイエット手伝ってやるから俺の手伝いの前に痩せんぞ!」
ブラッドスタークへの新たな切り札はお預けになった。
「戦兎が動き出した。もう回復したらしいな」
「思ってたよりも早かったなぁ。計画の修正は終わったのか?」
「9割はな。まだ1割残っているからお前が時間を稼げ」
「へいへい。まぁ長い間体を動かしてないと鈍っちまうしな」
「せいぜいやられないようにな」
「ハッ!俺がやられる?そんなヘマはしないさ。ところで計画の修正とはいったがハザード以外に何作ってやがんだ?」
「これのことか。もともとはガイアメモリの強化アダプターなんだが、それをちょっと真似てサイエンス用に変えたんだ」
「強化アダプターねぇ...何に使うんだ?」
「戦兎がクローズを作り出したんだ。だったらこっちも別のものを作らないといけない。スクラッシュの代わりだよ、これは」
佐藤太郎の手には、二つの作りかけの機械があった。
Fang to iu mouhitotsu no dragon.
Bousou kara nogareta dragon tachi wa ookina senryoku to natta.
ほとんど改変しないようにしました。
フィリップくん覚醒の重要な回だしあまりいじりたくなかったんだよね。