仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

18 / 48
6119字。
原作20話そのまま。
ビルドの出番はほぼほぼありません。


Iは止まらない/凍り止まった過去

「貴様...!貴様だけは...生かしておかん!」

 

アクセルは生身の片平真紀子にエンジンブレードで斬りかかろうとしていた。

 

「おい...馬鹿!変身解除した人間を攻撃するつもりか⁉︎やめろ!照井!!」

 

俺たちは急いでアクセルを止めにかかった。

 

「W!ビルド!正気か⁉︎」

 

「それはこっちの台詞だ!おい、早く逃げろ!」

 

「奴は俺の全てを奪った、Wのメモリの持ち主だぞ!」

 

激しい怒りをあらわにするアクセル。

 

「W?」

 

「Wのメモリとは何だ?」

 

「俺に...質問をするな!」

 

アクセルは俺たちにむかって攻撃をしてくる。エンジンブレードで何度も斬りつけられ、変身解除してしまう。

 

「アンタ...仮面ライダーになるんじゃないのか?」

 

翔太郎は痛む体を動かして、そう言いながら立ち上がった。

 

「何だと...?」

 

「罪は憎んでも、人は憎まない。この風都の人々が仮面ライダーに望んでいるのは、そう言う心だ」

 

翔太郎は己の仮面ライダー観を説く。

 

「甘い...甘ったるい事を言うな!」

 

その言葉を聞いたアクセルは激昂して襲いかかろうとする。そこで割って入ったのは亜樹子だった。

 

「いい加減にしてよ!竜君!」

 

そこでようやくアクセルは変身を解除する。

 

「この街は腐っている。だから人も腐るんだ!」

 

「何...⁉︎」

 

「俺はこの街が、大嫌いだ!」

 

照井は風都が大嫌いだと言い放ち、その場を去っていった。

 

「照井竜!」

 

「ちょっと待て!ぐっ!」

 

翔太郎と俺は照井を追いかけようとするが、先程照井から受けたダメージの影響で動くことができず、倒れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務所に戻った俺たち。

 

「竜君、別人みたいだったね。あんな乱暴な面があるなんて...あの怒り、どこから来るんだろう?」

 

「一連の凍結事件...何か個人的に関係がありそうだな」

 

竜の豹変ぶりははっきり言って異常だ。どうやらWのメモリとやらが関わっているようだが、質問を許してくれないので全くわからないのだ。

 

「ハードボイルド...」

 

話を聞いていたフィリップがそんなことを呟いた。

 

「あ?」

 

「ああいう男をそう呼ぶんじゃないのかい?冷徹なまでに、1人で信念を貫き通す、鋼の男」

 

「フンッ...」

 

まぁ翔太郎もハードボイルドだ...とか言ってたしな。

 

そんな時、何かを思い出したのか翔太郎は突然起き上がり、自ら捜査に出向こうとしていた。

 

「起きちゃ駄目だよ!どこ行くの⁉︎」

 

「照井は間違ってる...俺は俺のやり方でこの事件を追う」

 

「あっ、こら!所長様を置いていくな!」

 

事務所を出て行く翔太郎を追いかけるように亜樹子が出て行く。

 

「Wのメモリ...それは一体何だ?」

 

フィリップがそう呟いているのを聞きながら、俺も翔太郎を追いかける亜樹子を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちはウォッチャマンの情報により、あゆみ公園にやってきていた。その時目にしたのは、今にも片平真紀子を始末しようとしているアクセルの姿だった。

 

「やめろ!」

 

「またか、左!桐生!」

 

「俺の話を聞けよ、照井!」

 

「聞く耳持たん!」

 

翔太郎に構わず真紀子を始末しようとするアクセル。エンジンブレードを振りかぶり真紀子に振り下ろすが、それを妨害したのはファングメモリとクローズドラゴンだった。

 

「よくやった!」

 

「右までも...!」

 

フィリップのこと右呼ばわりするなよ。そんなことをやっているうちに、当の真紀子には逃げられてしまっていた。

 

「待て!」

 

それを追いかけようとするアクセルの前に立ちふさがる翔太郎。

 

「いい加減にしろ!何度も何度も...自分たちのした事が分かっているのか⁉︎」

 

俺たちに向かってエンジンブレードを振るアクセル。相手が生身であろうと、構わず斬りかかってくる。

 

「翔太郎!彼を止めるには僕の方が向いている!」

 

なんとか避けていると、フィリップが駆けつけてきた。

 

「分かった。頼んだぜ、相棒!」

 

「戻ってこい!クローズドラゴン!」

 

『FANG』『JOKER』 『CROSS-Z DRAGON』

 

「変身」 「変身!」

「変身」

 

ファング!ジョーカー!

 

Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!

 

ファングジョーカーとクローズにそれぞれ変身して、アクセルの攻撃を受け流していく。

 

「貴様、貴様ァ!」

 

「こいつ、滅茶苦茶だ!」

 

「怒りに飲み込まれてやがる!」

 

アクセルは完全に怒りに身を任せて戦っていた。

 

『ENGINE』

 

アクセルはエンジンブレードにエンジンメモリをセットすると、エンジンブレードを射撃モードにして攻撃してくる。その攻撃をアームファングや、ファングオブレイドで斬り飛ばしていく。

 

エレクトリック!

 

アクセルはただの銃撃では意味がないと知ると、トリガーを3回引き電撃を帯びた攻撃を放つ。エンジンメモリ一つで複数の力が使えるのか。なんとも興味深い。

 

ショルダーファング!

 

Wはタクティカルホーンを二回押してショルダーファングを召喚すると、ブーメランのように投げ飛ばしてアクセルの動きを制限する。それによって生まれた隙をついて俺はアクセルを背後から羽交い絞めにした。

 

『冷静さを欠いているから、本来の力を出し切れないみたいだね。落ち着きたまえ、照井竜!』

 

「何故邪魔をする!?俺は法の番人として、当然の正義を行っているだけだ!」

 

「君の行為は正義ではない。個人的な、復讐だ!」

 

それを聞いてハッとする照井。

 

「…調べたのか?」

 

「ああ...」

 

照井が変身を解くと、フィリップも変身を解除した。俺も変身解除しておく。

 

「復讐だって?」

 

「そうだ。かつて風都で起こった凍結事件を検索し、分かった。彼の家族は、氷のドーパントに殺されている」

 

なるほど、あの異常なまでの執着や激情は家族の復讐だから、というわけだ。それを言い当てられた照井は、静かにフィリップに歩み寄って行ったかと思えばその襟首に掴みかかる。

 

「何が分かる...!あの日の事がどれだけ分かると言うんだ?この検索小僧が!俺の心の叫びまで検索できるのか⁉︎」

 

訴えるようにまくし立てる照井。検索小僧って...

 

「いや...僕には人の心は検索できない。だから、教えてくれ。君の身に起こったことを」

 

「何だと...?」

 

「だって、それを解決するのが依頼だった筈だろう?」

 

確かに、依頼の内容は連続凍結事件の犯人探しだ。これも必要な情報となる。そして照井はゆっくりと過去を話し始めたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

照井の話では、去年の8月にWのガイアメモリの氷の怪人が照井の家族を殺したそうだ。そしてその現場にも青い花が撒かれていたようだ。

 

「それが全ての始まりだった!」

 

「その君が、何故アクセルのガイアメモリを?」

 

「そして、彼女が現れた...」

 

どうやら、その女がエンジンブレードとアクセルメモリを渡してきたようだ。そして、今日はアクセルドライバーを渡してきたらしい。復讐を支えるとかなんとか言ってきたそうだ。

 

「その女が誰かは知らない。だが誰でも構わん!俺から家族を奪った、悪魔に復讐できるのならな!」

 

「それがお前の...」

 

「ビギンズナイト」

 

「全ての始まり...」

 

「竜君...」

 

「この街は悪魔の巣だ。俺はようやく悪魔を、俺の家族を奪った犯人を見つけた。片平真紀子を消す。君達にも、俺を止める資格はない」

 

言うべきことを全て言うと、再び真紀子を始末するべく照井は動き出した。

 

「照井。お前の憎しみは痛い程伝わった。だがそのせいでお前は、間違った相手を殺す所だったんだぞ!」

 

翔太郎はそれを引き留めそう言った。

 

「…何だと?」

 

「犯人は片平真紀子じゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町のとあるダンスクラブでは、片平清を中心として若者たちが踊り狂っていた。しかし急に音楽が止まった。

 

「おい!早く音鳴らせよ!」

 

「お開きだぜ、お坊ちゃん」

 

「ああ!お前ら、早く帰れ!」

 

すると清は人払いを試みる。辺りからブーイングが広がる。

 

「ああ、うるせえ!帰れ!」

 

清は強引に若者たちを追い払ってしまった。

 

「まさか、こいつが...?」

 

「そう、真犯人はこいつ。息子の、片平清だ」

 

「貴様が、ドーパント...?」

 

「ああ、さっき公園でお袋から取り返した」

 

何も悪びれるそぶりを見せず、清はガイアメモリを見せつけてくる。

 

「ウォッチャマンの情報の通りだぜ。本当に評判が悪いのは母親じゃない、裏でその金を使って遊び歩いてる、こいつの方だってな」

 

「取引先の人達は全員、些細な事で彼の怒りを買って襲われたんだな」

 

「フン。どいつもこいつも俺の事、親のスネ齧ってる駄目息子だって馬鹿にしやがって。だからこいつを手に入れて、片っ端からムカつく奴を凍えさせてやったんだ。池田の野郎も、そこのテメエもな」

 

「…お前まさかあん時ぶつかったので⁉︎」

 

「え⁉︎そんなつまんない理由で?」

 

「俺の機嫌を損ねる奴はみんな氷漬けにしてやる」

 

「じゃあ、片平真紀子は...?」

 

「あの人はただ息子をかばっただけだ。わざと現場に花を撒いたりして、自分に注意を引き付けようとしたんだろう」

 

公園でガイアメモリを持って立っていたのも、偽装のためだったのだろう。

 

「俺は危うく、別の人を...!」

 

「人を凍えさせるのは面白かったぜ」

 

清は笑いながらそう言った。

 

「貴様...!」

 

翔太郎が怒りをあらわにすると、真紀子が現れた間に割り込む。

 

「待って!待ってちょうだい!時間を下さい、この子は私が止めます!清、もう止めましょう?」

 

 すると清は真紀子を押し退ける。

 

「出てくんじゃねえよ!誰もかばってくれなんて頼んでねえだろ!」

 

「お前・・・!母親に向かって何してんだ⁉︎」

 

「止められてたまるか!」

 

清はドーパントへと変身し、冷気を浴びせて逃走した。

 

「彼は俺たちが止める。アンタにもう1人でメリーゴーランドには乗らせない」

 

泣き崩れる真紀子に翔太郎は優しく声をかける。

 

「探偵さん...」

 

「木馬に乗ったアンタの切ない顔が忘れられなかった、それだけさ。行くぜ、フィリップ!戦兎!」

 

「ああ!」

 

俺たちはドーパントを追い、ダンスクラブを出た。

 

「熱く行こうぜ」

 

「了解だ」

 

「燃えあがろうか」

 

『HEAT』『JOKER』 『CROSS-Z DRAGON』

 

「変身」 「変身!」

「変身」

 

ヒート!ジョーカー!

 

Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!

 

ドーパントは池の水を凍らせて氷柱にすると、それを大量に投げてきた。氷柱をヒートのパンチや、蒼い炎を纏ったパンチで破壊していくが、どんどん次から次へと投げ込まれてくるため、近づくことができない。

 

「野郎...!」

 

『TRIGGER』

 

ヒート!トリガー!

 

Wはヒートトリガーにハーフチェンジして、炎の弾丸を撃つ。けれど、連射力に欠けるヒートトリガーでは少しずつ撃ち漏らしが増えていき、まともに直撃を喰らってしまう。トリガーマグナムも吹き飛ばされてしまった。

 

『自分が砕ける音を聞きな!』

 

ドーパントは今にも冷凍ガスを出してWを凍らせようとするだろう。けれど、ここからWまでは少し距離がある。助ける前に凍らされてしまうだろう。

 

「まず...!」

 

その時、エンジンブレードが飛んできてドーパントに直撃する。そして飛んできた方から照井が現れた。

 

「照井竜...お前」

 

『ACCELE』

 

照井は何も答えずにメモリを起動する。

 

「変...身!」

 

アクセル!

 

「さあ!...振り切るぜ」

 

投げつけたエンジンブレードを拾い、再度ドーパントを斬りつけていく。

 

『ENGINE』

 

スチーム!

 

エンジンブレードのトリガーを一回引くと、刀身から高温の蒸気が噴射される。ヒートよりも高温の蒸気によってドーパントの氷柱による攻撃も無意味と化す。

 

エレクトリック!

 

トリガーを三回引き、電撃を纏ったエンジンブレードでドーパントを斬り上げ、空中へと飛ばす。

 

エンジン!マキシマムドライブ!

 

トリガーを四回引くとマキシマムが発動し、エンジンブレードを空中にいるドーパント目掛けて突くと、刀身からA字型の光弾が発射されドーパントに直撃する。

 

「絶望がお前の、ゴールだ」

 

エンジンブレードからエンジンメモリか自動的に排出される。それと同時に、マキシマムドライブを喰らったドーパントが爆発した。

 

「清、清...!」

 

清はメモリが排出され人間の姿に戻って倒れ込んだ。

 

「こいつが、俺の家族を...!」

 

エンジンブレードを持ち、倒れている清に近づいていくアクセル。

 

「やべえ!」

 

「待って!」

 

「やめろ、照井!やめるんだ!」

 

「待って下さい!清...清!」

 

「やめて!助けて!」

 

「殺さないで!」

 

「やめろ!」

 

このままでは清が殺されてしまう。この距離では引き止めることももうできない。もう止められない、そう思った俺は思わず目を瞑ってしまった。

 

「行く先を変えよう...お前のゴールは、刑務所だ」

 

いつの間にか変身を解除した照井は、武器を手錠に持ち替えると清を確保した。

 

「立て!...ハーフボイルド、とか言うらしいな。君の流儀」

 

「え?」

 

「この町にいるうちはその流儀に合わせる。俺も、仮面ライダーだからな」

 

「いや、別にハーフじゃねえんだけど...」

 

ハードの方が珍しいんだけどなぁ...まぁハーフなのがいいところなのだが。そんなことを言っていると、真紀子は清に上着をかけてやっていた。

 

「母さん...ごめん」

 

清はようやく母親に謝った。

 

照井はそれを見ながら、清から弾き出されたメモリを拾い上げてみる。

 

『ICEAGE...ICE...』

 

「アイスエイジ⁉︎」

 

「やはり、イニシャルが違っていた...Wじゃない?」

 

「おい!去年の8月、俺の家族を殺したのはお前ではないのか⁉︎」

 

「知らないよ、そんなの!俺がメモリを手に入れたのは2週間前だ」

 

どうやら、照井の家族を殺したのは清ではなかったようだ。

 

「俺の家族を殺した真犯人は、別にいる...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「片平清は警察に逮捕された。本当にあの親子が、また共にあの木馬に乗れる日が来るのだろうか?俺には信じてやる事しかできない」

 

いつも通りのローマ字で、翔太郎は報告書を打ち込んでいた。

 

「で、ひとつ質問だ。怒らずに聞けよ?...照井」

 

「何だ?左」

 

「何でお前が、自分の事務所みたいな顔してコーヒー入れてんだよ⁉︎」

 

「君の入れるものが酷すぎるからだ。せっかくの豆が泣く」

 

そう言って照井は翔太郎にもコーヒーを差し出す。

 

「お、おいしい!」

 

「うまい!」

 

「これからは照井にコーヒー淹れてもらおうかな...」

 

先にそのコーヒーを口にしたフィリップと亜樹子は美味しさのあまり固まってしまっていた。俺も飲んでみるが、本当に美味い。どうやったらここまで差が出るのだろう。

 

「そんな事...うまーい!」

 

半信半疑だった翔太郎も、コーヒーを飲むと同じような反応をした。

 

「何なら、フィリップの相棒も代わろうか?彼の力は君には不釣合いだ」

 

「何だと?てめえ!ふざけやがって!2度と来るな!」

 

怒って枕を投げつける翔太郎。

 

「逃げんな照井!待てこら!2度と来んな、この性悪刑事!」

 

「いつでも来ていいぞーまたコーヒー淹れてくれ!」

 

「ちょっ、お前何言ってんだ⁉︎あいつは出禁だ出禁!」

 

なんだか、これまで以上に事務所が騒がしくなりそうな予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ACCELE wa kamenrider to natta.

 

W no gaiamemory no mochinushi wa oretachi ga kanarazu mitsukedashite yarou.




原作に忠実にやろうとするとビルドの割り込む隙がない...
次回はビルド中心回にします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。