仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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5817字。

原作21話22話です。
ドライバーなしで戦兎くんはどうするのかなー(棒)


還ってきたT/正義のドーパント

「綾さん!一体、何してるんですか...?」

 

フィリップと真壁は風都警察署の超常犯罪捜査課へと走っていた。到着したとき、刃野が蹴り飛ばされて伸びているところだった。

 

「この男を始末するのよ」

 

『TRICERATOPS』

 

九条綾が太ももにメモリを挿してドーパントに変身する。

 

「綾さんが...ドーパント⁉︎」

 

トライセラトップスは刃野を投げつける。フィリップは避けるが、直撃を食らった真倉は刃野もろとも気絶してしまう。

 

「翔太郎は君を信じようとした。僕はもう遅いと忠告したのに...」

 

『あなた、本当に鋭いのね。でも、それが命取りよ!』

 

トライセラトップスドーパントが紫色のエネルギー弾を放つ。しかし、そのエネルギー弾がフィリップに当たることはなかった。突如とした現れたファングメモリとクローズドラゴンがフィリップの身を守る。

 

「このタイミングで出なければ絶交だ!」

 

フィリップは防御をファングたちに任せて翔太郎に連絡を取り始める。

 

『どうした?』

 

「翔太郎!ファングに変身するよ!」

 

『え?』

 

「早く!」

 

『…ああ、分かった』

 

腰にダブルドライバーが現れる。

 

『FANG』

 

「変身!」

 

ファング!ジョーカー!

 

なんとかファングジョーカーに変身する。Wに変身したことでフィリップに乗り移った翔太郎は、目の前の状況に驚愕する。

 

『これ...どういう事だよ?』

 

「九条綾の仕業だ」

 

『綾さん...これが、君の言った生きるための答えなのか⁉︎』

 

『阿久津を始末した時に気づいたの。私が本当に復讐すべき相手は、こんな虫けらじゃない。風都と言う街そのものだって言う事に!』

 

『風都?街に復讐するって...?』

 

『溝口は、心からこの風都を愛し、守ろうとした。でも、この街は彼を守ってはくれなかった。それどころか、彼の誇りをズタズタにし、蔑んだ!』

 

『そんな...』

 

『許せない、絶対に許せない!こんな街、無くなってしまえばいいのよ!!』

 

『やめろ!目を覚ませ、綾さん!』

 

襲いかかってくるトライセラトップスドーパントに対抗するWであったが、ファングの力でも苦戦してしまう。翔太郎がまだ説得しようとしていて戦いに集中できていないのだ。

 

『邪魔者は消してやる!お前らも、竜のように!』

 

『照井に何かしたのか⁉︎』

 

『騙し討ちにしてやったわ。奴の家族を皆殺しにした仇になりすまして。そしたら簡単に引っかかった。あんなに警戒心の強そうな男が、絶対に死にそうもない男が...』

 

「よく分かってるじゃないか」

 

声が響く。トライセラトップスドーパントにとっては、こんなところにいるはずのない男だった。

 

『照井...』

 

「俺は死なない...まだ、やらなきゃならない事があるからな...!」

 

照井の体はすでにボロボロであった。けれど、その体には力がこもっいた。ドライバーを装着する照井。

 

「復讐に飲まれた、悲しい女...俺が救ってやる」

 

『ACCELE』

 

「変...身!」

 

アクセル!

 

『しぶとい男...今度こそ、消し去ってやる!』

 

アクセルに変身した照井はエンジンブレードを取り出してトライセラトップスドーパントに斬りかかる。けれど、エネルギー弾や巨大な棍棒によるリーチの差や、元々負っていた身体のダメージによって思うように攻撃が出来ず、反撃を喰らうばかり。

 

「無茶だ...彼は怪我をしている。やはり僕達も...!」

 

『いや、これは照井の戦いだ』

 

翔太郎は戦いに加勢しないで2人の戦いを見守る。

 

『竜、今からこの街のシンボル...風都タワーを破壊するわ。よく見ていて』

 

棍棒を捨てたトライセラトップスドーパントは身体各部が膨張しだす。そしていつかのティーレックスドーパントのように巨大化した。

 

「愛した男との思い出まで、ぶち壊すつもりか⁉︎」

 

アクセルはバイクモードに変形してトライセラトップスドーパントに追いすがる。しかし、そのサイズ差は歴然。あっという間に弾き飛ばされてしまう。

 

トライセラトップスドーパントはそこへ向き直り、トドメと言わんばかりに巨大エネルギー弾を放った。

 

『まずい!クローズドラゴン!』

 

「だめだ間に合わない!」

 

クローズドラゴンに指令を飛ばすが、今からでは間に合いそうにない。エネルギー弾がアクセルへと向かう。しかしその時、巨大な戦車のようなものが間に入り、エネルギー弾を弾き飛ばした。

 

「あれは...?」

 

謎の巨大戦車...アクセルガンナーはブルドーザーのようにトライセラトップスの巨体をひっくり返した。その先には、シュラウドの姿があった。

 

「なるほど、そういうことか」

 

アクセルは再びバイクモードへと変形してアクセルガンナーとドッキングする。アクセルガンナーは無限軌道とは思えぬ機動性でトライセラトップスドーパントを追い詰めていき、巨大な砲塔でもって攻撃する。

 

『くっっ!』

 

トライセラトップスドーパントの前方へ回りこむと、砲塔を真っ二つに展開する。

 

「コイツが俺の...新しい力か!!さぁ、振り切るぜ!」

 

割れた砲塔からレーザーを発し、巨大トライセラトップスドーパントに直撃する。大きな爆発と共にメモリが排出される。

 

「やった...」

 

メモリブレイクされ、人間の姿に戻った綾の顔には死相が出ていた。

 

「お前の心は...俺が背負って生きる」

 

そう照井が言うと、綾は倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで事件解決...だね」

 

フィリップがファングメモリを外して変身を解除する。

 

「そう...だな」

 

アクセルも変身解除しようとしたその時だった。

 

こちらに近づいてくる足音が聞こえてくる。

 

「あいつは...まさかサイエンスの!」

 

「まずい。戦兎がいない今来るか。翔太郎、お願いだ出てくれ...」

 

翔太郎に電話をかける。しかし、いつまで経っても電話に出ることはなかった。

 

「本当に絶交してやろうか!くっ、戦兎も動けないのに!」

 

「俺が相手するしかないか!」

 

こちらに迫ってくるドーパントは、真っ黒に染まった蜘蛛のようなドーパントだった。そのドーパントに向かってエンジンブレードを構えたアクセルが走り出し、勢いよく斬りかかる。

 

「こいつ...硬い!」

 

振られたエンジンブレードは、サイエンスドーパント共通の弱点である首元に直撃するも、全く効いている様子がない。それどころか、そのまま完璧に反撃を決めてみせた。

 

「こいつ...!」

 

「このドーパント何かがおかしい...なんだ...?」

 

アクセルは何度も斬りつけていくが、受け止められて反撃を受けてしまう。

 

「このドーパント理性が...ない?」

 

違和感の正体がわかった。さっきから一言も話していないのだ。そして一般人が変身したにはその動きが正確すぎる。攻撃を見ないで避けたり受け止めたりして、急所に向かって的確に、正確に攻撃を叩き込んでいる。

 

「クローズドラゴン!」

 

『GATLING』

 

やはりサイエンスドーパントとは分が悪い。アクセルはドーパントから距離を取ると、戦兎から託されたガトリングメモリを放り投げる。クローズドラゴンは器用にメモリをセットすると、連続して炎を放つ。

 

「やはり俺が攻撃するよりも効果がある...か」

 

『ROCKET』

 

クローズドラゴンの体が炎に包まれ、急発進してドーパントに突撃する。

 

「次はこれを!」

 

『HEAT』

 

フィリップがヒートメモリを放り投げる。ヒートメモリをセットしたクローズドラゴンは巨大な火球を作り出し、吐き出した。しかし、速度の遅いその攻撃はドーパントによけられてしまう。そして蜘蛛の巣のようなものを口から出し、アクセルを拘束する。いつもなら簡単に避けられただろうが、ダメージを負っているため避けることができなかった。

 

「こいつ...!」

 

ドーパントが動けないアクセルにカサカサと蜘蛛のように近づいていく。

 

「照井!くっ、翔太郎出てくれ!」

 

ドーパントがアクセルに覆いかぶさる。そして先端の尖った蜘蛛の足を突き出す。アクセルはなんとかドライバーに手を伸ばし、パワースロットルを捻ろうとする。

 

「っ⁉︎」

 

しかし、それを実行する前にドーパントの拘束が解ける。

 

「ドーパント⁉︎」

 

アクセルを救ったのは、一体のドーパントであった。新しく現れたドーパントはアクセルに覆いかぶさっていたドーパントを横から勢いよく蹴り飛ばしたのだ。

 

「新手のドーパントか!こんな時に...!」

 

なんとか立ち上がってエンジンブレードを構えるも、ドーパントはこちらに攻撃するそぶりを見せず、最初にいたスパイダードーパントに向かって飛びかかる。

 

「明確な意志がある。それにこのドーパントは...」

 

普通のサイエンスのドーパントとは何かが違った。どちらかといえば、佐藤太郎の変身するロボットドーパントのような感じだ。

 

「まさかこのドーパント...!」

 

ドーパントは蒼い炎を纏いながらスパイダードーパントを殴りつける。スパイダードーパントも負けじと蜘蛛の巣を発射して拘束しようとするが、炎によってあっさりと燃え尽き意味をなさない。

 

ドーパントはなおも攻撃を続ける。蒼い炎を身に纏いながら、何度も何度も攻撃を叩きつける。一撃一撃がスパイダードーパントの体を削り飛ばし、消耗させていく。

 

『っ!』

 

ドーパントが突如虚空に向かって左手を伸ばす。すると、左手にゼリーのようなものが集まりだし、ツインブレイカーが出現する。

 

ツインブレイカーを左手に装着したドーパントはアタックモードでパイルをスパイダードーパントに叩きつける。

 

「ツインブレイカーまで...!」

 

アクセルもフィリップも動けずにいた。二体のドーパントの激しい攻防に割り込むことすらできない。

 

『ッ!』

 

ドーパントは近くを飛んでいたクローズドラゴンを掴み取ると、中にセットされていたヒートメモリを取り出す。

 

ヒート!マキシマムドライブ!

 

ドーパントは取り出したヒートメモリをツインブレイクスロットにセットした。

 

シングルブレイク!

 

レイジングパイルが溶けそうになるほど加熱されていく。そして融点ギリギリまで加熱されたレイジングパイルをスパイダードーパントに何度も突き出し、足を切断していく。

 

『ッッッ!』

 

足を切断され、動けなくなったスパイダードーパントの頭を直接レイジングパイルで殴りつける。何度も何度も、理性を失ったかのように何度も叩きつける。

 

けれど、それでもスパイダードーパントを倒すことはできなかった。スパイダードーパントは蜘蛛の糸を少し先の地面に飛ばし、一気に手繰ることでドーパントの猛攻から逃れる。

 

しかし、ドーパントは止まらない。

 

クローズドラゴン!マキシマムドライブ!

Ready go!

 

いつのまにか特殊な加工がなされていたクローズドラゴンをドーパントは掴み取るとツインブレイクスロットにセットした。クローズドラゴンは二つあるスロット両方を埋める。

 

レッツブレイク!

 

巨大な蒼い炎の龍、クローズドラゴン・ブレイズが出現し、レイジングパイルにまとわりつく。

 

『ッ!』

 

クローズドラゴン・ブレイズが憑依した強力なパイルの一撃をスパイダードーパントに叩き込む。

 

その必殺の一撃を喰らったスパイダードーパントは粉々になって弾け飛び、後にはスパイダーメモリだけが残った。

 

「変身者が...いない...?」

 

ドーパントは落ちているスパイダーメモリを左手で拾い上げると、残った右手を首筋に当てる。そしてドーパントは、首筋に当てた右手で身体の中に入っていたドラゴンメモリを引き摺り出した。

 

「やっぱり君だったのか...桐生戦兎...」

 

戦兎は機械のついたドラゴンメモリを完全に引き抜くと、そのまま重力に引かれて倒れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔太郎と亜樹子と真壁が事務所で話している最中、俺はフィリップと照井に軽い尋問を受けていた。

 

「どうして君はドーパントになっていたんだい?」

 

「ドライバーがないから仕方なく、だ」

 

「なぜ暴走しない。前にラビットメモリが体内に入った時はメモリに体を乗っ取られていた筈だ」

 

「この機械のおかげだ。ツインブレイカーから解析したデータとロボットドーパントのデータを参考にして開発した。こいつは簡易的なドライバーみたいなものでメモリの力を増幅するとともに制御までできる」

 

「なるほど、なら次の質問だ。なぜ戦える。あの傷では戦えない筈だ」

 

「ドラゴンメモリを取り込んだおかげで変身中は怪我が少しずつ回復するんだ。その分反動もあるけど...」

 

「最後の質問だ。なぜ君はドーパントになってまで戦う?」

 

少し言い淀む。けれど、言うしかない。

 

「俺は仮面ライダーだ。ドライバーがなくたって、何も力を持っていなくたって仮面ライダーなんだ。『仮面ライダー』はこの町を守る俺たちのためにつけてくれた名だ。その期待を裏切ることはできない。それに、俺は誰かの力になりたいんだ」

 

「だからってドーパントになってまでやる必要は」

 

「ドーパントじゃない...そうだな、仮面ライダークローズ...チャージ。そうだ、仮面ライダークローズチャージだ」

 

「名前なんて関係ない。ドーパントはドーパントだ」

 

「名前なんて関係ないって言うなら!...ドーパントが仮面ライダーしててもいいだろ。俺はサイエンスをぶっ潰す。それだけだ」

 

「………はぁ、何を言っても意味がなさそうだな。仕方ない。戦うのは君の自由だ」

 

「フィリップ...」

 

「ただし、条件がある。僕や翔太郎、照井がいないときには変身は禁止だ。さっき小声で言ったことはちゃんと聞こえていたから。反動があるなら、サポートしないといけない。まだ怪我も完全に癒えてないだろう?」

 

「……わかった。条件を飲む。だから俺から仮面ライダーを奪わないでくれ...」

 

俺はドラゴンメモリを握りしめながら、力無く言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい石動、スパイダーメモリを使ったのはいい。お前に任せたときにメモリも北都の分はあらかた渡したからな。それはいいんだ」

 

「急になんの話だ?帰ってきていきなり」

 

「お前、なんであれを撃ち込んだ」

 

「クローズチャージならあれくらいしないと勝負にならないだろ?」

 

「だからって人を巻き込むのは!」

 

「何言ってんだよ。すでに多くの人を巻き込んできたってのに。今更善人気取りか?」

 

「……くっ!」

 

「俺に任せろつったろ?少なくともこのドライバーが戦兎のもとに戻るまではお前に手出しはさせない。グリスとして戦兎と戦うこと以外はな」

 

「チッ!」

 

「任せろって。お前が作り出したこいつらを、ちゃーんと俺が有効活用してやるからさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kamenrider towa ittai nandarou.

 

ACCELE ya CROSS-Z CHARGE wo nite ore wa sou ommotta.




クローズチャージ、この作品だとドーパントにならざるを得ないんですよね。
その方が元々クローズチャージにある暴走をうまく表現できそうですけど。

追記
ミスあったので直しました。
縮小してたつもりが拡大になってた。小声とはいったい。
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