仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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7690字。

オリジナル回です。


迫り来るR/禁断のメモリ

「これは...メモリ?」

 

朝、亜樹子が事務所にやってきた時に玄関に置いてあったという鞄を開くと、そこには大量のメモリが無造作に入っていた。爆弾とか危険物が入ってるのではないかと身構えたが杞憂だったようだ。まぁメモリも十分危険物ではあるのだが。

 

「なんでこんなにメモリが...マイクメモリまで入ってやがる」

 

中に入っていたのは、ウルフメモリ、スマホメモリ、テレビメモリ、ユニコーンメモリ、消しゴムメモリ、ヘリコプターメモリ、カブトムシメモリ、カメラメモリ、タートルメモリ、ウォッチメモリ、冷蔵庫メモリ、ドッグメモリ、マイクメモリ、サンタクロースメモリ、ケーキメモリの計15個。

 

「足りないのはロボットとフェニックスか...ん?紙が入ってる」

 

メモリを全て取り出すと、鞄の底に一枚の紙が入っていることに気づく。それを開いてみんなで見る。

 

「なになに...『このメモリを使って俺を倒しに来い。石動惣一』...!」

 

「挑戦状ってやつだな」

 

「石動ィ!絶対にドライバーを奪い返す!翔太郎!メモリを出せ!」

 

「だめだ、お前はここで待ってろ。俺たちがちゃんと取り返してくるからな。亜樹子、見張り頼むぞ」

 

「わかった!」

 

「翔太郎!おい待て!メモリを!」

 

翔太郎はサイエンスのメモリを全て持っていき、石動の指定した場所へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、呼んだのは戦兎だぜ?お前はお呼びじゃないんだがなぁ」

 

指定した場所には、もうすでに石動惣一がドライバーを付けて立っていた。

 

「これ以上戦兎をクローズチャージにはさせない。ドライバーを返してもらうぞ」

 

「用があるのは戦兎だ、お前じゃない。ご退場願おう」

 

『HAZARD』

 

ハザードオン!

 

マキシマムスロットにハザードメモリを挿す。

 

『COBRA』

 

コブラメモリをドライバーにセットする。

 

ドンテンカーン!ドーンテンカン!ドンテンカーン!ドーンテンカン!

 

ドライバーを展開する。

 

ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

「変身」

 

アンコントロールスイッチ! ブラックハザード!ヤベーイ!

 

石動惣一はハザードビルドに変身を終える。

 

「メモリ一つだなんて舐めてやがるな。行くぞフィリップ!」

 

『ああ、僕たちの力を見せてあげよう』

 

『METAL』

 

「変身」

『変身』

 

サイクロン!メタル!

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!」

『さぁ、お前の罪を数えろ!』

 

いつもの決めポーズをとったのち、戦いが始まる。ハザードの力は戦兎から聞いているが、自分の目で戦っている姿を見るのは初めてなので、まずは様子見だ。

 

「様子見フォームねぇ...舐めてんのはどっちかな!」

 

ハザードビルドが攻撃を仕掛けてくる。武器を持たず、ステゴロでの攻撃なので、メタルシャフトで間合いをとりながら攻撃を捌き、隙をついて攻撃を浴びせる。

 

「防御としては最強だろうけどよぉ、攻撃は弱っちぃなぁ!」

 

コブラメモリによる地面を這うような動きでメタルシャフトの間合いの内側に入り込んでくる。そして目にも止まらぬ連続攻撃を喰らい大きく吹き飛ばされる。

 

「くっ、どうする!メモリ変えるか?」

 

『いや、このままで行こう。サイエンスメモリに僕たちの攻撃はあまり意味をなさない。攻撃はこれらに任せるとしよう』

 

Wはクローズドラゴンを取り出すと、持ってきていたガトリングメモリを挿す。

 

『GATLING』

 

クローズドラゴンが動き出し、ガトリング銃のごとく連続で火球を放つ。

 

「おおっと危ない危ない」

 

ひらりと軽々しく避けていくハザードビルドを横目に、メモリを入れ替える。

 

『SPYDER』

 

クローズドラゴンは蜘蛛の糸を吐き出し、ハザードビルドを絡めとる。逃げようともがいていると、その糸が蒼い炎で燃え始める。

 

「糸なのに燃えるのかこいつ。面倒な」

 

『最後!コブラにはこれだ!』

 

『SPARKLING』

 

クローズドラゴンにスパークリングメモリを装填する。すると、クローズドラゴンの口から大量の泡が吐き出される。その泡の中では、蒼い炎がメラメラと燃えていた。

 

「スパークリング⁉︎まずい!」

 

ハザードビルドは一気に力を込めて絡みついていた糸を引きちぎると、地面を這うように動いて大量の泡を避けていく。

 

「このままいけば追い詰めれる!いけクローズドラゴン!」

 

泡は辺りに浮いた状態で割れずに残っていた。今にもクローズドラゴンは泡を吐き続けているため、このまま行けば辺り一帯を全て泡で埋め尽くすことができる。そうなればチェックメイトだ。

 

「チッ!こいつ!」

 

ハザードビルドはトランスメモリーガンを取り出し、クローズドラゴンに向けて放つ。けれど、撃った弾丸はいずれもクローズドラゴンにたどり着く前に泡に当たり、蒼い炎と共に消えていく。撃ったら少しは泡を減らせるが、原因を断てるわけでもないため焼け石に水だ。

 

「もう逃げられねぇぞ石動。大人しくドライバーを返してもらおうか」

 

「返すかよ!」

 

威勢のいい声を発するが、コブラメモリを使っている以上スパークリングの泡に触れることは避けたい。別のメモリに変えて反撃をしよう。そう思った時のことだった。

 

突然、クローズドラゴンがWに向かって泡を吐き出したのだ。

 

「ぐぅっ⁉︎な、なんで...?」

 

泡を喰らったWは吹き飛ばされる。飛んでいく最中にも別の泡に当たり、連鎖反応で次々と泡と蒼い炎を喰らってしまう。なんとか変身は保っていられたが、持っていた大量のサイエンスメモリをばら撒いてしまった。

 

『どうして急に制御が...まさか!』

 

クローズドラゴンが先程落としたドラゴンメモリを拾い上げ、飛んでいく。

 

「よし、いい子だクローズドラゴン」

 

「…戦兎!」

 

「悪いなお二人さん。こいつは必ず俺が倒す。そう決めてんだ」

 

『DRAGON UPGRADE!』

 

「待て!」

 

「変身!」

 

クローズチャージに変身する。

 

『ぶっ潰す!』

 

ツインブレイカーを左手に召喚しながら、落ちているラビットメモリとスパークリングメモリを拾い上げる。

 

ラビット!スパークリング!マキシマムドライブ!

 

ツインブレイク!

 

いつもとは違い、アタックモードでマキシマムドライブを発動させる。赤いラビットバブルがレイジングパイルにまとわりつき、割れるのと同時に再生する。割れるごとにどんどんレイジングパイルの回転が加速していく。

 

『砕けろォ!』

 

「んぐっ⁉︎」

 

勢いよくツインブレイカーを叩きつける。当たる直前にスチームブレードが間に差し込まれたため、軌道がずれてしまうも、スチームブレードは真っ二つに折れ、ハザードビルドの左腕に決して浅くない傷を刻みつける。

 

「こいつ...!」

 

『さぁ、実験を始めようかァ!!』

 

『RABBIT』

 

チャージメモリ!入らなーい!

 

『SPARKLING』

 

ディスチャージメモリ!入らなーい!

 

二つのメモリを首筋に当て、データを取り込む。

 

ラビット!スパークリング!マキシマムドライブ!

 

ツインブレイカーをビームモードにしてから、ツインブレイクスロットにメモリをセットする。そしてブレイニッシュトリガーを勢いよく叩きつける。

 

ツインブレイク!

 

ツインブレイカーをハザードビルドの反対側に向ける。いつも通りレイジングビーマーから大量のラビットバブルが飛びだして破裂し、超高速でハザードビルドに突っ込む。

 

『消し飛べェ!』

 

突き出した右足にラビットバブルがまとわりつく。そこにドラゴンメモリの蒼い炎を加えて三重の力を込めた渾身の蹴りがハザードビルドに突き刺さる。

 

「ガッア゛ア゛ッッ...!」

 

ハザードビルドはラビットバブルの破裂によって勢いよく吹き飛んでいく。ハザードメモリがドライバーから外れ、ドライバーも腰から弾け飛んでいく。

 

「ドライバー...俺のドライバー!」

 

ドラゴンメモリを首から取り出しながらドライバーのもとに駆け寄る。

 

「やっと取り返した...俺のドライバー!!!」

 

「あーあ、取られちまったか。こっちも本気で行かないとダメかねぇ」

 

石動惣一はビルドドライバーを腰につける。

 

「ビルドドライバーも返してもらうぞ!」

 

ドライバーを腰につける。懐かしい感覚だ。

 

『RABBIT』

 

「…今か」

 

『HAZARD』

 

俺がドライバーにラビットメモリを入れるのと、石動惣一がハザードメモリを起動するのはほぼ同時であった。

 

「変身!」

 

ドライバーを展開する。

 

「…あれ?なんで変身が...壊れてんのか?」

 

ハザードオン!

 

「っ⁉︎」

 

ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

「なんでハザードメモリが⁉︎」

 

いつのまにか、マキシマムスロットにハザードメモリが入っていた。

 

「くっそ外れねぇ!なんだこれどうすりゃ...」

 

「もたもたしてていいのか?こっちのドライバーも返して欲しいんだろ?」

 

ハザードオン!

 

石動惣一はハザードメモリをマキシマムスロットに挿す。

 

『TANK』『RABBIT』

 

タンク!ラビット!スーパーベストマッチ!

 

ドンテンカーン!ドーンテンカン!ドンテンカーン!ドーンテンカン!

 

ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

「変身」

 

アンコントロールスイッチ! ブラックハザード!ヤベーイ!

 

石動惣一はビルドドライバーでハザードビルドに変身する。

 

「なるほど...そうすればいいのか。変身!」

 

俺も石動のするようにマキシマムスロットを叩きつける。

 

アンコントロールスイッチ! ブラックハザード!ヤベーイ!

 

漆黒に染まった、ウサギのライダーが黒い煙の中から現れる。

 

「力が...溢れる!ふっ!」

 

何倍にも増したラビットの力を使い一瞬で近づくと、連続で攻撃を叩き込む。

 

「これが...ハザードの力!」

 

その一端であるデビルスチームは何度か利用したことがあった。ドラゴンメモリの強化や、スパークリングメモリの作成など、一端であっても多大な効果を得ることができた。その源流の力は計り知れない。こうして蹴りを叩き込んでいる今にもメモリの力は増幅され続けているのだ。

 

「速いだけじゃねぇか。パワーはない」

 

確かに、タンクの力がないためパワーと防御力はタンクラビットに大きく劣る。けれど、ラビット単体のおかげでスピードだけは誰にも負けない。パワーは手数で補えるし、防御力は全て避けてしまえば必要ない。タンクラビットにはない圧倒的なスピードでヒットアンドアウェイを繰り返す。

 

「パワーがなくたってテメェをぶち抜けるんだよ!」

 

全ての攻撃をラビットサイドに叩き込んでいく。ラビットの防御力が低いのは相手も同じだ。狙いが絞られるため動きを読まれやすくはなってしまうが、そのリスクを有り余る速さで押しつぶす。

 

「こいつちょこまかと...!」

 

タンクラビットもハザードメモリによって少しずつ速くなっている。けれど、こちらの方がもっと速い。どんどん加速していき、周りの景色が遅くなっていく。

 

「そうだいいこと思いついたよ。戦わなくてもいいんだ。ドライバーさえ取れればね!」

 

無理に戦う必要はないのだ。目的はあくまでドライバーを取り返すこと。このまましばらく攻撃を避け続けて、速度が最骨頂まで達したら一気に近づいてメモリを抜き、ドライバーを奪い取ればいいのだ。

 

「こいつまじかよ」

 

焦ったように攻撃をするタンクラビット。その攻撃を悉く避けていく。

 

「さーてもうそろそろいいかな。石動、覚悟はできた...か...んぐっ⁉︎」

 

少しずつ体の制御が効かなくなってくる。速さについていけなくなったわけではない。何かに飲み込まれるような感覚だ。

 

「やっときたか...」

 

「いし...き、が...」

 

俺は黒いメモリの力に飲み込まれることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦兎のやつどうしちまったんだ?」

 

Wは物陰から二体のビルドの戦闘を覗き込んでいた。サイクロンメタルの効果で体力を回復させながら機会を窺っていたのだが、戦いの最中戦兎が頭に手を触れながら立ち止まったことに不審がっていた。

 

『動き出した!』

 

戦兎はカッと石動の方を見ると、勢いよく走り出して顎先に強烈なパンチを浴びせた。

 

「真正面から⁉︎」

 

『さっきと動きがまるで違う!』

 

戦兎は後ろに吹っ飛ばされた石動に一瞬で追いつき、鳩尾に再度パンチをかます。さらに追いつき今度は首、次も首、次は顎、その次は鳩尾。何度も何度もパンチを叩き込んでいく。

 

「すごい!ハザードレベルが、メモリ適合率がぐんぐんと上がってる!見てるか!実験は成功したぞ!」

 

何度も何度も急所を殴られて吹き飛ばされながらも歓喜の声を上げる石動。

 

「ハザードレベル...?」

 

戦兎は異常なほど急所を的確に狙って殴りつけている。クローズチャージのせいで攻撃性が高まっているとはいえ、ここまでなっているのは異常すぎる。まるで戦闘マシーンだ。あの時の真っ黒なスパイダードーパントやマイクドーパントのように理性が感じられない。

 

ハザード!マキシマムドライブ!

 

ハザードアタック!

 

戦兎は無言でマキシマムスロットを叩きつけ、マキシマムを発動する。勢いよく飛び上がり、石動の頭を思い切り蹴りつける。その一撃で装甲を無効化し、二度目の蹴りを叩き込んだ。

 

「っっっぐぶっ!」

 

メモリとビルドドライバーが吹き飛ばされ、変身解除されながら転がっていく石動。懐に入れていたのだろうか、二つ目のタンクメモリも投げ出され遠くに飛ばされていく。

 

「チッ、タンクメモリまで取られちったか。そこは想定外だな」

 

石動は近くに落ちているラビットとタンクのメモリを拾い上げる。

 

「どこに隠れてんのかは知らねぇが一応忠告しとくぞ。戦兎を止めろ。死ぬ気でな」

 

石動はそれだけ言い残し、去っていく。

 

「止めろって...おーい戦兎ー!」

 

『待って翔太郎!今出たら!』

 

落ちていたビルドドライバーとタンクメモリを拾い上げていた戦兎が、ギロッとこちらを向く。得体の知れない恐怖に包まれる。

 

「いや...そんなまさか...」

 

戦兎がこちらに向かって超高速で迫ってくる。

 

「やっぱ来やがった!」

 

戦兎のパンチをメタルシャフトでギリギリで受け止める。しかし、その後の攻撃を受け止めることは叶わず殴り飛ばされる。

 

『やはり暴走している!この前のドラゴンメモリの時のようだ!』

 

「無理やり止めるしかないってわけか。クローズドラゴン!」

 

クローズドラゴンを呼び出して攻撃をしてもらう。しかし一回蒼い炎を吐いた瞬間、敵と見做されて蹴り飛ばされてしまい粉々に砕け散る。

 

「やられた!もう止めらんねぇぞ!」

 

『いや、まだ手はある!ラビットメモリを抜くんだ!そうすれば変身が解除されて暴走も止まるはずだ!』

 

戦兎の攻撃は正確だ。しかし、正確であるがゆえに読みやすい。顎、首、鳩尾にさえ気をつければなんとか攻撃を避けることができた。

 

「フィリップ!動きを止めてから突っ込むぞ!」

 

『ああ!』

 

スタッグフォンを取り出してメタルシャフトにセットする。

 

メタル!マキシマムドライブ!

 

「メタルスタッグブレイカー!」

『メタルスタッグブレイカー!』

 

風でできた巨大クローがメタルシャフトから飛び出し、戦兎を拘束し挟み潰す。

 

「行くぞ!」

 

メタルシャフトを手放して拘束している戦兎のもとに走る。ラビットメモリに手が届いた瞬間、戦兎が風の拘束から逃れ攻撃しようとするもギリギリでドライバーを閉じてラビットメモリを抜く。

 

「な、に...が...」

 

戦兎は変身解除した瞬間、そのまま地面に倒れ込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは...事務所か。もうこの展開慣れてきたな」

 

「慣れたとか言わないの」

 

ベッドから起き上がると、いつものように無理やり亜樹子に寝かしつけられる。

 

「翔太郎、あそこで一体何が起きたんだ。マキシマムしようと思ったところらへんから何も覚えてないんだけど」

 

頭がズキズキと痛む。ビルドドライバーが机の上に置いてあるってことはちゃんと取り返したんだろうけど一切記憶がない。

 

「大変だったぞあんときは。ハザードで暴走して抑えるのに苦労したぜ」

 

「暴走⁉︎あっ、思い出した...」

 

「思い出したか」

 

「いや違う。ハザードトリガーのことだ」

 

「ハザードトリガー?」

 

「…ハザードメモリだ。あれは使うとメモリの力と適合率がどんどん上昇する禁断のメモリだ」

 

「それは前にも説明してもらったな」

 

「あれはノーリスクで使えるものじゃない。長時間使い続けているとドライバーの防護システムをメモリが上回ってしまうんだ。体に直接挿した直挿しの状態と変わらなくなってしまう。それが暴走の原因だろう」

 

「なるほど、暴走の原理はわかった。しかしなぜ君のドライバーにハザードメモリが現れたんだ?」

 

「多分フィリップのドライバーと同じじゃないかな。ハザードメモリの起動と共に指定したドライバーに現れるんだろう。おそらくだがドライバーを奪ったのはハザードメモリをドライバーにセットするためだ」

 

「じゃあこれからも暴走の危険があるってことか?」

 

「あいつらがハザードメモリを起動すればだけどね。ビルドドライバーにも同じような機構が施されてるだろうし...当分の目的はハザードメモリを奪うことだな」

 

「暴走の危険があるならまたメモリを没収したいところだけどいいかな?」

 

「いや、俺に策がある。うまくいけば暴走せずに使いこなせるはずだから勘弁してくれ」

 

「…わかったよ。けれど、次から暴走しないように気をつけてくれよ?」

 

「言われなくともそうするつもりだ」

 

「そういえばクローズチャージの副作用はどうなった?かなり落ち着いてるみたいだが」

 

「あー...多分だけどハザードで暴走したからかな。クローズチャージの毒素が押し流されたんだと思う...多分」

 

「なるほど...ちょっと思ったんだがどうして石動は暴走しなかったんだ?あいつ戦兎よりも長く使ってたけど」

 

「んー...わからん。慣れとかその辺りなのかな。初期のメモリ適正が低ければドライバーを上回るまで猶予もあるだろうし理由があるとすればそのあたりだろう。っていっっつ!」

 

「ああほらもう寝て寝て!ゆっくり休みな!」

 

「俺結構寝たからもう眠くないんだけどむぐっ⁉︎」

 

無理やり毛布を被せられた。仕方ないので寝ることにした。眠くないとは言ったが疲労はまだまだ蓄積されていたらしく、あっさりと寝息を立てることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらちゃんとハザードにできただろ?」

 

「まぁ終わりよければ全てよし...ってなるか。あれだけ巻き込んだこと忘れてねぇぞ」

 

「そういえばフェニックスメモリは渡さないんだな。ロボット以外全て渡すとか言ってなかったか?」

 

「露骨に話変えてきやがるなこいつ...」

 

「んで理由は?」

 

「こっちの手数を残すためだ。フェニックスで飛べば緊急離脱できるしな。ハザードにそのまま殴り殺されちゃたまらん」

 

「そういうことね。いつまでグリスをやるつもりだ」

 

「もうそろそろ終わり。ハザードを相手するならこっちだしな。調整ももうそろそろ終わる」

 

「ついにローグの出番ってわけか」

 

「あの装甲をメモリで再現するのには苦労したよ」

 

「早速試運転したらいいんじゃねぇの?」

 

「へいへい。まぁやってみるか」

 

『CROCODILE UPGRADE!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Hazard no chikara wa mugendai.

 

Bousou sae shinakereba saikyou no chikara to narudarou.




自分からなるかどうか選べる(選べる状況じゃない)原作のハザードフォームと比べると、強制的にならされる今作のハザードフォームの方が鬼畜度高い気がする。
とまぁそうは言っても、今作のハザードのシステムなら戦兎の言った通りうまく使いこなせば安全に使えるので次回のハザードフォームの活躍にご期待ください。
暴走してくれた方が作者としては嬉しいけど。
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