仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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9762字。

原作33、34話です。

あんまり上手く書けなかったけど許して....許して...


Yの悲劇/昨日を止めろ

「『きのう』を探して欲しいんです」

 

「はい?」

 

「昨日から見つからなくて...」

 

「昨日から『きのう』が見つからない?」

 

何を言っているのかまるでわからん。

 

「何じゃそりゃ?」

 

「あ...これが、『きのう』です」

 

依頼人が出したのは猫の写真。首輪には『KINOU』と書いてあるが...どうしてこんな名前つけたんだ。

 

「猫かよ!」

 

「駄目ですか?」

 

少し考える素振りを見せる翔太郎。

 

「分かった...俺に任せてくれ」

 

「受けるの!?ペット探し?珍しい...」

 

亜樹子が来てからしばらくはペット探しを受けることも多かったが、最近はあまり受けていなかった。ドーパント関係の依頼がどんどんきてそれどころじゃなかったからだ。

 

「お前には分かんねえよ。これはただの猫じゃない。猫の形をした、大切な思い出なんだ。そうだろ?」

 

「はい」

 

「猫、むしろ得意です。さあ行きましょう!お嬢さん」

 

「ありがとうございます。困ったことがあれば鳴海探偵事務所に行け...」

 

「え?」

 

「あ...知り合いに言われたんです。来て正解でした」

 

「失くした昨日を探すのは...探偵の仕事ですよ。どうぞ」

 

帽子を見繕って、早速捜索に出かける翔太郎と依頼人。その様子を見ていたフィリップは、なぜかニヤニヤしていた。

 

「どうしたフィリップニヤニヤして。なんかあったのか?」

 

「興味深いね。翔太郎のタイプはああいう女性か」

 

「何で⁉︎」

 

「でなければ、たかが猫探しでお気に入りの帽子をかぶって行く筈がない」

 

「へー、あれが...」

 

「何~⁉︎色気づいたか、あのハーフボイルド!...はっ、もしやタダ働き⁉︎あたし聞いてない!」

 

何だかんだ言いつつ追いかける亜樹子。

 

「不破夕子...」

 

依頼人の名前を、フィリップはなぜか呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから翌日、照井がやってきていた。とある事件を解決するため、フィリップの検索を頼りにきたのだ。

 

「ちょっと翔太郎君、自分の世界に閉じこもらない!」

 

翔太郎は、昨日から少し上の空気味だ。大丈夫だろうか。

 

「いや、はなから左に期待はしていない。借りたいのはフィリップの頭脳だけだ」

 

「何だとコラ!」

 

「お、美味しい!豆の挽き具合、湯加減...絶妙なバランスだ。やるねぇ、亜樹ちゃん」

 

「ほんとだ美味い...マスターと比べるとなんでも美味しく感じるけど」

 

「ちゃんと時間計ってドリップしたからね!カフェ開いちゃおうか?亜樹子カフェ!...マスターってだれ?」

 

「飲めないことは無いな」

 

「ムッ!」

 

「話を続けるぞ。被害者は西山不動産の社長、西山とその部下の2人だ。いずれも風都南地区の地上げに関わっていた。幸い皆一命をとりとめているが、昏睡状態になっている」

 

「被害者全員に8の字のアザがあった、か...興味深いね」

 

「翔太郎君はああだから、竜君お願い」

 

「分かった、俺に任せてくれ」

 

「お前はいいと言ったはずだ」

 

「お前には分かんねえよ」

 

「はっ?」

 

そう言って小突いたのは、照井ではなくて亜樹子。さらに意味不明な行動は続く。

 

「これはただの猫じゃない。猫の形をした、大切な思い出なんだ。そうだろ?」

 

なんか既視感が...

 

「全然違う。猫じゃない、それは人間だ」

 

またデジャブが...これ昨日の?

 

「猫!むしろ得意です。さあ、行きましょう...お嬢さん」

 

「お嬢さん?俺に言っているのか?バカにしているのか?」

 

「え?」

 

「その顔は挑発と考えていいんだな?」

 

「フィリップ君、これって...」

 

「失くした昨日を探すのは、探偵の仕事です。どうぞ」

 

「お前の頭を探してこい」

 

「っしゃあ...!」

 

「ちょっと!待って!」

 

亜樹子が飛び出していく。亜樹子だけじゃ不安なので、俺も着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翔太郎はと言うと、なぜか猫の演技をしていた。

 

「ニャ~オ、ニャ~オ...」

 

「ちょ、ちょっと!何言ってんの⁉︎」

 

「昨日どっかで頭でも打ったか?」

 

その時、亜樹子に連絡が入る。

 

「はい...フィリップ君?」

 

『8の字のアザこそがイエスタデイの刻印。昨日の戦いで、翔太郎の胸にも撃ち込まれたようだ』

 

「それで、どうなるの⁉︎」

 

『刻印が発動して24時間が経つと、記憶のリロードが終わり、昏睡状態になる』

 

「そんな...」

 

昨日の行動を全て繰り返す...か。翔太郎に撃ち込んだのは何故だ?排除するためだけなのか?

 

「じゃあ俺はこっちから。ニャ~オ!」

 

「翔太郎君、ちょっと待って!」

 

「あ?ドーパント?」

 

屋上を見て走り出し、ビルの屋上へと向かう翔太郎。

 

「待て!」

 

ダブルドライバーを装着する。

 

「フィリップ!」

 

『JOKER』

 

「変身!」

 

翔太郎はジョーカーメモリだけ挿して展開し、生身のまま落下する。

 

「ギャー!フィリップ君、変身して!」

 

『仕方ない!』

 

サイクロン!ジョーカー!

 

「さあ、お前の罪を数えろ!」

 

「え、昨日のつまみ食いバレた⁉︎ごめんなさい!」

 

「あっ!あのおやつ食べたのお前か!」

 

『亜樹ちゃんも戦兎も落ち着いて!彼は昨日を繰り返しているだけだ!』

 

「フィリップ、ヒートメタルだ!」

 

『翔太郎...!』

 

『HEAT』『METAL』

 

ヒート!メタル!

 

「フィリップ君、何とか止められないの⁉︎」

 

『駄目だ!翔太郎に押されて、うまくコントロールできない!』

 

「おい亜樹子!この後翔太郎は何をする!」

 

「ホールの中に入って戦闘を...今日は講演会の真っ最中よ!」

 

「それが目的か...!」

 

このままでは講演会をWが襲撃する構図が完成してしまう。俺はてんっさいのこの頭脳をフル稼働し、瞬時に解決策を思いつくとそれを実行する。

 

『DRAGON UPGRADE!』

 

クローズチャージに変身し、Wよりも前にホールの中に入る。そしてツインブレイカーを装着してビームモードで天井を撃つ。

 

『オラオラァッ!講演会は終わりだ終わりィ!!ほれ逃げ惑え!!』

 

何度も天井を撃つ。撃つのを止めると、ホール内に静寂が広がる。けれど、その時は長くは持たず、誰かの悲鳴を皮切りに多くの人が逃げ出す。冷静になったものから、パニックに陥っていく。

 

「ドーパント⁉︎」

 

壇上に立つ園崎冴子に向けてツインブレイカーを向ける。ちょうどその時、Wがホールの中に入ってくる。それを見た俺は急いでWに近づき、振られるメタルシャフトに自ら当たりに行く。

 

『翔太郎!』

 

「効いちゃいねえよ。もう一度サイクロンジョーカーだ」

 

『CYCLONE』『JOKER』

 

サイクロン!ジョーカー!

 

「所長!無事か⁉︎」

 

照井がやってくる。

 

「竜君!翔太郎君を止めて!」

 

「分かってる」

 

『ACCELE』

 

「変...身!」

 

アクセル!

 

照井はすぐさまアクセルに変身する。

 

『このままだと、彼女にジョーカーエクストリームが!』

 

フィリップに小声でそう伝えられる。ならすべきことは一つだ。俺は急いで壇上に駆け上がる。

 

ジョーカー!マキシマムドライブ!

 

「園咲冴子の暗殺がドーパントの狙いか⁉︎」

 

「ジョーカーエクストリーム!」

 

「やめろ!!」

 

スチーム!

 

スチームによりジョーカーエクストリームが中断される。

 

『照井竜!僕に考えがある。Wを外に!』

 

「分かった!」

 

アクセルはバイクモードに変形し、Wを外に押し出す。

 

『成功...だな』

 

急いでWを追う。これで、Wが講演会を襲撃する構図から、講演会を襲いに来たドーパントを撃退するWという構図にすり替えることができた。Wをアクセルが止めるという不自然な部分はあるが、殆どの人は騙せただろう。

 

「どこ行った?」

 

やっと追い付けた。ちょうどその時エクストリームメモリが飛んでくる。

 

「エクストリーム⁉︎」

 

『ああ。翔太郎を昨日から連れ戻す!』

 

エクストリーム!

 

エクストリームになりフィリップと翔太郎が融合する。イエスタデイの刻印は、いつのまにか消えていた。

 

「翔太郎、翔太郎!」

 

「...俺は一体何を?」

 

「意識が戻ったか、左」

 

「イエスタデイの刻印に、エクストリームのパワーを集中して無力化した。だが、今は詳しい説明をしてる暇はないよ。ドーパントだ」

 

「そんなことできたのかエクストリーム...」

 

「左、あいつがお前の記憶を操作していた犯人だ」

 

「記憶...?俺の?」

 

自覚してなかったのか。まぁそんなこと今はどうでもいいか。

 

「話は後だ。プリズムビッカー!」

 

『PRISM』

 

「「お前の罪を...数えろ!」」

 

プリズムビッカーで猛然と斬りかかるW。あまりの猛攻に逃げ出そうとするイエスタデイドーパント。

 

「逃げても無駄だ!君の正体は分かっている」

 

「正体?」

 

メモリを抜いて変身解除すると、現れたのは不破夕子。

 

「夕子さん⁉︎」

 

「いや、違う。彼女の本当の名前は、須藤雪絵。須藤霧彦の妹だ。僕達には、園咲霧彦と言った方が分かりやすいかな?」

 

「霧彦の...妹?」

 

夕子もとい雪絵が取り出したのは、血のシミの増えたスカーフ。俺には霧彦とあまり関わりがなくてよく知らないが、ミュージアムの幹部だったんだっけか。

 

「夕子さん、君は...!」

 

「夕子じゃない、雪絵よ。須藤雪絵」

 

「じゃあ、本当に霧彦の妹...?」

 

「何故、園咲冴子を狙う?復讐か?」

 

「復讐?バカバカしい。確かに兄さんはミュージアムに始末された。でも、それは彼が必要じゃなくなったから。私は兄さんみたいなヘマはしないわ」

 

「なに⁉︎」

 

「昨日は利用するためにある」

 

『YESTERDAY』

 

『この力で、私はミュージアムの幹部になるの!』

 

イエスタデイドーパントは腕から円盤のようなものを飛ばしてくる。

 

「何だと⁉︎」

 

「左、メモリブレイクだ!」

 

「翔太郎、どうした!?」

 

翔太郎は少し迷うも、決断する。

 

「...分かった!」

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

ヒート!マキシマムドライブ!

ルナ!マキシマムドライブ!

ジョーカー!マキシマムドライブ!

 

ビッカーシールドで攻撃を受けながら、メモリを装填していく。

 

「「ビッカー・チャージブレイク!」」

 

Wが必殺技を発動して、今にも放とうとした瞬間に変身を解除する雪絵。翔太郎は歯ぎしりしながら攻撃を止めてしまう。

 

「翔太郎⁉︎」

 

そうして、悠々と笑って去っていく雪絵。

 

「どうした?何故攻撃をやめた?」

 

「生身の人間に攻撃はできない...翔太郎の一番の弱点を突いてきた。中々切れるよ、彼女」

 

「昨日は利用するためにある...か」

 

この事件は、一筋縄では行きそうにない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務所に戻り、状況を整理する。

 

「不破夕子、Who are you?簡単な偽名だ。須藤雪絵は最初から僕達に挑戦してきていた。気付かなかったのは、こちらの油断だ」

 

「確かに悔しい、頭に来てる。でもな...それだけじゃ無いんだよ。何かが違うんだ...」

 

「翔太郎君!彼女に利用されたんだよ。彼女のせいで、何の関係もない人達を傷つける所だったんだよ⁉︎」

 

「ああ、そうだ!...でもな、何か納得できねえんだ。俺の仕事は、まだ終わっちゃいねえ」

 

雪絵のどこかが引っ掛かり、また一人で事務所を出て行く翔太郎。それにしても、背後にあるホワイトボードにはいつもいろいろなことをフィリップが書いているが、今日も今日とていろいろ書いてあるな。

 

自己陶酔している ハーフボイルド 美人に弱い お調子者 ハーフボイルド 思い込みが激しいタイプ 感情的になりやすい 単純 ハーフボイルド

 

ハードボイルド何回書いてるんだよ。そして、不破夕子が翔太郎を好む確立2%。結論としては一方的な恋愛感情→片思い。これを見て翔太郎は何を思ったんだろう。

 

しばらくして、フィリップの腰にダブルドライバーが出現して変身していく。俺は何もできないから、今日は色々な道具の点検をすることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった⁉︎」

 

「見つからないね」

 

「酷いね、イエスタデイの刻印をばら撒くなんて...」

 

昨日、イエスタデイドーパントは刻印を町にばら撒いたようで、その被害状況を確認に俺も駆り出された。

 

「でも被害は出なかった。俺たちが全部撃ち落とした」

 

「翔太郎、君は須藤雪絵が僕達が撃ち落とせる数だけをバラ撒いた、と思ってる?」

 

「ああ...俺はやっぱり彼女がミュージアムの手先になるとは思えない」

 

「やっと気がついた?」

 

噂をすれば、階段の上の公園から雪絵の声がする。

 

「そう、最初から私の狙いは復讐」

 

「やっぱりアンタ...」

 

ここで雪絵が取り出したのは、赤い斑点の増えた霧彦のスカーフ。

 

「それは...!」

 

「分からない?兄さんのスカーフ、私が婚約祝いであげたもの。面白い偶然ね。この街に着いた時、出迎えてくれた。まるで、私に助けを求めるように。私は許さない、絶対許さない...兄さんを殺したあなたをね!」

 

「...え?」

 

話が食い違っている...?

 

「見ろ、翔太郎!あれ...!」

 

「イエスタデイの刻印?」

 

「あたし...聞いてない」

 

「さあ、永遠に昨日という監獄に囚われるがいい!園咲冴子!」

 

『YESTERDAY』

 

「これって、昨日の行動?」

 

「ああ、昨日彼女は園咲冴子と会った」

 

『何故だ?何故イエスタデイの刻印が効かない⁉︎』

 

『そう、残念ながらね。冴子君には通用しなかったよ』

 

「井坂⁉︎」

 

「どうしてここにウェザーが⁉︎」

 

『あれからそろそろ24時間経つ。自分自身の過去の記憶を飲み下したメモリ、どんな効果があるか楽しみだよ』

 

「雪絵さん!...許せねえ」

 

「下がって」

 

亜樹子を下がらせる。

 

『CYCLONE』『JOKER』 『RABBIT』『RABBIT』

 

「「変身!」」 「変身!」

 

サイクロン!ジョーカー!

 

紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!

 

Wとビルドにそれぞれ変身する。

 

「「さあ、お前の罪を数えろ!」」

 

イエスタデイドーパントをひとまず放置し、ウェザードーパントに対して攻撃する。

 

『罪の無い人生など、スパイスの効かない料理だよ』

 

「効かせすぎてんだよお前は!そんなもんもう料理じゃねぇ!」

 

『まだまだ足りませんよ』

 

『BLIZZARD』

 

ウェザーとブリザードの混合ドーパントに変身する井坂。

 

「ブリザードだ!俺がやる!」

 

放たれる冷気を紙一重で避けながら蹴りを叩き込む。

 

「お前はイエスタデイを!」

 

「でも...」

 

「左!桐生!そいつは俺が相手だ!」

 

照井がやってくる。

 

『ACCELE』

 

「変...身!」

 

アクセル!

 

「井坂...今日こそは!」

 

「照井!やつはブリザードを取り込んでる!お前だけじゃ無理だ!協力しろ!」

 

エンジンブレードとフルメモリバスターを取り出し、冷気を避けながら斬りつけていく。

 

エレクトリック!

 

アクセルは電撃を待ったエンジンブレードで斬りつける。けれど、やはりブリザードメモリを取り込んでいるためアクセルの攻撃はあまり通らない。

 

「効かない⁉︎」

 

「ブリザードは俺がやる!」

 

ラビット!ラビット!マキシマムドライブ!

 

フルフルマッチデース!

 

二本のラビットメモリをフルメモリバスターにセットする。

 

フルフルマッチブレイク!

 

赤いエネルギーがまとわりつき、強力な斬撃を放つ。

 

『ぐうっ!』

 

「俺の攻撃も軽減されてる⁉︎」

 

ウェザーとブリザードがベストマッチなため二つのメモリが半々で出力されており、アクセルの攻撃はブリザードで軽減され、俺の攻撃はウェザーで軽減されてしまっている。

 

「メモリを首から無理やり引き摺り出すしかないか!」

 

引き摺り出すならツインブレイカーだ。そう思い取り出そうとした瞬間。

 

「よぉ盗人。ブリザードを返してもらうぞ」

 

「佐藤太郎⁉︎」

 

『HAZARD』

 

ハザードオン!

 

『TANK』『TANK』

 

タンク&タンク!

 

『貴方でしたか。本当に面白いですねこのメモリは。感謝してますよ』

 

「返してもらうと言ったはずだ。忘れたか?変身!」

 

オーバーフロー!

 

佐藤太郎の体をハザードビルドの装甲が包む。そしてどこからともなく青い戦車のようなものがドーパントを撃ちながら走ってくる。

 

「あれは...ラビラビと同じやつか!」

 

やってきた戦車たちは空中に静止する。佐藤太郎は空中に静止した戦車状のパーツに向かって飛び、装着していく。

 

鋼鉄のブルーウォーリア!タンクタンク!

 

ヤベーイ!ツエーイ!

 

「しばし共闘とするぞ!」

 

ドーパントに向けて肩の砲台から連続で射撃しながら、そう叫ぶ。

 

「お前タンク返せよ!...ブリザードは倒した方がもらう、それでいいな!」

 

「なんでもいい!早く手伝え!」

 

二人のビルドが連続で攻撃をする。

 

「お前らは手を出すな!ウェザーは俺が!」

 

「だからブリザードが中に...!」

 

プリズム!マキシマムドライブ!

 

エクストリームに変身したWのマキシマム起動の音がする。

 

「「プリズムブレイク!」」

 

プリズムビッカーの攻撃を受け、イエスタデイドーパントはメモリブレイクされる。

 

『いつもいつも邪魔ばかり!』

 

「よそ見をするな!」

 

そう言って一人で突っ込むアクセル。けれど、やはり一人では倒すことはできない。

 

『君もいい加減、目障りだね...!復讐などと言う小さなものにこだわっていると、彼女のようになるぞ?』

 

「言うな!」

 

『ダラダラとするのは嫌いでね、そろそろ終わりにしようか』

 

「終わりにはさせない!」

 

「終わるのはお前だ!」

 

ラビット!ラビット!マキシマムドライブ!

 

タンク!タンク!マキシマムドライブ!

 

俺は大きく飛び上がり、右足を長く伸ばす。タンクタンクは屈むような姿勢で全身のキャタピラを地面につけ、突進する。

 

ラビットラビットフィニッシュ!

 

タンクタンクフィニッシュ!

 

両側から挟み込むようにマキシマムを叩き込む。

 

『ぐっ...ハァッ!』

 

ドーパントの全身から絶対零度の冷気が飛び出す。それによって完璧に中心にまでマキシマムを叩き込むことができず中断されてしまう。

 

『先に貴方達から氷漬けにしてあげましょう』

 

「させるか!」

 

マグマ!マキシマムドライブ!

 

フルメモリブレイク!

 

凍りついていく体を無理やり動かしてマキシマムを発動し、溢れ出る熱で氷を溶かして脱出する。

 

「大丈夫か!」

 

Wが加勢しにくる。

 

「ああ...なんとかな」

 

『エクストリーム...その力、見せてもらいましょう!』

 

ドーパントはWに冷気を放ちながら近づく。それを軽々と避けてパンチを叩き込むと、勢いよく吹き飛んでいく。

 

「ハッ...決めるぜ、フィリップ!」

 

「ああ」

 

エクストリーム!マキシマムドライブ!

 

ダブルドライバーを閉じ、もう一度展開することでマキシマムを発動する。

 

「待て左!そいつだけは俺が...!」

 

エクストリームメモリから竜巻が発生し、ドーパントの頭上で一回転して背後に回り込む。そして竜巻でドーパントを巻き上げたところにライダーキックを打ち込む。

 

「「ダブルエクストリーム!」」

 

ドーパントは今の攻撃を受けて爆散する。

 

「貴様...余計な真似を!」

 

「いや、耐えられた」

 

爆炎の中からドーパントが出てくる。

 

『残念ながら、倒しきれなかったようですね』

 

「だが手応えはあった...」

 

「戦兎!ウェザーを弱体化させた!今ならブリザードを!」

 

『ウェザーが...エクストリーム、中々のものですね』

 

そう言ってドーパントは大量に冷気を出して姿を眩ました。

 

「井坂...!」

 

また逃げられてしまい、悔しそうなアクセル。

 

「突破口が見つかったな」

 

エクストリームがウェザーメモリを無効化、もしくは弱体化させて先にブリザードメモリを俺が摘出する。そのあとWかアクセルがウェザーを倒す。それが今できる井坂対策だ。

 

「それはそうと...オラァッ!」

 

「危な⁉︎何しやがる!」

 

タンクタンクを蹴ろうとするも避けられる。

 

「そりゃあのこのこと出てきやがったんだ。逃すわけないだろ?」

 

「さっき共闘してただろ急に態度変わりすぎだろお前!」

 

速さで上回っているためその後の攻撃は全て当たるも、防御力は相手の方がはるかに上なのでほとんど意味をなしていなかった。

 

「ちょーーーっと待ってくれ!」

 

「…なんだよ」

 

蹴りを首に叩き込んだ瞬間、声をかけられる。

 

「もう一度共闘を考えてくれないか?」

 

「え、やだ」

 

そんなことするわけないんだよなぁ...

 

「なぜだ?」

 

「いや、だってもう倒し方わかったし...タンク必要ならお前から奪い取るだけだし」

 

「けれど二対一ならもっと簡単に倒せるだろ?」

 

「どうして断る必要があるんだ?手伝ってくれるならいいじゃねぇか」

 

「そうは言ってもねぇ...なんか裏がありそうだし。いまいち信用しきれないというか。それよりも、な...どうだ?アクセル」

 

「井坂は俺が倒す。お前の手助けはいらない。左も、桐生もだ」

 

そう言って歩き去ってしまうアクセル。

 

「ほら、こんなこと言う人がいるもんで...というわけでメモリ置いてけ!」

 

タンクタンクのビルドドライバーに手を伸ばし、タンクメモリを抜き取ろうとする。

 

「危な⁉︎退散!たいさーん!」

 

倒せないならメモリを抜き取るまでだ。そう思って実行したが避けられ、肩の砲台から弾丸をこちらに飛ばしながらキャタピラで走って逃げてった。

 

「イッテェ...逃げられちまったか」

 

弾丸を喰らいすぎて変身解除されてしまった。やっぱりラビラビは防御が薄い。

 

「おい、亜樹子!雪絵さんは?」

 

翔太郎たちも変身解除して、助けた雪絵のもとに駆け寄る。

 

「大丈夫...」

 

「良かった」

 

「兄さんの言うとおりだった...やっぱり鳴海探偵事務所を訪ねて正解だった」

 

雪絵が目を覚まして、ゆっくりと話し始める。

 

「霧彦がそんな事を...」

 

「兄さん...」

 

「雪絵!」

 

「お兄ちゃん!」

 

様子がおかしい?

 

「雪絵...雪絵」

 

雪絵の様子が急変し、沈黙する。

 

「雪絵さん⁉︎雪絵さん!おい!」

 

再び目を覚ます。

 

「あなたたちは...?」

 

「え?」

 

困惑するも、俺たち以上に困惑し、怯えたようにジリジリと後ずさって行く。

 

まるで、何もかも忘れてしまったようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「須藤雪絵は記憶を失くした。イエスタデイメモリの副作用だったらしい。昨日にこだわった彼女の復讐劇は、結局全ての過去を白紙に戻すことで幕を閉じる事になった。でも、彼女が記憶を取り戻し、罪を償った時...この街にも、彼女にももっといい風が吹く...俺はそう信じたい」

 

翔太郎はそう言いながらタイプライターを打ち込み、最後にコーヒーでカッコ良く決めようとしたつもりが盛大にそのコーヒーを噴き出す。

 

「おい亜樹子!何だこのコーヒー⁉︎」

 

「え~⁉︎時間はちゃんと計ったよ?」

 

「うっ...その時計じゃ、正確な時間は計れないよ」

 

フィリップも顔をしかめるほどの味のようだ。飲まなくてよかった。ちなみに時計とは、『亜樹子の(たぶん)5分計』とかいうもの。バケツやくす玉などで、無駄に手が込んでいるけど...よくこれで時計とか言えたな。時計職人が泣くぞ。

 

「って言うかお前それ...時計じゃねえだろ!」

 

そうツッコみながらもう一口飲み、やはり噴き出す翔太郎。なぜ飲んだし。

 

「そういえば言い忘れていた。あの講演会の時、助かった。クローズチャージで先に襲撃するなんて、考えたね」

 

「前にドーパントだつって警察に追われたことあったしな。クローズチャージは周りの人にドーパントだと認識されるから利用させてもらった。それに、前に佐藤太郎がガトリングドーパントになって記者会見を襲おうとしたことあったのを思い出したから」

 

「あーそういえばそんなことあったな...ってかお前そんなことなってたのか⁉︎」

 

やべ、警察に追われた件隠してたの忘れてた。

 

「な、なんのことかなー」

 

「すっとぼけんな!警察に追われてたってなんの話だ!」

 

「………っ!」

 

「あっ、こら逃げんな!」

 

追いかけっこが始まる。逃げる必要があったのかはわからないが、面白そうという理由だけで俺は逃げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手伝ってくれたら楽なのに...」

 

「またお前懲りずに頼みに行ってたのか?」

 

「いや、だって楽したいじゃん?できるなら」

 

「それよりもマグマを待とうぜ。多分タンクタンクよりもそっちの方がブリザードには効くだろ?」

 

「それはそうだが...ちゃんと作ってくれるかわからないしな。全く、戦闘中は上手く協力できていたというのに終わったらすぐこっちを襲ってくる」

 

「戦闘中は付き合ってくれるのか。ならいいじゃないか」

 

「いいわけあるか。ベルトから直接メモリ抜こうとしてくるしほんと油断ならないなあいつ」

 

「無理やり協力させてやればいいのに。誰か人質に取るとか」

 

「俺にそんなことできるとでも?」

 

「俺を何回も撃ったくせによく言うよ」

 

「一応これでもラブアンドピースを掲げてんだ。そんなことはしない」

 

敵には容赦しない。それだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Magma no chikara wo tsukaikonasu houhou.

 

Sore wo ore wa omoidashita.




あんまり戦兎くんをドーパント戦で活躍させられそうになかったから、その前に活躍の機会を設けました。
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