仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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10099字。

原作41、42話です。


Jの迷宮/砕けないものはない

「は~、暑い~!」

 

「照井!何だって急にこんな所に...?」

 

警察署に連れてこられた俺たち。

 

「容疑者がお前に会いたいと言っている」

 

「誰?あたしらの知ってる人?」

 

「面会だ」

 

照井にそう言われ、振り返る檻の中の男...へ?

 

「刃さん⁉︎」

 

「何やっちゃったの⁉︎」

 

「宝石泥棒だ!」

 

「宝石泥棒⁉︎」

 

「警察が⁉︎」

 

「俺は予感がしてたんだよな~!いつか、こんな日が来ると」

 

いやビックリするほど信頼ないな刃野さん...いや、真倉がやばいだけか?

 

「何だと⁉︎俺は無実だ!罠にはめられたんだよ!」

 

「刃さん、詳しく話聞かせてもらえますか?」

 

「ああ。昨日の夜、馴染みのバーで一杯やった帰り道。まず目についたのは指に輝く特大のダイヤ。帽子で顔を隠してはいたが...」

 

雨の夜、飲んだ帰りに謎の女と遭遇→女は突如として刃野に抱きつき、『ダイヤの価値って分かる?』と耳打ちすると突然刃野を蹴倒して去る→入れ替わりに警官が現れて刃野を取り押さえる→ポケットには身に覚えのないダイヤモンドが→そのまま御用となる

 

という話らしい。

 

「この盗人が!」

 

「仲間割れすな!」

 

なおも調子づく真倉と檻の向こうの刃野さんをスリッパでどつく亜樹子。いや刃野さんどつく必要なかっただろ。真倉はともかく。

 

「頼む、翔太郎。お前だけが頼りだ!あのダイヤモンドの女を見つけて、俺の無実を証明してくれ!」

 

「ダイヤモンドの女...ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妙な噂を耳にした。怪物が人間を宝石に変える。被害者は既に7人、その現場では必ず帽子をかぶり、ダイヤの指輪を輝かせた女が目撃されていた。それが刃さんを罠にはめた謎の女なのか...?」

 

「でもさ!」

 

「うわっ⁉︎何だよ?」

 

「被害者はみんな若くて美しい女性ばかりよ?何で冴えない中年男の刃野刑事が狙われるわけ?」

 

「あー確かにそれ思ってた。なんで刃野さん狙ったんだ?」

 

「おい亜樹子、確かに刃さんは冴えない中年だけど、本当はすげえ男なんだぜ」

 

「どう『すげえ』のよ?」

 

「ズバリ、騙され上手だ」

 

「何それ⁉︎」

 

「騙されるのが上手って...」

 

「あ、UFO!」

 

急に翔太郎がそう言いながら上空を指差す。そういえばUFOメモリとかあったな。ドーパントでもいたのか?

 

「え、どこ⁉︎どこどこどこ⁉︎...って、いるかそんな物!」

 

亜樹子がノリツッコミをする。でも風都だし普通にいる可能性あるよな...

 

「それが普通の反応だ。ところが刃さんの場合...」

 

刃野さんに翔太郎が追われてた時、毎度毎度さっきのように『UFOだ⁉︎』と言って逃げてたらしい。雨の日も風の日も、雪の日も晴れの日も、学習せずにもれなく騙されていたらしい。

 

「挙句には...」

 

2人してUFOを呼ぶ羽目になったそうだ。何その状況。すっごい見てみたい。

 

「あまりに見事に騙されてくれるおかげで、逆にこっちが嘘に付き合う羽目になる。まあでも、不思議と悪い気はしねえっつーか...まあ、それが騙され上手だ、うん」

 

「う~ん、よく分からん...」

 

俺もわからん。

 

「メリークリスマス!」

 

ちょうどそこに、サンタちゃんが現れる。冬でもないのになんでこの格好をしてるのかはわからない。

 

「おう、サンタちゃん!例の噂について、何か分かったか?」

 

「オフコース!襲われた7人の女性たちは全員がモデル、しかも同じクラブのメンバー。ただの偶然とは思えない、思えな~い!」

 

「確かに...え、そのクラブの名前は?」

 

「ヒュ~、バン!『ブルートパーズ』!」

 

「よし、行くぞ亜樹子、戦兎」

 

こうして俺たちはプルートパーズとかいうクラブに行くことになった。

 

「フィリップ、これから俺達はダイヤモンドの女を探しにそのクラブに行ってみる」

 

翔太郎は一応そのことをフィリップに連絡するみたいだ。

 

『ああ...分かった』

 

「どうした?何か元気ねえな」

 

『いや...何でもない』

 

なんか溜め込んでしまっているような、そんな気がした。

 

「…悪い翔太郎。やらないといけないことができた。事務所に戻るからそっちは頼む」

 

「えっ、あ、ああ...」

 

フィリップに対する漠然とした不安感があった。なんとなくだが、フィリップを1人にしたくないと思ったので事務所に戻る。

 

「フィリップーどこだー...なんだ、変身中か」

 

心配して帰ってきたが、フィリップはドライバーを腰につけてガレージで寝ていた。とりあえず、フィリップの意識が戻ってくるまで待つことにした。

 

「…お、起きたか」

 

「戦兎...?どうして君がここに?」

 

「なんとなくお前が何か抱え込んでるように思えてな。聞かせてくれ、何を抱え込んでいるんだ」

 

「それは...まだ言いたくない」

 

「そうか。まぁ話したくなったら言ってくれ」

 

無理に話させることも、俺はしたくはなかった。

 

「あ痛ててて...染みる~!」

 

二人が騒がしく帰ってきた。

 

「あの女、風都史上最悪の悪女よ!フィリップ君、検索!」

 

あの女というのが誰か、俺は見ていないからわからないが多分ダイヤモンドの女とやらだろうか。

 

「まず、あのドーパントの能力を探ろうぜ」

 

「分かった」

 

「『硬さ』『反射』『結晶化』」

 

翔太郎がキーワードを言っていく。

 

「よし...絞れた」

 

…けれど、なかなかフィリップは地球の本棚から戻ってこない。かと思えば、弾かれたかのような動きをしながら戻ってくる。

 

「どうかしたの⁉︎」

 

「本棚に、また姉さんが...すまない、翔太郎。今は混乱して...検索できない」

 

検索できない。今までフィリップの検索に頼り切っていたため、それだけで事件の解決は遠のいてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「探偵さん!」

 

「上杉さん?」

 

ん?誰だこいつ。クラブの中で知り合ったのだろうか。

 

「吐けよ!え?金に困ってやったか?ああ、駅前の飲み屋に2万円のツケがあるよな?」

 

「お前なぁ、そんな事調べる暇があったら俺を罠にはめた女を探せよ...」

 

「そんな女、最初からいねえよ!ベロベロベロ...ばぁ」

 

ここぞとばかりに煽りまくってるのが部屋の外まで響いてきていた。大丈夫か真倉。刃野さん釈放されたらどうなるかわからんぞ。

 

「いや、いたぜ」

 

「探偵!」

 

「刃さん、女性の名前は城島泪だ」

 

「城島泪...?まさかな、翔太郎。それはねえや」

 

その反応...知り合いなのか?

 

「いえ、泪です。刃野さん」

 

「上杉じゃねえか!」

 

こいつとも知り合いなのか。

 

「僕と智と、3人でつるんでいた、あの泪です」

 

「人気モデルの上杉誠!?知り合い⁉︎...サイン下さい!」

 

そんな暇あったら仕事しろ真倉。

 

「昔のな。こいつら、街の平和を守るんだとか屁理屈抜かしちゃ、毎日あちこちで大喧嘩だ」

 

「あの頃は楽しかった...みんな青臭くて」

 

「やったー!サインゲット!」

 

おい真倉ちょっと空気読もうか。今結構大事な話してんだから。

 

「すいません!僕のせいなんです!泪が刃野さんをこんな目に遭わせたのは」

 

「どうしたんだい?急に」

 

「前にもそう言ってましたね。どういう意味なんです?」

 

「僕ら3人は、親友でした。でも1ヶ月ほど前、突然智が僕に告白してきたんです。泪を愛していると。2人はお似合いだと思った。だから智の気持ちを泪に伝えました。でも、泪は智ではなく僕を好きだと言ったんです。僕は、この友情を壊したくなくて『君とは付き合えない』と言いました。それが彼女を傷つけ、おかしくしてしまったんでしょう...あんな怪物になるなんて」

 

「怪物?って事は...」

 

「城島泪は、人間を宝石にするドーパントだ」

 

「まさか...そんなはずは無い!おい、智はどうした?」

 

「行方不明です...泪が怪物になった、その直後から...」

 

「行方不明...」

 

もう宝石に変えられてしまったということだろうか。犠牲者は多い。犯人がわかっている以上、早く事件を終わらせる必要があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイヤの価値って分かる?」

 

やっぱり翔太郎は甘い。泪を見つけてすぐにやることが話し合いだなんて。最初から取り押さえていれば、踏みつけられることもなかったというのに。まぁ、それがハーフボイルドらしくて良いのだが。

 

「ああ、分かるさ。お前みたいな女には、絶対似合わねえって事がな!」

 

傍らの階段に泪突き落とす翔太郎。

 

「翔太郎君!大丈夫⁉︎」

 

「平気か?」

 

「ああ」

 

泪はゆっくりと起き辺り、そのまま逃走する。しばらく逃げていくが、曲がり角を曲がったところで立ち止まっていた。そしてドーパントに変身した。

 

「決まりか。フィリップ!」

 

『CYCLONE』

『JOKER』

 

「宝石にはダイヤかな」

 

『GORILLA』『DIAMOND』

 

ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!

 

「変身!」「変身!」

 

サイクロン!ジョーカー!

 

輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ...!

 

『何度戦おうと同じ』

 

エクストリーム!

 

「今度こそ、決めるぜ!」

 

エクストリームに変身する。

 

『PRISM』

 

Wはプリズムソードで斬りかかるも、まったく刃が通らない。

 

「プリズムソードでも傷ひとつつかない⁉︎」

 

「なら俺が!」

 

右手のサドンデストロイヤーで思い切り殴り抜く。多少よろけるも、決定打にはならない。

 

「硬いなこいつ...!削り取る!」

 

ダイヤモンドサイドの手を擦るように叩き込む。けれど、こちらのダイヤの装甲が削られるのみ。

 

「ダイヤでも削れねぇ⁉︎」

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

ヒート!マキシマムドライブ!

ルナ!マキシマムドライブ!

ジョーカー!マキシマムドライブ!

 

俺が戦っているうちにメモリを装填していくW。

 

「「ビッカー・チャージブレイク!」」

 

しかし、これも全く歯が立たない。

 

「チャージブレイクが効かねえ⁉︎」

 

「なら、これだ!」

 

エクストリーム!マキシマムドライブ!

 

ダブルドライバーを一度閉じ、再度開いてマキシマムを発動させる。

 

「「ダブルエクストリーム!」」

 

マキシマムのキックが炸裂するも、弾き飛ばされて倒れるW。硬すぎんだろこのドーパント!

 

『ダイヤは美しく、決して傷つかない!』

 

ドーパントがトドメを刺そうとこちらに迫ってくる。

 

その時、とてつもなく速い何かが周囲で戦い始める。

 

「照井⁉︎」

 

よく見るとそれは、トライアルと、赤いナスカドーパントだった。

 

『もうすぐ最後の仕上げ。それで、すべて終わる』

 

ドーパント捨て台詞を吐いて立ち去ろうとする。

 

「「ビッカー・ファイナリュージョン!」」

 

立ち去ろうとするドーパントに対して不意打ちをするも、全てそっくりそのまま跳ね返されてしまう。跳ね返されたマキシマムはWにも俺にもトライアルにもナスカにも命中し、全員変身解除されてしまう。

 

「お前のとの決着は、必ずつけてやる!」

 

ヨタヨタと去っていく冴子。

 

「え、何これ⁉︎あたし、聞いてない!」

 

追いついてきた亜樹子がこの状況に困惑する。

 

「翔太郎...ジュエルの言葉を聞いたかい?」

 

「ああ。最後の仕上げ...どういう意味なんだ?」

 

探偵二人が話し合っている中、俺はひとり考え事をしていた。

 

「人間を宝石に変える...攻撃を跳ね返す...ダイヤモンドメモリと似ているな。ドーパントの名前はジュエル...宝石...硬さ...硬度はダイヤ以上...なら靱性は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは風都署に戻ってきた。

 

「刃さん!」

 

「翔太郎!」

 

「城島泪が、上杉さんの命を狙ってるって⁉︎」

 

「思い出したんだ。昔、あの女がやった事を。上杉誠、武田智、城島泪。前にも言ったが、あの3人は不良どもと毎日毎日大喧嘩だ。当時、巡査だった俺は...」

 

喧嘩を止めようとして一撃で打ちのめされたそうだ。

 

「...ひでえ目に遭ったぜ。でも、奴等を憎めなかった」

 

『刃野。私等が喧嘩をするのは、この街が大好きだから』

 

倒れた刃野にハンカチを差出しつつ、泪はそう言ったらしい。

 

「勝手な屁理屈さ。でも、その言葉を信じた。それなのに、2~3日経って...」

 

喧嘩の現場の傍らにあったペットボトル風車が悉く壊されてしまうという事件が起こったようだ。そして、こんなことを言ったらしい。

 

『好きよ。でも私、好きになればなるほど、最後には壊したくなる...』

 

「好きなものを、最後に壊す...?」

 

「ただの思い過ごしならそれでいい。でも、嫌な予感がしてな」

 

「いや...その予感、当たってるかも知れません」

 

ジュエルドーパントは去り際、こんなことを言っていた。

 

『もうすぐ最後の仕上げ。それで全てが終わる』

 

「探偵!面会時間は終わりだ、帰れ帰れ!お医者さんもお待ちなんだから!」

 

そんなことを言いながら真倉が入ってくる。ちょっとうるさい。

 

「はいはい!...刃さん、上杉さんの所行ってきます」

 

「ああ、頼んだぜ」

 

「早くしろよ!」

 

「あ...体、気をつけて」

 

「ああ」

 

「お前、いつまでペチャクチャ喋ってんだよ!」

 

「キーキーキーキーうるせえんだよ!」

 

「これからは真倉様の時代だぞ、この野郎!」

 

「これ、美味そうだな。もらうぜ」

 

「あ、ちょっと待て!俺のアイス!」

 

「べー!」

 

「あの、こっちです、こっち...おい!俺のアイス返せ!」

 

現れた女医さんを誘導してからアイスを返せと叫ぶ真倉。忙しいやつだ。

 

それにしてもさっきの女医さんなんか見覚えが...気のせいかな。そのまま風都署を後にする。

 

「あ...おい待て!」

 

なんか風都署が騒がしいと思ったら、後ろから泪が走って出てきた。やっぱあの女医が泪だったのか!

 

「待てコラ!待て!」

 

「本当、しつこい探偵ね」

 

「また刃さんの命を狙いに来たのか?まさか...」

 

「あんな単純で騙されやすい男、宝石にする価値もない!」

 

「おい、勘違いするなよ。刃さんは騙されやすいんじゃない、騙され上手なんだ」

 

…問題そこ?

 

「またそれかい」

 

「昔から刃さんに世話になりながら、そんな事にも気付けねえのか。情けねえぜ。好きなものを壊す?させるか、俺が守る。刃さんも、上杉さんもな!」

 

「黙れ!黙れ黙れ!お前だって一緒だろ、刃野と一緒だ!コロッと私に騙されてるくせに、偉そうな事を言うな!」

 

騙されている...?

 

「あっ、また逃げた!翔太郎君、早く追わなくちゃ!翔太郎君!...え?」

 

翔太郎も俺も、追いかけるのをやめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さんが、地球の記憶と直結できるようになった。そして今も...加速度的に進化している。ついには、本棚の中でドーパントに変身した」

 

事務所に戻ったら、フィリップからそんな話をされた。だから検索できなかったのか。

 

「でも、フィリップくんは翔太郎君と半分こずつだから本棚の中で変身できないんだよね?」

 

「半分こ...?そうか!それが可能なら...亜樹ちゃん、君は相変わらず天才かもしれない。早速検証してみよう!」

 

「え、また何かいいこと言っちゃった?私」

 

なんでこうも亜樹子はフィリップを刺激するようなことを言えるのだろうか。たこ焼きなり今のことなり。今回みたいにいい方向に傾くなら問題はないが。

 

そんなことを考えていると、そこで呼び鈴がなる。

 

「はいはいはいはい...上杉さん⁉︎」

 

訪れたのは誠だった。

 

「どうしたんです⁉︎」

 

「泪から連絡が来たんです。明日、風見埠頭で会いたいと」

 

「駄目ですよ!あの女、上杉さんの命を狙ってるんですから!」

 

「だとしても!僕は泪に会いたい。会って、もう一度説得がしたいんです。だから...一緒に来てもらえませんか?」

 

「...はい、分かりました」

 

「ありがとうございます」

 

誠の勢いを受けてか、同行を承諾する翔太郎。

 

そして翌日、待ち合わせ場所に来た俺たち。誠を除いた俺たちは物陰から監視している。

 

「あの女、きっと卑劣な罠を仕掛けているに違いないわ!」

 

「必ず守ってみせるさ」

 

そうこうしているうちに泪が現れた。

 

「泪...僕が君を助けてあげる」

 

しかし、泪はすぐさま逃げ出してしまう。

 

「泪!待ってくれ、泪!」

 

追いかける誠。それを追って俺たちも移動する。

 

「何してるの?早くこっちへ来なさいよ、上杉」

 

「ああ...」

 

泪は急に止まったと思えば、行き止まりに誠を誘導する。罠の香りがすごい。

 

「翔太郎。デンデンセンサー」

 

「ああ」

 

翔太郎がデンデンセンサーを使ってスキャンしてみると、物陰に怪しい物体があるのを発見する。

 

「爆弾が仕掛けてある⁉︎」

 

「爆弾⁉︎」

 

「まさか、僕を...?」

 

「罠よ!逃げなくちゃ!」

 

「泪!」

 

「上杉!」

 

誠を引っ張り出し、なんとか爆発から逃れる。泪は逃げ切ることができず、どうやら爆発に巻き込まれたようだ。

 

「何これ...あたし、聞いてない!」

 

「泪は...僕の命を狙おうとして、逆に」

 

「ミスって爆発しちゃったって事⁉︎」

 

「元を正せば僕のせいだ...許してくれ、泪!」

 

打ちひしがれる誠。こいつ演技上手いな。さすがはモデルといったところか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気持ちのいい事件じゃなかったけど、これで一応解決ね!刃野刑事に、たんまり探偵料請求に行かなくちゃ!」

 

「いや、まだだ」

 

「え?だって報告書書いてるじゃん!」

 

「まだ最後の1ページが欠けてる。じゃ、行こうか!」

 

「行くって、どこに?」

 

「報告書の...ピリオドを打ちにさ」

 

真犯人を捕まえよう。そのために俺たちが向かったのは、大型フェリーの上。

 

「いい風ですね...ご旅行ですか」

 

誠を見つけ出し話しかける。

 

「探偵さん...?3人は、どうしてここへ?」

 

「それが、私にも今ひとつ...」

 

「どうしても確かめたい事があって。上杉さん...あなたがドーパントですね」

 

単刀直入に切り出す翔太郎。それを聞いて驚く亜樹子と誠。

 

「え⁉︎」

 

「え?いきなり何の話です?」

 

「そうよ!何言ってるのよ翔太郎君⁉︎ドーパントは事故で死んだあの悪女よ⁉︎」

 

「いや...こいつだ」

 

「ありえないわよ!だってこの目で見たじゃない⁉︎あの女がドーパントに変身する瞬間を!」

 

「トリックさ」

 

急に現れたフィリップが話す。

 

「え、フィリップ君も乗ってたの⁉︎」

 

「僕らが見たのは、鏡に写った城島泪だった」

 

「鏡...?」

 

「正確には、ダイヤの微粒子によって形成された結晶のシールド。城島泪の変身の瞬間、本物の彼女は君らからは見えない死角に立ち、変身ポーズをとった」

 

「待ってくれ!何で、彼女がそんな事...?」

 

「脅迫されていたからだろ、お前に」

 

「どうやって?」

 

「そいつは本人から聞くといい...泪さん」

 

そこには無傷の泪の姿があった。

 

「え⁉︎」

 

「生きてたのか」

 

「何故、約束を破ったの!?全部言うとおりにしたでしょう⁉︎あなたが女性を宝石に変えるたび、その現場でわざと誰かに目撃されたし、悪女だって演じてきた!」

 

「あれ...演技だったって言うの⁉︎」

 

「泪さんが悪く見えれば見えるほど、この男の誠実さが際立つ。全ては計算だったのさ」

 

「あ~あ~あ~あ~、全部バレちまってるのか。だったら、もう...『芝居する必要もねえな』」

 

泪の声のボイスチェンジャーまで持っていた。そこまでしてやることがこれか。

 

「上杉...返してよ!智を返して!こいつが宝石に変えたのよ!私が智のこと好きだって知ったから!親友なのに!私たちの幸せを喜んでくれると思ったのに!」

 

「じゃあ、あの指輪が...!」

 

「泪!君はさ、僕のこと好きだったんだろう?ん?だから、僕が子供らが作った風車を壊した時、かばってくれたんだろ?」

 

「仲間として好きだった。でも、次第にアンタが怖くなった。好きなもの全てを壊したくなる、アンタのその性格が!」

 

「僕はね、完璧主義者なんだよ。愛せば愛すだけ、その不完全さが目に付く。全部、消してしまいたくなる。お前の事もそうさ、泪!」

 

「とんでもねえ奴だな、そろそろ観念しな」

 

「僕を捕まえるの?へぇ...だったら、もうこれ要らねぇな」

 

指輪を外す誠。

 

「上杉!お願い、智を返して!」

 

「断る」

 

「やめて!」

 

制止も聞かず、指輪を海に向けて投げ捨てる誠。しかし。

 

「照井!」

 

スタンバイしていたトライアルが飛び出し、投げられた指輪をキャッチする。

 

「ナイスキャッチ!」

 

「竜君!」

 

「上杉。これで2度目だ、お前の友人の命を救うのは」

 

埠頭での爆発から泪を救ったのも照井だった。

 

「左たちに承認となってもらい、彼女の事故死で事件の幕引きとしたかったんだろうが...残念だったな」

 

「いつから気付いてた?」

 

「きっかけは泪さんの言葉だ」

 

『コロッと私に騙されてるくせに!』という泪の言葉。これが事件解決の糸口のなったのだ。

 

「何を騙しているのか?俺は風見埠頭で確信したお前が彼女を殺そうとしたことでな」

 

「爆発の間際、泪を助けるふりをしてお前が起爆スイッチを押す瞬間を、ちゃんと記録させてもらった」

 

バッドショットで撮影した画像を見せる。

 

「あーあ、他の街に行ってまた思う存分、女どもをダイヤに変えるつもりだったのに」

 

「何?」

 

『JEWEL』

 

「みんなまとめて消えてもらうしかないね」

 

本性を現した誠はジュエルドーパントに変身する。

 

「そうは行くか」

 

『CYCLONE』

『JOKER』

 

『RABBIT』『RABBIT』

 

ラビット&ラビット!スーパーベストマッチ!

 

「「変身!」」 「変身!」

 

サイクロン!ジョーカー!

 

紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!

ヤベーイ!ハエーイ!

 

「『さあ、お前の罪を数えろ!』」

 

「無駄だよ、ダイヤは傷つかない。僕を倒せる奴なんて誰も居ないんだからさ」

 

『いや、既に検索は終了している』

 

エクストリーム!

 

「奴は原子結合を操作することで、地上最強の硬い体を手にした。でも...」

 

『PRISM』

 

「戦兎の言っていたように、鉱石には割れやすい、ある特定の方向...石目が存在する。そこを正確に攻撃すれば...」

 

石目の存在はフィリップの検索前に気づいていた。けれど、場所がわからなくてなんの意味もなさなかった。今なら、そこをつける。

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

ヒート!マキシマムドライブ!

ルナ!マキシマムドライブ!

ジョーカー!マキシマムドライブ!

 

Wがメモリをプリズムビッカーに挿していく。

 

ラビット!マキシマムドライブ!

ハリネズミ!マキシマムドライブ!

ユニコーン!マキシマムドライブ!

カブトムシ!マキシマムドライブ!

 

アルティメットマッチデース!

 

俺もフルメモリバスターに貫通力を上げるためのメモリを挿していく。

 

「ジュエルの体は砕ける!」

 

「「ビッカー・チャージブレイク!」」

 

アルティメットマッチブレイク!

 

二本の剣が特定された石目、ベルト部分を攻撃する。石目を攻撃されたジュエルドーパントは、あっさりと爆発四散する。

 

「泪...お前が、刃野みたいな、あんな刑事かばわなきゃ...こんな奴ら、呼び寄せる事は無かったのに。何故、刃野を...⁉︎」

 

「あの人だけは傷つけたくなかった!昔から、どんな嘘にもすぐに騙されて...馬鹿な人」

 

泪は過去を思い出しながら話す。

 

「何だか私、騙されたあいつに付き合わなきゃならない気がして...本当に2度と喧嘩しなかった。だから、あの人は私の恩人!」

 

それを聞いた照井は智の指輪を泪に返してやる。

 

「智...」

 

「僕の、完璧な計画が...あんな間抜けで騙されやすい刑事のために...!」

 

「上杉、ひとこと言っておくぞ。刃さんは騙されやすいんじゃねえ。騙され上手だ」

 

翔太郎がそれを伝えた瞬間、誠は倒れ、ジュエルメモリもブレイクされる。すると、宝石にされた智は元通り人間の姿に戻った。

 

「智...」

 

「泪...」

 

「良かった...」

 

「はっ!竜君ー!...どわっ!」

 

抱き合う2人に何かを感じた亜樹子は照井に抱きつこうとするも、華麗にスルーされ転落寸前だった。何やってんだあいつ。

 

「女性たちは全て元に戻り、今度こそ事件は終わった」

 

もし宝石が一ヶ所に集められていたら復活した人たちは...考えないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最初から信じてましたよ、刃野さんの無実を!」

 

真倉の手のひらが回りすぎていて逆に爽快だ。

 

「お前は調子がいいんだよ!」

 

「痛っ!ごめんなさい!」

 

「おう、翔太郎。探偵料はツケといてくれよ」

 

ツケんな。

 

「駄目!きっちり現金で頂きます!」

 

「女は怖えもんだ...」

 

そう言ってこの場を去ろうとする刃野さん。

 

「刃野さん、待って~」

 

「いやぁ...う~ん、いい天気だねぇ」

 

「あ、泪さん、刃さんに感謝してたぜ」

 

「何?」

 

「今度、お詫びに手料理ごちそうしたいって。」

 

「手料理?どうせ嘘だな。いいか、翔太郎。俺はな、今回の事件で誓いを立てたんだよ。もう2度と、騙されねえってな」

 

絶対すぐ騙されると思う。

 

「へぇ...あっ、雪男!」

 

「どこ?雪男⁉︎雪男、見たい見たい!」

 

「早速騙されてんじゃん!」

 

「まぁ風都ならいてもおかしくないよなぁ...ってなんだこの寒気は...」

 

ふと横のほうを見ると...まさかの雪男。

 

「ギャーッ!」

 

ガチでいやがった!しかもドーパントじゃねぇ!

 

「に、逃げろ!!」

 

正体不明すぎてドーパントよりも怖かった。なんか怖すぎて興味が出る前に逃げてしまったため、逃げ切った後ものすごい後悔が俺を襲った。調べたかったなぁ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、お前ってUMAとか信じるか?」

 

「さぁな。おばけフルボトルとかUFOフルボトルがあるんだからいるんじゃねぇの?ってかお前がいうか?」

 

「…確かに俺が言うことじゃねぇわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kensaku ga muzukashii to iu dake de tatakai ni shisyou ga deru.

 

Moshi Philip ga inakunatte shimattara oretachi wa dounaru no darou.




普通の事件だと戦兎を割り込ませることが難しい...でも無理矢理四本マキシマムをぶち込みました。

戦兎だったら石目の存在には気づくよね。ダイヤモンドメモリあるし。
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