仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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9607字。

原作43、44話です。


Oの連鎖/究極のW?

「おいしい~!竜君、ありがとう!」

 

「風花麩饅頭...夏限定とは、興味深いね」

 

事務所に照井がやってきた。しかも手土産持参。以前の照井だったら考えられなかった行動だ...これ最近何回も言ってる気がする。

 

「普通、和菓子には日本茶だろ...」

 

まぁ確かに。でもハードボイルド的にはコーヒー飲んだ方がいいんじゃないのか?

 

「いいじゃん別に!コーヒーだって合うよね~?ほら!」

 

が、ここで間違えて照井のカップを取ってしまった事に気づいたらしい亜樹子。

 

「もしかして...これって、関節キッス⁉︎やだ~!どうしよう?」

 

ひとりで謎の乙女ワールドに入ったぞあいつ。

 

と、言うところで駆けこんできた依頼。

 

「うわっ!あちちちち!」

 

翔太郎がびっくりしてコーヒーこぼしてた。落ち着け。

 

「お願いします!みゆを、みゆを助けて下さい!」

 

駆けこんでくるなり、照井の手をとって懇願。確かにその人警察だけど探偵はそいつじゃないぞ。

 

「いや!ここの責任者は...俺ですけど」

 

「みゆさんと言うのは...?」

 

「私の娘です!世界でただ1つの、宝物なんです」

 

そう言う依頼人の背後にはすすり泣く老婆が。

 

「あ~あ~、おばあちゃん。お孫さんが心配なんですね?」

 

「私、おばあちゃんじゃないよ!」

 

翔太郎を突き飛ばし、依頼人に抱きつく老婆。

 

「お母さん、もう帰ろうよ...」

 

「…ちょっと待て。まさか...」

 

「娘の...みゆです」

 

「え⁉︎」

 

「みゆは...今、10歳です。それが、たった一晩でおばあちゃんに...」

 

「ドーパントの仕業か...」

 

人を老化させるドーパント。そんなものまでいるのかと、風都には驚かされるばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それって、老けさせ屋の仕業かも」

 

俺と翔太郎は、ウォッチャマンの情報を聞いていた。

 

「老けさせ屋?」

 

「そう。巷の噂じゃ、老けさせ屋と名乗る占い師に恨んでる相手を言うと、次の日には...老人にしてくれるらしいよ。ほら」

 

写真を見ると、そこには元イケメンホストのような爺さんの写真が。

 

「その占い師は、どこに行きゃ会える?」

 

「さあね~。でも、見分ける合言葉なら知ってるよ」

 

「で、その合言葉って?」

 

「老人は海を何て呼ぶ?ラ・マール!」

 

「ラ・マール?」

 

よくわからん...

 

とりあえず俺たちは、街の占い師に手当たりしだいに探りを入れることになる。そして亜樹子と照井が加わり、亜樹子が聞きに回って俺たちが物陰から監視する体制になった。

 

「あの...老人は海を、何て呼ぶ?」

 

「冷やかしなら帰るあるよ!」

 

「怖っ!!」

 

ハズレだ。

 

「老人は...」

 

「見えるぞ!君の前世が...!タヌキじゃ」

 

「誰がタヌキじゃ!」

 

またハズレ、ってかスリッパで叩くな。

 

「老人は海を...」

 

「あなたの運命の人は、すぐ近くにいます」

 

「え⁉︎どうしよう~⁉︎私、聞いてない~」

 

またまたハズレ...いつまで経っても当たりを引くことができない。

 

「あ~あ、もう軽く30人には質問したけど、全然居ないじゃん!老けさせ屋~!」

 

そう言いながら亜樹子が歩いて行くと、高架下で如何にもヒマそうな占い師を見つける。

 

「あの人はまず無いわね。でも念のため...老人は海を何て呼ぶ?」

 

「ラ・マール」

 

「そう、それ!...え?」

 

お、当たりを引いたようだ。

 

「いた!老けさせ屋!」

 

「あんた、金あんの?コースどうする?」

 

「コース?」

 

「10年で10万、50年で50万、現金払い!払える?」

 

ギリギリ払えなくもない額なのが事件拡大の原因だろうか。

 

「う~ん...うん!」

 

「よーし!で、誰老けさせる?」

 

「え~っと、えっと、じゃあこの人で!」

 

そうして亜樹子が取り出したのは...照井の写真だった。

 

「何だって亜樹子がお前の写真を?」

 

「…俺に質問するな」

 

「ストーキングでもしてんのかあいつ...行くぞ」

 

現場は押さえた。老けさせ屋のもとに向かう。

 

「そこまでだ、老けさせ屋。署で話を聞かせてもらおう」

 

「え?もしかして俺、ハメられた?ムッカ~!」

 

『OLD』

 

言い訳することもなくあっさりとガイアメモリを取り出し、脇腹の生体コネクタに挿入、オールドドーパントに変身する。

 

「おぉ~!」

 

『これでも食らえ!』

 

オールドドーパントの手のひらから赤いゲル状のエネルギーが放たれ、地面を這いながら亜樹子に向かう。

 

『ACCELE』

 

アクセル!

 

すんでの所で照井が変身し、間に割り込むとオールドの攻撃が直撃する。

 

「竜君⁉︎」

 

『な⁉︎仮面ライダーだと⁉︎』

 

「大丈夫か、所長?」

 

「フィリップ!戦兎!」

 

「ああ、分かった!」

 

「りょーかい!」

 

『CYCLONE』

『JOKER』

 

『RABBIT』『RABBIT』

 

「「変身!」」 「変身!」

 

変身してオールドドーパントに攻撃を加えると、アクセルへの攻撃が止まる。そしてそのまま三人で挟み込む。

 

『お前、俺の波動の効果が出てないな。何故だ⁉︎』

 

「何のことだか分からん!」

 

あれを喰らっていたら老化していたのだろうか。ライダーには効かない?

 

「一気に決めるか!」

 

『ああ』

 

エクストリーム!

 

「「プリズムビッカー!」」

 

『PRISM』

 

能力特化で戦闘向けじゃないのか、背を向けて逃げ出す。かと思えば裏にも顔があり、そのまま襲いかかってくる。

 

「気持ち悪っ!こいつ、裏向きで襲ってきやがった⁉︎」

 

思わぬ不意打ちを喰らってしまいよろける俺たち。オールドドーパントは再び表向きになって波動を放出する。波動はWには直撃し、俺はラビットラビットの俊敏さを使って避けるも足先に少し喰らってしまう。

 

「どうした翔太郎⁉︎僕には何ともないぞ」

 

「分かんねえ...何だか、急に足腰が...!」

 

「動き...辛い?」

 

Wの左側の動きがおぼつかなくなったと思えば、そのまま変身解除してしまう。俺も少しふらつく。

 

「エクストリームが⁉︎強制変身解除されるなんて...」

 

「あ痛てて...体の自由が...?」

 

翔太郎は足腰に力が入らないような感じで膝をつく。さらに、頭には白髪が。

 

「え?」

 

『そう、それが正しい反応だ』

 

「貴様、何をした⁉︎」

 

『TRIAL』

 

トライアル!

 

トライアルに変身しオールドドーパントを倒そうとする。

 

『おっと、ここはまず退くか。じゃあな!』

 

けれどオールドドーパントは、トライアルに変身しきる前に波動に沈むように姿を消してしまった。

 

「逃げ足の早いやつ...!」

 

「あ~...」

 

「翔太郎君!どうしちゃったの⁉︎」

 

「え、今何ておっしゃった?」

 

随分と老けてしまっている。耳まで遠くなってしまったようだ。なら俺も...

 

「戦兎君もちょっと老けてる⁉︎」

 

「ちょっと喰らっただけでもここまでなるか...」

 

変身解除すると、亜樹子から反応が返ってきた。やはり俺も少し老化していたようだ。

 

「ドーパントの、赤い波動の影響か?あの攻撃、確か前にもどこかで...」

 

フィリップの脳裏に甦るのは、テラーの波動攻撃。

 

「あれによく似ている!」

 

その時、目の前の道を横切るシュラウド。

 

「シュラウド⁉︎」

 

「え?」

 

翔太郎と亜樹子と俺を置いて、すぐさま追いかける照井とフィリップ。

 

「渋~いお茶が飲みたいのう...」

 

翔太郎は趣味嗜好まで爺さんになってしまっていた。俺も完璧に喰らっていたら、ああなっていたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは老人となった翔太郎を抱えてなんとか事務所に戻ってきた。俺の体も少し老けて三十代後半くらいになっていた。翔太郎と比べると軽度だが、戦いになったら困りそうだ。

 

「お~い!探偵いるか?近くまで来たから、そのシケた面見に来てやったぞ~!」

 

真倉が事務所に入ってきた。

 

「おうマッキー。相変わらず騒がしいのう」

 

「少しでいいからもう少し静かに入って欲しいな」

 

「...誰?あのおじいちゃん。あとそのおじちゃん」

 

「翔太郎君と戦兎君」

 

「探偵⁉︎それに科学者⁉︎またまた...」

 

ちっとも信じていないようだ。まぁ仕方ない。

 

「ちいと、肩もんでくれんかのう?」

 

「はい!」

 

翔太郎が肩を揉むように要求し、それに答える真倉。

 

「もっと強く!」

 

「あ~もう...はい、行きますよ!」

 

真倉って年寄りには意外と優しいのか?

 

「強すぎじゃ!」

 

お〜老人になっても意外とパワフルだな。真倉がドア向こうまで吹っ飛ばされていった。それと入れ替わるように入ってきたのは、切迫した様子の依頼人であるよしえ。

 

「調査の方どうなりました!?早くみゆを元に戻してください!このままじゃ、せっかくの舞台の主役が!もう!」

 

ひどく取り乱している。

 

「よしえさん、落ち着いて!犯人は分かりましたから」

 

「誰です⁉︎」

 

「老けさせ屋...と名乗る占い師。人間を老人に変えてしまう、復讐代行業者です」

 

「復讐...?それじゃあ、うちのみゆが誰かに恨まれてるって事ですか?」

 

「心当たりは?」

 

「見当もつきません...」

 

「久美ちゃんって子のお母さんとかは...?」

 

「光子さんですか?とても親切な人ですけど...」

 

「それはどうかなぁ~...?一緒に行って、確かめてみません?」

 

「はい...」

 

「僕はあのドーパントについて検索してみる。翔太郎たちを、元に戻す方法も見つかるかもしれない」

 

「じゃ、俺はこの辺で...」

 

「マッキーは、しばらく翔太郎君の世話をお願い」

 

「え~⁉︎」

 

帰ろうとした真倉がとばっちりを喰らう。南無三。頑張れ。

 

「腰、もんでくれんかのう?」

 

「腰⁉︎もう...」

 

嫌がりながらも、しっかり面倒は見てやる真倉。

 

「俺はまだ動けるからな。着いていくよ」

 

歳はとったがまだ現役。翔太郎が戦えないなら、少しは動ける俺がやるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜樹子が疑っている人、光子の家を訪れた俺たち。

 

「ここです」

 

「あ、みゆちゃんのママ!」

 

玄関先には娘だと思われる女の子がいた。

 

「久美ちゃん、お母さんはいる?」

 

「はい!でも今、お客さんが...」

 

「ではまた、ご用の時は」

 

そう言っているそばから、客人とともに出てきた光子が出てきた...ってあいつ!

 

「老けさせ屋!」

 

「おう!この間、俺を罠にかけた姉ちゃんか」

 

「よくもいけしゃあしゃあと...このインチキ占い師!覚悟なさい」

 

「覚悟するのは、そっちだろ?」

 

『OLD』

 

老けさせ屋はメモリを挿してオールドドーパントに変身する。

 

『本日は出血大サービス!50年コース無料体験だ。婆さんになっちまいな...』

 

まずい、早く変身をしなければ。そう思いビルドドライバーを腰につけたその時。

 

「本当、最悪の人間」

 

「フィリップ君!」

 

フィリップがやってくる。

 

「許さないよ」

 

『おう、勇ましいな!』

 

狙いを変えたのか、フィリップを追いかけて始めるオールドドーパント。

 

「ファングで戦えるのか...?っとと、変身しないとな」

 

『HAZARD』

 

ハザードメモリを起動してマキシマムスロットに挿そうとする。

 

「…いや、やめとこう」

 

今の体でハザードの出力に耐えられるかわからない。ラビラビなら乗っ取られる暴走の危険はないが、力に体が追いつかない暴走ならあり得る。

 

「それなら...こい!クローズドラゴン!」

 

二体のクローズドラゴンが飛来する。

 

『CROSS-Z DRAGON』

 

クローズドラゴン!

 

メモリバーン!

 

クローズマグマ!

 

「変身!」

 

極熱筋肉!クローズマグマ!

アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!

 

クローズマグマに変身し、ソレスタルパイロウイングで空を飛びオールドドーパントを追う。出力に耐えられるギリギリまでしか引き出せないため、本来より速度は少し遅い。ボルケニックモードにはなれそうにない。

 

「見つけた!」

 

フィリップを追うオールドドーパントを空中から見つけ、そのままマグマライズドラゴンを呼び出して突撃させる。

 

「枯れ木は燃えちまいな!!」

 

枯れ木というか老木?のオールドドーパントに直撃し、大きく燃え盛る。それを見届けながらフィリップの近くに降り立つ。

 

「ファングいけるか?」

 

「ああ、ファングジョーカーなら、戦える可能性はある」

 

スタッグフォンをとり、翔太郎に連絡を試みる。

 

「…全然出ない」

 

「耳が遠くなってて気づかないのか?っとと、俺は時間稼ぎしないとな」

 

やはり威力が落ちている。ミュージアムのドーパントなのもあって効果が少し低い。だからさっきの攻撃でも見た目よりかは効いていない。

 

マグマナックルを持ち、オールドドーパントを殴って時間稼ぎをする。あの老化する波動攻撃は空を飛んで避ける。

 

『あー...もしもし?』

 

「翔太郎、ファングに変身だ!」

 

『あ~?よく聞こえませんが』

 

「早く!ピンチなんだ!」

 

『すばしっこい奴め!』

 

「当ててみな!」

 

くっ、流石に遅すぎる。早くメモリを挿してくれ翔太郎!当たったら終わりの攻撃を避け続けるのは難しすぎる!

 

ちょうどその時フィリップのダブルドライバーにジョーカーメモリが転送され、同時にファングメモリも到着する。

 

『FANG』

 

「変身!」

 

ファング!ジョーカー!

 

「やっと変身できた」

 

変身に成功し、燃え盛るオールドドーパントをアームファングで斬りつける。

 

「行けるか?」

 

「ああ」

 

「じゃあ俺が空から牽制する。トドメは任せたぞ」

 

そうフィリップに伝えて空に戻る。威力は弱くとも、圧倒的な熱量と数をばら撒き、注意を引くことはできる。加えて、ばら撒いた炎やマグマでWの姿を隠すこともできる。あくまで俺のすべきことは牽制。トドメを刺すことではない。

 

「ハッ!セリャッ!!」

 

マグマライズドラゴンの裏に隠れたWのアームファングがオールドドーパントに直撃する。よろけながらなんとか反撃したオールドドーパントの攻撃は、すでにWが移動していたため空を切る。そして背後から来ていたショルダーファングのブーメランに気づくこともなく、直撃する。

 

『んぐっ⁉︎二対一は卑怯じゃねぇの?ムカつくねぇ!』

 

「本来なら三人なんだけどねぇ。照井はどこで何をしてんのやら...さぁ、挟み撃ちだ。行くぜ?」

 

『俺に挟み撃ちは通用しねぇぜ?ほらよ!』

 

両側から同時に攻撃しようとした瞬間、オールドドーパントは周囲にあの波動攻撃をばら撒く。忘れていた。こいつは後ろにも顔がある...!

 

「危ねぇ!フィリップ!」

 

ソレスタルパイロウイングを展開し、急いでWを抱えて空に逃げる。しかし、その足にはあの波動がまとわりついていた。

 

「ぐっ!ぐぅ...」

 

さらに体が老化してしまい、クローズマグマの出力に耐えきれず変身解除してしまう。

 

「戦兎!」

 

変身解除してしまったため、当然自然落下し始める。俺がWを抱える形から、Wが俺を抱える形に変わりそのまま着地する。

 

「僕にはあの波動が効かないのに...なんて無茶を!」

 

「万が一があったら困る...からな。クローズドラゴン、フィリップを手伝ってやれ」

 

『あとはお前を爺さんに変えてやるよ』

 

「くっ...お前!」

 

Wがアームファングでオールドドーパントを斬りつける。先ほどまでのダメージが効いていたのか、一人でもなんとか戦えた。

 

『HEAT』

 

ドラゴンメモリを入れていた方のクローズドラゴンにヒートメモリをセットして火球攻撃をさせる。

 

「こ、このままならいける...かのう...?」

 

まずい。思考がうまく動かない。頭までおじいちゃんになってきた...

 

「何だ⁉︎」

 

よく見ると、Wの動きが急に悪くなっていた。主に、左半身が。

 

『ほれほれ、効いてきたかな?』

 

『あー...何かわし、眠くなってきた...』

 

「翔太郎⁉︎起きろ!寝ちゃ駄目だ!」

 

寝そうになっている翔太郎を起こそうとするフィリップ。しかし、そんな隙を見逃すはずがない。

 

『おう、さっきの勢いはどうした?』

 

いやらしい笑いを浮かべながら、W追い詰めるオールドドーパント。しかし、それよりも目を引くものが、フィリップにはあった。

 

「シュラウド...!」

 

『さて、そろそろ終わりにするか!』

 

トドメとばかりに波動を送り込んでくるオールドドーパント。

 

『それ、スペシャルコースだから。触ったら確実に冥土に行けるぜ?』

 

どうにか転げまわって回避するW。

 

「やはり、こいつを倒すには究極のW、サイクロンアクセルエクストリームになるしかないのか⁉︎」

 

耳慣れない単語。だめだフィリップ。今は戦いに集中しなければダメだ...!

 

「翔太郎...!」

 

『眠い...おやすみ』

 

「やっぱり、今の翔太郎の状態では戦えない...!」

 

「やだ、一方的にやられちゃってるじゃない!」

 

やってきた亜樹子が俺を抱え上げながら言う。

 

『占いしてて気付いたよ。人は自分の幸せと同じぐらい、他人の不幸を願ってるってな!』

 

「お前だけは...絶対に許さない!」

 

『何だ、この鳥は⁉︎』

 

エクストリームメモリが飛来してオールドドーパントに直撃する。しかし、あまり効果がない。

 

『俺はこれからも商売を続けるぜ。人の恨みを晴らし続けてやる!へへへ...』

 

いやらしく笑いながら、オールドドーパントは地面に沈むように姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ポカポカとした昼下がり...天気はいいし、風は穏やか。まさに天下泰平、ハードボイルドじゃ...」

 

「そうじゃのう...いい天気だし...実験日和じゃあ!ヤングメモリでも作ってやろうかのぅ!」

 

「どこがハードボイルドよ⁉︎どこが天下泰平よ⁉︎それに戦兎君も実験ってお爺ちゃんになってもめっちゃ元気じゃん!...フィリップ君!翔太郎君がアレじゃあ勝てるわけ無いよ~!あのドーパント強いし。竜君もどっか行っちゃったきりだし」

 

「照井竜...究極の、W」

 

フィリップは何か考え事をしているようだ。究極のWとはなんだろう。エクストリームではないのか。

 

「おお、できたわい」

 

何をしてるかと思えばダブルドライバーへのジョーカーメモリ挿入の練習をしていた。なるほど、メモリを入れるのに手間取ってたからあの時変身が遅れたのか。

 

「あら、みゆちゃん。そちらのおばあちゃんは?」

 

依頼人の娘であるみゆがやってきた。もうひとりおばあちゃんを連れて。

 

「久美ちゃん...」

 

「久美ちゃん?って、もしかして...」

 

「また老けさせ屋の仕業か...?」

 

「でも、それじゃあ復讐を頼んだのは」

 

「うちのママ...久美ちゃんのママを、絶対に許さないって言ってたから...」

 

まさに復讐の連鎖。止めるには、あのオールドドーパントを倒すしかない。

 

「ああ、ああ、ああ...2人とも、かわいそうになぁ」

 

「なら行くぞ翔太郎や。あの老けさせ屋を倒しに行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうおう、ようやく見つけたぞ!」

 

「もう老けさせ屋は廃業じゃ!」

 

「おいおい、俺に勝てると思ってんの?」

 

「勝てる!さあ、お前の罪を...数えるんじゃ!」

 

杖を手に、老けさせ屋を殴打するジジイ翔太郎。意外と効いている。

 

「強いじゃない!」

 

「ハハッ、若い奴にはまだまだ...負けんわい!」

 

そう言う割に息が上がっている。俺も戦わないとな。

 

「クローズドラゴン!行くのじゃ!」

 

二体のクローズドラゴンが炎を吐く。

 

「あちち...!こいつ...調子に乗りやがって!」

 

『OLD』

 

『スペシャルコース、あと50年追加だ。一瞬であの世に送ってやるぜ!』

 

オールドドーパントに変身し、翔太郎に再び老化攻撃を加えようとする。そんな所で到着する2台のバイク。照井とフィリップを乗せたバイクだ。

 

「竜君!」

 

「待たせたな」

 

『ACCELE』

 

「変...身!」

 

アクセル!

 

アクセルへと変身し、オールドドーパントを引き離すアクセル。

 

「翔太郎!僕らも変身だ!」

 

「早く!真ん中で合ってるから。ほら、いつもやってるでしょ?」

 

「俺も...二本じゃ無理そうだからワンサイドで行こうかのう...」

 

「どっちでもいいから早く!」

 

ドライバーを震える手で腰につける。

 

「行くよ!」

 

『CYCLONE』 『RABBIT』

『JOKER』   

 

「変身!」「「へ、変身」」

 

サイクロン!ジョーカー! ラビット!

 

それぞれWとビルドに変身する。

 

「ままま、待たんか~い!」

 

オールドドーパントと交戦中のアクセルに助太刀をする。

 

「おお...照井、大丈夫か?」

 

『まずは2色の方から片付けてやる!』

 

Wに狙いを絞って、老化攻撃を繰り出してくるオールドドーパント。それを守るように、アクセルが前に出て攻撃を受ける。

 

「よく見ていろ、シュラウド。憎しみのダブルなど...必要ない!」

 

『何だこいつ⁉︎』

 

アクセルは攻撃に耐えながら距離を詰め、オールドドーパントを捕まえる。俺も攻撃を避けて背後からドロップキックを叩き込んでいた。そのあと尻餅をついてしまったが。

 

「今だ!左!フィリップ!」

 

『ああ!』

 

「よっしゃ!エクストリ~ム!」

 

エクストリーム!

 

飛び上がり、空中でエクストリームに変身するW。

 

プリズムビッカーを取り出し、そのまま落下しつつ斬りつける。

 

『TRIAL』

 

トライアル!

 

「俺はダブルではなく、仮面ライダー...アクセルだ!」

 

何があったのかは知らないが、カッコいいのぅ...

 

『ENGINE』

 

エンジン!マキシマムドライブ!

 

エンジンブレードのマキシマムドライブを発動させると同時に、トライアルメモリのマキシマムも起動する。そしてトライアルメモリを放り投げる。

 

トライアルは目にも留まらぬ速さでオールドドーパントを滅多切りにする。

 

トライアル!マキシマムドライブ!

 

トライアルメモリを掴み取る。指す時間は9.2秒。

 

「絶望が、お前のゴールだ...!」

 

オールドドーパントを見事メモリブレイクする。

 

変身を解くと、俺も翔太郎も元の姿に戻っていた。

 

「戻った...」

 

「やったぁ!翔太郎君も戦兎君も若い!」

 

「おう亜樹子!照井、フィリップ、世話かけたな」

 

「いつもの事さ」

 

「いつもってそれダメじゃね?」

 

照井は、シュラウドの前へ歩いて行く。いたんだ。

 

「俺の家族の墓に白い花が手向けられていた...あれは、あなたが手向けてくれたんだろう?あなたは...井坂に俺の家族を襲わせる所までは企んでいなかった。違うか?」

 

「私は...井坂の、テラーを倒したいという願望を知って、彼にメモリを渡した。でも、彼があそこまでの怪物とは予想できなかった...まさか、あなたの家族や、他のあんなに多くの人の命を奪ってしまうなんて...ごめんなさい」

 

「もう、あなたは...誰も傷つける必要はない」

 

シュラウドを許す照井。

 

「俺達が園咲琉兵衛を倒す。仮面ライダーとして」

 

「分かった。私はもう、何もしない...」

 

そう言って立ち去るシュラウドだが、一度立ち止まって話し始める。

 

「葛城巧...あなたはテラーと戦うべきではない」

 

「…なに?」

 

「どうして恐怖が消えたのかわからないけど...あなたは特異体質ではないのだから。あなたはあなたのすべきことをなさい」

 

「すべきこと...おいシュラウド。お前、何を知っている?」

 

「記憶がない...?...仮面ライダー達、頑張りなさい」

 

またシュラウドは歩き出す。それを見て、もやもやと迷っているフィリップ。

 

「行けよ」

 

翔太郎が背中を押してやると、ようやくシュラウドを追うフィリップ。けれど、角を曲がると既にシュラウドの姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「事件は解決した。もっとも今回、あまり俺の出番はなかったが。あの親子も笑顔を取り戻した。そしてシュラウドも...いや、フィリップの母親も、きっと救われたと信じたい」

 

翔太郎が報告書を書く。

 

「雨降って、地固まる、か...」

 

スリッパ攻撃が炸裂する。

 

「あ痛!」

 

「何ジジ臭いこと言ってんのよ」

 

「おい亜樹子!いきなり殴るこた無えだろ!」

 

「だって仕方ないでしょ?ずっと我慢してたんだから」

 

「普段からやめてくれ...」

 

「何だと...?こら、亜樹子!」

 

翔太郎が亜樹子を追いかける。

 

「キャ~、竜君助けて~!」

 

ピタリと照井にくっつく亜樹子だが、照井はニヤリと笑うばかりで拒絶せず。

 

「...何だその、甘~い雰囲気は。おい照井、どういう事だ?」

 

「俺に質問するな」

 

汎用性高いなそのセリフ...

 

「あ、おいフィリップ、大変だ。デキてる」

 

「ねえ似合う?似合う?」

 

「相変わらず騒がしいけど、やっぱりこの事務所はこうでなきゃ」

 

「そうだな」

 

俺たちが老人になった時、えらく静かだったからな。騒がしいくらいがちょうどいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、AからZのメモリを乗せたヘリコプターが町の外に向けて飛び立った。

 

そして、爆発し、メモリがばら撒かれた。




戦兎だったら年老いても色々作るんだろうなぁ...

鴻上会長なりジョージ狩崎なり年老いても何かしでかす人は多いからなぁ...
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