仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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10063字。

映画回です。


AtoZ/運命が引き寄せられる

「つ、冷た!なんだいったい...」

 

事務所にいたら、急に翔太郎が叫んだ。おかげでこっちまでびっくりした。

 

「どうした翔太郎」

 

「急に背中がひんやりと...ってなんだこりゃ!」

 

翔太郎が天井を指差すと、そこには小さな穴が空いていた。そこから雨でも入ってきたのだろう。

 

「あそこって前に石動が開けた穴だよな...塞いだはずだけどなんでまた開いてるんだ?」

 

「知るかよ」

 

石動が嫌がらせでもしてきたのだろうか。いい迷惑だ。

 

「とりあえず何かで塞いどくか...ブルーシートある?」

 

「いや、なかったはずだ」

 

「そっかぁ...じゃあぱぱっと買ってくるか」

 

「雨の中わざわざ行くのか?」

 

「ずっと雨が入り込むよりかはマシだろ。それにジメジメしてると実験に支障が出そうだしな。行ってくる」

 

そう言って俺は外に出たのだが...

 

「うっそだろめっちゃ晴れた...」

 

事務所を出てから数分。さっきまでの雨が嘘だったかのような晴天。こんなことならもう少し待ってから出ればよかった。

 

「まぁとりあえず買ってくるか。さっさと買って帰ろう」

 

急ぐ必要もなくなったので、ゆっくりと歩いて向かう。

 

その時、突如として町に悲鳴が響く。

 

「…懐かしいなこの感じ。またサイエンスのドーパントか!」

 

腰にビルドドライバーをつけながら走る。この道を曲がれば...って、え?

 

「なんだあのドーパント...サイエンスじゃない?」

 

ドーパントはロケットのような形をしており、無差別にミサイルのようなものを乱射していた。

 

「ロケットドーパントか?でもロケットメモリは俺が持ってるし...よくわからんが倒すしかないか」

 

『PANDA』『ROCKET』

 

パンダ!ロケット!ベストマッチ!

 

ロケットドーパントなら空も飛べるかもしれない。ラビラビよりも、同じメモリを使った方がよさそうだ。

 

「変身!」

 

ぶっ飛びモノトーン!ロケットパンダ!イェーイ!

 

左腕のロケットを展開し、無差別に暴れ回るロケットドーパントに突っ込んで空まで吹っ飛ばす。ロケットドーパントは空中で体勢を整えると、真下にいる俺に向かってミサイルを連射する。

 

「町には落とさせない!」

 

右手のジャイアントスクラッチャーでこちらに向かってくるミサイルを全て斬り飛ばす。斬ったミサイルは背後で爆発するも、そのエネルギーを利用して速度を上げ、ロケットドーパントを大きく斬りつける。

 

「さっさと終わらせる!」

 

パンダ!ロケット!マキシマムドライブ!

 

ボルテックフィニッシュ!

 

先ほどの攻撃を受けて墜落していくロケットドーパントに向かって急降下し、ジャイアントスクラッチャーで首を一気に斬り裂く。ミュージアムのドーパントでも流石に今の攻撃は効いたのか、無事にロケットメモリが左腕から排出されて男が落下していく。

 

「っとと、キャッチっと」

 

そのまま落ちたら死ぬので落下していく男をキャッチして地面に下ろす。

 

「あとで照井に来て連行してもらおう...あいてっ!」

 

何かが落ちてきて頭に当たった。なんだいったい。

 

「これって...ロケットメモリ?なんで壊れてないんだ...いや違うな。俺がメモリブレイクできないだけか。でもこのまま握り潰せば...!」

 

Wやアクセルが、握りつぶしてメモリブレイクしているのを何回か見てきた。俺のマキシマムではミュージアムのメモリを排出させるのが限界だが、流石に握り潰せば壊せるはず。そう思い、左腕のロケットを解除してメモリを握り込み力を込めるも、なかなか壊せない。

 

「俺だと握っても壊せないのかこれ...?Wに壊してもらうか」

 

俺はとりあえず警察に通報すると、ブルーシートだけ買ってさっさと事務所に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっす翔太郎!買ってきたぞーブルーシート。あっ、蓋すんのは俺がやっとくからこれ壊しといてくれる?」

 

ロケットメモリを投げ渡す。

 

「ん?なんだこのメモリ。ロケットってお前のじゃなかったか?」

 

「なんか知らんけどそれミュージアム製っぽい。俺には壊せなかったからWで壊しといて」

 

「お、おう...このメモリ、俺たちのガイアメモリとそっくりだな...」

 

メモリは翔太郎たちに任せて、俺はブルーシート片手に事務所の屋根を登る。とりあえず適当に塞いで終わりだ。ちゃんと塞ぐのは今度業者の人を呼んでやってもらおう。

 

「こっちは塞げたぞ。そっちはメモリ壊せたか?」

 

塞いでる間ジョーカーやらなんやらのメモリの音が聞こえたから、変身したはずだけどどうだろう。

 

「色々試してみたが...壊せなかった」

 

「壊せない?」

 

「これ本当にミュージアムのメモリなのか?俺たちでも壊せないならサイエンスのだと思うんだが。ほら、ラビットとタンクのメモリが二つあったようにロケットも二つあったとか」

 

「いや、それはない。ドーパントを倒した時左腕からメモリが出てきたんだ。サイエンスのメモリは全て首に挿さないとドーパントにはならない。首以外から出た以上、ミュージアムだと思うんだけど...」

 

よくわからない。もしかしたらサイエンスが首以外にも挿さるメモリを新しく作ったのかもしれないし、ミュージアムがメモリブレイクできないメモリを作ったのかもしれない。まぁ多分このどっちかだろう。

 

「ん?照井から連絡きた。なんだろ」

 

あの男を連行してくれたんだろうか。

 

「よぉ照井。あの男捕まえてくれたのか。それでなんの用だ?」

 

『ロケットドーパントの男を取り調べしていたんだが、どうやら変身中の記憶がないらしい』

 

「記憶がない?メモリに意識を乗っ取られてたとかそういうことか?」

 

『俺に質問するな。聞かれてもわからん』

 

「まぁ、そりゃそうか...メモリをどこで手に入れたとかは話してたか?」

 

『拾ったそうだ』

 

「拾った?」

 

ガイアメモリが落ちてるとか怖すぎる。

 

『落ちているメモリを拾ったら、勝手に体の中に入ったそうだ。そして、それからの記憶がないらしい』

 

「勝手に体に入るメモリ...か」

 

『それと、同様の事件が既に多数起こっている。一般には出回っていないはずのウェザーに青いナスカまでいた。他にもメモリがあると見ていいだろう』

 

「情報提供ありがとう照井。こっちでも調べてみるよ」

 

電話を切る。どうやら、結構面倒な事件に巻き込まれたようだ。

 

「どれだけあるのかわからないけど...探しに行くぞ」

 

というわけで、俺たちは謎のメモリ探しに行くことになった。翔太郎たちとは別行動である。メモリブレイクの必要がないのなら、俺だけでもなんとかできる。

 

「と言ってもどこにあるのかわからないんだよなぁ...ドーパントだったら見つけやすいけどメモリは小さくてわかりにくいし」

 

海とか川とかに落ちてたら面倒だ。オウムがドーパントになったこともあったし、魚とかがドーパントになってる可能性もある。

 

「…一応海いっとくか。オクトパス使えば海入れるし」

 

川沿いの道を歩きながら海へと向かう。道路や木の上、川などキョロキョロと辺りを見ながら歩く姿は軽く不審者だ。職質されて『メモリを探してる』とか言ったらこの町じゃ一発で御用だろう。

 

「おっ、見つけてくれたか。ナイスだクローズドラゴン」

 

木の上なんてどうやって探してるんだと思う人もいるだろうが、答えは簡単クローズドラゴン。メモリくらいの小さなものなら自分で咥えて持ってきてくれる。

 

「んー、バードメモリか。前に翔太郎が倒してたっけ」

 

こんな感じで見つけられるなら結構簡単に集められそうだ。とりあえず、当初の目的通り海まで歩いていく。

 

「海着いたー!ってか何やってんだろあれ。ゴミ拾いのボランティア?」

 

海に着くと、海岸は多くの人で賑わっていた。海開き前のゴミ拾いなのだろう。もしかしたら既に見つけてくれているかもしれない。

 

「あのーすみません。えっと...USBメモリみたいなの落ちてませんでしたか?」

 

とりあえず適当に聞いてみる。

 

「そういうのは...まだ見つけてないよね?」

 

「そうっすねー」

 

「そうですか...」

 

「それってなんなんです?落とし物かなんかで?」

 

「まぁそんな感じです。自分も探すんで見つかったら教えてくれると助かります」

 

まだ見つかってないなら仕方ない。まぁここにない可能性も十分あるからしばらく探してなかったら別のところに行こう。

 

「…ん?おにーさん!探してるのってこれ?」

 

さっき話してた人が遠くから大きな声で知らせてくれる。その手にはメモリのようなものが握られていた。

 

「あっ、多分それでーす!ありがとうございまーす!!」

 

見つけてくれて助かった。そう思ったその時だった。

 

『OCEAN』

 

「えっ?」

 

男の手に握られていたオーシャンメモリが勝手に起動し、男の体に入り込む。

 

「っ!くそっ!勝手に入るの忘れてた!」

 

男の体がドーパントに変化し始める。それを見た周りの人が、悲鳴を上げながら拾い集めたゴミの袋を投げ捨てて逃げていく。

 

『OCTOPUS』『LIGHT』

 

オクトパス!ライト!ベストマッチ!

 

「変身!」

 

稲妻テクニシャン!オクトパスライト!イェーイ!

 

オクトパスライトに変身する。海に逃げられた時用だ。けれど、オーシャンドーパントは海には入らず、そのまま砂浜に染み入るように消えていった。

 

「液状化⁉︎砂の中に入り込みやがった!」

 

オーシャンドーパントは砂の中を縦横無尽に動き回り、時々体を出して水の弾丸を放ってきた。速すぎて追いつけない。出てきたところを狙おうにも、位置がわかって反撃しようとした瞬間に隠れられる。

 

「速さならラビラビで...いや、まだやれるか!」

 

右足のカラストンビシューズから水流を出し、その推進力で無理やり空に飛び上がる。

 

「どこからくる...?」

 

オーシャンドーパントが出てくるのを待つ。

 

「来た!捕らえろ!」

 

砂浜の中から体を出して空中にいる俺に向かって水の弾丸を放ってくるオクトパスドーパントを、すでに切り離しておいたフューリーオクトパスで捕らえる。フューリーオクトパスは自立型のユニットであり、保護色で砂浜に潜んでいたのだ。

 

「タコ殴りじゃオラァッ!」

 

地面に降り立ち、捕らえたオーシャンドーパントを殴りまくる。切り離したフューリーオクトパスを右手のBLDカーティレイジグローブに装着し、8倍になった腕力で殴り抜く。

 

オクトパス!ライト!マキシマムドライブ!

 

ボルテックフィニッシュ!

 

墨を吐いてオーシャンドーパントを閉じ込める。その墨をライトの電球でさらに包み、爆発させる。

 

「これでオーシャンゲットっと」

 

排出されたオーシャンメモリを回収する。

 

「これからはメモリ見つけても触らせないようにしないとな...」

 

とりあえずここから離れよう。騒ぎになっちゃったし、同じところにメモリがある可能性は低い。そう思って俺はメモリを探しに移動する。

 

「んー...バードにオーシャンにロケット、ウェザーとナスカもいたんだっけか...BにOにRにWにN...もしかしてアルファベット一つずつなのか?それだったら26個で終わりになるしそうであって欲しい」

 

せめて数さえわかっていれば精神的に楽になるのだが。

 

「あと一つか二つくらい見つけたら一度事務所戻るか」

 

そう思った矢先。

 

「おっ、メモリあんじゃん!」

 

それを拾い上げようとした時、ロックメモリが懐からこぼれ落ちる。

 

「…ロックメモリほとんど使わないから奥の奥にしまってたはずなんだけどな。引き寄せられた?」

 

原因と見られるメモリを拾い上げる。

 

「Kのメモリ...ロックが引き寄せられたってことはキー、鍵のメモリってことか?」

 

こんなメモリまであるのか。というかメモリ同士が引き寄せられるなんてことあるんだな。いや、サイエンスメモリにはベストマッチとかあるしメモリ同士の相性があっても不思議じゃないか。

 

「よーしじゃあ一旦事務所に...はぁ」

 

クローズドラゴンが何かを見つけてきたようだ。具体的に言えばドーパント。

 

「しょうがねぇな」

 

ビルドドライバーを腰につけながら走る。クローズドラゴンに導かれて見つけたのは一本角を生やした馬のようなドーパント。

 

「ふむ、あれは見た目でわかるな。ユニコーンドーパントか」

 

ユニコーンドーパントは、ロケットドーパントやオーシャンドーパントのように、ただ暴れているだけだった。勝手に変身させられたためだろうか。

 

「ユニコーンのベストマッチは...消しゴムだっけか」

 

『UNICORN』『KESHIGOMU』

 

ユニコーン!消しゴム!ベストマッチ!

 

「変身!」

 

一角消去!ユニレイサー...イェイ...

 

ユニコーンドーパントが変身中にもかかわらず頭のツノで突き刺そうと突進してきた。それをギリギリで避けると、俺は消しゴムメモリの力を使って自分の姿を消す。

 

「初めてユニレイサーになってみたけど結構便利だなこれ。石動とか佐藤太郎には効きそうにないけどドーパント相手には全然使えるな」

 

姿を消しながら、右手のユニコーンのツノでユニコーンドーパントを突き刺す。見えない相手になすすべもなくやられるユニコーンドーパントは、マキシマム無しでメモリが排出された。

 

「ユニコーンゲットっと」

 

今まで使ってこなかったベストマッチフォームは幾つもある。その中にも結構使えるのあるんだな、と再確認した。まぁ、それは今考える問題じゃない。とりあえず集めたメモリを持って事務所に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たっだいまー!って誰?この人」

 

事務所に戻ってきたら、なんか知らない女の人がいた。

 

「この人はマリア・S・クランベリーさん。こくさいとくむ...なんだっけ?」

 

「国際特務調査機関員。NEVERという傭兵集団を追ってこの風都にきたらしい」

 

「へーそんな人が...もしかしてメモリ関連?」

 

その後、翔太郎やマリアから今回の事件について聞いた。T2ガイアメモリやNEVERのことなど。けれど、俺は別のことを考えていたため、さわりの部分しか覚えていなかった。

 

「あの...すみませんマリアさん、ちょっと聞いていいですか?」

 

「…なんでしょう?」

 

「前に会ったことあります?」

 

「…多分ないとは思いますが、世界中を回っているのでどこかで知り合った可能性はありますね」

 

なんか見覚えあるんだよなこの人...山城博士と似たような感じがする。

 

「そうだ翔太郎。ほれ、四つメモリ回収したぞ」

 

マリアが事務所を出た後、回収したバード、オーシャン、キー、ユニコーンのメモリを取り出す。

 

「結構集まったな」

 

「あと残ってるのは...10個くらいか?」

 

さっきの話でメモリが26個なのもわかった。やはりアルファベットに対応していたらしい。残るメモリはA、C、E、H、J、L、M、Q、T、X、だ。

 

「おう、おう、わかった」

 

「ん?誰からだ?」

 

俺がメモリを数えているうちに、翔太郎に電話がかかってきていたようだ。

 

「クイーンからだ。メモリを集めてくれたみたいだ」

 

というわけで俺たちはクイーンとの待ち合わせ場所に向かった。

 

「はいこれ」

 

クイーンが渡したメモリは、A、Q、Xのメモリ。それぞれアクセルとクイーンとエクストリームのメモリみたいだ。エクストリームってEじゃないのか...というかT2ガイアメモリって適合者のもとに引き寄せられるって話だったけどアクセルは照井のところに行かなかったんだな。

 

「クイーン!そのメモリ離せ!」

 

そんなことを考えていると、クイーンメモリが吹き飛んでいった。よく見てなかったけど何があった?飛んでいったメモリはちょうどバイクでやってきた女が見事にキャッチした。

 

「おぉ〜、そこの美人!ちょっとそれ、返してくれる?」

 

キザったらしく近寄り、メモリを返してもらおうとする翔太郎。しかしその手は女の腕を掴むことになった。

 

「冷てぇ...!」

 

「言ったね?気にしてること」

 

女は唐突に翔太郎を突き飛ばし、回し蹴りを放つ。

 

「翔太郎君大丈夫⁉︎」

 

「何しやがるお前!」

 

「…お前!」

 

よく見れば、その女の顔には見覚えがあった。

 

「大道克己とかいう奴の仲間...!」

 

「あ〜っ!なんか体質合わないっぽい」

 

鎖骨付近にある生体コネクタにクイーンメモリを一度近づけた女は、そのまま放り捨てる。そして新しいメモリを懐から取り出した。

 

「やっぱり私の運命の一本は...最初に出会ったこの子なのかなぁ」

 

『HEAT』

 

「ヒートだと⁉︎Wと同じメモリまであんのかよ」

 

女はヒートメモリを前に放り投げる。ヒートメモリは途中でUターンし、独りでに女の体の中に入り込む。

 

「ヒート...ドーパント!」

 

ヒートドーパントは火球をこちらに一度放つと、バイクに乗って走り去っていった。

 

「追うぞ!フィリップ!戦兎!」

 

『JOKER』 『RABBIT』『RABBIT』

 

「変身!」 「変身!」

 

変身してバイクでヒートドーパントを追う。途中でマスカレイドドーパント?だったか、そいつらが襲い掛かってきたがWが軽くのしてそのまま追い続ける。

 

『TRIGGER』

 

サイクロン!トリガー!

 

サイクロントリガーにハーフチェンジしたWは、トリガーマグナムを連射する。

 

「ヒートが来るぞ!」

 

ヒートドーパントはUターンし、こちらに向かってくる。

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

 

「『トリガーエアロバスター!』」

 

風を纏った弾丸が発射され、ヒートドーパントのバイクを破壊する。しかし、ヒートドーパントはその爆風すらも利用してこちらに近づくと、俺たちにそのまま蹴りを叩き込む。

 

「ぐっ!なんて身体能力だ!」

 

けれど、二対一だ。相手がどれだけ強かろうと、数の差で押し切れる。ヒートドーパントは火球を放ち、炎を纏った足で蹴り込んでくるも、それをラビラビの速さで軽々と避け、逆に蹴りを叩き込む。

 

「さっさとマキシマムで終わらせるぞ!」

 

そう言ってメモリに手をかけるが、思わぬ妨害にあう。

 

「誰だこいつ⁉︎」

 

鉄の棒のようなものを持った筋骨隆々の男が割り込んでくる。

 

「こいつ生身で俺たちと⁉︎」

 

驚くことにこの男は生身で俺たちと渡り合っていた。こいつもNEVERとかいうやつの仲間か!

 

「邪魔だっ!」

 

振られる棒を避け、男の反応速度を超えた速さで蹴り飛ばし、瓦礫の山へと突っ込ませる。男は今の攻撃を受けてなお立ちあがろうとして、何かを拾い上げる。

 

「やっと見つけた...俺のメモリィィ!!!」

 

『METAL』

 

「メタルまで⁉︎」

 

男はメタルメモリを放り投げ、上着を脱ぎ捨てる。メモリは男の背中に突き刺さり、メタルドーパントへと変貌させる。

 

『Wと同じメモリばかりが、あたし達のもとに集まるなんて』

 

さらには黄色い変なドーパントまでやってくる。二対三、形勢逆転だ。

 

『まさか...こいつはルナ?』

 

こいつルナドーパントかよなんか動き気持ち悪りぃ!

 

「トリガーじゃ分が悪い!」

 

『HEAT』『METAL』

 

ヒート!メタル!

 

サイクロントリガーは集団戦には向かない。だからWはヒートメタルにハーフチェンジした。メタルシャフトを持ち、メタルドーパントと戦う。メタルドーパントもメタルシャフトのような棒を持っており、実力は互角に近い。

 

「その動きやめろルナ気持ち悪い!」

 

フルメモリバスターをバスターブレードモードにして、ルナドーパントに斬りかかる。伸びる腕に翻弄されるも、Wのルナジョーカーでよく見た動きだからかまだ対応できている。けれど、一人に集中しすぎるのは良くない。人数で劣っている時の基本だ。

 

「ぐはっ⁉︎」

 

真横からヒートドーパントの蹴りを喰らう。普段ドーパントと戦う時はこっちが人数有利の時しかなかったため、人数不利の戦いの経験がなさすぎた。

 

「まずい...ここは不利だ。ここは逃げてアクセルと合流しよう」

 

『逃すと思ってるの?』

 

『逃さないわよ!』

 

「ヒィッ!気持ち悪!」

 

ほんとなんかルナの動きが気持ち悪い。石動のタコ嫌いが移ったか?

 

「消しゴムのマキシマムでなんとか...!」

 

その時、俺たちの周りに突如として突風が吹き荒れる。突風は竜巻を生み出し、俺たちを巻き上げると、そのまま俺たちをその場から遠く離れた場所まで離脱させた。

 

「いったい何が...」

 

「こいつ...あん時の!」

 

目の前にいたのは、緑色の怪物。さっきの突風からして、サイクロンドーパントといったところか。フィリップのところには行かなかったようだ。

 

サイクロンドーパントは再度竜巻を纏い、どこかへ消えていった。

 

「ドーパントが...俺たちを助けた...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「NEVER...不死身の傭兵集団か」

 

フィリップの検索で分かったこと。それはNEVERが死人で構成されていたことだ。変身前での人間離れした身体能力と、翔太郎が女に触れた時に感じた冷たさなどをキーワードにしてフィリップが突き止めた。

 

「不死身だなんてどうやって倒せばいいんだろう...」

 

俺たちは、とある場所に移動中であった。本部から増員が来るから合流したいというマリアからの連絡で、集めたガイアメモリを持って集合場所に向かっている。

 

「NEVER...ガイアメモリとの財団Xの融資競合先...もしガイアメモリが負けてたらもっとそんな奴が増えていたのかもな」

 

そんなことを考えながら移動して、無事に集合場所に着いた。NEVERに追跡されている感じはなかった。

 

しかし、集合場所にいたのは男一人。

 

「大道...克己⁉︎」

 

「よぉ、兄弟?おまえの事だよ、フィリップ。運命的に誕生した科学の怪物。俺たちは同じ、化け物だ」

 

そう言いながら大道はメモリを取り出す。

 

『ETERNAL』

 

「ドーパント⁉︎」

 

「違う、仮面ライダーだ」

 

大道はもう一つの手でロストドライバーを取り出して腰につける。そしてエターナルメモリをセットし、展開する。

 

エターナル!

 

「仮面ライダー...エターナル」

 

「ふざけんなよ。仮面ライダーはこの街の人達の希望なんだ。戦争屋なんかが名乗っていい名前じゃねえ」

 

「俺は新しい街の希望だ。間違ってはいない」

 

「望まれてなきゃ希望じゃねぇんだよ傭兵野郎」

 

「ここは僕が行く。翔太郎!」

 

「ああ!」

 

『FANG』 『RABBIT』『RABBIT』

『JOKER』

 

「「変身!」」 「変身!」

 

変身してエターナルに接近する。Wが蹴りを、俺はフルメモリバスターで斬りつけようとするが、エターナルの持つコンバットナイフで軽々といなされる。ファングジョーカーの攻撃力を持ってしても、ラビラビの速さを持ってしても全て対応されてしまう。

 

「こいつ...強い!」

 

どう見ても初めて変身したようには思えない。まるで前にもエターナルになったことがあるかのような戦い方だ。

 

「これがエターナル...永遠の力だとでもいうのか!」

 

「こんなものか仮面ライダー!少しは楽しめると思ったんだがな!」

 

コンバットナイフの連撃によりファングジョーカーが解除され、生身のフィリップが転がる。

 

「フィリップ!」

 

「フィリップ!エクストリームだ!」

 

起き上がった翔太郎がジョーカーメモリを構えながら言う。

 

『CYCLONE』『JOKER』

 

サイクロン!ジョーカー!

 

エクストリーム!

 

Wはエクストリームに変身してエターナルに対抗する。プリズムビッカーを取り出し、斬りつけようとするもコンバットナイフで防がれる。

 

「隙あり!」

 

ハザードの力は時間経過で増幅されていく。戦い続ける限り、ラビラビの速さは増幅されていく。その速さで、Wとの戦いに集中しているエターナルの背中を狙う。

 

「セヤッ!」

 

エターナルの背中にドロップキックを叩き込む。

 

「うぐっ⁉︎」

 

「翔太郎⁉︎」

 

俺の蹴りで、なぜかWが吹き飛んでいく。エターナルもよろけるが、見た目以上のダメージは出ていなさそうだ。

 

なぜWが吹き飛んだのか、それはよろけたエターナルの手を見ればわかった。

 

「ナイフを突き立てて...俺の蹴りを利用しやがった!」

 

あらかじめナイフを突き立てておき、俺の蹴りの威力も利用して前に突き出した。蹴られる瞬間に自身も前に移動していたため、エターナルに加わった蹴りの威力も落ちていたということか。

 

「ハッ!」

 

吹き飛ばされ、崖の下に落ちていったWを追いかけるエターナル。それを追って俺も崖を降りる。

 

「大丈夫か翔太郎、フィリップ」

 

「ああ...」

 

「なんとかね...」

 

「エクストリームでも苦戦するか...ならもっと上手く連携を取るしかない。作戦を考える。もう少し時間を稼ぐぞ」

 

対処法さえわかれば倒せるはずだ。フィリップだってエターナルの情報は地球の本棚で全て閲覧できているはずだ。必ず弱点を見つけてみせる。

 

そう意気込んだその時だった。

 

「さぁ、地獄を楽しみな」

 

エターナルはコンバットナイフに付いているマキシマムスロットにエターナルメモリをセットし、ボタンを押す。

 

エターナル!マキシマムドライブ!

 

「「うぐっ⁉︎」」

 

「がぁっ!かはっっ⁉︎」

 

エターナルがマキシマムドライブを発動した瞬間、体に電流が走ったような感覚が走る。そして少しずつ体の動きが鈍くなる。

 

「終わりか...過去の仮面ライダー」

 

サムズダウンのポーズを取るエターナル。その瞬間、俺たちの変身が強制的に解除される。空を飛んだエクストリームメモリも、機能が停止したかのように力無く墜落していった。

 

「メモリの力が...」

 

何度ラビットメモリを押すも、起動しない。

 

「これが...エターナル...メモリを無効化しやがった...!」




わざと変えてるところもあるけど、映画うろ覚えなので構成が変だったり順番がバラバラになってるところがあります。
許して。
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